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Leaf&Key仮想戦記 〜誰彼の葉鍵編〜

1 :7世:2000/11/17(金) 04:13
mentai鯖時代、好評だったけど、いろいろあって
スレが止まってしまったLeaf&Key仮想戦記。

このまま、うやむやで終わるのももったいないので
もう一回、始めて見るのもいいかなと思ってたてました。

>>2から始めます。

2 :プロローグ#1:2000/11/17(金) 04:17
久弥「やっと来たか」
久弥は待ちくたびれたように男を出迎える。
その男の名前は麻枝と言った。
久弥「2時間も待たせやがって、いったいどこをほっつき歩いていたんだ」
麻枝「すまん、仕事で遅れたんだ」
麻枝「でも、どうしてここを待ち合わせ場所に選んだ?」
久弥「ここは、俺にとって思い入れの深い場所だからだ」
麻枝「京阪守口市駅か。ここにどんな価値があるんというんだ」
久弥「俺の栄光の日々はここから始まるんだ。そう、Kanonの舞台のこの場所から」
麻枝「そうか」
久弥「そういえば、新作の話はどうなった」
麻枝「AIR…か。あれは現状としてはシナリオライターが足りない。今、新人のシナリオライターを募集しているところだ」
久弥「新人のシナリオライターだと? そんな物はいらない。俺とお前で十分だ」
麻枝「残念だが、今回シナリオでお前は入っていないんだよ、久弥」
久弥「な、なんだと、なぜだ」
麻枝「俺はKanonで失望したよ。あれはただのONEの焼き直しだ。お前は俺の真似をしているに過ぎない」
久弥「な、なんだと麻枝。俺のKanonの売上を見たのか。世間が俺の実力を認めた証拠だ」
麻枝「久弥、お前は何もわかっていないんだな。もういいよ」
そう言う麻枝の手には銃が握られていた。
久弥「ま、麻枝、何を」
パーン!
久弥の言葉が終わらないうちに引き金は引かれていた。
麻枝「久弥、お前はもう、Keyにはいらないんだよ」

3 :プロローグ#2:2000/11/17(金) 04:20
銃声を聞いた折戸が麻枝の元に駆け寄ってくる。
折戸「やってしまったか」
頭を打ち抜かれ、ベンチに無残に横たわっている久弥を見ながら折戸は言う。
麻枝「仕方が無い、この男は俺の野望にとっては邪魔なだけだ」
折戸「そうか…」
その後、麻枝と折戸は久弥の死体をトランクに入れ、いずこかへと去っていった。

数日後
戸越「麻枝さん、お客さんです」
麻枝「誰だ」
新作AIRの案を練っていた麻枝はだるそうに答える。
せっかくAIRのアイデアがいい所まで思いついていたのに。
麻枝が立ち上がって後ろを振り返ると、そこには見知った顔があった。
麻枝「りょ、涼元…」
涼元「久しぶりだな、麻枝」
麻枝「ど、どうしてここに」
涼元「いや、新作の話題を聞いてね。確かAIRとか言ったかな?」
麻枝「ああ、そうだが」
涼元「そのシナリオの一部、書かせてもらいたくて来たのだが」
麻枝の顔が引きつる。
麻枝「どうして、そんな事を」
涼元「いや、前からここの作品には興味があった。ずっと書きたいと思っていたものでね」
麻枝「シナリオは俺一人で十分だ。他はいらない」
涼元「そんな事を言っていいのか麻枝。俺は見たんだぞ。この前、お前は久弥を…」
麻枝「…見ていたのか、あれを…」
麻枝の額に汗が滲む。
(続く)

4 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 04:21
1000GET!!!

5 :7世:2000/11/17(金) 04:24
プロローグだけ書いてみました。駄文書いてすみません。
でも、せっかくAIRが出たのに終わるのはもったい
なかったもので。

6 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 04:32
いきなりひさぽん殺すなー(w
ちなみに涼元の読みは「SUZUMOTO」だ

7 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 04:34
終了

8 :7世:2000/11/17(金) 04:35
涼元の読み方は『すずもと』です。
間違えました。すみません。

9 :K-2:2000/11/17(金) 04:45
 その日、高橋は出社するなり椎原に銃を突き付けられ、専務室まで連れてこられた。
 専務室には、下川が一人でいて、高橋に憎悪の入り混じった視線を送っていた。
下川「裏切ってくれたな、高橋よ」
 下川は極力感情を抑えて言う。
 だが目には冥い怒りの炎が灯っていた。
高橋「俺が裏切ったですって? 冗談でしょう?」
下川「さてそれはどうだかな。おいっ!」
 下川が指を鳴らすと、奥の扉が開き青紫が縛られた水無月を連れてくる。
 水無月の顔は色がなかった。
下川「こいつが不審な動きを見せていたんで調べてみたら…。簡単に吐きやがったよ」
 下川は水無月に冷ややかな視線を送りながら言う。。
 高橋は後悔していた。
 水無月と組むべきではなかったと。
青紫「失望しましたよ、高橋さん。椎原に駄作を作らせリーフにダメージを負わせた後、自分は逃亡ですか?」
 そう言う青紫の顔には、失望でなく愉悦が浮かんでいた。
 自分を抑えつけている高橋を消し去り、自分がリーフのメインシナリオライターになれると思っていたから。
 逆に、高橋の後ろに立っていた椎原には怒りの表情が浮かぶ。
高橋「くっ…」
 高橋は苦虫を潰したような顔をし俯く。
下川「青紫、こいつらの始末はお前に任せる」
下川は青紫にサイレンサーの装着されたグロックを手渡す。
 青紫は無感動に水無月の頭に向かって、引き金を引いた。
 水無月は頭から脳漿と血飛沫を撒き散らして吹っ飛ぶ。
 高橋は元同僚の頭が炸裂するのを見て失禁した。
高橋「あ…青紫、お願いだ、止めてくれ。お前と俺は友人だっただろう」
 高橋は見苦しく涙を流し、床に額を擦りつけながら命乞いをする。
青紫「ほんとは貴方を殺したくなかったんですけどねぇ」
 真実味を全く関させない口調でそう言い、ニヤついた笑みを浮かべながら、青紫は引き金を引いた。
 高橋の後頭部から血と脳味噌が飛び出した。

10 :K-2:2000/11/17(金) 04:50
訂正
>真実味を全く関させない口調でそう言い
→真実味を全く感じせない口調でそう言い

11 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 04:58
どんどん氏んで行くな。
このまま全員氏ぬのもいいか。

12 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 05:01
この死にまくりペース、
なんか既知街みたいだな(藁

13 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 05:16
続き考えてない一発屋クンほど死なせたがるのでは?

14 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 05:39
殺しでオチつけようとしてるのはつまんねえよ。
あの明太時代の面白さはどこに逝ったんだ?
まぁ明太のときも殺したりしてたけどよ。ここまで露骨じゃなかったぞ。

15 :初代仮想戦記の1:2000/11/17(金) 05:41
>>13
耳が痛いなあ。

16 :乃絵美凌辱職人:2000/11/17(金) 05:49
そして、屍体であふれる葉鍵板。
みんなみんな生き返らせて、
アビ様に出してみたい。

17 :7世:2000/11/17(金) 05:49
>>15
勝手にスレたててすみません。

18 :425:2000/11/17(金) 05:52
ここもか?

19 :初代仮想戦記スレの1:2000/11/17(金) 05:53
>>17
気にするようなことじゃないですよ。

20 :K-2:2000/11/17(金) 05:56
 裏切り者を始末した後、専務室から死体は片付けられ、青紫と椎原も退室した。
 一人になった下川は、椅子に深く腰掛けると深く溜息をついて壁に貼られた京本正樹のポスターを見る。
 正確に言えば、PS版ToHeartのポスターだ。
下川「水無月…。高橋…。俺はお前たちなら最後までいてくれると信じていたんだぞ…」
 下川はそう感慨深げに独りごちると、目を瞑った。
 すると頭の中に、ToHeartの栄光が再び蘇る。
 あのときが一番の最盛期だったのだろうか。
 下川は頭を振って、その考えを打ち消した。
下川「ふん…馬鹿馬鹿しい。水無月も高橋ももう過去の人間じゃないか。奴らのように才能が枯渇した人間はこのリーフに必要ない」
 下川は自分に言い聞かせるように言った。
下川「うちにはブランドイメージと言う強力な武器がある、それを使用すれば奴らより優れた人間など履いて捨てるほど集められるのだ」
 そう自分に言い聞かせているうちに、下川の顔には自信が戻ってきていた。
 それも、些か過剰なほどの自信が。
下川「…それにしても、人とは信用ならぬものだな。人材は余所から引き抜いて使い捨てるくらいの気持ちで使うべきなのかもしれんな」
 専務室に、下川の高笑いが谺した。

21 :K-2:2000/11/17(金) 05:58
…殺しネタを使ってすみません。
しかも、一番の全盛期と言う表現は変ですしね。
ごめんなさい。

22 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 14:11
発掘だよもん

23 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 21:39
AIR発売後、
麻枝の評価はわずかに揺らいだかに見える。
久弥への期待は高まったかに見える。
そんな中で、いたるの評価だけは変わらなかった。
無論、悪い意味での現状維持である。
いたる「ク、クズどもが、貴様らにわたしの真価がわかってたまるか。
    ・・・・・・まあいい。天才は認められにくいとは世間の悪しき
    慣習よ。フフ・・・わたしが正当に評価されるのは死後のことか・・・」
不遇の生涯を終えた天才画家に自分を投影するいたる。
下川 「いたるさん。そう、世を嘆くこともないでしょう」
いたる「・・・あんたは・・・」
下川 「ククク・・・・・・貴女の絵は素晴らしい。わたしは何度抜いたことか
    数え切れません。貴女が不当に低く評価されるのはひとえに、麻枝、久弥
    の自慰シナリオが原因。ユーザーを困惑させてしまって、肝心の絵の素晴らしさ
    から目を背けさせるのです」
わけのわからない下川の言葉だが、自分を肯定する意見に、いたるは目を輝かせた。
下川 「どうですか。これから二人で、業界の未来について語り合いませんか」

ー数日後ー

青紫 「下川さん。あのへタレ女を引き抜いたところで、何の役に
    立つというのですか? むしろKEYに留めておいたほうが
    向こうの足手まといになっていいんじゃないですか?」
下川 「ククク・・・わからないか? わたしはいたるなど、どうでもいいのだよ」
青紫 「だったら・・・・・・」
下川 「いいかよく聞け。いたるがKEYを見限ったという「事実」こそが
    重要になるのだよ。へタレだが曲りなりにもKEYの主力。その主力が
    離れたことを知ったファンはどう思うかな?」
ここに至って、青紫は下川の真意を知った。
青紫 「なるほど、ブランドイメージを失墜させるのですね」
下川 「ここは高校野球やオリンピックの世界ではない。売れたものだけが正義であり、
    売れたものだけが、歴史を築くことができるのだ」
下川は笑った。
周りにいるものをぞっとさせる笑みであった・・・・・・


24 :時期を逃したネタだが:2000/11/17(金) 22:05
〜〜〜〜実録・マジカル☆あんてぃ〜くを創った男達〜〜〜〜

「……なぁ、はぎや…………」
 東北で起きている事も知らず、留守番を仰せつかった新人二人……椎名旬とはぎやまさかげ……は、ただ黙々と新作『まじかる☆アンティーク』の制作を続けていた。
「どうした? 椎名」
「……俺、さ。才能ないのかな…………」
 モニターから目を離さず。いや、キーを叩く手を止めることすらせずに、椎名は言う。その口調はまるで今日の天気を語っているかの様に静かだ。
「どうしたんだよ。いきなり。俺達は上手くやってるじゃないか。現に……」
「ああ。現に、今作っている『まじ☆アン』は水準以上の出来だ。グラフィックも、プログラムも、そして脚本も……」
「そうだよ、何が問題だってんだよ?」
「……『水準以上』でしかない……んだよ。それが、問題だ」
―――カタカタカタカタカタ
 一瞬の沈黙。その中を椎名が叩くキーの音が奇妙に耳障りに響く。
「はぎや。お前に問題はない。例えばこのスフィーのデザイン……最近の流行を取り入れつつ、Leafのテイストを盛り込んだ珠玉のデザインだ。本当に、凄いと思う。それに引き替え俺はなんだ!? 上っ滑りのギャグ、くさい泣かしの演出、抜けないエロテキスト……『猪名川』に入れたデモの評価を知ってるか!? 『寒い』だぜ! たった……たったそんな一言なんだぜ!?」
 椎名の声は、既に絶叫だった。すでに、キーを叩く手も止まっている。極力抑えようとしていた感情が、大粒の涙となってぼろぼろと吹き出してくる。
「……おれ……俺……頑張って、悩んで、……高橋さんにも言われたよな『いまさらLeafで魔女っ娘モノか』って……それでも、俺……おれ…………」
「……椎名……で、でもそれはユーザの期待が、でかいからであって……」
「そうだよ! ユーザーは待っているんだよ! Leafの新作を! 『標準以上のエロゲー』じゃなくって、Leafの新作をだっ!!」
「……椎名……」
「それなのに俺は……こんな事もできないでいる……情けないよ…………」

25 :〜〜実録・マジカル☆あんてぃ〜くを創った男達(2)〜〜:2000/11/17(金) 22:06
 数日前、岩手に逃げた青紫を追いに行った高橋は一つの宿題を椎名に課していた。
「俺が帰ってくるまでに、最低これを越えるテキストを上げておけ」
 まじかる☆アンティークのキャラクター『牧部なつみ』の設定を斜め読みした後、たった三十分で高橋が上げたテキスト。
 しかし、椎名には、それすら越えることが出来なかった。

「……椎名……」
「こんな……こんな事、絶対俺は思いつかなかった。…………和姦で3Pだなんて…………」
 俗に、Leafのエロは薄いと言われているが、それはToHart以降の”感動系”という括りによって形作られた錯覚に過ぎない。根本的にLeafの、いや高橋と言う男のエロは、濃い。
 ねちっこい前戯、やたらと親爺臭い言葉責め、そして、エロ業界全体を眺めても珍しい、力の入った後戯の描写……一般に”ふきふき”と呼ばれるLeafのお家芸……どれをとっても高橋と言う男のエロテキストは他と一線を画する。『エロがメイン』と公言する他社でも、高橋ほどの濃いエロテキストを書ける人間はそう多くない。

「俺は……俺は所詮凡人だったってことか…………」
 ふぅ、と椎名は遠い目をする。何もかも諦めたような……希望も、悔しさすら諦めたような、そんな顔で。
「椎名!」
 そんな相棒をただ眺めているなど、はぎやにはできる筈もなかった。
「椎名、これを見ろ」
 どさ、と音を立てて、原画紙が詰まった段ボール箱を置くはぎや。
「……これは……初音? こっちはさおりん。マルチにあかりに……いつの間にこんな量の…………」
「俺は、Leafに就職が決まったときから毎日、水無月さんの原画を模写し続けてきた。水無月さんの絵柄、構図、色指定、筆の癖に至るまで、全てをパクるために」
 驚愕する椎名を見据えながら、はぎやは続ける。
「お前が言った通り、『Leafテイストを加味した原画』を書くための手段だよ。そして今では、水無月さん以上に水無月さんらしい原画を、俺は描くことが出来る。古参のLeaf信者に『あれ? 水無月さん、絵柄少し変わったね』って言わせる事ができる!!」
「……はぎや……」
「お前はそれだけの事をやったか? 俺のこの手を見ろ。指のタコが潰れても、腱鞘炎になった腕が悲鳴を上げても、自分の……自分の絵柄を見失いかけるほどまでに、俺は、描いて描いて描き続けた! どうなんだ椎名! お前はそれまでの努力をしたのか!?」
 そう言ってはぎやが見せた彼の手は、傷つき、汚れ、そして節くれ立って歪んでいた。しかし、その手は、椎名が見たどんな手よりも、感動的であった。
「椎名、お前もやってみろよ。まずは高橋さんからパクってみて。それから、冷静になって自分自身の才能を見つければいい。高橋さんだって、大槻ケンヂからパクって『雫』を作り上げたって言うじゃないか。今度はお前の番だ。お前が、『Leafの次回作』を創るんだ。そうだろう?」
「……俺が、創る……Leafの次回作を……」
 相棒と自分の手を呆然と見比べながら、椎名は自問する。出来るだろうか? 相棒のように。血豆を潰して、それでもキーボードを叩き続けることが。
「…………いや……やるんだ」
 小さく椎名は呟く。
「出来る出来ないじゃない。やるんだ。そうじゃなければ、何処にも進めない。何物にもなれない。ありがとう、はぎや。お前はサイコーの相棒だぜ!」
「今度、おごれよ」
「奢るさ、『マジ☆アン』のボーナスでな!!」
 そう言って、二人はかっしりと手を組み合った。

――椎名旬

――はぎやまさかげ

 後に、いろいろな意味で業界に名を轟かせる事になる二人のクリエーターも、今はまだ年若く、そして自らに待ち受ける過酷な運命すら、知る由もなかった。


――続く――

26 :〜〜実録・マジカル☆あんてぃ〜くを創った男達(3)〜〜:2000/11/17(金) 22:07
「……わからん……」
 椎名旬は悩んでいた。
 相棒、はぎやまさかげの励ましによってクリエーターとしての自覚が芽生えたからといって、一朝一夕に実力が上がる訳ではない。それが彼の力として根付くのは、もっとずっと先のことだろう。
 しかし、納期はすぐ近くまでやってきている。
「なんとかしないと……」
 たとえパクるとしても、それはそう単純なものではない。
 モトネタの本質を理解せずに安易にパクれば、タダの丸写し……件の「痕」のおまけシナリオのように……になり果てる。
 パクると言う行為にすら、技術と才能が必要とされるのだ。
「……なんとか……なんとか…………」
「悩んでいるようだな」
「下川専務!?」
 いつ現れたのか、頭を抱える椎名の背後に青紫を追って東北に行った下川の姿があった。
「専務、いつお帰りで? 高橋さんや原田さんは一緒じゃないんですか? 青紫は?」
「まぁ待て。話せば長くなることだ。それより椎名、悩んでいるようだがやはり『マジ☆あん』か?」
「……はい、どうしてもエロシーンが上手く書けなくって…………」
「そうか……よし、椎名。目を瞑ってみろ」
「は? ……はい」
 突然の下川の言葉にとまどいを覚えつつも、それに従う椎名。しかし、続けて出た下川の言葉には、さすがに驚愕を隠せなかった。
「よし、はぎや。俺を殴れ!」
「なっ!?」
「専務! 何を!?」
「椎名! お前は黙って目を瞑っていろ! はぎや、遠慮は無用だ。いつもの不満をぶちまけるつもりで思いっきり殴れ。いいな、手加減なんかするんじゃないぞ」
 下川の目は、本気だった。初め渋っていたはぎやも、その気迫に押されたのか、やや逡巡しつつも拳を握る。
「専務、失礼します!」

―――ごしゅ!

 肉が潰れ、骨がぶつかる音が響いた。目を瞑っている椎名にも、その音だけで何が起こったか、はっきりと分かった。
「まだだ! もっと本気で殴ってみろ!」
「はい!」

――ごしゃ! がご! ぐしゃ!

 2発、3発と殴る度に、様々にかわる音がはっきりと下川の顔が変形して行く様を伝える。目を瞑っていつ椎名にも。それがわかった。
(うう、なんて痛そうなんだ。音だけでもこんなに痛みが伝わるなんて……音だけでも……伝わる…………そうか!!)
「分かりました! 専務!!」
「そうか!!」
 晴れやかに開眼する椎名を、ボコボコながらやはり晴れやかな顔の下川が迎える。
「音の表現は、時に視覚的表現を越えて情景を伝える……専務が身を以て伝えたかったこと。それは
『擬音』ですね!?」
 言うが早いか、椎名はすぐさまモニターに向かう。
「セクースの表現ならやはり身体がぶつかり合う音……『パンパン』か? この場合……」
 このアドバイスが、後に椎名旬をして退職せしめる例のフレーズを生み出すことになろうとは……下川自身知る由もなかった。
                              ―――終わらい―

27 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 22:26
s/椎名/椎原/g;

28 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 23:11
なんてこった。
椎原はみゅーだったか。

29 :還ってきた男−前−:2000/11/17(金) 23:14
「…遂にAIRが発売されたな」
「ああ……」
会議室。二人の男が、重々しく口を開いた。
折戸と麻枝である。
その場所は、昼間だというのに暗く、他人の近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
「………で、どうなんだ?売れ行きは」
その言葉を男が発するとほぼ同時に、暗闇の奥から、男がもう一人姿を現す。
しかし、暗闇の為、彼らは男の顔を確認することが出来ない。
男は紙を取り出し、二人に渡す。AIRの初週の売上情報である。
その顔には、微かな嘲笑が見て取れたが、二人がそれに気付くことは無い。

「初週の売上か……」
折戸がそう言い、紙に目を通す。
だが…………
読み進めるとともに、その顔は見る見る青ざめて行った。
力なく紙が床に落下する、静かな、だが確かな音がした。
「……麻枝…………」
折戸が顔を上げる。
「…………」
麻枝は俯き、肩を小刻みに震わせていた。
心境は折戸も一緒だった。大声で叫び、発狂したかった。
「………さんざん大口を叩いておいてこの売上か。初回限定版は秋葉原にまだ山積みだそうだ。
ユーザーアンケートにも、「真琴シナリオの焼き直し」だの、「BGM、菊次郎の夏からの盗作じゃないのか」などと言った意見が
続々届いているぞ。フン……あれだけ威張って、俺を殺してまで得た結果がこれとは……お笑いだな」
静まった部屋に、声が響く。
麻枝でも折戸でもない。紛れも無く、紙を渡して来た、第三の男の声だった。
そして、麻枝と折戸は、その声に確かな聞き覚えがあった。
「………久弥……ッ!」
麻枝が、うめいた。


30 :還ってきた男−後−:2000/11/17(金) 23:14
そうだ。
冬も始まろうかという寒空の守口で、俺は確かにアイツを……
殺った。
殺ったはずだ。
益々蒼白になって行く顔で、麻枝は折戸を仰ぎ見た。
折戸も、何が起こったのか分らないといった顔で、呆然と建ち尽くしていた。
そこにいつもの冷静な折戸の面影は無かった。
久弥の死体をトランクに詰めたのは、他でもない折戸だったからだ。
(何故だ……俺は確かに冬の日本海にあのトランクを………)
「ああ…捨てられたさ………確かにな」
久弥が暗闇からゆっくりと姿を現す。
「何故………何故だ………………」
麻枝ががくりと膝をつき、搾り出すように聞いた。
「フン…今はそんな話をする時じゃないだろう?むしろ、このAIRの在庫の山をなんとかするべきだと思わないか?」
「…………ッ!」
麻枝と折戸には、何もかも信じられなかった。
AIRが在庫の山を作っているということも、自分が自信を持って出したものを否定されたことも、
そして、久弥が生き長らえて居る事も。

「さてさて、この調子で通常版なんて、出せるのか?」
久弥が醜い笑いを浮かべる。
明らかな嘲笑の意思が混じった、嫌な笑いだった。
麻枝と折戸の目には、最早何も映ってはいない。
その耳には、どんな音が入ってくることも無い。
「……事実を受け入れずに、現実逃避か…………すでに俺の新作の企画は動き出している。
当然、そのスタッフにお前達の名前は無いがな。ククッ、俺を敵に回したこと、後悔するがいいさ。
なに、お前達が居なくても、Keyには涼元や戸越が居る。お前らはこのまま、AIRという足枷をはめたまま生きていくが良い。」
そう言うと、久弥は会議室の出口へ、ゆっくりと歩き出した。
「……久弥」
ドアノブに手をかけた久弥に、後ろから声が飛ぶ。
麻枝だった。
「何故……お前は…」
久弥は、またニヤリと笑うと、こう言った。

「知っているだろう?奇跡はおれの十八番なんだ」


31 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 23:17
>27
とりあえず椎名じゃなくて椎原だといいたいんだな。
ついでにいたるを勝手にLeafに引き抜かんといてくれ。
そういうのはなるべく事実に基づいた方がおもしろいぞ。
パンパンの元はこれだったの話は笑えた。
こういうのをこれからもやってほしい。

32 :名無しさんだよもん:2000/11/17(金) 23:19
うげ、これ苦手なんだよなー。
サワガニが蠢いてるみたいで。

33 :24〜:2000/11/18(土) 00:17
>>27
 スマン、名前うろ覚えで書いてた。
なんせ、パンパンの名前なんざ記憶に残ってなかったもんでな……

34 :暗闘章 1(by名無しさんだよもん@そうだ有明行こう):2000/11/18(土) 00:33
10月29日、「コミックレヴォリューション」参加者であふれかえる池袋・サンシャインシティ。
ワールドインポートマートA1ホール、いわゆる「みぎの間」。
サークルナンバー「J-42」。

幸い、「大惨事」も起きずに過ぎた13時頃。悪夢のように長い列を捌き、売る物はもはや残っていないサークルスペース。そのスペースを、入れ替わり人が訪れる。

「すみません、久弥さんは今いらっしゃいますか?」
「久弥は今日は来ておりません。御用件は承っておきますが?」
「そうですか…では、私が来たということだけ伝えていただければ」
そう言って男は名刺を差し出す。
このブースで何十度も繰り返された風景。

「よお、笹岡さん」
名刺を差し出した男の後ろから、口ひげの男が声をかける。
「珍しいですな、レヴォには企業ブースはなかったかと思いますがね」
「久しぶりですな、下田さん。まあ、今日のところは、貴方と同じ用件ですよ」
そう言って笹岡と呼ばれた男は、ニヤリと笑う。

35 :暗闘章 2(by名無しさんだよもん@そうだ有明行こう):2000/11/18(土) 00:38
AIR発売移行、業界では一つの噂が飛びかった。
「久弥直樹はもうKeyには居ないらしい」
もちろん、何の確証もない。しかし、噂というものはスキャンダラスであれば、また信じたい人間が居れば、広がっていくものである。
この噂も、多くのメーカーが頼ろうとしたがゆえに根強く残った。
上述の風景は、それを物語っている。

「しかし下田さん、貴方のところにシナリオライターが不足していたとは思いませんでしたな。リメイクの繰り返しに、ライターは不要ではありませんかな」
ぴくり、と片頬を引きつらせる下田。
「なかなか厳しいことをおっしゃる、笹岡さん。そちらこそ、ライターよりも、グッズばえする絵を描かれる原画家をスカウトされてはいかがですか? レヴォならたくさんいらっしゃるでしょうに」
目から笑いが消える笹岡。

数瞬、衝突する視線。
どちらともなく視線を外す。
「まあ、本人がいないのでは仕方ありませんし、今日のところは仕切り直すとしますか」
「そうですな。また会う日を」

この日渡された名刺は百枚近くに及んだとも言われる。
以降、久弥獲得戦は一層激しさを増す。


あ、そうそう。
「ふっふーん♪ きょおもかんばーい。やっぱこのみつみちゃんさまのさいのうよねー☆」
みつみ美里は今日も元気でした。はい。

36 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2000/11/18(土) 00:47
>>1
再開おめでとうございます。
まだ執筆しようとする人がいるのか分からず、スレ立てられずにいました。

私も続けさせていただきました。
(書いている途中で復活しているとは…。久弥氏いない前提だっただけに)

なお、
・下田…elf第2代社長。蛭田氏の後を継ぐ。なお、容姿についてはPC Angel誌2000年10月号を参照しました。
・笹岡…F&C現社長。
です。

37 :Intermission -決別-:2000/11/18(土) 01:56
時は遡り、1999年7月。太陽は人々の頭上にてその権威を行使するがごとく
燃え盛っていた。これはそんな季節に始まったある二人の男の決別と対決の物語の序章である。

彼は自分の部屋でウイスキーを飲んでいる男を訝しげに眺めていた。彼と男とは
長い付き合いではあったが、お互いのプライベートには立ち入ることは決して無かった。
彼と男とは志を共にする同士ではあったが、あくまでそれは仕事上でのことであった。
彼らは己の仕事、シナリオライティングにおいてのみ行動を共にする仲間のはずだった。

彼、麻枝准は目の前で無言で酒をあおり続ける男、久弥直樹を再び見つめた。
一見するとどこにでもいそうなただの冴えない男。だがその内面には常人には到底計り知れない
情念を秘めていることを、麻枝は知っていた。

麻枝と久弥が始めて出会ったのは、麻枝のかっての職場であるTacticsのオフィスであった。
その時の上司であったYET11に連れられ麻枝の所に自己紹介にやってきた久弥を見て、麻枝は
直感的に判断した。
「こいつは俺と同じだ」
己の欲望を持て余し、物語を書くことでしかそれを満足させることのできない性格破綻者。
人を切り刻みたいという欲望を持った人間が外科医になり、手術という形式でのみそれを充足させる
ように、麻枝もまた自分の手で世界を作り上げたい、という欲望にかられ、それをシナリオという
形で昇華させていた。久弥も同じだった。己の情念を持て余し、シナリオにそれをぶつけなければ
今ごろどこぞで無頼漢にでもなっていただろう。

「ただ酒を飲みにきた訳じゃないだろう。早く本題に入ったらどうだ」
麻枝は久弥に言った。彼らの作った新作、Kanonは絶賛を博し、セールスも好調であった。今まで業界
内の名も無いソフトメーカーのスタッフとして様々な苦渋を嘗めてきた彼らにとって、それはやはり
ある種の感慨と喜びをもたらした。だが、久弥がそんなことのお祝いをするために自分の家にやってくる
ような男でないことを、麻枝は知っていた。

38 :Intermission -決別-:2000/11/18(土) 01:57
「あぁ、確かにそうだね。今日は酒を飲みにきた訳じゃない」
「なら早く話せ。俺は次回作の企画を練らなきゃならないんだ。おまえにばかり企画をやらせる訳にはいかんからな」
「その次回作なんだけど、僕は参加しないでおこうと思う」
「…何?どういうことだ?まさか辞める気か?」
「いや、辞める訳じゃない。麻枝と僕とはそろそろ別れて仕事をするべきだ。つまりラインを二つに分ける、という
 ことだね」
「何故だ。俺たちはいいコンビだったはずだ。だからここまで来れたんじゃないのか。それとも俺ともう一緒に仕事
 はしたくない、ということか?」
「違う、そうじゃない。これは必要なことなんだよ。僕たちのためには。そして彼女のためには」
「彼女…いたるのことか?」
「あぁ、その通りだ。僕たちの作った作品は高い評価を得た。シナリオ、音楽、塗り、背景、そのどれもが高水準だと
 賞賛されている。でもひとつだけ疑問視された部分があった。それがなにか分かるだろう?」
「原画…だな」
「そう、いたる絵だ。僕の聞いたKanonの感想にはこんなものがある。『絵にさえ適応できれば楽しめる』。つまり
 『絵が嫌で楽しめなかった』人がいるってことなんだよ。僕たちがこれからさらに上を目指すにはビジュアルもよ
 り高水準なものにしていかなければいけない。そのためには彼女を…ぐっ」
麻枝は久弥の胸倉を掴み、締め上げた。
「だから何だ?いたるを切れっていうのか?ふざけんじゃねぇぞ。何のために俺たちはTacticsを離れたんだ。YETが
 いたるを切ろうとしたからだろうが。いたる絵はもはや俺たちの作品の象徴なんだよ。いたる絵があるからこそ
 俺たちの作品は他の連中の作るモノとの差別化が図られているんじゃないのか?」
「分かっているよ、そんなことは。それに僕はいたる絵に惹かれたからこそ、シナリオに全力を注げたようなものだしね。
 彼女の描くキャラクターをより魅力的に物語上で表現するためにね」
「だったら、なぜ…」
「聞いてくれ、麻枝。僕たちがどう思っていても、現実にいたる絵を受け付けない人もいる。このままではいたる絵は
 keyのアキレス腱になりかねない。だから僕たちは二手に分かれるんだ」
「…どういうことだ。説明してくれ」
麻枝は久弥から手を離し、久弥を見詰める。
「麻枝の企画にはいたる原画で行く。今のkeyのスタッフのまま作品を作る。僕は別ラインで企画をやっていく。そうすれば
 どちらかが失敗しても、失敗した方は切り捨てればkeyのブランドイメージには傷がつかない。どちらかが成功すればいい」
「つまり、リスクを分散しろってことか…」
「そう、大統領と副大統領は同じ飛行機に乗ってはいけない。落ちた時に取り返しがつかないからね」
「だが、それだとお前はkeyを裏切ることになるぞ… それでいいのか?」
「仕方ないよ。いつまでも一緒にはやっていけない。同じ道を歩いていたつもりでも、進むにつれて目指す場所は違って
 くるものさ」
「………分かった。お前の好きにしろ。これからはもう仕事仲間じゃない。敵同士だ」
「あぁ、そうだ。でも僕もまだビジュアルアーツの社員ではあるからね、麻枝の次回作が失敗して、会社の経営が傾くと
 僕も困るからね。ちゃんと萌え要素も入れて、しっかり売ってくれよ」
「お前こそ、独りでシナリオ書いたからといって下らない萌えゲーを作ったら承知しないぞ」
「はは、覚悟の上だよ」

久弥はウイスキーのグラスを口に近づけ、一気に飲み干す。麻枝も自分のグラスにウイスキーを注ぎ、無言で飲む。それから
二人は何も話さず、ただ酒を飲みつづけた。

時は流れ、2000年9月。麻枝准企画期待の新作「AIR」が発売される。賛否両論はあれど、Kanonを上回る高い評価を博し、key
の今後は安泰かと思われた。だが、その華々しい舞台の裏でひとりの男が着々と己の計画を進めていた。交わした対決の
約束を果たすために。そして、己が信念を世に問うために。


39 :Intermission書いた奴:2000/11/18(土) 02:07
書いてから気づいたけどこれ本編とは話が食い違ってくるね。久弥の扱いが悪かった
のでつい書いちゃった。スマソ。

40 :名無しさんだよもん:2000/11/19(日) 23:16
>ALL
最高面白いage

41 :interlude -交渉-:2000/11/19(日) 23:23
夏が終わり、やがて季節は巡り行く。すでに風景は秋
の色彩を帯び始めていた。
男は喫茶店の椅子に座り、コーヒーに口をつける。奴
のオフィスからこの店までは歩きで5分とかからない。
時間に律儀な奴のことだ、すぐにやってくるだろう。

入口の扉がカランカランと音を立て、一人の男が店内
に入ってくる。そしてコーヒーを飲んでいる男の対面
の席に腰を下ろす。

「突然呼び出したりして、どういうつもりですか」
「まぁそう愛想のないことはいうな。昔はお前の上司
 だった男に対する態度としては、関心出来かねるな」
「YETさん、もう僕とあなたには何の繋がりもないはず
 だ。お互いに暇じゃない身だ。用件があるのなら早く
 済ませてください」
「分かっているよ。俺も無駄な世間話は得意じゃない、
 本題に入ろう」

YETと呼ばれた男はコーヒーを一口だけすすり、対面の
男に視線を向ける。

「久弥、お前は最近麻枝達と別れて行動しているらしい
 な。何か揉めたのか?」
「…あなたには関係のないことだ」
「確かにそんなことはどうだっていいことだ。俺にとっ
 て重要なことは、今お前がkeyから離れている、とい
 うことだからな」
「…一体何を言いたいんですか?」
「久弥、Tacticsに戻れ。席は空けてある。もう一度俺
 の元でシナリオを書いてみよう、とは思わないか?」

42 :interlude-交渉-:2000/11/19(日) 23:27
久弥は驚いたように、YETを見詰める。そして、申し訳
なさそうに目を逸らす。

「……それは、できません」
「何故だ?お前が麻枝と袂を分かったのは麻枝を超えよ
 うとしているからじゃないのか?そのためにはお前に
 はシナリオに専念できる環境が必要じゃないのか?」
「麻枝を上回るモノを作りたいのは本当です。でも、そ
 のためにあなたの手を借りることはしたくない」
「今のお前には麻枝を超えることはできないよ。Kanon
 を見せてもらったが、お前はまだ麻枝に及ばない」

YETは久弥がシナリオに対して極めてプライドの高い男
であることを承知の上で、挑発する。

「ましてや、独りで企画、シナリオをやろうなんて無理
 だ。破綻するのがオチだ」
「…その通りかもしれませんね。Kanonは麻枝に助けら
 れた。あいつの物語を創り上げる力には、僕は勝てな
 かった。独りで企画とシナリオをやるのが無茶なの
 は分かっています。身の程知らずなのも知っています
 。でも、僕にはそうするしかないんです。僕にはシナ
 リオを書くことしかないんです。自分の手で、物語
 を創り出さなければいつまでも麻枝を超えることは
 出来ない。そう、思うんです」

43 :interlude-交渉-:2000/11/19(日) 23:28
そこまで言うと、久弥は押し黙った。YETも何も言わず
、椅子に背中を預け、天井を仰いだ。久弥はあえて今ま
で苦楽を共にしてきた仲間から離れることで、さらなる
高みを目指そうとしている。かって抱いた志は今でも失
われてはいない。おそらく麻枝もそうなのだろう。果て
の無い高みを、誰も辿り付けなかった山の頂を、それぞ
れの方法で目指している。もう、YETの元にいた頃の彼ら
ではないのかもしれない。

「分かった。もうお前を引き抜こうとは思わない。今で
 も優秀な奴らが俺の元に集まっているからな。そいつ
 らと作品を作っていくよ。お前等がいなくても、いい
 モノが創れるんだ、ってことを証明してやる」
「期待していますよ。社長には気を付けて、頑張ってく
 ださい」
「おまえこそ麻枝がいなかったら何も出来ないなんて言
 われないようにな」

二人はこの店に入ってから初めて笑いあった。そして、
この日を最後に二人が会うことはなかった。

44 :のんきな父さん:2000/11/19(日) 23:31
ちょっとドリーム入ってます。こんなこと考えてゲームを創ってくれていたら
やる方は嬉しいな〜、ってやつです。
あと>>37-38も書いてます。

45 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 05:40
これ読んでる奴いるのか?ということでageてみる。

46 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:58
まわす

47 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:58
まわし

48 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:58
まわせ

49 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:59
まわそ

50 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:59
まわさ

51 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:59
まわれ

52 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:59
まわり

53 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 06:59
まわろ

54 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 12:45
age

55 :パンプキンだよもん:2000/11/20(月) 15:56
読んでるよ〜 続きも期待してます。
久弥復活記念上げ

56 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 16:26
>除く厨房
今後も期待age

57 :中国人:2000/11/20(月) 17:22
えいえんはアルヨ

58 :アメリカ人:2000/11/20(月) 18:14
エイエンはアリマース

59 :SNK:2000/11/20(月) 18:50
えいえんはアルゼ

60 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 19:17
なかなかいいねっ

61 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 20:05
このスレにいったいなにがあったんだ?

62 :名無しさんだよもん:2000/11/20(月) 20:11
あげ!

63 :にははーヴィ:2000/11/20(月) 20:24
超電磁やうやう

64 :叛意編(by 電波さんだよもん):2000/11/20(月) 20:39
Keyの新作「AIR」は確かに売れた。
だが、その売れ行きは決してKeyスタッフを満足させるものではなかった。
Keyのスタッフは、「このゲームはエロゲーと言った枠を飛び越えられる」と信じていたからだ。
だが、このAIRがそれに届くことは無かった。
むしろ、十八歳以上の者のみに与えられた特権…「エロ」を目当てに買ったものには、
「エロが薄すぎる、最初から前年齢で出せ」との批判も受けることとなった。
これまで積み上げてきた麻枝の評価が、この時、確かに揺れた。
そしてその状況を見ながら、ほくそ笑む一人の男がいた。
「ふっふっふっ…圧倒的じゃないか、我がLeafは!」
言わずと知れた、下川シェンムーである。
「AIRは思ったほどの売上の伸びを見せていない。初回限定版はまだまだ平積みだ。
声がついただけでDCに移植したKanonもそうだ!フ、フッフッフッフ………」
押さえきれない笑いを強引に止めると、下川はひとつ息を吐く。
そして、パチン!と、指を鳴らす。
「青村!」
「ハッ!ここに!」
ドアの前で待機していたのか、すぐに青紫が入ってくる。
「誰彼……開発状況はどうなっている?」
下川は、今がKeyを潰す絶好のチャンスと考えた。
AIRがコケ、DC版Kanonがコケた今、PCは誰彼、DCはこみパでそれぞれの売上を軽く抜き去れば、
目障りなKeyの権威は失墜し、Leafが再び覇王の座に立てる、そう思っていたのだ。
だが、青紫の次の言葉は、下川の期待した答えではなかった。
「いえ……あの、ですね…ちょっとしたバグが発生しまして……」
「何だと……?」
下川の眉が、つい、とつり上がる。
それを見た青紫の顔は、見る見る青ざめて行く。
まさしく、青紫色に、だ。
「い、いえっ!バグと言っても微々たる物で…!必ず発売予定日には間に合わせて見せます!」


65 :叛意編(by 電波さんだよもん):2000/11/20(月) 20:39
必死の弁解である。
青紫に予定通りに発売できるかなど、分るはずも無い。
だが、そう言っておかねば、自らの身が危険にさらされる。
青紫は、そう思ったのだ。
「……そうか?……ならばいい。下がれ」
「はっ……はい!」
難を逃れた青紫は、そう言うと素早く、逃げるように部屋を出て行く。
「フン……」
勿論、下川は青紫が開発状況にそう詳しくないと言うことくらいは知っていた。
(だが、この件を青紫が他のスタッフに話せば、そいつらも焦る……
そうすれば、結果的に誰彼は早く完成するって寸法だ……)
自分以外誰の姿も見えない専務室で、下川は一人笑う。

やがて、下川は受話器を取った。
電話先は、東京開発室である。
「はい、Leaf東京開発室…」
「私だ」
「あ、下川専務!」
電話に出たのは、Leaf東京開発室責任者こと、Charmである。
「ああ。今日私が連絡したのは他でもない。」
「DC版こみパ……ですか?」
「その通りだ。開発状況はどうなっている?」
来た、とCharmは思った。
はっきり言って、DC版のこみパの開発状況は順調とは言えない。
だから、その質問は、今最もされたくなかった。
だが、電話で良かった、ともCharmは思った。
(電話でなら嘘八百で誤魔化せる……)
「はい、概ね順調です……ですが…」
Charmは保険をかけることにした。
「ですが…どうした?」
受話器の向こうから下川の不愉快そうな声が聞こえる。


66 :叛意編(by 電波さんだよもん):2000/11/20(月) 20:40
「えぇ…まぁ、聞いてください。」
そう言うとCharmは受話器から自分の顔を離し、
変わりに録音しておいたテープを再生し、それを当てる。
『もーっ!なんでこのあたしの作ったキャラクターのイベントがこんなにすくないのよっ!
もっともっと増やしなさいよっ!』
『い、いえ、ですけどそれだと他のキャラクターとの兼ね合いが……』
『むきいいいいっ!したぼくのくせになまいきぃ!いいからいれなさいよっ!』
そこまで再生し、Charmはテープを止める。
要するに、もし開発が遅れたらみつみが原因である、と下川に思わせる為だ。
「……と、まあ、うちの女王様がごねてましてね。まあいつもの事ですが」
「ふん……こっちとしてはアニメが始まるまでに開発が完了すれば文句は無い、いいな」
「ええ、それは勿論」
そう言うと、受話器の向こうでツー、ツーという音がした。
Charmは受話器を置くと、ため息を一つつく。
そこに、ひとつの影が差した。
「下川専務からですか?」
「甘露か……」
「むこうのご機嫌取りも大変ですね」
それを聞いてCharmは、フッ、と笑う。
「なに、こちらの女王様程じゃないさ」
「ははっ、成る程」
甘露もそれを聞いて笑う。
だが、Charmは既に甘露の方を向いておらず、ひとり考えていた。
(フン……そういつまでも東が西の言いなりで居ると思うなよ………
今は言う通りに動いてやるが……いつか必ずこの会社を…乗っ取って見せる!)
またひとつ、大きな意思が動いた。
「いいからイベント増やしなさいよ〜!したぼくのくせにぃ〜!」
勿論、彼女はそれに気づくはずも無いし、気づいたからといってどうということも無いが。


67 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:43
今から>>41-43の続き載せます。電波さんだよもんさんの叛意編とは
別なので注意してね。

68 :interlude-不安-:2000/11/20(月) 21:44
木の葉が紅に色づき、やがて散り始めていた。街を歩く人々は吹きすさぶ寒風から身を守
るように体を縮こまらせ、足早に歩む。街の営みは季節には関わり無く続いている。この
どこにでもありそうな平凡なビルにおいても、それは同様だった。

そのビル内の一角は昼夜を問わず、明かりが消える事は無かった。keyスタッフルーム―
そう呼ばれるその区画は来年夏発売予定の新作「AIR」の開発のため、既に不夜城の姿を
呈していた。中でも企画開発の中心を担う麻枝は開発室を片時も離れることなく、製作の
指揮を行っていた。

その日も、麻枝は自分のデスクに向かい、一心不乱にシナリオを書いていた。すさまじい
速さでキーボードが叩かれ、ディスプレイにテクストが表示されてゆく。そのテクストの
集合体が、センテンスとなり、やがて流れる大河のような物語を紡ぎ上げてゆく。思考は
その大河の流れと一体となり、どこまでも流れてゆく。表層意識を剥ぎ取り、心の奥深く
にまで潜って行くような感覚。麻枝は創作の際に、何よりその感覚を大事にしていた。耳
にあてがわれたヘッドホンから流れる美しい音楽も豊かなインスピレーションを与えてく
れていた。

(…やはり「スーパードールリカちゃん」のCDを聴きながらだと執筆がはかどるな)
そう思いつつ、キーを叩く麻枝の元に一人の男がやってきた。
「麻枝さん、少し休んだらどうです?もう私の見ている限りでは3時間休み無しですよ」
穏やかな口調でそう語りかける男に、麻枝は視線を向け、ヘッドホンを外す。
「今結構いい感じで書けていたんだが… まぁ涼元さんの言うとおりだな。少し休もう」
「熱心なのは結構ですが、麻枝さんは少し根を詰めすぎます。もう少し、気を抜く所で
 は抜かないと体を壊しますよ。紅茶でも作って持ってきましょうか?」
「あぁ、頼むよ」


69 :interlude-不安-:2000/11/20(月) 21:45
(…確かに、息抜きもしないとな)
そう考えた麻枝は涼元が紅茶を作りにデスクを離れている間に、スタッフの一員である、
しのりのPCの共有された領域にあらかじめ用意しておいたウンコフォルダをコピー&ペース
トした。100個のウンコフォルダの中にひとつだけウソコという名前のフォルダがある。そのウソコ
フォルダを開くと、さらに99個のウンコフォルダと1個のウソコフォルダが存在する、という労作だ。
(…フォルダのパターンを増やさんとな)
そんなことを考えている麻枝の元に、涼元が紅茶を持って戻ってきた。
「麻枝さん、紅茶を持ってきましたよ。どうぞ」
「あぁ、ありがとう。涼元さんにこんなことをやらせて申し訳ないね」
「私は入社したばかりですよ。新人がお茶汲みをするのは当然のことです」

涼元はそう言って、紅茶のカップを口元へと運ぶ。この自分より年長の男との付き合いは
まだほんの一ヶ月ほどであったが、物語を紡ぐ者として互いに相通ずるものを見出した麻
枝の涼元への信頼は篤かった。

「どうですか?シナリオの方は」
そう、涼元が麻枝に質問する。
「難しいね。Kanonとは違った方向性で、Kanonを超えるモノを作らなければいけない。K
anonは俺たちの集大成みたいなものだったからな。今度は路線から練り直しだ。正直、
 大変だよ」
「一度貼り付けられてしまったイメージを覆すのは常に難しいことです。だからこそ、挑
 戦する意味があるのでしょう?」
「その通りだ。挑戦を忘れた者には決してトップは取れない。俺は常に挑戦する。そのた
 めに涼元さん達の力を借りているんだからな」
麻枝の眼は自信に満ち溢れた者特有の輝きを有している。自分以上のシナリオライター
など存在しないかのような、傲慢とも取れるその態度こそ、麻枝の麻枝たる所以であった。
だが、その自信溢れる表情にふと影が差すことがあった。何かに怯えるような、何かを
恐れるような、そんな表情を時折する。そして、今もそうであった。


70 :interlude-不安-:2000/11/20(月) 21:45
「俺は常に新しい道を模索する。そして以前の作品を超えてゆく。シナリオで俺に敵う人
 間などはいない。…今のところは、だが」
「……それは、久弥さんのことですか?」
「あぁ、俺とあいつとは長いつきあいだった。あいつがどんなシナリオを書くのか、は俺
 が一番良く知っている。あいつは『萌え』を書かせたら業界内でもそう敵う奴はいない。
 キャラの精神年齢を下げて、妙な口癖を付けて、特定の食べ物に執着させれば萌えキャ
 ラが作れる、というのは実は嘘だ。人物造型のしっかりしていないキャラクターはいく
 らプレイヤーに媚びたものでも決して受け入れられない。狙ったあざとさが鼻について
 飽きられるんだ。久弥はあれだけ売れ線の属性をぶち込んだキャラを書きながら、それ
 が嫌味に見えない。作品の中で生きているんだ。俺にはそんなキャラは書けない。俺に
 は、名雪は書けない。俺が久弥のようにキャラを作れば、ただ戯言を口走りつづけるだ
 けの人形にしかならない。だから俺はストーリーで勝負したんだ」

麻枝は、そこまで一気に喋ると深く息を付く。涼元も何も語らず、麻枝を見詰める。
「久弥の潜在能力は底が見えない。今は俺のシナリオの方が評価が高いだろう。だが久弥
 の人物造型の能力は天性のものだ。人間を描くのが物語ならば、久弥の方がより優れた
 物語を作れるのかもしれない。もし、久弥の才能が本物であったならば、それが開花し
 たのならば、もはや俺は久弥には勝てないのかもしれないんだ」重苦しい沈黙が二人の間に流れる。耐えかねた涼元が声を掛けようとした時、
「なにさらすんじゃいッ!」
ぼかッ!!
そこには、顔を真っ赤にしたしのりが拳を握り締めて立っていた。
「ぐぁッ、何故バレた?」
「あんなことさらすんはお前しかおらんわ!今すぐ削除せいッ!」
ぼかぼかッ!!
涼元はその光景をただ見詰めていた。それぞれの思惑と、野望と、不安を抱えた者達の行く
末はまだ見えない。涼元もまた、その目的地の見えない列車の乗員となっていたのだった。


71 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:46
追って

72 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:46
追いかけて

73 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:47
追って

74 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:47
回して

75 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:47
廻して

76 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:47
回して

77 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:48
回して


78 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:48
回して

79 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:48
まわして

80 :のんきな父さん:2000/11/20(月) 21:48
回します

81 :名無しさんだよもん:2000/11/21(火) 16:45
age

82 :名無しさんだよもん:2000/11/21(火) 21:10
>>68-71
ぶはは、ヘンな落ちですな。
とりあえず続きを期待しても良いですか?

83 :のんきな父さん:2000/11/21(火) 23:33
>82
鍵のことしかよく知らないので鍵スタッフネタばかりになりますが
それで構わないのでしたら。
こんなの誰も読んでいないんじゃないか、と思っていたのですが
読んでくれている人がいて嬉しいです。

84 :名無しさんだよもん:2000/11/22(水) 09:35
スレがもったいないage

85 :名無しさんだよもん:2000/11/22(水) 15:17
>83
いやー、面白いっすよ。
これも一つの仮想戦記ってことで、続ききぼーん。

86 :名無しさんだよもん:2000/11/22(水) 18:21
>interlude-不安-
最高です。
面白い。

87 :an epic -約束-:2000/11/22(水) 18:33
降り続く雨に空も辟易したのだろうか、ここ1週間人々の頭上に重苦しく垂れ込めていた
雨雲は嘘のように姿を消し、夜空には星々が輝いていた。河川敷の水溜りはまだ乾いては
いなかった。昼間はそこで子どもたちが遊びまわっていたのだろう、小さなサンダルが片
方だけそばに転がっていた。
夜の河川敷は静かだった。車の排気音は遠く、時折橋の上を走る電車の振動のみがその空
間に響く。静寂に支配された空間に、男と女が立っていた。

「本当に行くのか?」
男は言った。
「……もうここに私のいる場所はないから」
女は応えた。その言葉からは、感情は読み取れなかった。彼女を襲った苛烈な現実が、彼
女から感情を奪ってしまったかのようだった。男はその言葉を振り払うように言う。
「うちを辞めてどうしようっていうんだ?YETに色々言われたからってそれがなんだってい
 うんだ。あいつが文句を言えないようないい絵を描いてやればいいじゃないか」
「私は、大丈夫だよ。YET君に言われたことも気にしてない。外の世界で、自分を試して
 みたいと思っただけ。他の会社で雇ってくれるツテもあるしね」
でたらめだ。彼女を原画屋として雇う会社があるわけがない。Tacticsスタッフのリーダー、
YET11に戦力外通告を受け、切り捨てられようとしている彼女、樋上いたるに行く所など
どこにもなかった。
「自分を試すにしても時期ってものがあるはずだ。あんたが本気でそのつもりなら、俺は
 何も言わない。だけど俺たちに迷惑を掛けたくないがために、辞めるというのなら俺は
 絶対に反対だ」
「麻枝君…」
「大体だ、いつあんたが俺たちに迷惑を掛けた?確かにONEでは絵に批判があったのも事実
 だ。でもあんたの絵だからこそ、ONEを好きになった人たちもいると思わないか?万人に
 受け入れられるものなんて作れないんだよ」
いたるは答えない。答える言葉を持たない。麻枝はさらに続けた。
「初めは、俺も思ったよ。『何て変な絵柄なんだろう』ってな。会社命令だったから一緒に
 仕事をしたようなものだったよ。でも、しばらくして分かってきた。あんたの絵は何故か
 人を惹き付けるんだ。そんな奴、いるか?下手なのに魅力のある絵を描く奴なんて」

88 :an epic -約束-:2000/11/22(水) 18:34
「久弥も同じだったんだろう。だから俺たちはシナリオに全ての力を注いだんだ。他の皆も
 きっとそうだ。いたるキャラを活かすために、全力でゲーム作りに打ち込んだんだ」
憤りとも、哀しみともつかない感情を押し殺し、麻枝は語りかける。
「確かに七瀬の衝突シーンの絵はデッサン狂いとかの話では済まないし、長森のHシーンの
 絵が変なのも本当だ。でも、いい絵も沢山あったし、デッサンの狂いなんてこれからいく
 らでも直せる。まだまだこれからだ、と思っていたよ」
麻枝は、「テレテレ瑞佳」と呼ばれる登場シーンの少ない長森の正面立ち絵に萌えた男だった。
「それなのに、あんたは今こんなところで辞めようとするんだな。あんたの絵に対する気
 持ちはその程度のものだったんだな。好きにすればいいさ。プロの世界から逃げ出して、
 同人で描きたいものだけを描いていればいい」

二人を隔てる空気が重さとなってのしかかる。喉の奥に直接手を突っ込まれたような嘔吐感。
吐き気とともにこみ上げる後悔という名の棘が胸を焼く。
「……悪い。言い過ぎた」
「いいんだよ、麻枝君。麻枝君の言うとおりだと思う。私は逃げようとしている。自分の
 絵がみんなの足を引っ張ることを恐れている。……今日、Tacticsを辞めようと思って
 自分の机を片付けようとしたらね、そこに久弥君がいたんだ。もう隠す気もなかったから
 正直に久弥君に辞めようと思うって言ったら、久弥君も麻枝君と同じことを言ってくれた」
「あいつは…あんたを慕っていたからな」
スタッフ最年少の新人として入社した久弥は、年長者で、古参でもあったいたるに一番心を
開いていたように見えた。久弥のいたるへの態度は、姉を慕う弟のそれのようであった。
「久弥君は私が話している間、一言も口をきかなかった。全部話した後で、私は久弥君に怒
 られると思った。それを望んでいた。私のことを叱って欲しい、なじって欲しい、臆病者、
 って言って頬を叩いて欲しい、そう思った。でも…」
「そんなことはしない奴だよ、あいつは」
YET11がいたるを切ることを伝えた時、最も強硬に反対したのは、麻枝ではなく、久弥だった
。絶対的なリーダーとしてTacticsを支配するYETに逆らうことは、麻枝にもできなかった。
そんなYETに対して、久弥は正面から異を唱えたのだ。いたるを守るためなら、久弥は己
の身を焼かれることも厭わないだろう。

89 :an epic -約束-:2000/11/22(水) 18:35
「…久弥君はただ私のことを見詰めていた。何も喋らず、じっと見ていた。私の方が間が持
 たなくなって何か言おうとした時、こう言ってくれた。『いたるがそうしたいのならすれ
 ばいい。いたるが自分の意志で決めたことには、僕は何も言う権利はない。でも帰って来
 たくなったらいつでも戻って来て欲しい。僕はずっと待ってる』って」
訥々と言葉を繋ぐいたるの肩が、震えていた。
「麻枝君も、久弥君も、しなくてもいい苦労を背負い込んでいる。もっと大きな舞台で活躍
 できる人なのに、私が足枷になっている。折戸君も、みきぽんも、しのり〜も私と一緒じゃ
 なかったらもっと力を発揮できるところへ行けると思う。YET君の言うことは真実だよ。
 私は…私は、麻枝君たちがもっと上を目指す障害にしか、邪魔にしか…ならない」

それが限界だった。押し込めていたものが、溢れ出す。壁が、壊れる。抑制が限界をきたし、
崩れゆく感情がとめどなく流出する。
「ごめんなさい……ごめん…なさい…」
いたるは顔を覆い、嗚咽を漏らす。そのまま崩れ落ちようとするいたるの体を、麻枝は抱き
とめた。女性にしてはかなり長身であるいたると、麻枝は頭一つほどの背丈の差も無かった。
だがその時抱きとめたいたるの体は小さく、震える肩はあまりにも細く、弱々しく思えた。
いたるは麻枝の胸に頭を預け、ただ嗚咽する。麻枝は自分の思いを完璧な形で伝えることが
出来ないことをもどかしく思った。言葉は本人の手を離れた時点で、既に本人のものではない。
言葉に乗せた思いと、他人が受け取る思いは常に別のものだ。伝わる段階で、容赦のない変質
にさらされる。人は言葉によって共有できる意味など、何一つ持ってはいないのだ。

それでも、伝えなければならない思いはあった。言葉に託すことしかできない思いがあった。
完全に伝わらなくても構わなかった。ただ、そこに思いがあることだけは伝えたかった。
だから、麻枝は言った。

「俺たちはずっと一緒にいる。約束する。なにがあってもいたるのそばにいる」

麻枝は後に、この時の約束を呪うことになるかもしれない。だが、今はまだ何も見えてはいない。
約束の、意味は。 

90 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:35
まわすよっ。

91 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:35
まわすよっ。 

92 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:36
まわすよっ。

93 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:36
まわすよっ。 

94 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:36
まわすよっ。   

95 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:37
まわすよっ。

96 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:37
まわすよっ。 

97 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:37
まわすよっ。

98 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:37
まわすよっ。  

99 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:42
まわし終了だよっ。
という訳で、勢いでまた書いてしまいました。はっきりいって
書いてる途中で恥ずかしくなった。しかも全然戦記物じゃねーじゃん。
今度からはちゃんと戦記物を書きたいと思います。書ければですけど。

>読んでくれた人
ありがとうございます。SSめいたものを書くのは初めてなので反応が
かなーり怖かったのですが面白く感じてくれている人がいて嬉しいです。

100 :のんきな父さん:2000/11/22(水) 18:52
補足ですけどこれは1998年6月ごろ、という設定です。Tactics分裂直前
のものです。2ch情報だけで書いているので細かい時期とかはいいかげんです。
次は今の話を書こうかな。情報が錯綜していて訳分からんけど。

後麻枝は己の選択を呪うべきだ、というのが俺の考えだったりする。

101 :名無しさんだよもん:2000/11/23(木) 00:44
どーでもいいけど、今月のTECH-GIANインタビューを見ると
リーフの下川氏は専務から社長に昇進してるよ。
時事ネタ扱うならこれも反映させたら?

102 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2000/11/23(木) 03:20
>のんきな父さんさま
なかなか面白かったです。こういう登場人物同士の絡みの描写も戦記の一部だと思いますよ。
あと、フォルダのネタはなんか笑えました。

そういえば、旧スレへのリンクありませんね。
幸いまだ消えてないんで、貼っときます。
leaf vs key リレー仮想戦記
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=964619112
新 leaf vs key リレー仮想戦記
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=967742444
旧スレ時代からの人が多そうですが、一応。

103 :名無しさんだよもん:2000/11/23(木) 04:17
>>102
おお、最近になって読み出したんで旧スレリンクはマジありがたいッス!

104 :名無しさんだよもん:2000/11/23(木) 22:38
>>102-103
過去スレならこっちにもあるよ。
「葉鍵板明太鯖過去ログサイト」
http://www15.tok2.com/home/kouhei/index.html

明太の過去ログあるし検索も出来るから色々遊べるよ。

105 :splittig -分裂-:2000/11/24(金) 03:11
どこまでも続いてゆくかと思えた夏も、やがて過ぎ去ってゆく。入道雲はかたちを変え
、蝉の鳴き声は初めから存在していなかったように消え失せた。太陽の輝きも昔日の力
強さを持たず、最早空は高くはなかった。そんな夏の終わりに、「AIR」は発売された。
その壮大な物語、繊細で哀感を誘う音楽、そして込められた深く切ない想いはユーザーの
心に届いた。「AIR」は業界内でも異例の規模のセールスを達成し、開発ブランドである
「key」の地位は業界屈指の高みに登りつめた、と言っても過言ではなかった。

 秋の訪れ。「AIR」という激震に揺れた業界もすでに平静を取り戻していた。「key」の
名声は確立されたかに見えた。彼らはもはやかっての高みを目指す挑戦者ではなく、逆に
野心持つ若者たちにとって打倒すべき目標であった。なかでもシナリオライターとして
「AIR」の総指揮を取った麻枝准という名は、自らのシナリオで名を挙げようとする者に
とっては格好の目標であった。麻枝に勝るシナリオを書くこと、それはシナリオライター
としての頂点へ一気に登りつめる絶好の手段だった。そして、現在麻枝の地位を脅かす者
は存在していないかのように思われた。

 だが、人々はある男の存在を忘れていた。かって麻枝と行動を共にした同士であり、
その実力を嘱望されながら、自らその姿を舞台の裏へと隠していた男の存在を。

 その男は自室のPCに今日も向かっていた。足を組み、やや椅子に体重を掛け気味にしなが
らキーを打つ。その音は長くは続かない。暫しの静寂の後、男は先に打ち込んだテキストを
バックスペースで削除し、再び沈黙する。その繰り返しだった。
「うぐぅ、シナリオが進まないよぉ…」
男、久弥直樹は呻き声を上げた。大の男が「うぐぅ」、などという奇声を発しているのを
耳にした日には、その男の頭を力いっぱい引っ叩きたくなるのも無理はない。
 だが、シナリオを書く上で何よりもキャラクターの把握にプライオリティを置く久弥は、
キャラの心情に深く入り込むあまり、己の口癖、嗜好、行動様式がキャラのそれに置き換
えられてしまう症状に悩まされていた。「Kanon」の後遺症はまだ久弥の人格に深い傷痕
を残していた。「ONE」製作後の最も深刻だった時期は、スケッチブックを持たなければ
会話が出来ず、雨の日には傘を持って用も無いのに外へ飛び出していた。

106 :splittig -分裂-:2000/11/24(金) 03:12
(うぐぅ、こんなんじゃ麻枝に大見得切った意味が無いよぉ…)
 ふざけた口調だが、本人は真剣に悩んでいた。かって久弥と麻枝は己の信ずる道を行く
ため、袂を分かった。互いに全力を尽くすこと。優れた作品を世に送り出すこと。それが
二人の誓いであり、プライドを賭けた戦いであった。麻枝は「AIR」を作り上げた。ならば
久弥も「AIR」に匹敵する作品を作らなければならない。その重圧もあってか、久弥のシナ
リオは遅々として進まなかった。

(いつまでも机に向かって悶々としていてもダメだよね。息抜きもしないとね。おなかも
空いたし、たいやきでも買って来よっと)
 久弥は身に纏っていたカエルのプリントを施したパジャマの上に、ネコをあしらった
半纏を羽織る。いい年こいた男がそんな服装をして、外を歩いているのを目撃した日には、
警察に射殺を要請したくなるのも無理はない。だが、それ程に久弥の後遺症は深刻だった。
久弥はいそいそと靴を履き、外へ出る。扉の閉まる音が響き、部屋は静寂に包まれる。や
がて再び扉の開く音。

「うぐぅ、お財布忘れた…」
 二十過ぎた男がけろぴーパジャマの上にねこさん半纏を身に纏い、目に涙を浮かべながら
そんな言葉をほざいている光景に遭遇した日には、その男を火炎放射器で焼却したくなるの
も無理はない。もはや後遺症で済まされるレベルを超えているように思える。だが、それ程
に久弥の後遺症は深刻だった。

 財布を手に取り、再びいきつけのたいやき屋へ繰り出す。やがてたいやきを入れた袋を抱
えた久弥が、戻ってくる。これ以上ないくらいの、幸せそうな笑顔を顔に浮かべながら、自
宅の扉を開け、中へ入る。机に座り、出来たてのたいやきを手に取り、口に運ぼうとする。

 その時、久弥の頭の中に突然ドアをノックする音が響く。いや、ノックなどという紳士的
なものではない。ドアを爆弾でも用いてぶち破ろうとしているような音。一体そんな大げさ
な道具を用いて、大銀行の金庫でも破ろうというのだろうか。

107 :splittig -分裂-:2000/11/24(金) 03:13
(ぐっ…またか、またお前か!)
 久弥は心中で呪詛の声を上げる。絶え間なく襲う衝撃によってばらばらに分解してしまい
そうになる自我を、懸命に繋ぎ止めようとする。だが攻撃は圧倒的だ。やがて頭蓋骨を内側
から押し広げられるような感覚に久弥は襲われる。空いた隙間に異物が挿入される。異物は
直接に脳味噌を掻き回し、引きずり出そうとする。久弥は頭を抱え、必死で脳髄の流出を食
い止めようとする。無駄な抵抗だ。「奴」が現れた時、久弥直樹に抵抗する術などない。

(無駄だよ、無駄。さっさと俺にその体を寄越しな。お前なんかよりずっといいシナリオを
書いてやるからよ!)
 自我に直接届くような怒鳴り声。その悪魔的な恫喝に、久弥は抵抗する。
(ふざけるな! お前なんかに僕のシナリオを汚させてたまるか!)
(馬鹿が。そんなことを言ってるからあまっちょろいシナリオしか書けないで酷評されるん
だよ。綺麗なものだけ書いて済ませようなんて、お前には無理なんだよ!)
(僕がどんなシナリオを書こうが、それは僕が決めることだ。お前にどうこう言われること
じゃない! 出て行け! 僕の中から出て行け!)
(何を言ってやがる。「お前」が決めたことは「俺」が決めたことでもあるじゃねぇか。
出て行け、だと? 自分から自分をどうやって追い出す、というんだ?)

 そう、久弥のなかには様々な「久弥直樹」が存在した。それは精神医学で呼ぶ、多重人格
障害、というものかも知れない。だが、人は一定不変の統一された連続性を有する自我など
持ってはいない。環境、年齢、体調、そういったあらゆる要因によって人格は変化する。
そういう意味では、人は皆多重人格である。
 今久弥を襲い、その思考を乗っ取ろうとしている人格は、最も原始的で、最も邪悪で、そ
して最も強かった。

(ちくしょう。お前なんかに、お前なんかにシナリオを渡してたまるか…)
 久弥の体から、血の気が引いていく。体中から冷たい汗が噴き出る。視界が赤く染まり、
やがて曇りガラスの向こうの景色のように、ぼやけていく。哄笑する声が、止むことなく
反響する。無力感と屈辱感のなか、久弥の意識は失われていった。

108 :splittig -分裂-:2000/11/24(金) 03:14
気が付くと、久弥は椅子に背中を預け、天井を仰いでいた。ゆっくりと右手を握り、開く。
親指から順番に一本ずつ動かしてみる。左手にも同じ作業を行わせる。全て、動く。
 どうやら、今は自分の意識が体を支配出来ているようだ。呆然と天井を見詰めていた久弥
は突如思い出したように、ディスプレイに向かう。恐る恐るマウスを握り、未完成だった
企画書のファイルを開く。

 そこには、すでに完成していた企画・設定が書き込まれていた。このままソフトハウスに
提出しても、一級品の企画として採用されるかもしれなかった。
 性的玩具としての商品価値を高めるために、父親に声帯を潰された少女。盲目ゆえに、顧
客に珍重されている奴隷。待ち続ける日々に、心を壊してゆくクラスメート。蝕む病に、肉
体のみならず、精神をも腐らせてゆく下級生。彼女らが、蹂躙され、陵辱され、破壊されて
いく物語。
 そして、その世界の根幹をなす物語は、主人公を巡る幼なじみの少女と、生霊との互いの
存在の細胞一粒もこの世に残してはおかないような、血で血を洗うすさまじい憎悪と憎悪の
激突の物語であった。その世界観を表現するには、この言葉がもっとも適切だった。―地獄―
 久弥は愛情を込め描いたキャラクターを、真摯に作り上げた物語を無残にも汚した存在
を憎悪した。だが、それは全て自分のなかにあるものなのだ。目の前の企画書、これは
自分が書きたい物語なのだ。暖かな日溜まりも、凍てつく吹雪も、輝く宝石のような愛情も、
蠢くヘドロのような憎悪も、久弥の作り上げたい世界のなかにあったのだ。

 久弥はため息をつき、瞑目する。企画書を破棄する気はなかった。これも自分だ。だが
これは自分が書くべき物語ではない。自分は人を幸せにする物語を書くために、シナリオ
ライターになったのだから。この企画書は自戒の意を込めて、残しておくつもりだった。

 ふと机の上に目を向けると、真っ二つになったたいやきが、そこにあった。綺麗に左
半分が失われた、たいやき。
「原稿料、ってことか…」
 そう呟いて、たいやきの半身を手に取る。
 たいやきはまだ、暖かかった。

109 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:14
まわすよっ。

110 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:15
まわすよっ。 

111 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:15
まわすよっ。  

112 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:16
まわすよっ。    

113 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:16
まわすよっ。       

114 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:16
まわすよっ。

115 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:17
まわすよっ。           

116 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:17
まわすよっ。

117 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:18
まわすよっ。        

118 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 03:24
まわし終了だよっ。
またドリーム入ってます。いや、久弥氏に鬼畜系を書いて欲しい訳
じゃなくて「名雪・祐一・あゆの三角関係シナリオが見たかったな」
っていうのがあったんです。それを誇張して書いちゃいました。

やっぱり戦記になっとらんぞコラ。旧スレッド読んで出直してきます〜

119 :名無しさんだよもん:2000/11/24(金) 04:49
>>37-38 >>41-43
 なかなか面白いけど、ちょっと説明的で盛り上がりに欠ける・・・・・・ような気がする。
>>68-70
 一番面白かった。麻枝日記ネタをうまく取りこんでるのが笑えた。 
>>87-89
 ドラマのワンシーンみたいで良いんだけど、実際のいたるの顔をを思い浮かべると萎える。
>>105-108
 チュンソフトの「街」に似たような話があったね。

なんか酷評っぽくなったけど、これからも期待してるんでがんばってください。

120 :のんきな父さん:2000/11/24(金) 13:49
>>119
感想ありがとうございます。マジで嬉しいです。嬉しさの余り思わず
昼間っから書き込んじまったよ…

>37-38 >41-43
SSみたいなものを書くのは初めてだったので、緊張しまくっていました。
地の文と会話文のバランスがめちゃくちゃです。鬱だ。
>68-70
俺的にも一番書いていて楽しかったです。日記ネタはハズしたらどうしよう
と思っていたので、嬉しいです。改行ミスさえなければ…
>87-89
脳内変換するか、ギャグと割り切るか、でお願いします。今読んでも恥ずかしい。
>105-108
言われてみればそうかも。でも久弥新作はダーク系希望です。可能性ゼロだろうけど。

過去の仮想戦記を読んで、へこんでます。どれも上手すぎ。しばらく修行してきます。

121 :名無しさんだよもん:2000/11/24(金) 19:06
ここ、面白いっスね。
カノッサの屈辱つうか、
てる〇っつの部屋の趣きで。
森村誠一の企業小説みたい。

122 :鬼ちゃんねる@あなどれない。:2000/11/25(土) 09:27
頑張れお父さん!

123 :corruption -腐敗-:2000/11/25(土) 21:07
「AIR」は成功した。「key」の名は業界内に響き渡り、その地位は確固たるものとなったか
に思われた。「key」のスタッフたちは業界の歴史に残る英雄として語り継がれることであろ
う。だが、彼らは英雄であったかもしれないが、同時にただの弱い人間でもあった。英雄は
上を目指し、挑戦を続けるからこそ英雄としての憧憬を抱かれるのだ。頂点を極めてしまった
英雄はもはや英雄ではなく、落ち行く偶像でしかなかった。そのことを認められない英雄は、
かっての栄光にすがり、醜い姿をさらすことになる。そして彼らも、先人の犯した愚行を繰
り返すのだろうか?

 変わらない日常。穏やかな秋の季節も足早に過ぎ去り、すでに人々は冬の訪れを感じてい
た。そして凍りつく季節がやってくる。太陽が、心が、そしてかって抱いた情熱が。
麻枝准は自室の椅子に腰掛け、ぼんやりと物思いにふけっていた。今の場所に至るまでの
足跡が脳裏に浮かぶ。劣悪な製作環境のなか、自分の才能のみを信じ、ひたすらにシナリオ
に打ち込んだTactics時代。YET11と対立し、Tacticsを飛び出し、VAに飛び込んだ夏の日。
そして生き残りを賭け、作り上げた「Kanon」。そして「Kanon」は成功し、麻枝の実力は
世に広く知られるところとなった。そして「AIR」。それは麻枝の作りたかった世界、書き
たかった物語そのものだった。

 ようやっと、ここまで来れたな。そう呟いて、麻枝は椅子から立ち上がる。「AIR」発売
後、その好調なセールスを評価され、麻枝の仕事部屋には個室があてがわれていた。かって
の満足にオフィスも与えられなかった頃を考えると、夢のような待遇だ。麻枝は窓に近づき、
外の景色を眺める。暗く濁った空は、今にも泣き出しそうだった。今日も、雨が降りそうだ
った。そのまま視線を下に降ろし、道を歩く人々を睥睨する。豆粒のように小さな人々が
せわしなく歩き回っている。その様を高みから見下ろしていると、あたかも自分が今世界
の頂点に立っているかのような錯覚を覚える。

124 :corruption -腐敗-:2000/11/25(土) 21:07
 トントン、と扉をノックする音に、麻枝は振り向いた。扉が開き、若い男が入ってくる。
「失礼します。で、突然呼び出して、何か用でもあるんですか?」
「まるで仕事が忙しい中を邪魔されたような口ぶりだな。イシカワ」
 その言葉に、イシカワは顔を歪める。「AIR」のシナリオライターとしてクレジットされ
ていながら、実際に脚本のメインを書いたのは麻枝と涼元だった。イシカワは涼元にその
立場を追われ、補佐に甘んじた。そして、今後も麻枝は涼元をパートナーとするつもりだ
った。イシカワにはシナリオを書く機会も、企画を立てる場も与えられなかった。「key」
期待の新人として入社したイシカワが麻枝に不満と不信を抱くのも当然のことだった。

「まぁ、そんなことはどうだっていいことだ」
 そう言いながら、麻枝は椅子に腰を下ろす。イシカワは憮然とした表情で、突っ立って
いる。麻枝はそんなイシカワに向けて、言い放つ。
「お前には、keyを離れてもらう」
 予想していたこととは言え、やはりイシカワにとってその言葉は衝撃であった。シナリオ
ライターとして採用された自分にシナリオを書く場所を与えない、ということはすなわち
イシカワの存在は「key」にとって必要ない、ということである。イシカワは屈辱に唇を噛
んだ。だが、麻枝の口から続けられた言葉は、イシカワの予想の範疇を大きく越えていた。
「だからといって、keyを辞めろ、と言うことではない。仕事を済ませたら、keyに戻って
来てもらう」
 麻枝の言うことの意味を理解できないイシカワは困惑を顔に貼り付け、立ち尽くす。そ
んなイシカワを嘲笑うかのような口調で、麻枝は話を続ける。
「お前には、久弥の元に行ってもらう。俺に干されて居場所が無くなったからkeyに嫌気が
差した、とでも言えばいい。独りでシナリオを書く、と言っても簡単なことじゃない。
そろそろ久弥も自分の補佐をしてくれる人間が欲しくなっている頃だろう。お前の事を
受け入れるはずだ」
 麻枝のその冷徹な口調からはどのような感情も読み取れはしなかった。聞く者の心を凍て
つかせるような冷たさで、麻枝は言葉を続ける。
「久弥のところに潜り込んだら、まずは久弥の信頼を得るところから始めろ。あいつはかな
りの秘密主義者だ。そう簡単には情報を他人に話さない」

125 :corruption -腐敗-:2000/11/25(土) 21:09
 イシカワは麻枝の意図するところをようやく理解し、麻枝の話を引き継ぐ。
「それで、久弥さんの信頼を得て、情報を引き出せ、ということですか?」
「そういうことだな。あいつが今どんなシナリオを書いているのか、どんな企画を立ててい
のか、を俺に報告しろ。可能であれば、攪乱工作も行え」
 イシカワは言葉を荒げ、異を唱える。まだ若者特有の潔癖さを失っていないイシカワにと
って、麻枝の話した計画は到底許すことの出来ない、卑劣極まりない策略であった。
「そんなこと、出来るわけ無いじゃないですか! 大体あんたと久弥さんとは元々仲間だっ
たはずだ。あんたは昔の仲間を罠に掛けようとしているんだぞ!」
「それがどうした。昔は仲間だったかもしれんが今は違う。久弥はもうkeyの一員じゃない。
他のソフトハウスに俺たちの地位を脅かすことは最早できない。斜陽のLEAFなどは問題外
だ。俺に対抗できる人間は、今は久弥しかいない」

 麻枝は久弥の潜在能力を恐れていた。「AIR」を製作し、シナリオライターとしての評価
を確立した今でも、キャラクター人気において麻枝は久弥には敵わないことを痛感していた
。「AIR」は確かに「Kanon」をセールス面では上回ったかもしれない。だが、現在のエロゲー
業界において、ソフトの売上自体は会社の収入に大きな割合を占めない。それよりも、それ
に付随するキャラクター・グッズによる利益の方が重要である。圧倒的なキャラ人気を博し
た「Kanon」に比べて、「AIR」はいかにも地味だった。それが麻枝と久弥の違いだった。
 麻枝も受けるキャラクターを作ろうと、様々な方法論を模索した。「AIR」においても、
キャラクターに様々な装飾を加え、売れ線の属性を投入した。だが、結果は芳しくなかった。
―キャラ萌えを狙って、外している。天然系のキャラに感情移入できない― 「AIR」は
「作品」としては「Kanon」より優れているかもしれない。だが、キャラクターで売る「商品」
としては「Kanon」に遠く及びはしなかった。

「あいつの企画は、売れる。『AIR』は見た目売れているが、利益は大して出てはいない。
製作に投入する時間、資金を考えるとkeyはVAにとってお荷物になり兼ねない。俺は次の
企画で利益を出さなければならない。そのためには久弥の持つキャラ立ての技術が必要だ」

126 :corruption -腐敗-:2000/11/25(土) 21:10
 成功という美酒も、度を過ぎれば毒となる。かっては野望と情熱に溢れた麻枝も、功成り
名を遂げた今、その地位に固執するようになっていた。驕慢、猜疑、保身―あれほどの傑物
だった麻枝も、成功者の避けられぬ病に冒されようとしていた。

「俺には、出来ません。そんなことをするために俺はkeyに入ったんじゃない」
 イシカワははっきりとした口調で、答える。
「それならば、本当にkeyを辞めてもらうまでだ。keyを辞めて他のソフトハウスにでも拾っ
て貰うがいい。俺に逆らった人間が業界内でシナリオを書ける、と思っているならばな」
「くッ…!」
「それにこれはお前にとっても悪い話じゃない。お前が上手く久弥の情報を流せた時には、
お前にも企画ラインを与えるよう、上に進言してやるさ」
 でたらめだ。麻枝が自分以外の人間が企画を立てることを認めるはずがない。だが、イシ
カワに選択の余地はなかった。沈黙が場を支配する。エアー・コンディショナーの音だけ
が無機質に部屋の空気を揺らす。やがて、イシカワが絞り出すように、言う。
「…分かりました。ですが、俺は久弥さんとは直接の面識がない。一体どうやってコンタ
クトを取るんですか?」
 麻枝は手元のメモ帳のページを一枚破り、ボールペンでサイトのアドレスを書き込む。
「これは、久弥が最近顔を出しているサイトのアドレスだ。そこの掲示板にお前も書き
込め。シナリオの話題なら久弥も反応するだろう。そこから上手く久弥の関心を引け」
 イシカワは無言でメモを受け取り、そのまま部屋を退出する。叩きつけるような音が
響き、ドアが閉じられる。麻枝は立ち上がり、再び窓に近づき、外の景色に目を遣る。
 いつの間にか、雨が降り始めていた。道行く人々が鞄を頭の上に抱え、走ってゆく。
雨はますますその勢いを増し、窓から見る景色も霞んで見えた。止む事の無い雨に遮ら
れ、今の麻枝にその向こうには何があるのかは分からなかった。


127 :のんきな父さん:2000/11/25(土) 21:15
少しは戦記物っぽくなったか?今後イシカワ氏が久弥氏側に本当に付いてしまう
「麻枝・涼元VS久弥・イシカワ」対決か、イシカワ氏は久弥氏のもとにも付けず
に居場所を失ったところをLEAFに拾われる、という展開のどちらかになると思
います。どっちがいいですかね?

ちょっとネタ切れ気味で次は書けても遅くになりそうです。イシカワ氏の情報
少なすぎ。

128 :名無しさんだよもん:2000/11/26(日) 23:58
久弥退職を既定事実として書かれるのはちょっとつらいんですけど・・・・・・

129 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:26
あげたいな

130 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:27
あげよかな

131 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:28
あげたいな

132 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:29
あげよかな

133 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:30
あげたいな

134 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:31
あげよかな

135 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:32
あげたいな

136 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 03:33
あがれ

137 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 04:10
なんか佐藤大輔風味をプラスして諧謔に満ちた久弥きぼん。だーまえでも可。

138 :名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 04:22
椎原は何風味なんだろ?

139 :のんきな父さん@風邪が治らん:2000/11/27(月) 14:08
>128
確かに「久弥はもうkeyの人間じゃない」っていう科白には語弊があるね。
スマソ。「久弥はもう俺たちの側の人間じゃない」にした方が良かったかな。
単純に麻枝VS久弥の対立、という構図にしたかったんだけどね。

140 :7世:2000/11/27(月) 18:31
あの騒動もあったので、みんな書いてくれるかどうか
不安に思いつつもたてたけど、みんな気兼ねなく書いて
いるようで良かったです。

それといきなり久弥殺してスマソ。
『最近久弥が現れない理由=殺されたから』にしたかったもので…。

まあ、久弥が生きている方が面白い事は確かですね。
…そろそろ回収始めてもいい頃かな?

141 :disclosure-暴露-:2000/12/03(日) 19:01
 冬。凍りついたような太陽は垂れ込める雲に遮られ、その陽光を人々の元へ運びはしない。
人々は寒さに震え、白い息を吐きながらただ待ち続ける。暖かい陽光の訪れを。再び命が芽
吹く春の訪れを。

「うぐぅ、シナリオが進まない…」
 久弥直樹は自宅の机に向かい、いつものように呻き声を上げていた。来年3月発表の新作
の企画担当として全てのシナリオを独力で書いている久弥にとって、シナリオ製作が進行しな
いことは、即ち全体の製作の遅延を意味する。久弥の企画した「Kanon」は成功を収めはした
が、内容に関しては批判も多く、企画者としての能力は同僚の麻枝准には及ばない、と言われ
ていた。麻枝と敢えて袂を分かち、単独で企画と脚本を担当することを選んだ今回の新作で久
弥の真価は問われることになった。久弥が今後第一線で活躍することのできるクリエイターか
どうか、は新作の出来如何にかかっていた。

 久弥は椅子から立ち上がり、大きく背伸びをする。ふと視界に入った自作の同人誌を手に取
る。久弥にとって同人活動は趣味と実益を兼ねた有効な息抜きだった。同人誌の売上による収
入は本業のサラリーに匹敵するものだった。今年も久弥は自分の手がけた作品の同人誌を制作
、販売することにしており、そちらの進行の方がはかどっていた。
「これじゃ、まるで同人作家だな…」
 自嘲的に呟く。小説を書くことは久弥のやりたかったことであり、物語を書けるのであれば
その媒体は何でも構わなかった。だが同人誌がいくら売れた所で、それは本業の方で得たファ
ンが買っているだけのことだ。決して自分の実力ではない。小遣い稼ぎのための同人活動は一
端やめにして、本業に全力を注ぐべきなのかもしれない。そんな思いが頭をよぎった。

 壁に掛かった時計に目を遣る。もう約束の時間にまであまりなかった。もう会う事はないと
思っていた人間からの突然のコンタクトの要求に久弥は驚きを隠せなかったが、かっての上司
の誘いを無下に断る訳にもいかず、久弥は了承した。その約束の時間がもうすぐだった。
 久弥は足元まで包み込むロングコートを羽織り、木枯らしの吹く街へと向かった。商店街は
既に年末の慌しさに満ちている。アーケードに流れるクリスマスソングが年の終わりを実感さ
せた。

142 :disclosure-暴露-:2000/12/03(日) 19:02
 待ち合わせた店のドアを開け、見知った人間の姿を探す。店の奥の窓際のテーブルにかって
の上司と、見知らぬ男が座っていた。久弥はその元へと近づく。
「5分遅刻だぞ。時間に細かいお前らしくないな」顔見知りの男がやや不機嫌な口調で言う。
「東京にはまだ慣れていないんですよ。大体こんな裏通りの店にわざわざ呼び出さなくっても
もっと分かり易い待ち合わせ場所があるでしょう」久弥は反論する。
「その通りなんだがな。彼があまり人目につく所では会いたくないと言うもんでな」
男は顎で見知らぬ若い男のことを指す。

 久弥はコートを脱ぎ、テーブルの椅子に腰を下ろす。足元に脱いだコートを畳む。
「YETさん、一体何の用なんですか。僕はもうあなたとは何の繋がりもない。わざわざ呼び出し
たりして、どういうつもりですか」
「ふふ、お前のその様子を見れば、今お前がKeyの中でどういう立場にあるかが分かるな。麻枝
達とは完全に離れて動いているようだな。彼が誰だか分からないんだからな」
YETの言葉に久弥は目の前の見知らぬ若い男を見る。しかし彼が何者であるかは、久弥には分か
らなかった。YETはそんな久弥に対してからかうような口調で語りかける。
「彼はイシカワタカシ君という。Keyの新人シナリオライターだよ」
そういえば麻枝が「AIR」のシナリオライターとしてそんな名前の人を採用した、と聞いたこと
があったな。久弥はそんなことを思った。だが彼が何故YET11と一緒にここにいる?その答えを
導くことが出来ず、久弥は混乱した。

「まぁ詳しい話は彼に話してもらう方がいいだろう。イシカワ君、久弥に何故君がここにいる
のかを説明してやってくれ」
YETは困惑を隠せない久弥を尻目に、イシカワにそう言う。イシカワと呼ばれた若い男はその言
葉を受け、会話を引き継いだ。

 イシカワの話す内容は久弥にとって衝撃であった。麻枝が「AIR」を製作してまだ間もないの
に既に次回作の製作に着手していること。「AIR」が決してセールス面では成功していないこと
。麻枝が次回作の企画にキャラクター商品としての価値も出すために久弥の企画の情報を盗も
うと画策していること。そのために新人のイシカワをスパイとして送り出したこと。全てかっ
ての麻枝を知る久弥には受け入れがたいことであった。

143 :disclosure-暴露-:2000/12/03(日) 19:03
「久弥、お前は前に俺に言っていたよな。『麻枝とは誰の力も借りずに正々堂々と作品で勝負
したい』って。だが当の麻枝はどうだ? 作品を売るためにお前の技術を盗もうとしている。
分かるか、久弥。麻枝はお前の才能は『馬鹿な鍵っ子から金を搾り取れるキャラクターを作れ
る』ことだけだ、と考えているんだよ。」YETの吐く言葉が刃となって久弥の心に突き刺さる。

「所詮萌えだけのライター」「二次創作ならば使い物になる」そんな評価が自分に下されてい
ることを久弥は知っていた。確かに「Kanon」はプレイヤーに媚びを売り、数を出すために作っ
た。「ONE」のファンの期待を裏切らない内容にするために、敢えて二番煎じの構成を取り、
プレイヤーを喜ばせることを第一に考えたキャラクターとシナリオを作った。
麻枝がそうした姿勢をよしとしないことは百も承知だった。あの時Tacticsを離れ、VAに飛び込
んだ彼らはまず結果を出し、生き残ることを最も優先させなければならなかったのだから。

 麻枝もそのことを理解していると久弥は信じていた。今は生き残るために耐える時期だ。
「Kanon」で名を売ったら次からは自由にやりたいことの出来る環境が与えられる。そこから
始めればいい。久弥はそう思っていた。だからこそ久弥は麻枝と別れ、お互いの道を進む決意
をしたのだ。

「イシカワ君は麻枝の元ではもうやっていけない、と俺の所へやって来た。久弥、お前もどう
だ。俺たちと一緒に麻枝を叩き潰そうとは思わないか?絵を描けるスタッフは俺の元に揃って
いる。音楽は俺に任せておけばいい。お前は自分の書きたいシナリオを好きなように書けばい
い。『Kanon』のように売ることを最優先に考えずに、やりたいことを追求させてやる。
俺たちが組めば、麻枝など相手にならないとは思わないか?」
 屈辱と衝撃に唇を噛み、俯く久弥をYETは篭絡しようとする。答える言葉を持たない久弥に
向かいYETは言葉を続けた。
「今すぐに答えを出してくれ、とは言わない。ゆっくり考えてみてくれ。俺を選ぶか、麻枝を
信じるか。それはお前の判断に任せる」
 YETはお勘定を手に取り、席を立つ。イシカワもそれを追うように立ち上がる。ドアの開く音
と共に二人が姿を消した後も、久弥は呆然と椅子に座り、慌しく動き回る街の人々の流れを窓
越しに眺めていた。

144 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:04
まわすよっ。

145 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:04
まわすよっ。 

146 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:04
まわすよっ。   

147 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:05
まわすよっ。     

148 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:05
まわすよっ。

149 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:06
まわすよっ。    

150 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:06
まわすよっ。      

151 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:06
まわすよっ。

152 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:07
まわすよっ。      

153 :のんきな父さん:2000/12/03(日) 19:15
まわし終了だよっ。

すんげー久し振りに書きました。しかも中途半端な終わり方…。
やっぱり現在の出来事を書くのは難しいです。情報が確定していないので。
しかも麻枝氏が悪役になりがち。俺は「どちらかといえば麻枝派」なのに。
続きはどうしよう。読んでいる人がいないようだったらここに書いても仕方ないしなぁ。

154 :名無しさんだよもん:2000/12/03(日) 21:46
読んでますー、面白いー

155 :パンプキンだよもん:2000/12/03(日) 22:39
見てますよん

156 :−S:2000/12/04(月) 04:56
読ませてもらってますよ。ガソバッてくださいです。

157 :名無しさんだよもん:2000/12/04(月) 09:36
いいですねぇ。なんか深く静かに進行してますねぇ。
燃える展開ですよ。

158 :confession -吐露-:2000/12/04(月) 22:12
 冬の太陽は弱々しく、まるでその姿を衆目に曝すことを嫌うかのようにすぐに沈み行く。
暗闇が太陽を押しのけ、星と月が夜空という格好の舞台の上でラインダンスを踊る。だが地上
の人々は夜空を見上げることはない。街の明かりが夜空の輝きに抗するかのごとく人々の営み
を照らし続けているからだ。

 師走の喧騒に包まれた商店街。明滅するネオンサインは休むことのない活力を誇示するかの
ごとく街を照らす。昼間は眩しすぎる太陽の光を厭うたのだろうか。どこからともなく現れた
若者達が通りに溢れ、それぞれの快楽を追う。星月の輝きはネオンサインの発する人工的な光
にかき消され、彼らの目に届きはしない。刹那な歓びを求め、街を彷徨う若者達がストリート
に河の流れのような潮流を生み出す。

 その流れに逆らうかのように、久弥直樹は歩みを進めていた。どこに行きたいのかは分から
なかった。どこでもいいのかも知れなかった。どこにも行けないのかも知れなかった。今の久
弥には何も分からなかった。

「麻枝はお前のことを『馬鹿な鍵っ子を喜ばせるシナリオしか書けない』と思っている」
 YETの言葉が鉛のように胃の奥に沈殿していた。その言葉が不快な音を立てながら、久弥の心
を掻き回す。認めたくは無かった。「Kanon」でどんなに媚びたシナリオを書いたとはいえ麻枝
は自分の心中を理解してくれている、と思っていたかった。だが、状況証拠はそれを否定して
いた。Keyの新人ライターのイシカワの言葉。YETがわざわざ自分を嵌めるためにイシカワを
引き込んだとは考えにくい。イシカワは真実を語っているのだろう。麻枝が自己の保身のため
に、久弥を潰そうとしている。そのために卑劣な策動をも辞さない。認めざるを得なかった。

 目的もなく、ひたすらに歩みだけを進める久弥の肩と楽しげに仲間と談笑しつつ歩く若者の
肩とが衝突した。久弥は鬱陶しげに若者に一瞥をやり、そのまま歩みを続けようとする。
「おい、ちょっと待てよ!」
 その態度が若者の癇に触ったのだろう、若者が久弥の腕を掴む。
「ガキと遊んでいたい気分じゃないんだ。勘弁してくれ」
 久弥は精一杯の謝罪のつもりだったのだが、全く逆効果だった。連れの目の前で面子を潰された
若者は沸騰したヤカンのように激昂した。

159 :confession -吐露-:2000/12/04(月) 22:13
「てめぇ、喧嘩売ってやがるのか!」
 吠える若者に対して、久弥はわけのわからない憎悪を抱いた。こいつもかっては祝福されて
生まれてきたのだろう。そして今、少なくともこいつには一緒につるめる仲間がいる。
 久弥は若者達の元へ近づき、彼らの様子を確かめてみた。突如生まれた不穏な空気に、彼らは
緊張し、殺気立っているように見える。久弥はそんな彼らの張る虚勢に思わす苦笑しそうになっ
た。デジタル・フェスティバルでマキシシングルが買えない、と理性を失った目で殺到した鍵っ
子や、コミック・マーケットで同人誌を手に入れるために野獣と化すヲタク共に比べると、この
若者達は雨に打たれ震える小動物のように弱々しく、微塵の狂気も感じなかった。

 久弥は肩のぶつかった若者にさらに近づき、こう言った。
「お前、『萌え』って言葉の意味を知っているか?」
 若者の顔に一瞬困惑が張り付く。答えを聞く気など全く無かった久弥はいきなり右のフック
を若者のこめかみに叩き込む。乾いた音とともに、若者がくぐもった悲鳴を上げ、仰け反る。
倒れる若者の胸倉を掴み、引っ張り上げるとそのまま頭突きを顔面に見舞う。鼻の骨の折れる
感触。何が起こったか未だ理解出来ていないような表情の若者を放り捨て、若者の連れの方を
振り返る。
「てめぇ、やりやがったな!」「ぶっ殺してやる!」ありきたりの台詞を吐きながら、連れの
若者達が久弥に殴りかかる。一人の若者のパンチを左手で捌き、そのまま腕を極める。痛みに
悲鳴を上げる若者の鳩尾に膝蹴りを食わせる。胃液を吐き出しながら、崩れ落ちる若者の体を
もう一人の若者の方へ蹴り飛ばす。久弥に掴み掛かろうとした若者は、突然目の前に放り出さ
れた仲間の体にぶつかり、一瞬ひるむ。その隙を突いて久弥は彼らに近づき、体重の乗ったパ
ンチを最後の若者にぶつける。鈍い音がして、若者が地面に倒れこむ。

 最初に喧嘩を売ってきた若者がよろよろと立ち上がり、懐のナイフを取り出そうとする。
シャキン、という金属音と共に刃が鞘から飛び出し、ネオンサインを反射しきらめく。久弥は
若者がナイフで切り掛かってくる前に、素早く若者の股間を蹴り上げる。呻き声を上げ、うずく
まる若者の腹を足の甲で蹴りつける。何度も蹴りつける。
「もうやめてくれよ!死んじまうよ!」
 起き上がった若者の仲間が久弥の足元にすがり付き、哀願する。

160 :confession -吐露-:2000/12/04(月) 22:13
「人はそう簡単には死なない。死にそうになっても奇跡が起こって復活するから大丈夫だ」
 自嘲するかのように久弥は呟き、若者を蹴り続ける。
 騒然とした商店街。鳴り響くパトカーのサイレン。輝くネオンサイン。見下ろす星月。
 騒乱の中心に、久弥はただ立ち尽くしていた。

 そして、夜が明けた。

 大阪市東天満の一角に建つビル。株式会社ビジュアルアーツが籍を置くそのビルの中の一つの
フロア。Key開発室と呼ばれるそのフロアは、今日も日常の業務をこなすべく、活動を始めよう
とするスタッフが出社してきていた。麻枝准も定時に出社し、自室のデスクに向かい新作の企画
を練っていた。いつものように音楽を掛け、今までに出された様々な企画書を読み、アイデアを
探す。「AIR」発売後も飽く事の無い麻枝の野望は、今まで以上に烈しく燃え盛っていた。
 ドアをノックする音が部屋に響く。麻枝がそれに対し返事をすると、ドアが開き同僚の涼元悠一
が入ってきた。涼元は抱えていた分厚い資料を麻枝の机の上に置く。
「『AIR』のアンケートの集計結果と、レビューをいくつかまとめたものです。レビューは莫大な
量だったので全てを用意することは出来ませんでしたが、それでもかなりの量ですね」
「有難う、助かるよ涼元さん。俺はこういう事務仕事がからきしダメなもんでね」
 涼元はその言葉を微笑で返す。麻枝の涼元に対する信頼は篤く、自分の企画の補佐を努めてくれ
る最高のパートナーだと考えているようだった。
 麻枝と涼元が新作の企画について案を出し合っていると、突如内線の電話のベルがけたたましく
鳴り始めた。耳障りなベルの音に集中を断ち切られた二人は不快な表情を浮かべる。涼元が受話器
に近づき、電話を取る。しばしのやり取りの後、涼元が麻枝の方を向き、言う。
「麻枝さんに直接のご用件だそうです。東京の警察署から」
 麻枝は怪訝な表情を浮かべ、涼元から受話器を受け継ぐ。
「はい、代わりました。……えぇ、確かにうちの会社の者ですが。……身元引受人に私の名前を…
はい、分かりました。では今からそちらの方へ伺わせてもらいます」
 ガチャリと受話器を置き、麻枝は涼元のいる方向へと振り返る。
「悪いが、今日一日出張することにする。こっちの仕事の方は涼元さんにお願いするよ」
 麻枝の言葉に、涼元は驚いて問いを発する。
「そんな、突然出張なんて… 一体どちらへ行かれるのですか?」
「不肖の元仕事仲間が問題を起こしたらしくてね。東京へ行って、尻拭いをしてくるつもりさ」
 麻枝は東の方角に視点を移し、遠く離れた地にいるかっての同朋を嘲笑うような口調でそう答えた。

161 :のんきな父さん:2000/12/04(月) 22:16
一応前後編の前編のつもりです。後編も書く…予定です。
ひさやんが何だか壊れ気味ですが勘弁してください。後編で何とかする…つもりです。

162 :名無しさんだよもん:2000/12/05(火) 03:29
お、続きが出てますね。
ってひさやん、お縄かよ!やたらやさぐれてるし。
個人的には「人はそう簡単に死なない〜」のくだりが受けました(w
こいつは後編が気になる展開ですね。
期待しつつ気長に待ってます。

163 :名無しさんだよもん:2000/12/05(火) 18:58
確かに面白いんだけど、毎回作者のコメントを入れられると萎え〜

164 :名無しさんだよもん:2000/12/06(水) 04:23
>>163
そう?俺はなんか「あとがき」っぽい感じでみてるが。
悪くはない。

165 :名無しさんだよもん:2000/12/06(水) 12:36
>>26
いまさらだが、椎原が先輩に当たる青紫を呼び捨てにしてるのにはワラタ。
わざとか?

166 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:52
 街はクリスマス・ソングが流れ、人々は一年の終わりを実感しながら、新年を心煩わせるこ
となく過ごせるようにと忙しく働きまわる。もうすぐ仕事納めの日がやってくる。その日を過
ぎれば堆積する仕事の山からはひとまず解放され、心安らかに年末を迎えることが出来る。
 だが、そんな通常のタイム・スケジュールとは無縁の日々を余儀なくされている者達もいる
。ここ、大阪東天満の株式会社ビジュアルアーツが籍を置くビル内のフロアの一角、Keyスタッ
フルームも昼夜を問わず明かりの消える時はなく、それは年末だろうと関係はなかった。

 既に夜も更け、時計の針は10時と11時の間を指していた。久弥直樹はいつものように開発室
に居残り、遅々として進まない己の担当シナリオに苦闘していた。Keyのデビュー作にして、久
弥の企画第一作である新作「Kanon」はその彼らの経歴を考えると、決して失敗することの許さ
れない企画であり、久弥に掛けられた重圧は並大抵のものではなかった。だが製作スケジュー
ルの遅延は深刻であり、最早当初の予定されていた期限にマスター・アップを行うことはほぼ
絶望的だった。
「奇跡でも起これば何とかなるかもしれないけど… 起こらないから奇跡なんだし」
 久弥はディスプレイから目を離し、閉じた瞼を指で押さえながら一人呟く。ため息をつき、
開発室を見回す。既に同僚達は帰宅しているようだった。今開発室の中にいるのは久弥独りだ
った。 窓に近づき、外の景色を見渡す。きらびやかなイルミネーションが通りを華やかに彩っ
ている。空から舞い降りる白い結晶が光を反射し、幻想的な光景を演出する。白く覆われつつ
ある地面の上を恋人達が肩を寄せ合って歩いている。そこには現実の苛烈も不幸も存在せず、
ただ幸せだけがあった。久弥は空を見上げた。止む事のなく降りそそぐ雪の切片を月明かりが
映し出す。その美しさはまるで今自分は夢の世界にいるのではないか、と錯覚させるほどだった。

 ガチャリとドアの開く音がして、人の入る気配がした。その気配に久弥は振り向いた。
「今日も残業か。相変わらずシナリオの方は進んでいないみたいだな」
 部屋に入ってきた男は親しげに久弥に語りかける。
「あぁ。全然駄目だね。企画は大変だよ。麻枝の苦労がやっと分かった気がするよ」
「馬鹿、今頃になって気付くのが遅いんだよ。全く、グラフィックも音楽も順調に進んでいる
のに肝心の脚本担当がこの有様じゃあな。そんなことを言ったら、俺もお前のことを馬鹿には
出来ないんだけどな」
 麻枝はそう言いながら久弥の元へ近づき、窓の向こうの景色を眺める。

167 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:53
「麻枝の方はどうなんだい? 音楽も一緒にやってるんだから大変だろう」
「いや、俺は大丈夫だ。音楽はシナリオが煮詰まった時の息抜きにもなるからな。今回は俺は
サブの立場でやらせてもらっているからな。気楽なものだよ。企画に煩わされることなく、シ
ナリオに専念できることがこんなに楽しいことだとは思ってもいなかったな」
「企画を気にせずに、勝手にシナリオを書かれても困るんだけど…」
 相変わらずの麻枝のマイペースさに、久弥は思わず嘆息してしまう。出会った時から、こい
つは全く変わっていない。自分勝手で、わがままで、自信満々で、そのくせ妙な所で弱気だか
ら始末が悪い。Tacticsを離脱した時もそうだった。YET11の前であれだけ大見得を切っていた
にも関わらず、久弥達の前ではやけに落ち込んでいた。
 企画会議で久弥の企画した「Kanon」と、麻枝の暖めていた企画の「AIR」のどちらを第一作
として開発するかで意見が分かれた時、「久弥の企画の方が売れる」と社長に主張したのは当
の麻枝本人だった。

 「ONE」のことをまだ気にしているのだろうか、と当時の久弥は考えた。「ONE」は麻枝企画
の作品ではあったが、シナリオ人気は久弥の書いたシナリオの方が高かった。麻枝は市場の評
価などは当てにはならない、俺は俺の道を行く、と言ってはいたが、樋上いたるの話によれば
かなり落ち込んでいたらしかった。
 結局Keyのデビュー作は「Kanon」で行くことに決定した。久弥には企画・メインシナリオ担
当としての重責が課せられることになり、慣れない立場に戸惑いつつも、開発を指揮していた。

 麻枝は窓ガラスに向けて息を吐きかけ、曇ったガラスの面に何やら奇怪な絵を書いている。
暫くの間そんな作業に夢中になっていた麻枝が、突然久弥に語りかけた。
「腹が空いたな。飯でも食いに行かないか? どうせ今日も徹夜なんだろう? なら店が閉ま
らない内にどこかに行こう」
 唐突な麻枝の誘いに、久弥は思わず口ごもる。
「う、うん… 構わないけど… 今日はまずいんじゃないかな…」
「どうしてだ? 別に店が軒並み定休日ってこともないし、別に休日前でもないから混んでも
いないと思うんだがな」
 不思議そうに、麻枝が疑問を発する。

168 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:53
 まるで分かっていない麻枝に久弥はため息を付きながら、説明する。
「今日は12月24日。クリスマスイブだよ。店の中なんてカップルだらけだ。そんな日に男二人
で一つテーブルに向かい合って食事をするのは、嫌だよ」
 久弥の説明を受けた麻枝は、愕然とした表情で窓の外を見遣る。確かに通りには親密そうな
間柄の男女の組み合わせしか見当たらなかった。
「ぐぁっ… 確かにカップルしかいない… 年中行事とは無縁の日々を送っていたせいですっ
かり忘れていたぞ…」
「だから、そんな日に男二人が店に入って、食事を注文したらどんな風に思われるか想像が付
くだろ?」
「………」

「直樹には相談せずに、この店に予約入れちまったんだけど、良かったかな?」
「うん。いいお店だと思うよ。それに、准が選んだ所なら僕はどこでも構わないよ」
「そ、そうか。じゃあ乾杯するか。メリー・クリスマス」
「ふふ、メリー・クリスマス」
「あ、そうだ。食事の前にこれ。大したものじゃないけど、一応クリスマス・プレゼントのつ
もりだ」
「わぁ、有難う。今開けてもいい?」
「あぁ、是非ともそうしてくれ」
 包装紙を丁寧に剥がし、中の箱を開ける。シルバーの指輪を手に取り、天井の光にかざす。
「凄い綺麗な指輪だね〜。高かったんじゃない?」
「い、いや、そんなに大層なものじゃないんだけど、良かったら指にはめてみてくれないか」
「うん、分かったよ」
 微笑みながら、左手の薬指にはめる。眩しいものを見るかのように、左手を掲げる。
「どう? 似合ってるかな?」
「あぁ、よく似合っているよ。直樹に似合うかどうか、心配だったんだけど安心したよ」
「准、僕は准のプレゼントしてくれたものだったら何だって嬉しかったよ。それに、こうして
准と一緒の時間を過ごせるだけでも、すごくたいせつな想い出だしね」
「直樹…」
 見詰め合う二人。潤んだ瞳はお互いの姿だけを映し出す。やがて…

169 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:54
「おわーーーーーっ!!」
 麻枝は己の想像に戦慄し、絶叫した。嫌すぎる。あまりにも嫌すぎる想像であった。
「何で俺が同人誌のネタにわざわざ好き好んでならんといかんのじゃーーーーっ!」
「そんな事まで想像しろ、とは言ってないけど…」
 呆れたように久弥が言う。ようやく落ち着きを取り戻した麻枝は、息も絶え絶えに答える。
「あぁ… 良く分かったよ。今外出することはガソリンを浴びて炎の海に飛び込むことくらい
に自殺行為だってことにな…」
「だから今日は駄目だ。我慢しよう」
「だがしかし、俺は腹が減っているんだ。何とかならないか?」
 麻枝のマイペースっぷりに半ば呆れながらも、久弥は言葉を返す。
「飲食店が駄目となると、コンビニか、弁当屋しかないね」
「よし、『かまどや』で弁当を買ってこよう。行くぞ、久弥」
 強引に手を引っ張って連れ出そうとする麻枝に、久弥は抵抗する。
「ちょ、ちょっと待ってよ。まだ何にするか決まってないよ」
「んなもん、向こうで決めればいい。決まらなかったら『ピビンパ弁当』にしろ」
「何でそんな変な名前の弁当を買わなきゃいけないんだよっ」
「この一ヶ月間シャドウ・オーダニングに励んでいたんだ。成果を試させてくれ」
「そんな訳の分からない訓練の実験台にしないでくれよっ。大体シャドウ・オーダニングなん
て言葉聞いた事がないよ」
「だからそれを今から見せてやろう、と言っているんだ。とにかく行くぞ」

 久弥の手を引っ張り、麻枝は開発室の入口のドアへと向かう。扉を開けようとノブに手を掛
けようとすると、ひとりでに扉が開いた。深夜の開発室を襲った超常現象に、麻枝は叫び声を
上げる。
「のわっ。ポルターガイストが勝手にドアを開けたぞっ」
「誰がポルターガイストよ…」扉の向こうには樋上いたるが立っていた。

170 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:55
「何だ、いたるか… 一体こんな夜中に何の用だ? 忘れ物でもしたのか?」
 安堵の表情を浮かべ、そう問う麻枝にいたるはため息をつきながら、答える。
「あなた達がどうせ寂しいクリスマスを送っているだろう、って思ってお見舞いに来てあげた
のよ。愛を知らずに孤独に震える哀れな子ども達への愛の手、ってところね」
からかうようないたるの口調に、麻枝は反発する。
「ふん、余計なお世話だ。クリスマスだからといってチャラチャラするような軟派な奴らと
一緒にするな。大体いたるの方こそ、クリスマスに独りぼっちで寂しいからここへ来たんじゃ
ないのか?」
「ふーん、そういう態度を取るんだったらこっちにも考えがあるわよ。折角ケーキを買って来
てあげたのにねー。久弥君、食べる? 麻枝君は要らないみたいだし」
 いたるの言葉に、麻枝は動揺を隠せない。そんな麻枝に対して、いたるは続ける。
「折戸君やみきぽん達も呼んで、今年はここでクリスマスパーティーをやろうと思っていたん
だけど、硬派な麻枝君は独りで『かまどや』のお弁当を食べるんだよねー」
「な、何だって!?」
 麻枝が声を上げるのと時を同じくして、折戸達がドアを開け、開発室に入ってくる。
「おらー、お前ら。どうせ仕事で帰れやしないだろうと思って、こっちから来てやったぞ」
「あ、折戸君、そのことなんだけど麻枝君は独りでいたいらしいから、彼は放っておいてあげ
て、私達だけでやりましょう」
 慌てた麻枝は床に頭を擦り付け、謝罪する。
「申し訳ありませんでした、いたるさん。数々の御無礼は撤回いたしますのでどうか私も混ぜ
て下さい」
 その光景に、一同は笑いに包まれる。久弥は彼らと一緒にいられることが幸せだった。
 信頼できる仲間達と一緒に過ごす時間が。
 同じ目標を目指して力を合わせる日々が。
 喜びも、楽しみも、苦しみも、悲しみも分かち合える友人達がいることが。
 そんな日常は、なにものにも代えがたい大切なものだった。
 それなのに、その光景が何故か悲しかった。どうして悲しいと感じたのかは、分からなかった。
 やがて、視界が膜を張られたように、白くぼやけていく。滲んだ視界が急速に薄らいでゆく。
久弥は何かを叫ぼうとしたが、その叫びは喉の奥で詰まり、声にはならなかった。

171 :confession 2 -吐露-:2000/12/06(水) 13:56
 厳しい寒さに、久弥は眠りを断ち切られた。身震いをしつつ、辺りを見回す。無機質なコン
クリートの床、高い天井、手の届かない高さに作られた窓からは鉄格子越しに朝の光が差し込
んでいる。留置場で一夜を明かしたのは、生まれて初めてだった。ふと触れた自分の頬が、何
故か濡れていた。

 立ち上がり、背伸びをする。昨日叩きのめした若者達は地元でもあまり素行が良くないらし
く、向こうから絡んできたということもあって傷害事件として扱うつもりはない、と警官は語
っていた。だが、身元引受人がいなければ久弥をすぐに釈放することは出来ないらしかった。
 久弥が身元引受人として挙げた名前の男は、現在大阪に在住しており、わざわざ東京まで
久弥を引き取りに来るとは思えなかった。その男の名を挙げたのは、ただの自虐行為でしかな
かった。
「しばらくはここのお世話になるのかもな…」
 そんなことを独り呟く。壁際に置かれた椅子に腰を下ろし、コツンと頭を壁に打ち、天井を
見上げる。留置場の天井は高く、黒く塗り込められた空を連想させた。
 
目覚めた時は留置場の奥まで差し込んでいた光は、いつのまにか部屋の中心辺りにまで後退
していた。することもなく小さく囲われた窓枠から差し込む光を眺めている久弥の耳に、床
を震わせる足音が響いた。その足音は段々と大きくなり、久弥のいる部屋の前で止まった。
「おい、身元引受人の方が来られたぞ。さっさと出ろ」
 そう言いながら鉄格子の鍵を開ける警官のいる方向を、久弥は驚きを隠せずに振り向く。 警官の側には、もう一人の男が立っていた。それは久弥の良く知った顔だった。男はその
顔に薄い笑みを貼り付けながら、久弥を眺めている。その笑いは今の久弥の境遇に対する嘲笑
なのか、それとも身元引受人としての優越感なのかは、久弥には分からなかった。
 
 男は笑みを浮かべたまま、久弥に向かってこう言った。
「久し振りだな。久弥」
 久弥は男に怒りと憎しみを込めた視線をぶつけながら、答えた。
「あぁ、久し振りだね。麻枝」

172 :のんきな父さん:2000/12/06(水) 13:58
中編です。後編へ続く…はずです。

173 :名無しさんだよもん:2000/12/07(木) 00:40
…これ、非常に萌えます。
間違った読み方してごめんなさい。

174 :名無しさんだよもん:2000/12/07(木) 02:23
麻枝日記ネタとかの折り込み方がえらくお上手で
これ実話だろ? そうなんだろ? と答えを虚空に
求めてしまいたくなります。

あといたるが個人的にいいポジションにいると思います。

しかし鍵スタッフ(特に麻枝が抜きんでて面白い)は
何故こうもキャラが立っているのでしょう。感服します。

175 :名無しさんだよもん:2000/12/07(木) 09:05
>>172
すっごい良いですね。
なんかだーまえのキャラがしっかり立ってますよ(変な想像とかワラタ)
にしても、ひさやん切なすぎ。救われねぇー。

176 :名無しさんだよもん:2000/12/07(木) 17:28
ははは。だ〜まえ、まんま浩平じゃん。藁田。


177 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:41
 大阪へ向かう新幹線の車内で二人は一言の会話も交わそうとはしなかった。留置場で久弥と
再会し、その身柄を引き受けた麻枝は警察署を出た所でただ一言、
「大阪へ帰るぞ」
とだけ言った。久弥は何も言わず、従った。麻枝に詰問しなければならないことは山のよう
にあった。だが自分の口からそのことを切り出そうとは思わなかった。これは言葉というカー
ドを用いたゲームだった。相手の手札の情報を知り得ないのに、こちらの手札を軽々しく曝す
愚か者は決して勝利を収めることは出来ない。こちらがクイーンを持っていても、相手がスペ
ードのエースを場に出してきては何にもならない。

 かっての麻枝と久弥も決してお互いによく喋りあうような関係ではなかった。言葉を操るこ
とを生業としている二人は、言葉の多義性、曖昧性、そして不確定性をその生業ゆえに痛感し
ていた。会話は決して饒舌を求めはしない。会話とは心と心を通じ合わせることである。言葉
は思いを捨象し、濾過する。磨耗した言葉は相手に届いた時にはすでに元のディティールを完
全には保ち得ない。言葉を用いずとも、真に理解し合っている間柄であれば会話は成立する、
ということを二人は知っていた。

 だが今二人を沈黙させているものは相互理解の信頼ではなく、ただの駆け引きであった。
そんな駆け引きを必要としなければならないことが久弥には苛立たしかった。それほどまでに
二人の関係は変わってしまったのだ。

そんな乗客の思いは彼らを運ぶ列車の運行には何の影響も与えない。時刻表に定められた時
間に測定誤差程度のずれを残して、新幹線は新大阪駅のプラット・ホームに停止した。下車
した二人は地下鉄に乗り継ぐ。いくつかの路線を乗り継ぎ、ようやく目的の駅に到着した。

 駅前の光景は以前と何も変わってはいなかった。年末の活気に包まれた商店街も見慣れた景
色だった。時折吹く冷たい木枯らしに久弥は体を縮める。駅前の木々は既に葉を落とし、足元
を枯葉が乾いた音を立てながら舞っていた。早足で歩く麻枝の背中を久弥は無言で追った。
商店街を抜けた少し先にあるビルの入口で久弥は僅かに躊躇した。だがそれは傍目には気づか
ないほどに短い時間だった。膝に心持ち力を入れて、久弥は入口をくぐった。

178 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:42
 外の風景とは違って、開発室は久弥の記憶するそれとは大きく変わっていた。机の数は倍増
し、作業に必要な機材もかってとは比べ物にならないほどに充実しているように見えた。それ
は彼らの勝ち取ってきた成果の証明であり、現在の彼らの地位であった。久弥はその威容に純
粋に感嘆した。だが、麻枝が自分専用の部屋を持っていることは気に入らなかった。例え自分
がどんなに優れた企画者、シナリオライターであり、自分なくしては作品が成り立たないスタ
ッフの中心人物であったとしても、自分と他のスタッフとの間に待遇の差があってはならない、
と久弥は考えていた。リーダーだという自覚があれば尚更他のスタッフ達と同じ目線でいな
ければならない。それを怠り、己を優越者と錯覚してしまえば即ち傲慢に陥る、というのが
久弥の信条であった。

 麻枝が自室のドアを開け、中に入る。久弥もそれを追い、中に入る。麻枝の机とおぼしき机
で男が作業を行っていた。男は麻枝の姿を見ると立ち上がり、麻枝の元へ分厚い資料を持って
近づいた。
「出張お疲れ様です。麻枝さんに頼まれていた作業は大体終わっています。これが新たな資料
ですので、後で読んでおいて下さい」
「あぁ、有難う涼元さん。聞きたいことがあったらまた呼ばせてもらうよ」
 麻枝は涼元と呼んだ男に鷹揚な口調でそう答える。涼元はその言葉を受け、部屋から出よう
とする。久弥に一瞥をやり、僅かな嘲りを顔に貼り付けドアを開け退出した。

「あの人が涼元さんか。なかなか出来そうな人だね」
 久弥は鋭利な刃物のような才覚を感じさせた涼元の物腰を思い出しつつ、そう言った。
「まぁな。『AIR』は俺と涼元さんの二人でシナリオを書いたようなものだったしな」
 涼元に手渡された資料を机に置きながら、麻枝は応える。『AIR』は久弥もプレイしていた。
 そのシナリオはまさに麻枝の個性をありありと感じさせるものだったが、明らかに麻枝の筆
致とは異なる文章で綴られた部分も感じられた。おそらくその部分を涼元が担当したのだろう。
これからは麻枝は涼元と組んで作品を作っていくのだろうか。あの能吏を連想させる男と共に。
そんなことを考えている久弥の後ろでドアの開く音がした。

179 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:43
「麻枝君! 久弥君が帰ってきたって本当!?」
 頭の後ろで聞き慣れた声がする。久弥は振り向きはしなかった。麻枝は自分に向けられた質
問に対して答える。
「あぁ、今ここにいるよ」
 声の主である樋上いたるは麻枝と久弥を隔てる空間に駆け寄る。二人に等距離の位置に立ち、
二人を見遣る。久弥はいたるに対し目を合わせようとしなかった。
「久弥君…」
 いたるは久弥に若干の戸惑いを感じているようだった。それほどまでに久弥はかって彼女の
知っていた久弥ではなかったのだろうか。戸惑いつつも、いたるは久弥に話し掛けようとする。
「ひ、久し振りだね。最近見なかったんで心配してたんだけど、元気みたいでほっとしたよ」
 いたるのそんな言葉にも久弥は反応を見せずに、自分の靴先に視点を落としている。気詰ま
りな沈黙が空間を支配する。空気の重さを振り払うかのようにいたるが久弥に声を掛ける。
「久弥君、どうしたの? 何だか顔色が良くないみたいだけど…」
 そう言いながら、久弥の元に近づこうとしたいたるの手を久弥は振り払った。
「……っ!」
 予想もしていなかった久弥の激しい拒絶に、いたるは思わず後退る。払われた手を見詰め、
やがて再び久弥の元へ悲しげな視線を送る。
「久弥君…」
 久弥はいたるの言葉を全て聞くことに耐えられないかのように後ろを向き、そのまま部屋を
飛び出した。それを追おうとするいたるの腕を麻枝は掴み、言った。
「いたるが行っても話がややこしくなるだけだ。俺に任せろ」
 いたるは麻枝に黙って従った。麻枝はその様子を確認してから、部屋を出た。

 久弥は河川敷に立ち、川の流れを眺めていた。ここ暫くの間空を覆っていた陰鬱な雲はその
痕跡をも残さず姿を消し、抜けるような青空に飛行機雲が流れていた。渡り鳥の群れが蒼穹を
貫く。暖かく輝く陽光が水面に反射し、その眩しさに久弥は目を細めた。
 足元の石ころを手に取り、水面を滑らせるように投げる。石ころは波紋を立てながら水面を
飛び跳ねる。小さい頃よくした遊びだった。思うように飛んでいってはくれず、投げ込んだら
そのまま石は沈んでいってしまっていた子どもの頃を思い出す。いかに上手く石ころを飛び跳
ねさせるか、そんなことが人生の課題だった時が確かにあったのだ。

180 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:44
 久弥は果ての無いような青空を見上げた。麻枝はこの青空に思いを馳せ『AIR』を作り上げ
たのだろうか。後ろから声がした。
「やはりここだったか」その声に久弥は振りかえる。投げられた缶コーヒーの缶を片手でキャ
ッチし、目の前の男に視点を移す。
「こんな所に突っ立っていると寒くてかなわないだろう。コーヒーでも飲んで体を温めろ」
 麻枝は自分の缶コーヒーの蓋を開け、口をつける。久弥は缶コーヒーを手に持ったまま、
初めて自発的に麻枝に話し掛ける。
「どうやら上手くいっているみたいだね。随分と大所帯になってる」
 麻枝はそれに対して誇らしげに言葉を返す。
「『AIR』は業界史上最大のセールスを記録した。俺達は名実ともに頂上に到達したんだ」
「生産数は確かに史上最大だったようだけど、実売数はまだ分からないんじゃないのかい?」
 久弥はいきなり数少ない手持ちのカードの中から切り札を出した。麻枝は僅かの動揺も見せ
ずに返し手を入れる。
「それだけの発注を行えることだけでも俺達の実力は業界に響き渡っているということだ。
それに俺のシナリオは長い間受け手を楽しませるように作ったシナリオだ。これからも『AIR』
の評価は高まっていくだろう。1回やっただけで飽きの来るようなシナリオとは訳が違う」
 それは久弥に対する明白な痛罵であったが、久弥は気付かなかったように言葉を続けた。
「ソフト本体の売上だけでは全体の利益は計れないからね。大事なのはキャラクター人気に
よる版権利益だ。『Kanon』ほどの利益が出るかどうかはまだ分からないみたいだね」
 久弥は切り札を次々と出す戦略を採っていた。麻枝はおそらく全て知っているのだろう。
久弥は負けをすでに覚悟してはいたが、せめて麻枝から本心を引き出させようと試みていた。
「俺はどうもユーザーに媚びを売り切れない性質のようでな。次回の企画ではもう少し客に
歩み寄れ、と上の方は仰っているよ」
「それであんな下らないことをイシカワ君にやらせようとしたのか?」
 声を荒げて、久弥は麻枝に問う。麻枝は侮蔑を露にしながらイシカワを罵った。
「ロクなシナリオを書けそうにもないから、哀れに思って仕事を与えてやったんだがな。あれ
を採用したのは俺のミスだった。まぁイシカワがYETの元へ行った所で俺の相手になるはずもな
いんだがな」

181 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:45
「よく…よくそんなことが言えるな…」
 久弥は声を震わせ、呟く。まだ蓋の開いていないコーヒーの缶を握り締める手に力が篭めら
れる。麻枝は久弥に向かっても嘲るような口調で言葉を送る。
「お前も今までよくやってくれたよ。『Kanon』で馬鹿な客がついてくれたおかげで『AIR』は
その客どもが内容を気にもせずに買ってくれた。俺のシナリオは客に媚びを売らないせいか
一般受けは良くないんでな。初めから『AIR』を作ってもこれほどには売れていないだろう。
鍵っ子は確かに俺の作品を理解できる知性を持ってはいないが、金は落としてくれるからな。
お前が頭の弱い鍵っ子を大量生産してくれたおかげで、俺は好きな事が出来たってことだ」
 久弥は無言のまま、麻枝を睨み付ける。その瞳は怒りに震える野獣のそれを彷彿とさせた。
「だがもうそれも必要ない。最早Keyは麻枝作品というブランド・イメージで統一された。
これからはお前の存在をいかに早く消し去るか、を考えているよ。Keyを代表するキャラクター
は今まではあゆと名雪だったが、これからは真琴と観鈴を押し出していく。お前のキャラには
消えてもらう」
「何だと!?」
 久弥はその言葉だけは許すことが出来なかった。久弥にとって自分の作り出したキャラクタ
ーは全てその作品世界に生きるように命を吹き込んだ、いわば自分の産み育てた子どもだった。
自分の娘が利用されるだけ利用され、ボロ雑巾のように捨てられようとしているのに憤らない
親がこの世に存在するだろうか。
「いたるにはもうあゆも名雪も描かせないつもりだ。いたるは今では俺の言う事に逆らわない。
俺が真琴を描けと言ったら喜んで描く。鍵っ子は単純だからな。自分の目に入らなくなった
キャラなんてすぐに忘れるだろう。月宮あゆさんにはお話の通りに俺達の幸せのために消えて
もらうよ」
「麻枝ぁ!!」
 久弥は麻枝めがけてまだ蓋の開いていない缶コーヒーを投げつける。麻枝が首を傾げてそれ
をよけた瞬間に、久弥は麻枝に向かって大きく踏み込む。左のパンチを麻枝の脇腹を狙い打ち
込む。麻枝の意識をそこに向かわせ、本命の右フックをがら空きになった頭の急所に叩き込む
つもりだった。

182 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:46
 左手の甲に電流を流される。脳に届いた痛みを伝える信号に顔をしかめる。左のパンチは
麻枝の肘鉄で叩き落されていた。だが意識はそちらへ行ったはずだ。右拳に力を篭め、鋭く
振り抜こうとする。だがそれも麻枝の手によって止められ、そのまま拳を掴まれた形になる。
麻枝の背中の向こうで缶が地面に落ちた音がした。麻枝は掴んだ拳を離さず、不敵に笑う。
「街のチンピラと俺とを一緒にするなよ、久弥」
 麻枝と久弥とを隔てる空気が密度を増す。川岸で水を舐めていた猫が毛を逆立てて逃げ出し、
鳥達が一斉に飛び立った。掴んだ拳を離し、麻枝は構えた。
「来いよ、鍵っ子御用達の萌え萌えシナリオライターさん」
 久弥は鋭く踏み込み、麻枝に連続してパンチを繰り出す。だが、冷静さを失っていた久弥
の攻撃は速さこそすさまじかったが、軌道が単調で読み易かった。麻枝は的確に全てはたき
落し、逆に膝蹴りを久弥の鳩尾に叩き付ける。臓腑に直接届く衝撃に胃液が逆流する。崩れ
落ちそうになる足腰を辛うじて支え、麻枝の膝に蹴りを入れようとする。それも読んでいた
麻枝は久弥の蹴り足を自分の足で止める。今度は麻枝の番だった。素早く懐に潜り込み、襟足
を掴むと一気に投げ捨てた。景色が反転し、久弥は地面に叩き付けられた。衝撃に肺から
空気が押し出される。あお向けに横たわっている久弥に麻枝は馬乗りになった。

「感情的になるのはお前の悪い癖だ。感情をコントロールできない限り、お前は俺には勝てな
いよ」麻枝は勝者の余裕を漂わせながら、久弥に言う。久弥は屈辱と憤怒に体を震わせるが、
この体勢では何も出来ない。投げ捨てられた衝撃に息を乱しながら、久弥は麻枝に問うた。
「でも…何故だ? どうしてそこまでして僕を潰そうとする? そんなことをしなくても麻枝
は充分に独りでやっていけているじゃないか。どうして…」

 麻枝はそんな久弥の胸倉を掴み、引き上げる。二人の顔が接近する。麻枝は久弥に向けて、
激しい口調で言った。
「『独りでやっていけている』だと? お前の方から俺の元を離れておいてよくそんなことが
言えるな。『AIR』のレビューで一番多かった感想を知っているのか。『麻枝は久弥とやはり
組むべきだった。独りではシナリオが綺麗にまとまらない』だ。俺はお前無しでも立派に作品
を作れることを証明したかったんだ。それなのに、このザマだ」


183 :confession 3 -吐露-:2000/12/08(金) 23:47
 麻枝は自分の言葉にかえって感情を激したように、さらに語気を強める。
「『ONE』を作った時、お前の評価は俺よりも高かった。だがそれはお前がシナリオに専念で
きていたからだ。それにYETが上にいたから余計なことに労力を割かなくとも良かった。だか
ら『Kanon』でお前は失敗すると思っていた。プレイヤーに媚びを売りながら、作品としての
質を上げることなんて不可能に近いんだ。だから俺は敢えて企画を無視したシナリオを書いて
お前を上回る評価を得た」
 久弥の激情が伝染したかのように、麻枝は感情を露にしていた。尊大と傲慢の仮面に隠され
た真情が決壊したダムの水流のように吐露される。
「『Kanon』を出した後で俺は思ったよ。『やはり俺は久弥より上だ。久弥は俺の下にいてこそ
才能を発揮できる』ってな。『AIR』でも俺はお前にシナリオを書かせるつもりだったんだ。
それなのに、お前は俺から離れていった。お前が一度自分で決めたことを絶対に曲げないこと
は知っている。だからその時は止めなかった。だが、すぐに後悔したよ。俺達はこのメンバー
を守るためにTacticsでの地位を捨てたんだ。誰か一人でも欠けたら俺達は『Key』じゃない
んだ」
 久弥は呆然としながら、麻枝の独白をただ聞いていた。荒れ狂う激情はすでに凪いだ海のよ
うに静まっていた。それほどに麻枝の言葉は激しかった。
「お前独りでこの業界を生き残れるわけがない。他の奴らに潰されるくらいなら、いっそ俺の
手でお前を潰してやる。お前は俺達と一緒にいれば良かったんだ。お前はずっと俺の下にいれ
ば良かったんだ!」

 そこまで一気に喋ると麻枝ははぁはぁと息をついて、沈黙した。麻枝の云わんとすることは
久弥にもよく分かる。だが、最早二人はかっての二人には戻れないのだ。選ばれた様々な分岐
の結果として、今の自分がある。それは決して遡って改変することの叶わない絶対的事実なの
だから。
「麻枝、僕は僕だ。麻枝の所有物じゃない。僕はこれからも自分の意志に従うつもりだ。それ
を束縛することは誰にも出来ないよ」
 麻枝はその言葉を聞くと、久弥を締めていた手を離し、立ち上がった。解放された久弥は
ゆっくりと体を起こしながら麻枝を見た。
「もう俺はお前には何の手出しもしない。勝手にすればいい。YETと組もうが、独りで動こう
がもうどうだって構わないことだ。この業界でお前が敗れ去る様を見させて貰うよ」
 力無い声で呟き、麻枝は去った。久弥はその後ろ姿をただ見ていた。

 麻枝が去った後の河川敷には久弥独りしか人は存在していなかった。久弥は仰向けに寝転が
り、空を眺めた。太陽は既に地平線に半分近くその身を隠し、一番星がかすかに瞬いていた。
紅に染め上げられた空を二羽の鳥が羽根を寄せ合うようにして飛んでいる。同じ空を目指して
いた鳥達は、次第に針路をそれぞれに変えていく。やがて鳥達はまるで初めからそうであった
かのように違った方角を目指し、互いの姿を振り返ることもなく飛んでいった。 

184 :のんきな父さん:2000/12/08(金) 23:55
後編です。何かだんだん長くなってる気がする。
前編が>>158-160、中篇が>>166-171、後編が>>177-183です。

>>173
読み方なんて何だって構わないと思うのですが、萌えるって…どこに?
普通の萌えシチュは全然書けないのに妙な萌えは書けるのか、俺は?

185 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 03:58
>>184
くはァ!!
なんともはや、燃える展開ですよ。
久弥、麻枝ともにキャラがしっかり造ってあるっつーか。
完成度高いです。情景描写も細かくて良いです。
なかなか読み応えありました。
のんきな父さんさんのこれからの活躍に期待させて下さい。

…あと、確かに萌える見方も可能だ(w


186 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:05
回し

187 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:05
回す

188 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:06
回し

189 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:06
回す

190 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:06
回し

191 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:08
回す

192 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:08
回し

193 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 19:09
良質スレage

194 :普段は「焼き鳥名無しさん」だよもん:2000/12/09(土) 21:52
良質スレage

麻枝が喧嘩強いのが若者向け雑誌の不良漫画を想起させるんですけど
キャラが立っててめっちゃ面白いですガンバってください

195 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 23:28
読ませるなぁ…
文章の力って奴を、ホント思い知らされるよ。
続きキボーン。

街の不良もオタ性格だったら、現実ギャップでもっとおもしろくなったなとちょっと
思ったさ。

196 :名無しさんだよもん:2000/12/09(土) 23:33
kanon公式原画集・設定資料集によるとどうもまだ麻枝は机で仕事をしてるようです〜
会議用の応接室はあるようですが。

麻枝の左隣がいたる、その左隣がみきぽん、みきぽんの左に通路を挟んで折戸。
みきぽんの向かいはしのりで、涼元やイシカワの席は不明。久弥は記載ナシ。

また、質問内の「10年後のご自分にメッセージを。(仕事以外でも、もちろん可です)」に

いたる→長生きしてね。
しのり→仕事辞めてるといいね。
     まだ自分のために働いてるなら、ちょっとヤバイかもね……?
折戸→これからの人生、よく考えて生きるように……。
みきぽん→頑張れみきぽん。まだまだ気持ちは若いぞみきぽん。
麻枝→まだそんな子供みたいなこと言ってるのかよ…。

また、麻枝はカレギュウが最近のお気に入りらしい。

以上、何かの資料になれば。

197 :のんきな父さん:2000/12/10(日) 00:01
読んでくださり、どうも有難うございます。すんげぇ嬉しいです。
「みんなありがとう。お父さんはこれからも頑張るよ」と言いたい所なのですが、現実世界で卒論が
煮詰まっている(卒論の合間に書いてた)のと、久弥氏の現状が余りにも不透明なのでネタが続
かないのとで続きはなかなか書けなさそうです。
誰か他の人が続きを書いていって欲しいな〜、と思っています。

俺は設定資料集とか全然持っていなくて、コミケとかも行った事が一度もないので結構穴だらけ
の設定で書いていると思います。矛盾に気付いた方は生暖かい目で見守ってやって下さい。

198 :名無しさんだよもん:2000/12/10(日) 02:43
>>197(のんきな父さんさま)
お疲れさまです。
こちらも現実世界の忙しさで作品書いていませんが、時間ができたらまた書いてみます。
卒論作成中ですか…大変でしょうが、頑張って下さい。ああいうのは思いきって書いてしまえば楽になれますよ(かくいう私は昨年、修論もそこそこに冬コミ行って、年明けに地獄を見ましたが)。論文も小説も無理しない程度に。

それにしても、この麻枝、久弥って男から見てもなんか妖しげ。
前どこかのスレで麻枝×久弥(逆かも)萌えとおっしゃっておられた方がいましたが、その方の感想とか聞きたかったり。

199 :名無しさんだよもん:2000/12/11(月) 03:30
やおい読みが萌えるキーワードは「愛憎」だよ。


200 :名無しさんだよもん:2000/12/11(月) 15:46
面白い、面白いです最近。
なんつーか、麻枝サン悪役ですねぇ、ダークヒーローですね。
私、麻枝さんファンなんですけどね。

私もこういうの書ければ良いのですが、才能が無いっぽいので。
面白い文章や話書ける方は、尊敬の対称です。

keyの独立云々は、元は鍵初代スタッフ6人とYETさんの7人で独立したかったけど、YETさんは宅の重役という立場故に仕方なく宅に残ったっぽいです。
独立の場を用意したのもYETさんですし。

201 :名無しさんだよもん:2000/12/11(月) 17:16
え?! そうだったの?
じゃあ、いたるがタク掲示板にイヤミったらしい書き込みをしてたのは
単にいたるがどうしようもなく性格が悪かっただけなのか?

202 :名無しさんだよもん:2000/12/12(火) 00:57
>>201
いたるがどうだとその辺は、件の書き込みってのがどんなもんか
見たことないからなんとも言えねぇな。
>>200の言うことは本当なのか?>7人で独立
誰か分かるやつ居ないか?

203 :名無しさんだよもん:2000/12/12(火) 01:03
>>202
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=974139001&ls=50
ここの307に書いてあることから推測です。

204 :名無しさんだよもん:2000/12/12(火) 12:20
>>196
カレギュウ飽きてきたらしいぞ。


205 :名無しさんだよもん:2000/12/15(金) 06:44
>>204 けろぴー 食いたいらしいぞ。
旨いのか?

206 :名無しさんだよもん:2000/12/19(火) 08:32
う〜ん、続編はあるのかな?

207 :名無しさんだよもん:2000/12/20(水) 00:30
>199
なるほど。だから、ネタとしてよく言われてる高橋×水無月よりも、
麻枝×久弥の方が萌えるのか。
という事は、原田×高橋なんてのも・・・。

>198
このスレの人?
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=974480491

208 :名無しさんだよもん:2000/12/23(土) 02:23
>>207
あ、そうそう。
そこの179=183さん。

209 :ギャッ:2000/12/23(土) 03:19
自分がネタにされてるとは思いませんでした別スレ179です>208さん
もう自分の妄想はのんきな父さんの小説のみでカンペキに脳内補完されたよ!
というくらい激しくバーニングしてましたハハハ

こんな妙な萌えで走れる人間なんざ自分くらいしかいないっすよね…
誰もついてこないっつーの。
今このジャンル始めたら唯一にして最大手ですか?(藁

でもかのうぉ読んで「ブレーキ役」「年上」の涼元に攻の素質を見いだしてみたり。
……語るときりがないのでsagesage。しょせんぬるい鍵初心者だし。

210 :別スレ179:2000/12/23(土) 03:21
そして散々言って何ですが麻枝は俺様受のような気がしなくもありません
だけどプラトニックがいいなとかああもう冬コミ前で逃避してますね

211 :國立でむぱ監視所:2000/12/30(土) 06:14
この電波スレは779459865998.088692Hzです

212 :名無しさんだよもん:2001/01/14(日) 04:37
優良仮想SSありあげ

213 :名無しさんだよもん:2001/01/14(日) 04:38
あげてなかった
もいちどあげ

214 :名無しさんだよもん:2001/01/14(日) 04:49
ここはスタッフやおいスレか?

はぎや×椎原とかなのか?

麻枝のスペアリブ画像を見てもまだ萌えられるか?

215 :名無しさんだよもん:2001/01/14(日) 05:07
脳内で変換してるんだろう。
仮想戦記なんだし深く考えないほうが・・・。
ま、実物とのギャップもまた笑えるんだけど。

とりあえずやおいでも蛍光灯割るうだるちんでも搾取されてキレた
はぎやでも何でもいいから仮想戦記をキボーン。

216 :名無しさんだよもん:2001/02/01(木) 11:11
たまーにあげたくなるんだ…
てよか名作だぜage

217 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

218 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:05
ここに来てる奴で誰彼の推奨スペックに自分のマシンが追いついてない奴、
どんくらいいる?

219 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:12
参考までに推奨スペックは・・・
CPU:PentiumV800MHz以上
メモリ:512MB以上
HD空き容量:15G程度

220 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:16
>>219
ずいぶん低いな。
そんな低スペックでいいのか?

221 :219:2001/02/02(金) 00:32
忘れてた、
要:3Dプロジェクタ

222 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:32
確かにそうだな。
CPU&メモリは1G以上、HDも30G以上の空きでいいんじゃないか?


223 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:41
ビデオボードなんだが、ミレニアムG450じゃたりんよな?
最低どれぐらい?


224 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:42
参考までに推奨スペックは・・・
OS:英語版WinowsNTServer4.0
CPU:PentiumW1500MHz以上
メモリ:512MB以上
HD空き容量:64G程度
CD-ROM:52倍速以上
ディスプレイ:1280x1024(8BitColor限定)

このソフトは妄想癖のある蛆虫ギャルゲーマーしか買えません。
あっ違った、ギャルゲーマーはみんな蛆虫か♪
ならOK、問題なし♪
蛆虫ども!みんな逝ってよし♪

225 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:48
誰彼はギャルゲーではない、と思ふぞ。わらわは。

226 :折原@地獄車:2001/02/02(金) 00:50
>>225
素薔薇しいバカゲーかな、やっぱり?

227 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:55
参考までに推奨スペックは・・・
OS:英語版WinowsNTServer4.0
CPU:PentiumW1500MHz以上
メモリ:512MB以上
HD空き容量:64G程度
CD-ROM:52倍速以上
ディスプレイ:1280x1024(8BitColor限定
グラフィック:Oxygen GVX210(推奨)
このゲームはOpenGLを使用しております。

228 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 00:58
>誰彼はギャルゲーではない、と思ふぞ。わらわは。

えっ?そうなの?
ごめん、オレギャルげーしらないから・・・
ギャルげー会社が作ってるんじゃないの?

229 :名無しさんだよもん :2001/02/02(金) 01:00
NTで動くゲームは非常に貴重ですな(藁
W2K使いとしてはこういうのだしてほしいねぇ・・・

230 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 01:06
つーか、サーバー用のゲームって何?(藁


231 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 01:08
>>228
エロぐいん2月号を探してきなさい。うむ。それがよかろう。

232 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 01:13
>>231

233 :名無しさんだよもん:2001/02/02(金) 01:18
>>229
自分もそう思います
でも、ギャルげーは出なくていいよ。

>>230
ドメイン対抗ネットワーク対戦型
ギャルげーですよ♪

>>231
その雑誌?知らないです、ごめん!

勉強します! 逝ってきます♪

234 :名無しさんだよもん:2001/02/12(月) 03:33
作家さんの登場期待age

235 :名無しさんだよもん:2001/02/12(月) 03:40
リーフフフのネタとしても結構使えるので上げ。
あ、でもmentai鯖時代のスレッドの方が実用的かも。

236 :名無信者さん:2001/02/12(月) 03:41
誰彼のWAREZどこにありますか?

237 :2/15の朝 1:2001/02/17(土) 03:38
「中尾さん、下川社長がお呼びです」
中尾が出勤するなり、部屋に入ってきた若い男がそう伝える。
「わかった」
彼は気のない返事をし、社長室へ向かった。

「しかし何だろうな、こんな朝早くから」
彼、中尾は、ここリーフで働くプログラマーである。
また愚痴を聞かされるのかな。そう思いながら、社長室のドアをノックする。
「中尾です」
「ああ、入れ」
ドスの聞いた声が響く。彼はドアを空け、部屋へ入った。

「おはようございます、社…長」
中尾の挨拶も終わらぬうち、下川はドン、と乱暴に机を叩く。
何事かと思い、机の上を見ると、1枚の紙が無造作に置かれていた。

「今朝、川上がよこしたのだがな。
 読んでみろ。なかなか面白い企画書だと思わないか?」
下川は不気味な笑みを浮かべながら、中尾に話しかける。

何だ? いつも仕事を押しつける時とは雰囲気が違うな。
中尾は違和感を感じつつ、その紙を手にとり、中を見てみた。

…血の気が引いた。

238 :2/15の朝 2:2001/02/17(土) 03:38
「何故…、証拠はすべて処分したはず…」
半年前の事。もう、しばらくの間、忘れていた事。
彼はかつての同僚である原田、陣内らと共に、非公開の掲示板を作り利用していた。
他人には知らせず仲間内だけで会話を楽しんでいたため、
かなりきわどい内容を書き込んでいた覚えがある。
そう、上司の悪口はもちらん、リーフの内部事情まで。

新入社員に対する扱いの酷さ。
高橋、原田が退社した経緯。
リーフ社内のどす黒い雰囲気が赤裸々に書き込まれている。
もしこれが外に漏れれば、リーフのイメージはガタ落ち。
最悪、会社は倒産に追い込まれるかもしれない。

…その掲示板のログの一部が、彼の手元にある。

「…面白い真似をしてくれたじゃないか」
その声で、中尾は我に返った。
下川は獲物を狙う蛇のような目で、中尾をにらみつけている。
「くっ」
下川に背を向け、入り口へと走り出す。
もう、逃げるしかない!
しかし、いつからそこにいたのか、黒い服を着た屈強な男が中尾を捕まえ、
羽交い締めにする。

239 :2/15の朝 3:2001/02/17(土) 03:40
「離せ!」
中尾は必死で暴れたが、圧倒的な力で締め上げられ、びくともしない。
「…君は、優秀なプログラマーだと思っていたのだがな」
下川がゆっくりと近づいてきた。
恐怖で身がすくむ。
「とりかえしのつかない事を、やってくれたな!」
「がはっ」
下川の拳がみぞおちに突き刺さり、中尾が悲鳴をあげる。
首ががくんと下がったところへ、左手で髪を掴み、顔を上げさせ、
今度は顔面へ強烈な右拳を放つ。
「ぐ…」

「情報の出どころが匿名掲示板だったのは幸いだった。
 無視を決めこめば、そのうち世間は忘れてくれるだろう。
 盗作疑惑の時と同じようにな。
 だが、かなりの数の人間が、リーフに不信感を抱いたのは間違いない。
 …貴様、何故、こんなことをした?」
下川が、もはや虫の息となっている中尾に語った。

「…と思ってるのか」
「何?」
「お前に反感を持つスタッフが…、俺だけだと思ってるのか…?
 俺が…やらなくても、いずれ…誰かが、暴いただろうよ。
 こんな形じゃなく…、公の場で…な。
 社員を安い給料で…こき使い、部下の不満を…無視し…、
 トップの人間だけが…甘い汁をすする。そんな会社が…、
 いつまでも…持つと思うのか?」
痛みをこらえ、恐怖を押さえつけ、中尾は下川をにらみ返した。

240 :2/15の朝 4:2001/02/17(土) 03:40
「ふん…不満なら出ていけば良かったろう。お前の代わりなどいくらでもいる。」
確かにその通りだ。中尾自身、何度リーフを辞めようと思った事か。
だが、人間、劣悪な環境でも慣れてしまえばなんとかなるものである。
リーフを退職した友人と、酒を飲みながら会社の悪口を言い合う楽しみもあった。
辞めるのはいつでもできるさ。そう思いながら、ズルズルと今の職場に残っていた。
それが…、まさか、こんな目に遭うとは。
彼は自分の優柔不断さを激しく後悔していた。

「邪魔者は消えろ、か…。ははっ」
目の前の男と自分への怒りで、半ばやけになっていたのだろう。
中尾は、以前から心の奥底で不信に思っていた事、
しかしまさかと思い、口に出しては言わなかった事を、この場で言ってしまった。
「それで…、中上さんも殺したのか?」

下川の顔色が変わった。


…数刻後。

「おい」
下川は、黒服の男に命じた。
「後は任せる。私は仕事があるのでな。今日は忙しくなりそうだ。こいつのせいでな」

もう口がきけなくなった中尾を一瞥し、下川は社長室を後にした。

241 :名無しさんだよもん:2001/02/17(土) 06:08
あげろよ! 下がったままじゃ消えるじゃんかよ!

…ブラックあげ。

242 :名無しさんだよもん:2001/02/17(土) 06:15
どうにもシャレにならんな、おい。

243 :名無しさんだよもん:2001/02/17(土) 07:13
そして中尾は大阪湾に沈められるのであった。ちゃんちゃん。

244 :名無しさんだよもん:2001/02/17(土) 07:45
下川は大阪弁できぼーん。

245 :名無しさんだよもん:2001/02/17(土) 09:12
このままでも悪役っぽい雰囲気が出てていいぞ。

246 :名無しさんだよもん:2001/02/21(水) 02:12
久弥直樹のふりがなおしえてくれ、わからん、なんて読むんだい?(笑

247 :名無しさんだよもん:2001/02/22(木) 02:40
ひさやなおき。だとおもう。たぶん。
本名は林らしい。hayasi=hisayaといいたいらしい。らしい。

248 :246:2001/02/22(木) 14:55
>247
さんくす!(笑)

249 ::2001/02/22(木) 18:47
エロゲ作家ってツヲイ?

250 :名無しさんだよもん:2001/02/25(日) 01:36
埋没防止age

251 :名無しさんだよもん:2001/02/25(日) 01:41
上げるのはいいが少しはねたを出せ。

252 :名無しさんだよもん:2001/02/25(日) 01:45
寝た振り

253 :名無しさんだよもん:2001/02/25(日) 21:25
今回の2/14事件を見て、ほくそ笑むKeyメンバーの話ってのはどうだろう?
のんきな父さんカムバック!


254 :名無しさんだよもん:2001/02/25(日) 22:14
そういえばクリスマスの頃、どっかのスレでSS書いてたな
>のんきな父さん

255 :名無しさんだよもん:2001/02/26(月) 07:06
俺も父さんカムバックきぼーん。
試験終わったりして余裕あるなら是非書いてくれー。

256 :名無しさんだよもん:2001/02/26(月) 07:11
     〃┏━━ 、
     |  ノノソハ)))   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  (((\リリ ´∀`)リ  < ぴんきーももDVDBOX!!
  ((ニE/⌒ヾ∞"ヽ    \____________
    (こ)   ∞ |こ)
    く__∞@`ノ
    し' し'

257 :名無しさんだよもん:2001/03/02(金) 19:09
更新希望age

258 :名無しさんだよもん:2001/03/03(土) 19:00
ハードボイルドな新作期待上げ

259 :名無しさんだよもん:2001/03/03(土) 20:27
まあ、久弥氏の動向が確定したら、書いてくれるんじゃないかと。


260 :名無しさんだよもん:2001/03/03(土) 20:35
         ゚    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
   /  ̄/\     |  あがっちゃった… |
。  |_ /\ \   \__ _______/
 〃@`|  \  \./\      ∨
   |_. \./\: \    ∠⌒∧   
 〃:\  ̄ \   \./ \_(´∀` ||)   |__|∴
 :   \_ \ /\  \ ̄\ゝ) ) //∴∵
  :  〃\  ̄ \  :\ / \ \///  ∵ ∴
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


261 :名無しさんだよもん:2001/03/03(土) 21:25
のんきな父さんには勝てません。
今読み返してるんですが、あの抑えた筆致は真似しようと思っても出来る物じゃない。
かっこいいよ、マジで。

262 :不審者:2001/03/04(日) 01:10
 年が変わり、世紀が変わっても人間は決して変わることはなかった。古の西洋人の作り出した
カレンダーの日付に従い人々は生活を営む。だがそんな相対的時間基準に人間の本質は影響を受けない。
 人間はかって人間とは分類され得なかった時代の渇きを己が肥大したその脳髄の奥底に今なお抱え
、決してそれは癒されることはない。

 人間が手に入れた唯一にして無二の武器、それは言葉だった。言葉は曖昧で胡乱だった世界のベー
ルを剥ぎ取り、要素に還元することができた。言葉によって世界は客体化される。人間は言葉を生み
出すことで初めて世界に明確な輪郭を与えることができたのだ。
 言葉による世界の支配は進んでいく。そして今、ここにも言葉を武器に完全なる世界を創り上げ、
歴史を紡ごうと試みた若者がいた。

 大阪市東天満に戸籍を置き、18禁ゲームを製作、販売する企業として現在確固たる地位を獲得しつ
つある企業。株式会社ビジュアルアーツという呼称を持つその企業の一開発部門であるkey。keyと呼
ばれるその開発チームの発足以来の中心人物であり、今もチームリーダーとしての卓越した統率力で
もってチームを牽引する男。
 麻枝准と呼ばれるその男は今日も定時に出社し、開発室のデスクに向かっていた。
 毎朝出社して初めに行なう日課として前日に送られてきたメールに目を通し、必要なものには返信
をする。今や一介のシナリオライターではなく、第一線の企画者として製作現場全体の管理を行なう
立場にある麻枝の業務は多忙を極めていた。ようやく前日のメールの整理を終えた彼は、マウスを動
かしデスクトップに置かれたブラウザのショートカット・アイコンをクリックした。
 回線が接続され、ウィンドウが開く。様々な分野の最新情報を得るために麻枝は日々巡回するサイ
トをいくつも決めていた。情報を持たない者は、情報を持つ者の後塵を確実に拝する。

263 :不審者:2001/03/04(日) 01:10
(ふむ、今月末に新しいビデオが発売されるのか。発売日買いだな)
 小学生の女子を本来の対象層とする、鮮やかなパステル・カラーで彩られたアニメ番組の、到底小
学生の女子を対象にしたとは思えない初回特典の付いたビデオソフトを紹介するサイトに目を通しな
がらそんなことを考える。
 巡回を日課とするサイトの更新情報を全てチェックし終わり、特に目的もなくネットワークを巡っ
ていた麻枝の網膜に、あるリンク先が映し出された。

『552.txt』

 何の変哲も無いただのテキストデータをアップしたサイトのようである。だが、そのキャプション
が麻枝の目を引いた。

『リーフ社員による掲示板の過去ログ』

 麻枝もよく知っている企業の名は彼の興味を惹いた。マウスをダブルクリックし、リンク先のサイ
トを開く。暫くの間を置いて、膨大な量のテキストデータが表示された。社内での不遇を嘆くLEAF新
人社員の怨嗟の声がそこに書き込まれていた。恥ずかしげも無く話題にされた社内の内ゲバ、延々と
書き込まれ続けた不満と鬱屈に麻枝は苦笑せざるを得なかった。
(下らない。こんな所で負け犬同士が傷を舐めあっていて一体何の意味がある。現状に不満があるの
ならば自分の力で現状を変えればいい。お前らみたいなのが何を吠えてもただの滑稽芸だよ、温室育
ちのガキども)
 麻枝はこの世界を闘争の場だと認識していた。少なくとも自分は今、そういう世界に生きているこ
とを確信していた。世界に自分の権利を保障してもらうにはそれなりの代価が必要だ。世界に従属し
、支配の庇護下に身を置くか、または世界に己の力を認めさせるかだ。そして、麻枝は後者を選択し
た。誰にも媚びず、誰にも屈せず自分が自分であることを貫き通した。勿論それは楽な道ではない。
麻枝の周囲には常に罵声と嘲笑がつきまとったし、時には麻枝自身も屈辱の泥にまみれることもあっ
た。だが麻枝は決して世界に膝を屈しはしなかった。目的地に到達するために迂回路を探るようなこ
とはせず、最も急峻な坂路を駆け登ってきた。そんな麻枝にとってディスプレイに並びたてられてい
る呪詛は、何の意味も持たないただの敗残者のたわ言としか思えなかった。飼い犬が首輪を巻かれる
のは当然のことだ。それが嫌ならば飢え死にする覚悟で野良になればいい。


264 :不審者:2001/03/04(日) 01:11
 興味を半ば失いながらも、ログを読み進める麻枝の視線がある部分で留まった。5月21日と表示さ
れた日付の書き込みの文章を読むと、苦々しげに顔を歪めた。
「ちっ」
 舌打ちをして、胸ポケットから煙草を取り出しライターで火をつけた。赤く熱した切り口から立ち
昇る白煙を口元でくゆらせる。親しんだニコチンの味がささくれだっった精神状態に安定を与えてく
れるのを待った。
 波立った海面が凪を取り戻し、崩れた砂山をかき集めて元に戻すのには考えていたよりずっと長く
の時間を要した。苛立たしげに煙を吐き出し、脚を組み替える。ディスプレイに映し出された文章と
その書き込みを行なった者の名前を睨みつけるように凝視していた。

 自分の名を呼ぶ声が背中から聞こえてきた。麻枝は慌ててブラウザを閉じ、昨日机の上に放置して
いた缶コーヒーの空き缶に煙草を押し付け、火をもみ消した。周囲を漂う白煙を手で追い払いながら
椅子を回して振り返る。
「どうした、いたる。何か作画でトラブルでも起こったのか」
 素っ気無い言葉を送る麻枝に対して樋上いたるはむっとして応えた。
「まるでわたしがミスばっかりしているみたいじゃない。人聞きの悪い」
「トラブルじゃなかったら、何だ。新しい発注でもあるのか」
 仕事の話から離れようとしない麻枝の様子は普段のそれと変わらないようにいたるは感じた。
「仕事の話じゃないよ。麻枝君、朝ご飯食べてきた?」
「はぁ?」
 いつものことだが、いたるの発言は中々に唐突だ。唖然としている麻枝の目の前で鞄のジッパーを
開け、いたるはピンクの蓋を被せたガラスの瓶を取り出した。
「これ、ミルクジャムなんだけど、パンにつけて食べたらおいしいと思うんだ。食べない?」
「食べない。俺は朝飯はいつも家で食ってきている。それに、甘い物は嫌いだ」
 麻枝は即答した。
「ふぅん、そうなんだ。残念」
 気落ちした様子でジャムの入った瓶を鞄にしまい直そうとするいたるに向かって、麻枝は何故か慌
てたように質問をした。


265 :不審者:2001/03/04(日) 01:13
「おい、そのミルクジャムってまさか、ファンから送られてきた物じゃないだろうな」
「え? お店で買ったんだけど」
 いたるは麻枝の質問の意図するところが把握できていないようだった。怪訝そうに首を傾げるいた
るに対して麻枝はほっとしたように言葉を返した。
「いや、それならいいんだ」
「変なの」
 いたるはジャムの瓶を入れ直した鞄を肩に掛けると麻枝の元を離れ、自分の机に戻ろうとした。
「あ、いたる」
 突然思い出したように麻枝がいたるに問い掛けた。いたるは振り返り、再び麻枝の方を向いた。麻
枝は真剣な口調でいたるに言った。
「おまえ、最近身の回りに変わったことがないか?」
「変わったことって?」
「家の周りに変な奴がうろついているとか、後をつけられている気がするとか」
「別に、そんなことないよ。いつもと変わらないと思うけど?」
 普段とは違った麻枝の様子に、いたるは疑念を露にしていた。麻枝はその疑念を晴らすように努め
て明るい口調で言った。
「いや、最近この辺も物騒だからな。でもいたるなら大丈夫だろう。何といってもうちで一番の力自
慢だからな」
「それ、どういう意味よっ」
 それには応えず、麻枝は椅子から腰を上げ、開発室の出口に向かい歩を進めようとした。
「麻枝君、どこに行くの?」
「煙草吸ってくる。禁煙だろ、ここ?」
 いたるの質問にそれだけの言葉で応えると、ドアノブを回し扉を開けた。半開きになった扉の隙間
から廊下に出ようとした麻枝はもう一度振り返って、いたるに言った。
「あんまり残業とかせずに、定時で帰るようにしろよ。もしどうしても遅くなるんだったら、俺に
言ってから帰るようにしろ」
 やはりいつもの麻枝の言葉とは思えなかった。麻枝が何かを隠しているように、いたるには思えた。
「一体どうしたの? 何か今日の麻枝君変だよ?」
 いたるの疑問に背を向けながら、麻枝は応えた。
「言っただろ、最近は物騒だからな」
 ばたんと音がして、扉が閉まった。

266 :不審者:2001/03/04(日) 01:13
 清浄に換気された廊下の空気を白煙がかき乱す。立ち昇る煙は尾を引きながらゆらめき、先端から
崩れるようにして消えていく。口から煙の輪を吐き出しながら、麻枝は独り言ちた。
「いたるに何かあったら、本当にあいつに殴られるからな」
 真新しい廊下の壁に背中を預けながら見上げた天井には、蛍光燈が白い光を放っていた。

267 :ぷれすと@元のんきな父さん:2001/03/04(日) 01:19
今月25日に京都で生樋上いたるに会えるイベントがあるみたいっすね。
行ってみようかな…(京都在住)

>>261
俺の文章は抑えた筆致ではなく、単に色気がないだけです。「萌え」を書くのが
とにかく苦手なことにクリスマスSSの辺りで気付かされました。
萌えシチュの職人はすげーよ。俺も佐祐理さんの萌えSS書きたいよー。

268 :名無しさんだよもん:2001/03/04(日) 08:37
更新されてるぞあげ!

269 :名無しさんだよもん:2001/03/04(日) 08:48
だから自覚しないで天然でそういう文章書けるのがすげえんだって。
萌えと色気のない文体で結構じゃないか。
むしろ媚びや狙いが見えない分好感度高いし描写もきっちりしてるやん。
マイナス要素よりプラス要素の方が多いよ。

言っちゃえば、ニトロプラスはハードボイルドでのしあがったんだからさ。

270 :名無しさんだよもん:2001/03/04(日) 08:50
269はアレな書き込みで申し訳ない。
久々に読んでテンションが上がっちまったようです。
ゴメソ。

271 :名無しさんだよもん:2001/03/04(日) 10:57
うーむ、少し表現、描写が足りない気がする。
いや、ほんの少しって程度なんだけど。でも、面白い。
読ませる文章だね、あとひくよ。

272 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 19:59
ttp://www.tohgoku.or.jp/~hoimin/netuzousenki.txt

273 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 20:27
ついに他サイトへも伝播したか。

274 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 21:58
中尾の白ジャムですか!?

275 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 21:59
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕堕
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳脳

276 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 21:59


277 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 22:12
ssss

278 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 22:34
agew

279 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 23:21
gggg

280 :名無しさんだよもん:2001/03/06(火) 23:27
ii

281 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 00:09
どなかたか『誰彼〜瓦解〜』やってくださいage

282 :どっぺる☆いたぽん:2001/03/09(金) 19:15
藪の中〜麻枝〜
1月某日。麻枝の元を三人の男が訪れる。それは彼が予想だにしなかった顔ぶれだった。
一人は一見気弱そうな外見だが眼光だけが妙に鋭い男、悪夢の原画として名を馳せた
keyと同じくVA内で権勢を誇るブランド「スタジオメビウス」の実力者、飛鳥ぴょん。
一人はこれと云って捕らえ処の無いサラリーマン風の男。麻枝にとって初顔の男。
ふと、涼元のことが麻枝の脳裏に浮かぶ。涼元から触れれば斬れるような鋭利さを抜いて
かわりに愚昧と狡猾を入れればこのサラリーマンのような感じかも知れないと。
そして最後の一人は…

「久弥。元気そうだな」

最後の男は片頬を歪めた。いや、笑顔だったのかもしれない。だがそれは嘲笑の笑顔。

「久しぶりだな、麻枝。俺は元気さ。ふふ…お前の事だ、もう知ってるんだろう?」

「…なんのことだか分からないな?」

「相変わらず空とぼけてやがるか。俺がお前と同じ立場になったということだよ。」

久弥の言葉を飛鳥ぴょんが続ける。

「スタジオメビウスは久弥さんを企画及びシナリオライターのメイン
として起用する事に決めました。
久弥さんの才能は稀有のものです。これからの時代には
久弥さんのような方が求められることになりますからね」

麻枝は僅かに動揺した。飛鳥ぴょんの言葉を聞いた瞬間、ある噂話が頭をよぎった。

「メビウスさんに絶対それは無いと踏んでいたのだがな。社長はご存知なのか?」

ずっと黙っていたサラリーマン風がポソっと呟く。

「変革されるのですよ。全てが」

283 :どっぺる☆いたぽん:2001/03/09(金) 19:37
藪の中〜麻枝〜
サラリーマン風は名刺を取りだし、丁寧に差し出した。
「ああ、申し遅れました。私は椎原旬と云う者です。どうぞ宜しく」
男は自分の名を名乗る時、ほんの僅かに口を歪めた。

(椎原旬…まじかる☆アンティークのシナリオライター…ズンズンバンバンで
有名な男。シナリオライターとしての技量は低レベルだが、萌えキャラクターの
造形についてだけは多少出来ると聞いたことがあるな)

麻枝は椎原に返答と名刺を渡しながら、高速で思考を巡らせた。
三人の男を一時観察し、瞬時に思案する。

(久弥は変わった、妙に自信に溢れている。あの目…自分の勝利を確信した目、
この俺、この麻枝すらをもを見下す目だ。以前の俺を見上げていた目とは正反対。
久弥にアレほどの自信をつけさせる要因…)

(飛鳥ぴょん…何を考えているか分からない男ともっぱらの評判だが、あの目は
策謀の目。気弱な態度は自分の中身を隠す為のフェイクだろう)

(椎原旬…久弥に対して羨望と劣等を抱いているのが見え見えだ。久弥の態度、飛鳥ぴょん
の態度、そして椎原旬自身の態度から見て、三人のヒエラルキーの最下層にいる。
おそらくは久弥のシナリオのサブとして雇われたのだろうな。
気になるのはこの男ではなく、その言葉。「変革」)

「なるほど、皆さんは神を冒涜するのは耐えられない。そう云う訳ですな」

麻枝の言葉に一瞬、久弥、飛鳥、椎原の三人が唖然とした顔を浮かべる。
そして飛鳥ぴょんが笑い出した。

「ハハハ、なるほど。予想以上ですよ麻枝さん。久弥さんから話は伺っていましたが、
これほどの方とは、ふふ…その通りです。我々は既にシナリオをすすめています。
これを」

アタッシュケースを開こうとする飛鳥ぴょんへ麻枝は手を振った。

284 :どっぺる☆いたぽん:2001/03/09(金) 19:51
藪の中〜麻枝〜
「見なくても分かりますよ。流石に教育委員会やPTAへは手をまわせない。
となれば動かしやすい圧力団体へ手をまわしてるんでしょう?さしずめ
ユニセフと云った処ですか。寄付の名目で合法的に賄賂が渡し放題だ。
あとは御上…椎原さんは東大の方ですな。
東大の学閥はさぞかし役に立つこと、想像にかたくありませんしね」

久弥の顔が激しく歪んだ。

「麻枝…俺達をリークしていたのか?お前は汚い奴だからな。それぐらいは
やるだろうさ。だがな、もうこの潮流は止められない。俺は業界の歴史を
塗り替える。いや塗り替えるのではない。旧い業界は滅びさり、俺は新しい業界
の創造主となる!!お前など、そのときは終る人間だよ!!」

飛鳥ぴょんが僅かに怒ったような顔を久弥に向けた。

「久弥さん。麻枝さんに対しての非礼な振るまい、謝罪しなさい」

「良いんですよ飛鳥さん、久弥とは長い付き合いですしね。それに久弥が
変わってないことを知って半分安心してるんです」

「ボクがかわってないだって?どういういみだ?」
「相変わらず女を憎んでいるんだな、久弥」その一言で、部屋の雰囲気が変わった。久弥の顔が見る見るうちに強張る。
無言で久弥は退出していく。その後を慌てて椎原が追う。大きな音を立て扉が締まる。

飛鳥ぴょんが嘆息するように言う。

「ほんとうに、ほんとうに恐ろしい方だ。貴方は全てが見えるかのようです」

「それは貴方も同じじゃないですか?飛鳥さん」

二人の間に静かな空間が築かれる。

285 :どっぺる☆いたぽん:2001/03/09(金) 20:01
「分かって戴いて幸いです、麻枝さん」

「別に私にとっては、現在の業界が滅び様が痛くも痒くもありませんし。
私は私の作品を作るだけです。そして敵は排除する。ただそれだけのことで私は
keyを作り上げたのですよ」


「ふふ…先が怖いですね。どうぞお手柔らかに」


2001年3月に提出されたVAの警察への意見陳述書の中により強い規制を
求める一文があったことは、ほとんど知られていない。
東大学閥グループと、椎原の関与もほとんど知られていない。
13cmが方向転換を要望された事も、keyがユニセフへの募金をはじめた事も、
ユニセフが性の取り締まりのさらなる強化を求め、「絵」も対象枠内
に入れようとしていることも、意図的にモザイクを外したゲームがリリースされた
ことも、みな、ほとんど知られていない。みな、個々の事件として
扱われた。常に真実は見えない。

286 :Who is he? 〜序章〜:2001/03/09(金) 21:08
2月9日 22:32
暦の上ではすでに春だが、気候はそれには殉じない
凍てつく風は人々に容赦なく冬の洗礼を浴びせる
だがここにその暦に殉じまくっている男がいた。下川である。

邸内、豪壮な装飾品が溢れるその自室で下川は浮き足立っていた、『ウキウキ気分』――
俗な言い方だがこの表現の方が妥当と言えるかもしれない
PCを立ち上げるまでの時間がもどかしい
リーフのデザインに変えられたスタートロゴを半ば苛立ちながら眺める
しかし苛立ってはいないが、決して不快ではなかった
それはさながら、遠足を待ちこがれる少年の心境である
荘厳な起動音の後にデスクトップが表示される。
そして常駐プログラムがまだ動き出さない内にブラウザを開き、アドレスを打ち込む
ネットではどんな反響が起こっているのか?
それを知るために、パーティーも程々に家に帰ってきたのだ

今日は『誰彼』の発売日だった
栄光時代の帝国、そしてそれを支えた驍将達はもういない
だがこの期に及んでまだ彼はleafをトップメーカーであると信じていた
『ブランドイメージ』人の心を支配、あるいは陶酔させる、その人知を超えた力は確かに以前のLeafにはあった。
しかしそれを支え、生み出していくのは人である
高橋、折戸、水無月、鳥の、一一、ら〜YOUが築き上げたのだ。彼ら無しには
そのブランドは成立しないのだ。だがこの認識が彼には無かった
だからこそ彼は帝国の栄光を信じ、無謀な開発を進めていったのだが・・

この作品は『AIR』を超える――!
そう・・信じていたのだ下川は2ちゃんねるを覗き込む
『誰彼』――このキーワードを素早く目で追う
どんなスレッドが建っているだろうか?どれほどのレスがついているだろうか?
どのような感想がそこには記されているのだろうか?
『痕盗作問題』『552文書』――
忌まわしい話題ばかりを取り上げる2ちゃんであったが
彼らの記す簡素なレビュー、匿名故の正直な感想には彼も一目置いていた。
「良いものは良い」と言う2ちゃんねらーの長所も彼はこの時点では理解していたのだ

287 :Who is he? 〜序章〜:2001/03/09(金) 21:08
だが、もどかしさが彼の心を覆う。誰彼の二文字が見あたらないのだ
漢字2文字というのがいけないのだろうか?
目で追うのは疲れた頭では辛い、検索で『誰彼』と打ち込む
だが、味気のない警告音と共にメッセージが表示されるだけだ
『ドキュメントの検索が完了しました』
無論結果は出ていない
――おかしい、そんなはずはない
誰彼は確かに今日発売された
さっきまでホテルを借り切っての壮大なパーティーを行ない
臣民達と楽しいひとときを過ごしていたのだ。
なのに何故スレッドが建っていない?何故検索に引っ掛からない?
もしやと、ある一つの可能性にすがる
だがタイトルを覗くと確かに『葉鍵板』と記されている
ここはkeyと・・そして強大なる我がLeaf帝国を語る板のはずだ
それなのに話題の新作、『誰彼』の感想を誰もつけていないとは・・

ついに発掘した高橋に勝るとも劣らないプランナー・竹林
物語をより分かり易く、そして臨場感溢れるものにするため考案したチップアニメ
そしてこの業界では斬新な男性のヴォーカル・・
大爆笑のおまけは臣民と幹部達の心の架け橋となったはずだ
なのに・・一体何故・・?

「・・・」
だが血中のアルコールが彼の思索を阻害する。これ以上考えることはできない
下川は短く笑うと、PCの電源を落とした
――少しがっつきすぎたかもしれないな・・まだテレホタイムにもなっていないじゃないか
感想がつくのは明日からだろう。
明日にもう一度覗けば何千ものレスがついているに違いない
ふふっ・・サーバーがその負荷で落ちなければ良いが・・

彼はスーツのままベッドに身を埋める
せめて今夜は良い夢を・・

288 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:10
まわせ

289 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:10
まわすんだ

290 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:10
まわす

291 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:11
駄文

292 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:11
すまん

293 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:12
あと

294 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:12
だれか

295 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 21:12
頼む

296 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 22:42
おい、書かれてあるぞ!age

297 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 22:43
足りないからまわしとくね

298 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 23:10
哀れ過ぎるよ・・しぇんむー・・

299 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 23:14
我が石川県は21世紀の日本を引っ張る!正に日本の中心!
日本を代表する超一流の政治家森善郎
日本を代表する超一流の大学金沢大学
日本を代表する超一流の医科大学金沢医科大学
日本を代表する超一流の私立大学北陸大学
日本を代表する超一流の日本酒舞姫と天狗
日本を代表する超一流のデパート大和
日本を代表する超一流の温泉七尾温泉
日本を代表する超一流の空港小松空港
日本を代表する超一流の私鉄北陸鉄道
日本を代表する超一流の特急サンダーバード
日本を代表する超一流の北国新聞
日本を代表する超一流の寺忍者寺
日本を代表する超一流の市街地武蔵ヶ辻と香林坊
日本を代表する超一流の港金沢港
日本を代表する超一流の繁華街片町
日本を代表する超一流のシナリオライター青紫
石川県が日本を救う!日本の宝物庫石川県!

300 :名無しさんだよもん:2001/03/09(金) 23:26
>>299
青紫の出身は青森だぞ。ファンクラブ会報の自己紹介で書いてたような。

301 :名無しさんだよもん:2001/03/10(土) 00:30
>>286-287

大爆笑!!
sage回しはスタッフの方ですか?(笑)


302 :2/15の昼 1:2001/03/10(土) 01:57
>>240の続き考えたんで書いてみました。


「インターネットの掲示板において、リーフを貶める内容が書かれた文書が公開された。
 これは悪質な営業妨害であり、わが社としてはこれを黙殺する方向で進める。
 諸君らは何も心配する事はない。普段通り仕事をしていてほしい」

そろそろ昼休みになろうというこの時間、下川社長より全社員にメールが送信された。

「ふうん。ま、よくあることだよな。
 しかし、社長がメールを送るなんて珍しいな」
そうつぶやいたのは、リーフの音楽制作スタッフの一人、松岡であった。
「まあいいや、そろそろ昼飯か…。さて、今日はどこへ行こうか」
席を立とうとしたところ、彼よりやや年輩の男が声をかける。
「おーい、松岡」
「あ、みゃくささん」
「どうだ、昼飯、一緒に食いに行かないか?」
「ええ、いいですよ。しかし珍しいですね、ここへ来るなんて」
みゃくさは、松岡のリーフにおける数少ない友人であるが、
仕事場が離れているため、普段はほとんど顔を合わせることがない。
「ああ。ちょっと、な…」
「?」
「まあ、とりあえず外へ出ようぜ」

二人は本社からだいぶ離れた定食屋に入った。
「結構歩きましたね。いつもこんな遠くまで昼飯食べに来てるんですか?」
「いや…」
「…」
どうも今日のみゃくさは様子がおかしい、と松岡は思った。

303 :2/15の昼 2:2001/03/10(土) 01:57
昼飯を注文した後、松岡はみゃくさに訪ねてみた。
「どうしたんです、さっきから。何か心配事でも?」
「…ああ、ここまで来れば問題ないだろう」
みゃくさはそう言うと、少し声を低くして話し始めた。
「社長からのメール、どう思った?」
「はい? …ああ、営業妨害がどうとか、黙殺するとか、あれですね。
 確かに社長自ら俺らにメールを出すのは大げさな気がしますが、別に…」

「中尾さんの姿が見えないんだ」
「えっ」
松岡も中尾のことはよく知っている。
無愛想な人間が多いリーフ社員の中では人当たりもよく、
仕事で悩んだ時に相談相手になってくれたこともある、良き先輩である。
「よくわからないんですが、会社にいない、って事ですか?」

「その雰囲気からすると、何も知らないみたいだな。
 そうか、インターネットには興味ないって言ってたもんな」
みゃくさは話を続ける。
「実はな、社長のメールに書いてあった怪文書な、
 あれ、中尾さんとその友達が作ったのさ」
「…どういうことです?」
「いや、作ったってのは違うか。…ちょっと待ってろ」
そう言うと彼は鞄からノートパソコンを取り出し、ブラウザを起動させる。
「えーっと、葉鍵板2・14事件…、うわ、すげえレスの数。
 おっと、ここだ。ほら、見てみろ」
そういってみゃくさは松岡にパソコンを渡す。

304 :2/15の昼 3:2001/03/10(土) 01:58
「…これって、内部暴露、ですか」
「結果的にはそうだな。非公開で作ったはずの掲示板が、
 検索ロボットに見つかっちまったんだ。
 それを見つけた一人の厨房…いや、一般利用者が、
 そのログを匿名掲示板に貼り付けたってわけだ」
「…」
「社会的な影響は少ないかもしれない。
 エロゲー会社の存亡なんてほとんどの人間が注目してないからな。
 ただ、葉っ派信者…いや、リーフが好きなユーザーや俺たち社員には、話は別だ。
 こんな現実を突きつけられてまだ、社長や上の人間を信用しようって気になるか?」
「…」
「おい、聞いてるか」
「…中尾さんって、樋上いたるさんみたいな人が好みだったんですね、へ〜」
「あのな」
みゃくさは頭を抱えた。

「返せ」
みゃくさは松岡からパソコンを取り上げた。
「でも、そんな真剣に考えることですかね?」
彼はもっと見せてほしかったという表情をしながら、みゃくさに聞き返した。
この文書を見てもたいして気にしてないようだ。

「まあ俺も、待遇や上の人間の性格に関しては、諦めていた所があるしな。
 だが今んとこ、問題はそんなことじゃないんだ」
みゃくさは、さらに声を低くして話す。
「で、最初の話に戻るんだが、…中尾さんが、行方不明なんだ。
 俺はその場にいなかったんだが、中尾さんは、朝、社長室に呼ばれたらしい。
 そしてそれっきり、戻ってきていない」
今度は松岡も、真剣な表情で耳を傾ける。

305 :2/15の昼 4:2001/03/10(土) 01:58
「1時間ほど前、黒い服を着た男が開発室へ来て、中尾さんの荷物を
 どっかへ持っていこうとしたんだ。見たこともない奴だった。
 その男に聞いてみたんだよ。中尾さんがどこにいるか知らないか、って」
「…」
「中尾さんは体調がすぐれず早退なさいました、と、そいつは事務的な口調で答えた。
 その後付け加えるように、中尾さんは東京への異動が決まったので
 もうこちらには戻られません、だとさ」
「…ずいぶん急な話ですね」
「そう思うだろ。俺も不信に思って、中尾さんの携帯へ電話したのさ。
 そしたら電源が切れていて繋がらなかった。これはおかしい、と思ったんだ」

昼食が運ばれてきた。二人は黙って箸をとる。
やがてみゃくさが話を続けた。
「…俺は今回の事件を機に、リーフを辞めようかと思っている。
 今度の新作、誰彼の評判も良くないみたいだし、この会社に未来はないと考えたからな。
 だが、中尾さんの事がどうしても気になるんだ。
 社長に直接聞いてもいいんだが、本当のことを話してもらえるか疑わしい。
 そこで、だ」
みゃくさは一呼吸おいて、話を続けた。
「どうせ会社を辞める身だ。夜、社長室に忍び込んでみようと思う。
 何か手がかりがつかめるかもしれない」

306 :2/15の昼 5:2001/03/10(土) 01:59
「はあ…」
突拍子もないことを考える人だな、この人は。そう思って、松岡は気のない返事をした。
「お前も協力してくれ」
「はあ?」
今度は松岡も驚いた。
「他にこんな事を話せる奴はいないんだ。頼む。
 それにお前だって、中尾さんには世話になったろう?」

みゃくさと松岡が会話をしている同じ店、もう少し奥の方で、
一人で静かに食事をしていた男がいた。
聞き覚えのある声がしたので後ろを振り返ると、二人の男の姿が目に入った。
「…何だあいつら、何の話をしている?」
彼の名は青紫。リーフの古参幹部である。
二人は会話に集中していて、彼の姿に気づいていない。

もう少し耳をそばだててみる。
話の内容は聞き取れないが、中尾、社長、といった言葉が聞こえたような気がした。
「…あいつら、昼飯を食うのに何でわざわざこんな遠くまで来ているんだ?
 それに、話の内容…、中尾がどうとか言ってたな。
 取るに足らんことかもしれんが、一応、社長の耳に入れておくか」

やがて二人は席を立った。しばらく後、青紫も店を出て、会社へと戻った。

307 :2/15の昼 6:2001/03/10(土) 01:59
「失礼します、社長」
「何だ」
青紫は早速社長室へ向かい、店での事を下川に話した。

「奴ら、中尾の事、何か気づいたのかもしれませんよ」
「みゃくさと松岡、だったな。…ふん、問題なかろう。奴らには何もできまい」
「そうでしょうか。あんな事があった後です。用心するに越したことはありません。
 しばらくの間、全社員に対する監視の目を増やしてはどうでしょう」
青紫がそう進言すると、下川は眉をひそめて答えた。
「…親父の力は借りたくない」
それだけ言うと、彼は口を閉じた。
「…わかりました」
下川の内情を知る青紫も、それ以上何も言わない。

「だが、警戒はしておいたほうがいいな。お前、しばらくの間、夜勤をしてくれないか」
「夜の巡回ですか」
「そうだ。今回の事件で何か行動を起こす奴がいると考えるなら、
 昼夜を問わず警備をしたほうがいい。広報の奴らにも言っておく。
 例の掲示板に不穏な書き込みがないか、24時間、交代でチェックしておけとな」
「はい、わかりました」
青紫は軽く頭を下げ、返事をした。
「お前も青紫の元で警護にあたれ。今後、昼間は別の奴を呼ぶ」
下川は、入り口付近に立っている黒服の男にも指示を出した。

青紫が社長室を出ていった後、下川は軽くため息をつき、宙を見上げ目を閉じた。
「こんなことでいいのか、リーフは…。昔はもっと…」

午後の陽ざしが窓から差し込む。その光が部屋を白く染めた。

308 :2/15の夜:2001/03/10(土) 23:03
みゃくさの手は譫妄しているかのようにブルブルと震え、その顔は死人の様に
青ざめていた。その目は一冊のダイアリーに釘付けである。本には
「中尾」と署名が入っていた。だがみゃくさはその日記を信じたくはなかった。
中尾はみゃくさにとって友人であり、良き先輩である。だが日記には中尾の
持つ歪んだ欲望が事細かに記されていたのだ。 

309 :2/15の夜 1:2001/03/11(日) 00:32
>>308続き考えてくれたんですか? すいません。じゃ、ストーリーを分岐させるってことで。


「下川社長の命令で来たんですけど、社長室の鍵を渡してもらえますか」
「…何だあんたは」
突然現れた男に、警備員はいぶかしげな目を向ける。
「ここの社員か? 社長の命令だっていう証拠はあるのか?」
「中尾の件で、緊急を要します」
中尾の名を出すと、警備員は表情を変えた。
「…わかった。だが私も一緒に行かせてもらうぞ」

「警備員に鍵を渡してもらうのさ」
「渡してもらえるわけないでしょう」
「それならそれでもいい。その場合は…」
結局松岡は、みゃくさと共に社長室へ忍び込むことを決意した。
危険だという思いはあったが、みゃくさの話…セキュリティの甘さや
いざという場合の対応方法等…を聞いているうち、だんだん興味がわいてきたのだ。
こうして、二人は深夜まで会社に残り、ほぼ打ち合わせ通りの会話の流れで
警備員と共に社長室へ向かうことになる。

「…おい、まだか?」
「ええ、なかなか見つからなくて…、もう少し待ってください」
二人は社長室の中にいた。警備員は、ドアの前で待機している。
「…何か見つかったか?」
みゃくさは声をひそめ、松岡と会話をする。
「いえ、何も。でも意外と殺風景な部屋ですね」
「ああ。面白いものは何も発見できそうにないな。…仕方ない、もう引き上げるか」
みゃくさはそう言うと、ポケットの中の外貨を取り出す。
あとは警備員にこれを見せて「見つかった」とでも報告し、
何事もなかったように帰ればよい。そう思っていたところ、
「誰だ!」
突然ドアの方から声がし、二人は驚いて悲鳴を上げそうになった。

310 :2/15の夜 2:2001/03/11(日) 00:32
「あんたたち、ちょっと待っててくれ。今、不審な人影が見えた」
警備員はそういうと、ドアの前から離れ遠くへ走っていってしまう。
「おいおい」
「なんか、やばくないですか?」
自分たちのほうがよっぽど不審な人物であるため、他の誰かと顔を合わせるのはまずい。
「おい、お前たち、ここの社員か…ぐわっ」
遠くから警備員の声と、なにやら取っ組み合いをしているような音が聞こえる。
「…」
「よくわからんが、逃げたほうが良さそうだな」
二人が社長室を出ようとすると、ぱたりと音がやんだ。
やがて、カツン、カツン、と、こちらへ向かってくる足音が響いてきた。

「まずい」
さすがに二人も焦り始める。
「強盗か? 何もこんな会社に忍び込まなくったって…」

廊下から、足音の主と思われる会話が聞こえる。
「なあ、あそこ社長室だよな。電気がついてるぞ」
「下川社長、まだ居るんじゃない? それならそれで、手間が省けていいかもね。んふん」
「しかし、何か様子が変だ。用心して近づこう」

「原田さんの声だ!」
「えっ」
「間違いない。でもあの人、リーフを退社したはずだけどな」
…やがて、足音が社長室の前で止まった。
みゃくさと松岡は、壁にへばりついて様子をうかがう。

「誰もいないようだが…」
「僕が見てくるよ、陣内は外を見張っててくれ」

311 :2/15の夜 3:2001/03/11(日) 00:33
…これ以上隠れていてもしょうがない。
みゃくさが部屋に入ってきた男に声をかけた。
「原田さん」
「! 誰だよ!」
「みゃくさです。ここの社員の。こっちは松岡。誰彼の制作初期にお会いしましたよね」
「…」
原田はしばらく考えていたが、やがて顔を上げこう言った。
「ああ、プログラマー君に、ミュージシャン君か。思い出した」

「なんだ、知り合いか?」
ドアの外にいたもう一人の人物も部屋に入ってくる。
「昔の仕事仲間だよ」
原田が答える。
「どうも、松岡です」
「みゃくさです」
「陣内です」
松岡とみゃくさが会釈したので、なんとなくその男も軽く頭を下げ、自己紹介した。

「…君たちはリーフの社員だよな。何でこんな時間に、こんな所にいるんだ?」
「それはむしろ彼らが僕たちに聞きたい台詞じゃないのかな」
陣内の質問に、原田が苦笑しながら口をはさむ。
「そうですね、あなたたちは何をしにここへ?」
「スパイですか?」
「おい松岡、はっきり言い過ぎ」
「いや、俺たちは、人を捜しに来たんだ。
 昨日、インターネット上でちょっとしたことがあってね」

312 :2/15の夜 4:2001/03/11(日) 00:33
その言葉を聞いた瞬間、みゃくさは理解した。
原田も陣内も、件の掲示板に頻繁に書き込んでいた人物である。
「中尾さんですね。探しているのは」
「知っているのか!?」
「実は俺たちも、中尾さんを探していたんです」

みゃくさと松岡は、今日の出来事と、ここにいる理由を二人に説明した。

「…なるほど、わかった」
すべてを聞き終えた陣内と原田は、沈痛な面持ちになる。
「絶望的だね。あの下川が、中尾さんを生かしておくとは思えない」
「ああ。もしかしたらと思って、思い切ってここに忍び込んだんだが…。
 こうなったら、一暴れしてやるか。重要そうな書類をかたっぱしから破り捨てて…」
原田と陣内が、その怒りをリーフにぶつけようとしたその時、
「させませんよ」
ドアの方から声が響いた。

そこには、黒服の男を従えた青紫が立っていた。

313 :2/15の夜 5:2001/03/11(日) 00:33
二人が部屋に入ってきた。
「懐かしい顔ぶれですね。リーフに再就職をご希望でしたら歓迎しますが」
「冗談じゃないよ」
青紫の言葉を、原田が間髪入れず否定ずる。

「君なら、知っているんじゃないのか? 中尾の事を」
陣内は、単刀直入に青紫に詰問した。
「さあ、何のことでしょう」
「とぼけるなよアオムラ君。また痛い目にあいたいのかい?」
原田のその言葉に、青紫の表情が曇る。
彼は以前、東北の地で、精神錯乱状態の原田に暴行を受けたことがあった。
その記憶を思い出したのだろう。

「あなた達は、ご自身が不法侵入者であるということをお忘れのようだ。
 私が警察を呼べば、困るのはそちらでしょう」
だが、陣内と原田はひるまなかった。
「そのくらいの事は覚悟してるさ。だが、今のところその心配はないな」
「そういうこと。君達は2人、僕たちは4人、敵うと思ってるのかい」
「しばらくおとなしくしててもらおう」
陣内はそう言うと、青紫を組み伏せようとする。
その時、黒服の男が動いた。

その男はすごい力で陣内の手を青紫から引きはがし、そのまま背後に回り、
腕の筋肉で首を絞める。訓練された者の、一瞬の早業だった。
「ぐあ…っ」
「陣内!」
「おっと、動かないほうがいいですよ。彼の命が惜しければ」
原田は青紫をにらみつける。
みゃくさと松岡は、あまりの急な出来事に声がでない。

314 :2/15の夜 6:2001/03/11(日) 00:34
青紫は、勝ち誇った笑みを浮かべている。
「正直言うと我々も警察沙汰にはしたくありません。
 ですからあなた達の身柄は、このまま下川社長へ引き渡します」
「…くそっ」
「ん? 何ですか原田さん」
「調子に乗るなよ…盗作野郎」
青紫の笑みが凍りついた。

青紫が原田に近づき、無言で拳を振り上げ、そのまま頬を殴った。
「リーフを逃げた負け犬の分際で、ずいぶんと生意気な口をききますね。
 ちょうどいい。岩手での借りを返させてもらいましょう」
そう言って青紫は、2度、3度と原田の顔面を殴り続ける。
人質を取られているため、原田は黙って耐えるしかなかった。

「やめてください!」
見るに見かねた松岡が叫んだ。
「…あなた達がなぜこの二人と一緒にいるのか知りませんが、
 そこで黙って見ていなさい。リーフに逆らった者がどういう目に遭うかをね」
青紫は冷たく言い放つ。松岡とみゃくさは、おとなしく従うしかなかった。
「さて、もう一発…」
青紫は原田のほうを振り返り、拳を振り上げたその時、
パン!
銃声が響いた。

社長室の入り口に、一人の男が立っていた。
手に持つ拳銃の銃口からは、硝煙が立ち上っていた。
銃口はまっすぐ青紫をとらえている。
「動くな青紫。今度は外さん」

315 :2/15の夜 7:2001/03/11(日) 00:34
「高橋さん!」
グロッキー状態の原田と陣内が、同時に男の名を叫ぶ。
「別行動をとっていて正解だった。さあ、陣内君と原田君を放せ」
「高橋さんだって?」
松岡とみゃくさは驚いた。業界では知らぬ者はいない元リーフのシナリオライター。
彼もこの会社に潜入していたのか。
「…仕方ないですね」
青紫は両手を上げ、黒服の男に陣内を放すよう命じる。

「中尾君の事、何かわかったか?」
高橋は青紫に銃を向けたまま、陣内と原田に尋ねる。
「彼らから、詳しい話を聞きましたよ」
陣内は、松岡とみゃくさの方へ目をやりながらそう答えた。
「社長室に行ったきり、戻ってこなかったそうです」
「そうか…」

「そいつらを撃ち殺してください、高橋さん。中尾さんの仇をとりましょう」
顔を腫らした原田が、青紫を睨みつけながらそう言った。
「いや…、もう、ここを出よう」
「そんな、このまま帰れと!」
陣内も不満そうな声を上げる。
「友人を失った君たちの怒りはわかるが、ここは引いた方がいい。
 これ以上ここにいても、成果はないだろう」

316 :2/15の夜 8:2001/03/11(日) 00:34
「このまま帰る…コノママ…カエル…イヤダ!?」
「…おい、落ち着け原田」
「コイツハ…ボクノサクヒンヲ…メチャクチャニシタ…
 ボクノカオニ…キズヲツケタ…
 ソシテボクノ…トモダチヲ…
 …アオムラサキイイイイィィィィィ!!」
原田の瞳に狂気の炎が宿り始めた。
陣内は慌てて後ろから抱き留めるが、原田はお構いなしに青紫に襲いかかろうとする。
陣内の体が引きずられる。
「アアアアアアアァァァァァァ!!」
それは、その痩身からは想像もできないような迫力だった。

「おいっ、君達も手伝え!」
「…はい!」
高橋のその声に、みゃくさと松岡はその場より駆け出し、原田に体当たりをする。
その勢いに、さしもの狂人も体を押し戻された。
そしてそのまま四人は出入り口の方へ倒れ込んだ。
「ガッ…」
その時頭を打ったらしく、原田の力が弱まる。
「よし、このまま撤退する。陣内君、原田君を担いで外へ。…君達はどうする?」
高橋は、みゃくさと松岡に尋ねた。

「ついていきます」
みゃくさは、間髪を入れず答えた。もともと彼はリーフを退社する予定でいたのだ。
何のためらいもなかった。
「俺も、いきます」
松岡も続けて答えた。この場に立ち会ってしまった以上、ただではすまないだろう。
一人ここに残るわけにはいかなかった。
「…面白そうだし」
松岡は心の中だけでそう付け加えた。
「よし、ではあの二人と先に外へ出ていてくれ。俺もすぐ行く」

317 :2/15の夜 9:2001/03/11(日) 00:34
四人が去り、社長室にいる人物は高橋、青紫、黒服の三人だけとなった。
しばしの静寂の後、高橋が口を開いた。
「下川に伝えておいてくれ」
何だ、宣戦布告でもするつもりか? そう考えた青紫は次の言葉を待った。
しかし、高橋の言葉は予想に反していた。
「自分を追いつめるな、と」

「…それだけですか?」
「あいつは、自分が恨まれているという事をよく知っているはずだ。
 だから、それだけでいい」
「…わかりました」
「頼んだぞ」
そう言って高橋は、ドアの外へと姿を消した。

「あの人は、よくわからないな…昔から」
部屋に残された青紫は、毒気を抜かれたような表情でため息をついた。

318 :2/15の夜 10:2001/03/11(日) 00:35
リーフを脱出した高橋達五人は、水無月の運転する車の中にいた。
「落ち着いたみたいだな」
陣内が、隣に座っている原田に声をかけた。
彼の瞳に映っていた狂気の炎は、もう消え失せている。
「…うん。薬のおかげだ」
錠剤の入った小瓶を右手に持ったまま、原田はそう答えた。

「この後、どこへ行くんですか?」
一番後ろの席から、みゃくさが陣内に尋ねた。
「北海道さ」
「北海道?」
「ああ。他のみんなもそこにいる。リーフを辞めたメンバーのほとんどがね」

「驚いているみたいだな。じゃ少し、その辺の事を話しておこうか。
 ま、俺も詳しく知ってる訳じゃないけどな」
陣内は語り始めた。
リーフを退職する前の高橋と、アボガドパワーズのシナリオライター大槻との出会いを。
遙か北の地で、天下を手中にすべく策謀をめぐらせている者達の事を。
そして、彼らと協定を結び、水面下で行動している自分達の存在を。

「君達が加わってくれたのはありがたい。
 ちょうど、プログラムとサウンドを担当する人間が不足していたからね」
後部座席のそんな会話を聞きながら、高橋は静かに考え事をしていた。
複雑な思いを、その心の内に秘めて。

長い1日が終わろうとしていた。

319 :名無しさんだよもん:2001/03/11(日) 23:23
下がってるんで上げます

320 :名無しさんだよもん:2001/03/12(月) 00:36
面白かったyo!age


321 :名無しさんだよもん:2001/03/12(月) 00:38
高橋&水無月がアボパに入ったっていうのはマジですか?

322 :名無しさんだよもん:2001/03/12(月) 07:28
面白い・・・ちゃんと繋がっている。最後はどうなるのだろう?

323 :名無しさんだよもん:2001/03/12(月) 17:58
アボパ云々はどうなのかなあ。
ネタだとしてもこの反逆の流れは面白いよ。燃える。

ラストは…現実が続く限り終わりはないだろ。

324 :名無しさんだよもん:2001/03/12(月) 20:22
中尾は氏んだの?中尾っちが復活していたるを守る麻枝と戦う展開きぼ〜ん

325 :2/15書いた人:2001/03/12(月) 21:00
感想ありがとう。
正直、不安だったよ。こういうSS書くの初めてだったから。
長すぎてウザイとか、雰囲気ぶちこわしとか、そう思われてるんじゃないかって。
他の人に比べると下手くそな文章だとは思うけど、
たまにはこういう奴が参加してもいいかなーと。

>>324
それ面白そうだね。誰か中尾復活きぼーん。(自分で殺しておいて何だが)
記憶を失い、下川に操られた状態でKeyに入社して…とか、そんなストーリーどう?

326 :元のんきな父さん:2001/03/12(月) 22:24
>>325
頑張ってくださいです。俺はネタの枯渇が酷いのと久弥新作に対する期待が指数関数的
に減衰しているのとがあってとても書ける状態ではないので。期待しとります〜。

327 :2/15の夜 番外編1:2001/03/12(月) 22:49
二月一五日。夜。

新大阪のリーフ社屋から、一台のメルセデス・ベンツが滑り出す。
運転しているのは黒服の男。
後部座席には、黒服の男と、目隠しをされた一人の男。





「さて、もういいだろう」
目隠しをされた男……中尾が言う。
黒服の男は中尾の目隠しを外し、戒めを解く。
「下川も、君たちまで裏切っているとは思うまいね」
「沈む船からはネズミすらも逃げるのですよ」
「違いない。ただ、せっかくだから沈めるのを早めさせていただいたがな」
「例の文書ですか」
「まあね。匿名掲示板というのは有り難いものだ。事情通の素人のフリして
貼りつければ、誰も僕がやったとは思うまい……原田や陣内には悪いコトを
したかもしれんがな」
「仕方有りませんよ……それが我々の亡命の条件なのですから」
「そうだな……さて、我らの新天地に向かうとするか」
車は、淀川の南へと進路を変えた。
中尾は後ろを振り返り、小さく呟く。
「さらば、リーフ。成仏しろよ」


328 :2/15の夜 番外編2:2001/03/12(月) 22:50
東天満。ビジュアルアーツ本社。
一台のメルセデス・ベンツがその前に停車する。
「ようこそ、ビジュアルアーツへ!」
手を広げて彼らを歓迎したのは、ビジュアルアーツ・馬場社長。
「どうも、馬場社長。約束は果たしましたよ」
「いやいや中尾くん。最高の土産だったよ。あの文章の流出は」
「お褒めに預かり恐悦至極」
「あの続きは持ってきてくれたかい」
「ええ、ここに」
中尾は、一枚のフロッピーを取り出す。
「あの掲示板の続きと、社内状況のレポート。表に出れば業界が震撼しますよ……
その『張子の虎』ぶりには」
「なるほど……では、ありがたく受け取ろう。約束どおり、わが社の
プログラマとして働いていただこう」
「ありがとうございます」
頭を下げる中尾。
そのとき、彼の頭をよぎったのは
−−いたるとH、いたるとH、いたるとH……


「いや、ニヤニヤしながら頭を下げる中尾くんの姿は、そらもお怪しいのん
通り越してアブナかったなー、ホンマ」
馬場社長は、後にそう述懐する。


329 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/03/12(月) 22:51
2/15の夜 番外編 >>327-328

ひさかたぶりです。
前の>>237-240見た時点である程度構想ができていたのですが、>>324見た時点で
一気に文章になりました。
東京の動きとか、そういうのも書いていこうかなと思っていますが、筆が遅いので…


330 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 02:13
実はここのスレからスタッフ萌えになりました(告白)。
ギニャー。

331 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 03:28
>そのとき、彼の頭をよぎったのは
>−−いたるとH、いたるとH、いたるとH……


>「いや、ニヤニヤしながら頭を下げる中尾くんの姿は、そらもお怪しいのん
>通り越してアブナかったなー、ホンマ」
>馬場社長は、後にそう述懐する。

すげえわらたよ・・・最高



332 :2/15の夜 番外の番外:2001/03/13(火) 19:01
一人豪奢なデスクに座り、中尾は一息ついた。
(ふん、下川に高橋に原田、みなどうしようもない奴等ばかりだったぜ。
名声が上がれば上がる程、クリエイターとして認められれば認められるほど、
下らない嫌な人間に成り上がっていくのは、コナミの連中と結局同じだったか。
だが俺は、俺こそはあんな奴等とは違う。俺は奴等のような虚飾に生きる
人間とは違う人種。俺は愛に生きる狩人。燃え盛る恋の情熱に全てを捧げる詩人。
いたるよ。もうすぐお前の永遠の王子様が迎えにいくよ、うふふふふふふ。)

深夜、VAのとある一室で不気味な含み笑いをしている怪しい男を見た警備員は
腰を抜かしたという。

333 :325:2001/03/13(火) 19:44
中尾復活あげ。
すげー面白い。

いたるちん、ぴんち。

334 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 20:08
い、いたるちん・・ハァハァ
中尾くんの愛の行方はどうなる?
続き楽しみにしてます。


335 :中尾:2001/03/13(火) 20:45
俺は愛に生きる狩人。

336 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 20:48
去年からこの関連のスレ読んでるけど、
他社のシナリオライターが書いてるんじ
ゃないかと、一見、思っちゃうよ。

337 :2/16:2001/03/13(火) 21:42
 その日、KEY開発室に激震が走った。
 ビジュアルアーツ新入社員として社内報で発表された男の名は、中尾。
 所属は未定とのことだったが、現場の人手不足の解消にという名目で
 修羅場中のヘルプにやってくることはほぼ間違いない。
 ショックを受けないようにと552文書の存在を隠蔽されている
 いたる以外の全員が、その名前に嫌悪感を覚えていた。

 中でも最も動揺の激しかった麻枝は朝から社長室へ抗議に向かい、
 昼休みにも戻ってこない。開発室全体を、重たい空気が包んでいた。

「ほんと、麻枝くんどこ行っちゃったんだろ」
「……さぁなぁ……きっといつもの気まぐれやって」
「でも、それにしたって遅すぎるよ」
「ほらほら、それよりもまずご飯食べにいくでしゅよっ。
 ランチタイムが終わってしまうでしゅっ」

 みきぽんが必死のフォローを入れ、いたるを外に連れ出していく。
 残された皆が、思わず同時に目を伏せた。

338 :2/16(2):2001/03/13(火) 21:47
「……しのり〜さん、顔色悪いですよ」
「え、そうかな」
 気遣いを忘れない折戸の言葉に、しのり〜が苦笑する。
「めちゃめちゃ悪いですって。無理しない方がええんやないですか」
「みんな大変なのに、私だけ甘えられませんよ」
「しゃあないでしょう、あんな話聞かされちゃ皆仕事どころじゃ。
 麻枝くんの、ひいては僕らの意見が通ればいいけどそれも怪しいし。
 樋上さん、僕らでガードせなヤバいですよマジで」
 沈痛な表情を浮かべる二人。
 そして、しのり〜が重い口を開いた。
「彼女は……麻枝君にとっても、みんなにとっても、特別だから……
 誰もが、あのひとには笑っていて欲しいですから……」
「しのり〜さん……」
「いつまでも、昨日までみたいに楽しくできればよかったのに」

 寂しげな微笑みを浮かべ、しのり〜はまた着色作業に戻る。
 それ以上の声をかけられぬまま、心配げに折戸も席へ帰った。
(ずっと好きで、だけど言えなかったよ)
(いたるのことも大事だから、仲間で居られなくなるのは嫌だから)
(いつかは言おうって思ってたけど、でも今朝の剣幕思い出すとやっぱり)
(……やっぱり私、麻枝くんといたるの間には入れないね……)
 二人の関係は、強い仲間意識の延長なのかもしれなかった。
 何かあったという話は聞かない。
 メンバー同士の関係は、あくまで同僚の気安い友情だと思っていた。
 だが、それを信じ続けるにはあまりにその絆は固い。

 中尾の出現は、静かに、静かに、波紋を広げていた。

339 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 21:50
は、波瀾の予感が・・・

340 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 22:02
人物関係図を整理してみる

高橋=アボパに合流。かつての戦友下川に忠告を残す。
水無月=高橋と共に行動。
原田、陣内、みゃくさ、松岡=高橋に力を貸すことに。

中尾=生きていた。ビジュアルアーツに潜り込む
下川、青紫=枯れ行くリーフに残る。

麻枝=中尾に猛反発。社長に直訴中
いたる=552の存在を知らない
しのり=麻枝に片想い?
折戸=しのりを気遣う

341 :名無しさんだよもん:2001/03/13(火) 22:09
実在人物なのでパンパン描写はやめとけyo!
前スレの323ちゃんさまの教訓を忘れるな。

342 :いたるとみきぽん:2001/03/14(水) 04:28
「なんかみんなの雰囲気が変なんだけど・・・みきぽんは何かおかしいと思わなかった?」
「へ、へえ。きっと気のせいでしゅ。ほらはやく食べないとせっかくのオムライスがさめちゃいましゅ。」
「あれ、どうしたんでしゅか?オムライスは好物でしゅよね?」
「ちょっち食欲がなくて。あのね、最近へんなことがあって、それで疲れてるのかも」
「何かあったんでしゅか!?」
「あ、いや、そんなたいしたことじゃないんだよ。なんかね。最近変な贈り物が
届くんだ。気味が悪くて」
「な、なにがとどいてるんでしゅか!?」
「うん、毎日家の郵便受けにポストカードが届くんだけど、なんか変なの。
ポストカードは前もファンの人から貰ったりしたし嬉しいんだけど、この頃届くのは、
カードがノリ漬けみたいにパリパリ強張ってるし、それにメッセージがね」
「一言だけ文章が書いてあるんだけど、『愛してる』とか・・・」
「どうしたんでしゅか?」
「うん、実は『Hしたい』とか書いてあるの。警察に届けるか迷ったんだけど、
それ程のことでもないような気もするし。でもやっぱり気味が悪いよ」
「それは・・・、麻枝君に相談してみるといいでしゅよ」
「駄目だよそんなの。麻枝君最近なんか落ちこんでたみたいだし、私のことで
迷惑かけたくないんだ」
「・・・そうでしゅか。でも必ず何かあったらみきぽんに連絡くだしゃい。
それに相談を迷惑なんてみんな思ってないでしゅよ。仲間じゃないでしゅか」
「うん、ありがと、話したらすっきりしたよ」

343 :名無しさんだよもん:2001/03/14(水) 07:21
ぉぉぉ、ついにサイコホラー系SSか!!!楽しみだ

344 :汚名編(1):2001/03/14(水) 18:25
誰彼の失敗――商業的にも作品的にも――が明らかになってからもっとも苦境に立たされたのは
シナリオの青紫だった。

業界の中でもシナリオに重きを置く(少なくとも社長はそう主張している)リーフにとって、
待望の新作のシナリオに瑕瑾があるということはとうてい認められるものではないからだ。

2・14事件、そして数人のスタッフがリーフを去って数日後青紫はリーフOHP管理者中上和英の元を訪ねていた。

「忙しいようだな……」
青紫は言った。
「おかげさまでな、ここんとこ色々事件があったからな」
冷えた口調で中上は応えた。モニターには彼にしか見ることの出来ない「誰彼」掲示板が
写されている。シナリオへの酷評、チップアニメへの疑問。いかにOHPとはいえ、それまでの
リーフとは思えない誰彼の駄作ぶりにさすがの葉っ派たちも動揺を隠せないようだった。

「それとこっちもだ」
中上がマウスをクリックすると掲示板が切り替わり彼の手によって削除された記事
が現れた。2・14事件に対する反響だった。
かつてのリーフの栄光を担ったスタッフが退社していたことへの驚き、下川社長の横暴、
社内の冷め切った空気。ある意味で誰彼の失敗よりもたちが悪かった。
クズライターはクビにすれば済む話だが、失われたブランドイメージは2度と戻ってこない。

中上は言った。
「正直ネットの力を侮っていたのかも知れない、あれから大分たったのに日に1度は
あの文章の出所についての書き込みがあるんだ。まったく2ちゃんねるの奴らも…」
その時青紫が悲鳴のような叫び声を上げた。

「また、2ちゃんねるか。あのクズども。よってたかってオレを馬鹿にしやがって」
中上は唖然とした表情で見つめている。
「『感じている感情』のどこがおかしいんだよ。大体……あれだって原田が書いた訳の分からない
企画書からオレが苦労してほとんど1人でシナリオを書いたんだ」
これは事実だった。
おそらくは本人が口頭で説明しなければ(口頭で説明しても無理かも知れない)
誰にも理解できない難解な言葉と文学的修辞に溢れた原田の企画書を解読し
まがりなりにも1本のシナリオにまとめあげたのは確かに青紫だった。


345 :汚名編(2):2001/03/14(水) 18:26
「所詮あいつらはオレに嫉妬しているだけだ。リーフのメインライターのこのオレに」
青紫の口元が歪んだ。
「痕の……あのおまけシナリオも終わったことをぐちゃぐちゃ騒ぎやがって。あんなこと
業界じゃあたりまえのことだろ。マルチもどきなんて探しゃいくらでもいるのによぉ」
口もとに飛んだ唾を拭って青紫は言った。
「いいな、中上。いままで以上に掲示板の監視を強化しろ。批判は全て削除するんだ。
それがリーフにとって一番の方法なんだからな」

中上はブラウン管に視線を戻して一瞬何かを考えた表情になって言った。
「確かにその通りだが……ただ」
「ただ……何だ?」
「掲示板の方でも一部の信者、いやファンに不穏な空気があって……
これ以上押さえつけると暴発する恐れがある。リーフを傷つける話題はともかく
誰彼の話題については少し……」
「見過ごせというのか?」
これは中上の青紫に対する牽制だった。無論このような苦境を招いた青紫への非難の意も
込められている。

「馬鹿な、ホワイトアルバムの時のことを忘れたのか?あの時掲示板はONEの話で
もちきりだった。あいつらがさんざんリーフを貶めたおかげで
あの作品は失敗作になってしまった」

失敗の原因はもっと他のところにあるんだがなと中上は思っている。

「ともかく、既に雑誌には鼻薬を嗅がせて『リーフにしてはまずまずの作品』って記事を
書いてもらってるんだ。OHPの方もきらんと管理してくれないと」

その時、開発室に青紫を呼ぶ声が響いた。

「青紫さーん」
「何だ?」
「社長がいますぐに来いと。なんでも講談社の方が来ているそうです」

青紫の表情が凍り付いた。


346 :名無しさんだよもん:2001/03/14(水) 18:55
オモシロあげ。
BGMは「地上の星」で(w

347 :名無しさんだよもん:2001/03/15(木) 01:25
>>336
前なんかのエロゲ雑誌のコラムで、大槻涼樹(?)がリーフをおちょくったみたいな
文章書いてたね。
案外ここ笑いながら見てたりして(w

348 :守る者達:2001/03/15(木) 02:17
「悪いとは思ったんやけどね。会社のためや」
「こんな事をしなくても、リーフは消える。誰が見ても明らかだろ!」

 ビジュアルアーツ本社、社長室。

「これ以上何をしても無意味だと言いたいのか…」
「分かっているなら、さっさとこの馬鹿げた人事を撤回しろ!!」
「まぁ、落ち着け。麻枝、お前は物書きとしては優秀や。お前のお陰で、なんぼほど儲けさせてもらったか。
 けどな、所詮お前は開発チームの一人。ワシの決めた事に口出すのはおかしいんとちゃうか?」

「あのテキストじゃ、まだ弱いんや」
「……何故、そこまでリーフを早く散らす事にこだわる」
「葉っ派を、VAブランドに取り込む」
「…何?」
「なんだかんだ言って、アビスボートまでリーフを信じる奴は多いやろう。性懲りもなく。
 だが、それが信者や。過去をいつまでも引きずる悲しい人間や。
 でや、その過去を作りだした高橋達が、リーフを辞めた後の行き先の噂を聞かなかったか…?」
「…アボガドパワーズ」

「それが事実だと知れば、葉っ派は何処に流れる? 時間が無いんや。事実が公表される前に、出来る限り取り込まなければならん。
 葉っ派のまま、アボパ移籍の事実を知ってもらうわけにはいかない。中尾から手に入れた掲示板の続きと社内レポートでとどめを刺す」
「…そしてSNOWをメビウスで出せば、リーフを信じれなくなった奴らにインパクト十分って訳だ」
「続いて、Key新作。これで、アボパ信者の発生をくい止められるだろう」
「…そんな…、事か…」
「……!」

349 :守る者達:2001/03/15(木) 02:20
「そんな事のために、いたるの身を危険に晒すつもりかぁ!!」
「元気やねぇ…。ほんとに…。羨ましいわ」
「何事ですか!?」
 異常を察知した警備員が、社長室に入って来る。
「…何でもないんや。出てけ」
 床から起き上がりつつ、馬場は言った。
「し…、しかし…」
「何でもない言うとるやろ。お前の耳は飾りか…?」
「……分かりました」
 退室する警備員。

 2人になり、話を再開する馬場社長。
「まぁ、お前の気持ちも分かるよ。けどな、お前達と一緒にいたるも拾ってやったのはワシやぞ?
 社長が拾った社員を駒に使って悪いか?」
「………」
「そもそもお前が守ればいい話やろ? 守れる自信が無いんか?」
「…あるさ。俺が守る。中尾の行動次第では、命の保証はしない」
「ああ、あいつから受け取るものは受け取った。後の事はどーでもいい。
 まぁ、このことは不問にしといてやろう。いたるの騎士様だしな。
 社長殴ってその会社に居られる社員なんて珍しいで? ガハハ」
「…感情のまま行動してしまい、すいませんでした。失礼します」

 退室する麻枝。一人になった馬場社長。
「…あの糞ガキ。思いっきり殴りやがって…。ブツブツ…。
 さて…」
 電話を取る社長。
「ワシや…。いたるの周辺警備を。…ああ、問題無い。ばれんようにな。…何かあったら直ぐに知らせろ」
 ガチャッ。
「はぁ…。何で駒を守らにゃならんのや。アホクサ。余計な出費や…。こんなんで、業界の天下取れるんかいな…?
 もう時間が時間やし、今日の昼飯は抜くかね…」

350 :名無しさんだよもん:2001/03/15(木) 02:55
実は裏ではいたるの騎士だったVAVA社長萌え。
麻枝ちょっとかこわるい。

351 :名無しさんだよもん:2001/03/15(木) 03:05
社長のタヌキぶりにオレも萌え。
でも麻枝もいつになく熱くて萌え。

352 :微動:2001/03/15(木) 06:50
 コンコンッ

「…青紫です」
「さっさと入れ。先方様は既にお見えになっている…」

 リーフ大阪、応接室。

 1996年にリーフが放ち、VN3部作の1つとしてリーフ黄金期の礎を作った「痕」。
 その中の、おまけシナリオを担当した青紫は間違いを犯した。
 シナリオライターとして、もっとも恥ずべき行為。他人の作品の模倣。

(しょうがないじゃないか! あの時おまけとはいえ、初めて1人で書くシナリオを任された俺は緊張してしまい何も書けなくなった。思いつかなかった。
 しかし、書けないからおまけを削ってくれとは言えなかったんだ…。俺を待ってマスターアップをずらしてくれていたのだから…。
 何としても、作品を上げなくちゃならなかったんだ!! ほんとなんだ!!
 …それに、パクったからって何なんだ? あれくらいの文章俺でも書ける。
 ただ、吉沢景介が作品としてまとめるのが早かっただけだ。ヒヒ…。そうだよ…。
 あの日立ち読みした時、最初の一文字を見た時オチも分かったんだ。ケケ…。どういう事か分かるか?
 つまり、あれは俺の作品も同然って事だ。ウヒャハハ…!! ってゆーか、ちゃんと元ネタがあるって書いただろうが。敬意表してるじゃねえか。吉沢景介によぉ!! ……)

「……き。青紫。青紫!!」
「……はっ、はぃいいぃ!」
「何ボーっとしてるんだ! しっかり謝れ」
「こっ、この度は吉沢景介様並びに講談社様に、大変ご迷惑をかけてしまい、すいませんでした! すいませんでした! すいませんでした! す……」
「いやぁ、こちらとしても5年も前の事ですしね。しかし、こういう事はちゃんとけじめ付けといた方が良いっていう声も出てきたんで、伺わせてもらったわけですよ。
 補償金まで頂いたし、もうこの件はこれで流して下さって結構です」
「本当に色々ご迷惑お掛けしました…。サーバスペースの都合があり3月31日までというのが失礼ですけど、OHPの方に謝罪文も掲載させていただきます」
「これで後腐れ無く行きましょう。これからも宜しくお願いしますね」
「こちらこそ」

353 :微動:2001/03/15(木) 06:51
「帰ったか…」
「……」
「高く着いたよ」
「…スイマセン」
「まぁ、いい。今日は疲れた。しかし、何故今頃何だろうな…」
「ニチャンネルノヤツラ…。ニチャンネルノヤツラ…。クズ共がぁ!! 講談社に潜り込んだクズが、面白がって発破掛けただけに決まってる…!」
「どうなんだろうな…。それに、どうでもいい。…この数日は本当に疲れた」
「…そうです…、ね」
「自分を追いつめるな…、か。ハハハ…。笑わしてくれる。裏切り者が何をほざく。…今日はあがるよ」
「分かりました。……あの」
「何だ?」
「…いや、何でもないです。お疲れさまでした」

 リーフが地位が低くなってしまったのなら、周りも低くすれば昔に戻れる。
 ライバルの部品を消す事によって、低くなるんじゃないか…。

 言えば、下川は乗る。その確信はあった。だが……。

 まだ早い。
---------------

 大阪府の何処かにある路地裏。
「ねーこーねーこー! バシバシ写真撮るぉ」

 涼元悠一。Keyシナリオライター。

「良いねー。そのポーズ。…ん?」
 周りを見渡す。何も変化はない。
「一瞬、暗くなったような気がしたんだけど…。…いつものアレかな。親しい知人が死なないと良いが…
 …まぁ、今は目の前の猫たん優先だぉ」


 そして、日は暮れていった。何事も無く、いつも通りに。

354 :名無しさんだよもん:2001/03/15(木) 17:56
♪猫、大好きフリスキー

355 :名無しさんだよもん:2001/03/16(金) 00:43
中尾たんage

356 :名無しさんだよもん:2001/03/16(金) 01:57
す、涼元ちんぴんち!?

357 :名無しさんだよもん:2001/03/16(金) 02:06
いや、むしろイシカワちんの方がぴんちかも…
姿を現さないのはまさかまさかまさか。

358 :名無しさんだよもん:2001/03/16(金) 21:04
んー、なんか文章のほとんどを台詞だけで構成してる人がいるね。
もっと地の文混ぜたほうがいいよ?

話はそこそこ読めるんで、ガンバレ。
で、生意気な意見スマソ。

359 :心の支え 1:2001/03/17(土) 14:04
かげり始めた陽光が、Key開発室を照らす。

「麻枝さん」
「…涼元さんか」
「まだ、悩んでらっしゃるようですね」
「わかるか」
中尾の入社から数日。
仲間にその心中を悟られぬよう、平静を装っていたつもりだったが、
この男には見抜かれたらしい。

「私で良ければ、相談に乗りましょう」
「いや…、心遣いはありがたいが、それには及ばない」
事は単純なのだ。自分の成すべき事は、いたるを守ること。
「社長もなんだかんだ言いながらいたるに警護をつけてくれた。何も心配いらないさ」

「馬場社長ですか」
「ああ。葉っ派信者を取り込むために、一刻も早くリーフを潰したいらしい。
 企業の事を第一に考えた場合、仕方ないのかもしれないが…」
「そうでしょうか。私の考えはすこし異なります」
涼元は、真摯な面持ちではっきりと言った。
彼がこういう態度を見せる時、麻枝の次の言葉は決まっている。
「…では、貴方の意見を聞かせてほしい」
Keyがここまで力をつけたのは、涼元の献策を聞き入れた結果による部分が大きいのだ。

「私は、リーフを潰すべきではないと思っています。
 むしろ、友好的な態度をとってでも、彼らをこのまま存続させるべきです」
「何だって?」
麻枝は驚いた。Key、ビジュアルアーツに限らず、
この業界の人間は皆、リーフを倒す事を目標にしていたのではなかったか。

360 :心の支え 2:2001/03/17(土) 14:04
「このまま社長の思惑通り、リーフを倒産に追い込んだとします。その後が問題なのです。
 …麻枝さん、あなたはリーフの最新作「誰彼」をプレイして、どう思いましたか?」
「駄作だな」
麻枝は即座に答えた。あんな薄っぺらいシナリオなど論評に値しない。
同じ業界の人間として、怒りを覚えるほどだ。
「確かにシナリオに関していえばそうでしょう。しかし、その他の部分を思い出してください。
 CG、サウンド、演出、プログラミング…。
 おわかりでしょう。リーフには、未だ超一流の技術を持つスタッフが健在なのです。
 リーフが滅びた後、彼らはどこへ向かうと思いますか?」

麻枝はここにきて、涼元の考えを理解した。
「北海道、か」
リーフに入社した人間は、高橋の革命的手腕に惹かれた者が多い。
もし彼らが職を失うことになったならば、その後、高橋の元へ向かう事は充分に予想できる。

「しかしそれはまだ良いほうです。最も怖いのは、下川社長が方針変更を行った場合です。
 つまり、このまま興業を続けても我々に敵わないと彼が判断したならば、
 再び高橋と手を組む可能性が考えられます」
涼元は話を続ける。
「下川は、強引な経営に対する悪評ばかり耳に聞こえてきますが、
 わずか数年で弱小企業をトップに立たせた、
 この時代の風雲児であるという事実を忘れてはいけません。
 そして彼は、音楽を制作するクリエイターとしての才能も持ち合わせています。
 高橋と、下川と、過酷な環境で育った超一流のスタッフ。もし、彼らが力を合わせたら…
 最終的に、潰されるのは、果たしてどちらでしょうか」

麻枝は涼元の話に愕然とした。
馬場社長は、目先の敵にこだわるあまり、とりかえしのつかぬ事態を招いてしまうのではないか。

361 :心の支え 3:2001/03/17(土) 14:04
「…しかし、それは麻枝さんが心配するようなことではないでしょう」
麻枝の表情を見て心中を察した涼元は、話題を変えた。
「あなたはシナリオライターであり、企業の社長ではありません。
 環境に左右されず、才能を発揮できるはずです。
 Keyに謀略は必要ありません。
 今後がどうなろうと、私たちは正々堂々、良い作品を世に送り続ければ良いのです」

「とりあえず、麻枝さんは、いたるさんを守ってあげてください。
 きっと彼女も、それを望んでいますよ」
涼元は、やわらかい笑顔でそう言った。
「どうかな、あいつにしてみれば、うっとおしいだけかもしれないぜ」
麻枝は軽く笑い飛ばしたつもりのようだが、涼元ならずとも照れ隠しが見え見えである。
彼は直情型の人間であり、自分の感情を押し殺すのが苦手なのだ。

「貴方の話を聞いて、少し気分が楽になったよ。ありがとう」
麻枝がそう言って自席を立とうとした所、
「麻枝君、一緒に帰ろ…、あ、打ち合わせ中だった?」
開発室のドアが開き、そこから樋上いたるが顔を出した。
「いや、ちょうど今帰ろうと思ってたところさ」

「じゃあ俺達はそろそろ帰るよ。涼元さんはどうする?」
「私はもう少し残ります。やっておきたい仕事があるので」
それ以前に、野暮な真似をする気は涼元には無かった。
「じゃね、涼元さん、お先に〜」
「お先」
「お疲れ様でした」

二人が去った後、涼元は先程の話を思い出していた。
あの時、彼の脳裏に浮かんだもう一つの可能性。
他の推測よりもはるかに現実味の高いその考えを、彼は、麻枝には話さなかった。

それは、Keyの人間に対する、リーフの報復。

362 :心の支え 4:2001/03/17(土) 14:05
涼元は、壁に飾ってあるAIRのポスターを眺めた。
Keyが作り上げたその最新作について、あらためて考察してみる。
麻枝のシナリオ。読み手を突き放した難解すぎるストーリー。
いたるの原画。人間の骨格を無視した人物像。
これらは単体で見れば、とても一般ユーザーに受け入れられる代物ではないだろう。
ところがAIRはユーザーの圧倒的支持を受け、Keyの名声を不動のものとしたのだ。

この現象から、涼元は一つの結論を導き出していた。
麻枝の空想的なシナリオは、いたるの夢想的な原画により、奇跡の輝きを放つ。その逆も然り。
互いの短所を打ち消し、互いの長所を引き立てる。
この業界において、これほど最高の相性となる才能の組み合わせはあるまい。
だからこそ、危険なのだ。
もし片方が倒れた場合、もう片方も力を失う。
Keyを陥れようとする者は、まずここを狙ってくるだろう。

涼元は、Keyの作品から、今まで自分が触れたことのなかった暖かさを感じ取った。
それがため、孤独な小説家であることを捨てここへ入社したのだ。
その暖かさを、守りたい。
自分の人生の指針を示してくれたKeyに対して、恩返しがしたい。

麻枝はいたるを守るという。
ならば私は、麻枝を守ろう。
この会社を、不浄な手でもって汚そうとする者どもから守ろう。
…たとえ、この身を犠牲にしても。


冷静沈着、知的でクール、剃刀のような男、涼元を評する言葉はこのように偏っている。
しかし、彼の内面は、誰よりも人情に熱く、義理堅い。
この時はまだ誰も、その事に気がついていなかった。

363 :名無しさんだよもん:2001/03/17(土) 17:54
うまい!いい週末の始まりになりそうだよゴルァ(゚д゚)

364 :名無しさんだよもん:2001/03/17(土) 21:34
ほぉ……なかなか

365 :名無しさんだよもん:2001/03/18(日) 17:17
涼元ちん、銀英のキルヒアイスみてーだ…

366 :名無しさんだよもん:2001/03/18(日) 21:32
続き期待あげ

367 :折原@地獄車:2001/03/18(日) 22:27
尊敬。まじで上手いよ…
涼元ちんカコイイし。
>>やおい同人作家
涼元×麻枝で一冊キボン!(w

368 :ナナツさんだよもん:2001/03/18(日) 22:46
負けた。
負けたよ…今はただ萌えさせてくれ。
359マンセー!!

369 :名無しさんだよもん:2001/03/18(日) 23:55
明太時代の過去ログサイトが消えてる……
情報知ってる方いませんか?

370 :ナナツさんだよもん:2001/03/19(月) 00:13
>>367
うかつに書くと本気でやりますよ?(w

>>369
過去ログサイトって…リレー小説のログでよいのかな?
ここはまだ生きてたような…↓

http://nanasei7.tripod.co.jp/

371 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 01:01
>>370
編集されてていい感じですね。
っていうか前スレまだ生きてるし、このスレにも誘導あった……鬱だ。

コミパ辺りから未読なんで読ませてもらいますわ。


372 :三告平@エイエソ:2001/03/19(月) 03:24
>>370
削除食らったよ。有志の方にアカをもらって今はここにある。
http://gorua2ch.virtualave.net/

373 :三告平@エイエソ:2001/03/19(月) 03:25
っと >>370 じゃなくて >>369

374 :暗雲:2001/03/19(月) 03:38
 就業開始時間40分前にもかかわらず、Key開発室には1人を除き全員出社していた。
 強制している訳ではない。なのに、毎日30分前には全員が揃う
 何故なのか、と問えば誰からもこう答えが返ってくるだろう。
「ここ、なんとなく居心地が良いから」
 これが、たった2作で業界トップに上り詰める事ができたKeyの秘密の1つかもしれない。

「みんなー。大ニュースだよ!」
 ドアが乱暴に開き、最後の1人が飛び込んでくる。
 そして、部屋中に響く大きな声。
 樋上いたる。Keyのまとめ役兼ムードメーカー。
 だが、今日はいつにもましてハイテンションだ。
 彼女の言う大ニュースのせいだろうか。

「おはよう」「おはよ」「おはようございます」
 誰一人驚きもせず交わされる挨拶。彼女のテンションに慣れているのだろう。
「いたるっちおはようでしゅ。大ニュースって何があったでしゅか?」
 みきぽんが、コーヒーを勧めつつ声を掛ける。
「ありがと。うん、相変わらずおいし。…さて皆さん。それでは発表しま〜す」
 机の上に乗り、周りを見渡す。
「って、それワシの机やん」
 すかさずツッコむみきぽん。皆が笑う。
「まぁまぁ…。コホン、では…。何と! このKeyに新人が配属される事になりました!」

 これには少し驚いたのだろうか。机上のいたるに視線が集まる。
「ホントでしゅかぁ!? 初めて知ったでしゅ」
「ふふ。当然だよ。私が来た時に社内広報貼ってたんだから。
 まぁ、これから情報通のいたるんって呼んでくれても支障はないよ」
 本当にここは居心地が良い。笑いながら誰もがそう思っていた。
 新人とも、一緒に笑えたらいいな、とも。
 だが、次の言葉に皆の希望は粉々に打ち砕かれる事になる。

375 :暗雲:2001/03/19(月) 03:38
「新人の名前は中尾君。少し前にビジュアルアーツに入社してきた元リーフのプログラマさんだよ。
 って、これはみんな知ってるね」

 皆の顔が凍り付いた。
 何よりも聞きたくなかった名前を、誰よりも知ってほしくない彼女の口から聞いたのだから。
(何故だ! 社長は一体何を考えているっ…!)
 麻枝は、思わず声に出して叫んでしまいそうになるのを押さえ込むのに、精一杯だった。
 立ち上がり、足早に部屋の外に出ていく。

「えっ…? 麻枝君…?」
「あ…、あーっと…、
 麻枝っちは朝から腹痛を訴えていたので、急遽トイレに行く事に決定したでしゅよ」
 何とか笑顔を作り直し、その場を取り繕うみきぽん。
 少し逆効果であった気もする。だが、いたるは特に気にしなかったようだ。

「そうなの? 後で薬出しといてあげなきゃ。それじゃ、報告は以上であります!」
 おどけて敬礼する。だが、今度は誰も笑わなかった。
「さて、歓迎焼き肉パーティーの準備しないとねー」
 自分の机に座り、雑誌に集中するいたる。
 誰の顔も気にする事がなかったのは幸運だったのかもしれない。

「えっと、僕もちょっとトイレ行って来ます」
 急いで麻枝の後を追う涼元。
 静まりかえる室内。皆の顔は、まだ凍り付いていた。

 流れるように季節が移り変わろうとする、2月の終わり。
 『Key』に、1つの壊れた歯車が取り付けられようとしていた。

376 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 03:42
>>374-375

>>337-338の前日談かな?
いたるちんのピュアぶりが泣ける。

377 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 03:47
>>376
ヴァカホゲ、時系列が合わんだろ

378 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 13:57
面白いよなぁ。
例の文書流出直後は「中尾大丈夫か! 生きてるか!」
って言われ続けてたのに(w
keyサイドから見たら思いっきり悪役だ。

379 ::2001/03/19(月) 19:43
「あっ、中尾さんですか?」
突然呼び止められた線の細い青年が穏やかな微笑みを浮かべた。
「おはようございます。新しくビジュアルアーツに配属になった
中尾です。あなたは、
中尾の口調を遮って、彼女は明るい声が響いた。
「keyの樋上いたるです。中尾さんのことは聞いてますよ〜。
あのリーフの凄腕プログラマさんだったんですよね。
これからは一緒にお仕事頑張りましょうね。みんな良い人達だし、
すぐになれますよ〜」
いたるが笑うと中尾も笑った。
「ええ、そうですね。俺もいたるさんと仕事ができるのを楽しみに
してたんですよ。いたるさんは俺の憧れですから」
中尾のチタンフレームの眼鏡の奥がギラリと光った。だがいたるは
それに気がつかない。
「中尾さんたら、そんなこといってもなにもでませんよ〜」
中尾は背広の内胸に手を入れると、小ビンを取り出した。
「いたるさん、俺いたるさんと一緒に仕事ができるなんて感激ですよ。
よければ、これをどうぞ」
いたるは大きな目をくりくりさせながら戸惑った。
「これは香水ですか?えっ、いきなり、こんなものを貰うわけには」
「良いんですよ。俺、いたるさんに会えたら前々からあげ、うわっ」
突然、中尾の身体が吹き飛んだ。後ろから走ってきた麻枝が突き飛ばしたのだ。
「麻枝くん!?一体何をするのよ!!、あっ!」
いたるの声を無視した麻枝はいたるの手から小ビンを取り上げ中の匂いを嗅ぐ。
そして手へ小ビンの液を振り掛け、一口舐めた。顔の形相が変わっていく。
(これは…リゼルグ酸ジエチルアミドだ…こいつ、こいつはいたるにこんな
ものをつけさせようと…!)
「中尾くん、大丈夫?」
床に倒れた中尾を介抱しているいたるを見た時、麻枝の中で何かが弾けた。
「いたる…そいつから離れろ。」
「え、麻枝くん…?」

「そいつから離れるんだいたる!!」

380 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 19:45
>>378
だがそれがいい

381 ::2001/03/19(月) 19:58
いたるは立ち上がると、よろよろと後ずさった。
「どうしたの麻枝くん。中尾くんは新人さんで今日きたばかりのひとなんだよ。
それをいきなり突き飛ばして、謝りもしないで、それで急に怒鳴って」
「おかしいよ麻枝くん、どうしちゃったの?」
いたるの何も知らない純真な瞳が、麻枝にはたまらなく痛かった。その傷みを
振り払うように大声をあげる。
「いたる、部屋に戻れ。これはチームリーダーとしての業務命令だ。俺は、
彼と話があるんだ」
いたるは戸惑っている。そして傷ついている。麻枝にはたまらなく、全てがやるせなかった。
「いたる、言いたいことは後で聞くから、戻れ。彼を突き飛ばした事は悪かったよ」
中尾も声をそろえる。
「いたるさん。麻枝さんもこう言ってるし、俺はもう大丈夫だから」
「う、うん…」
いたるが戻っていった後、中尾の形相が変わった。声さえもドス黒く変色する。
「不意打ちとはやってくれるじゃないですか、麻枝さん」
麻枝も同じような声色で対応した。
「薬を使わなきゃ女をものにできないか?屑め、お前など追い出してやる!!」


視点が切り替わった。

気がついた時は、身体は反転して宙を舞っていた。
(馬鹿な、俺がこんなあっさりと!?)

「少々、実戦武道の嗜みがありましてね。コナミ時代は色々やっていたので」
麻枝を軽く投げ飛ばした中尾は口元を歪めながら、呟いた。

「まあ、今日はこれでさっきのお返しってことで、チャラにしてあげますよ。
でもね、麻枝さん。これだけは言っておきます。
俺といたるさんの邪魔をしたら、どうなるかわかるかい?」

「あんた死ぬよ」

そう言った時、中尾の目はギラギラと狂躁的に輝いていた。
それは、瞳孔が興奮で収縮した目。

獣の目だった。

382 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 20:04
訂正
「彼女は明るい声が響いた。 」
「彼女の明るい声が響いた。 」
スマソ

383 :ナナツさんだよもん:2001/03/19(月) 20:45
くうう。
相変わらず上手いよう。上手いよう。
じたばたしてもいいですか。

384 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 20:49
急展開あ・げ★

385 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 20:50
うわ、さげてるよ!ごめん!あげ!

386 :来栖川萌え@梓もね:2001/03/19(月) 21:05
うわっ、すごくうまい。
この後どうなるんだろう?(ドキドキ

読んでたらなんだかKEYで働きたくなってきた(藁
本人達はきっと笑ってるんだろうな。

387 :闇主:2001/03/19(月) 21:40
LSD…もしかして手作りなのか?(w

388 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 22:09
>>387
誤爆?

389 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 22:26
リゼルグ酸ジエチルアミド=LSDってことだろう
俺も意味わかんなくて検索して調べた。

専門用語使うならさりげなく説明文入れてほしい>379

390 :388:2001/03/19(月) 23:00
俺もそう思うぞ、というか普通解るかい<リゼルグ酸ジエチルアミド=LSD

しかし、いらぬ恥をかいてしまったのは事実なのだ(;´д`)

391 :名無しさんだよもん:2001/03/19(月) 23:08
いらぬ恥をかいたことを自ら告白してる388萌え〜。
どうでも良いが恥をかくのかくってどのかくよ。

392 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 00:57
な、中尾・・・悪役になってる・・・
麻枝ちん、中尾と刺し違えたりして(w

393 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 00:59
ゲテモノ食いの中尾たん萌え、実際はゲテモノ好きかどーか知らないけど同じくゲテモノ食いの麻枝たん萌え
おれもいたるちんでハァハァ言えるほどのストライクゾーンを持ちたい(笑

394 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 01:08
"仮想"なので、いたるちんは本当にハァハァです(藁

395 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 02:10
仮想のいたるちんは、萌え萌えの美少女ということになってます(w

396 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 03:00
だがそれがいい

397 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 03:08
うー、伏線は上手に活かして欲しいかも。
もう利用価値のない中尾が、馬場社長の後ろ盾ナシで
どうやって鍵への潜り込みに成功したかとか知りたい。

あと、死人は現実とのリンク上最小限にね(w

398 :嵐の前:2001/03/20(火) 04:33
 やわらかい春の日差しが、部屋に差し込む。
(今日は素晴らしい1日になりそうだ…)
 日を浴びようと窓に近づいた時、インターホンを通して秘書の声が聞こえた。

『社長、お電話です』
「回せ」
 程なく、電話機のランプが点る。下川は、受話器を取り上げた。

「何かあったのか? ………なっ!?」
 言葉を失う。無理もなかった。
 受話器の向こうから淡々と伝えられた報告は、有り得るはずの無い事だったのだから。

「…ぜ…だ。確かに…。…いや。そうか…。そういう事か。…糞がっ!!」
 乱暴に受話器を叩きつける。原形を留めないほどに砕け散った。
 窓の外を見る。何処までも広く青い、空だった。

 机に向き直ると、鍵の掛かった引き出しを開ける。
 そこには、鍵付きの小さめのジュラルミンのケースが入っていた。
 ダイヤルを回す。カチッという小さな音がし、ケースが開く。

 収められていたのは、2つの黒光りする固まり…、ベレッタだった。
 取り出し、装弾数を確認する。スライドを引き、薬室も確認する。
 確認が済むと、懐に2丁とも収めた。予備のマガジンをポケットに詰め込む。

 ふと、机の上の写真立てが目に留まる。遠い目で見つめた後、倒した。
「もう、戻れないな。あの頃には」

399 :嵐の前:2001/03/20(火) 04:36
 部屋を出ると、男が立っていた。
「社長」
「…青紫」

「何処行くつもりです? おっかない顔してますね」
 こいつはもう気付いているのだろうな、と心の中で苦笑しつつ答えた。
「自分で蒔いた種を刈りに行くんだよ」

「へぇー。中尾がねぇ。ボディーガードの連中も一緒にですか」
「ログを流失させたのは、中尾の仕業だろう。
 そして、あのログ以上の物が流れるのも時間の問題だ。
 これ以上何かを公開される前に、消さなくてはならない。裏切り者、知ってしまった者。
 どんな手段を使っても、リーフを…、私の理想郷を守る」

「クク…。手伝いましょう。社長から持ちかけられるとは、少し予想外だったんですが俺も考えていた事です。
 手始めはVA…、ともね。気に入らなかったんですよ。特にKeyが。麻枝が。
 …後、俺にももう、此処しかないんだから」


 負の流れが止まる事は無い。
 何処で間違えてしまったのか。そんな事、もう誰にも分からない、分からない。

400 :ブラック・レイン:2001/03/20(火) 04:47
夜半、中尾は日本橋のガード下で人を待ち続けていた。
しとしとと暗い雨の振る中、さらに濃い黒い影があらわれる。
中尾がポツリと呟いた。
「ときめき」
男がポツリと返す。
「メモリアル」
濃い黒い影。ダークグレーのレインコートを着た男は中尾と向き合い
ぽつぽつと小声で喋り始めた。
「leaf壊滅についてはご苦労だった、我等が…は非常にお喜びになっている。
この調子で、ビジュアルアーツの方も頼む。今回のkey入社のように、
我々も出来うる限り支援する」
中尾の、闇の雨よりも、レインコート男の陰惨な暗い目よりも、
さらに暗鬱な目が男を刺した。
「分かっている。任務は順調だ。約束のモノはどうなった」
男は膨らみ黒ずんだ袋を差し出した。
「トカレフが二丁、弾も200発以上入れてある。あとはデリンジャー一丁、
弾は補充してある2発のみ、それとお前から要望のあった各種薬品」
中尾は無造作に袋を受け取ると、男の姿を一瞥することもなく、その場を去った。

その夜、雨は止むことなく、降り続けた。

401 :まったりと:2001/03/20(火) 10:38
おもしろいねぇヽ(´ー`)ノ○あんまーん
書き手さん現在何人くらいいるのかな?

402 :混迷:2001/03/20(火) 12:11
DTM機材の充実したKeyのサウンドルーム。そこへ足を運ぶ一人の男がいた。

「失礼します」
「はい。…あ、涼元さん、珍しいですね、ここへ来るなんて」
音楽開発室へ入ってきた男に対し、折戸は意外な表情を示した。
麻枝がここへ来ることはよくあるが、涼元が一人で訪ねてくるのは初めてのことだ。
「話がありまして…、後で少し、お時間を頂きたいのですが」
「あ、僕、しばらく外へ出てますよ」
涼元の様子を見てとった戸越が、そう言って気を利かせた。
「一時間ほどしたら、戻ってきますね」

部屋の中は、折戸と涼元の二人だけとなった。
「大丈夫ですよ。ここへは誰も来ないし。で、お話というのは?」
「中尾についての事です」
「…ああ、以外と、面白い奴でしたよね」
折戸を始め、最初は皆、中尾に警戒を抱いていたが、
歓迎会の時の彼の態度…初対面の人間と屈託なく話し、時にはギャグを混ぜて笑いをとるその様子を見て、
ほとんどのスタッフが安心したようだ。

「例の552.txtの件も、冗談で書き込んだんじゃないですか?
 うちのいたるは、この業界で言えばアイドルみたいなもんですし」
折戸も、中尾への心配は杞憂にすぎなかったのではないか、と最近思うようになっていた。

「確かにKeyの皆さんはそう思ってるみたいですね。麻枝さんを除いて」
「そりゃ、あいつは複雑だろうなあ」
麻枝といたるの微妙な関係を知る折戸はそう答える。
「でも、麻枝もしばらくすれば慣れるでしょう」

「…そうですか、折戸さんも、そう思っているんですか」
「ええ。涼元さんは、まだ心配ですか?」
「いえ…」
涼元は一瞬、落胆したような表情を見せたが、すぐにいつもの機械的な表情に戻る。
「では、まだ中尾を信用していないというスタッフに、誰か心当たりはありますか?」
「そうですね…、みきぽんさんは、まだ安心してないみたいですね」
「…わかりました、ありがとうございます」

403 :混迷:2001/03/20(火) 12:12
「あれ、話はそれだけですか」
「はい。忙しい中、失礼しました」
涼元は最後にそう言って、音楽開発室を出た。

「あの人も、いろいろ大変だな」
きっと麻枝を安心させるため、スタッフの話を聞いているんだろう。
折戸はそう思った。
彼も完全に中尾を信用したわけではないが、
いい大人がいつまでも過去の発言にこだわって人を疑ったままでは、会社の仕事は進まない。
それは、ごく当然の考え方であった。


…あの日。いたるが中尾の配属を知らせた日。
麻枝と涼元は、それを聞いてすぐに馬場社長の元へ面会に行った。
ところが、社長は会ってくれなかった。
受付の女性より、「仕方なかった。許してくれ」という伝言を聞いただけであった。

ビジュアルアーツは、この業界では最大手である。
その社長である馬場に、圧力をかけるような存在があるのだろうか。
あるいは、社長は何か弱みを握られているのか。
そしてその存在は、何のために中尾をKeyに入社させたのか。

麻枝と涼元はその答えを考え、一つの仮定を導き出した。
しかし、もしそれが事実ならば、事態は最悪な方向へ向かっていることになる。
そして心配なのは中尾の件だけではない。リーフが今後どう出てくるか、予想がつかない。

二人はあらゆる対策を考えたが、はっきりしたことがわかるまでは、うかつに動けない。
それでも準備だけはしておくべきだろう。
まずは中尾の動きを封じることだ。
自分達が中尾の上司である以上、それは不可能なことではないはず。

「とりあえず今は、協力者を探そう」
涼元は半ば絶望感に襲われていたが、自分を奮い立たせ、前を向いた。

404 :名無しさんだよもん:2001/03/20(火) 15:16
面白い!!コナミと戦ったらリーフフフみたいで燃える。

405 :魚茶:2001/03/21(水) 22:54
> 中尾がポツリと呟いた。
> 「ときめき」
> 男がポツリと返す。
> 「メモリアル」

めっちゃわろたよ(^^


406 :名無しさんだよもん:2001/03/21(水) 23:37
今でも中尾さん見てるんだろうか?

407 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 01:05
血で血を洗う抗争の予感が・・・
葉鍵はいつから893になったんだ(w

408 :>407:2001/03/22(木) 06:26
小波は元々大阪の○○団。ゲームセンターショバ中心に活動。

409 :まったりと:2001/03/22(木) 07:04
SNKやタイトーも
まともなのはナムコぐらいか?

410 :魚茶:2001/03/22(木) 07:53
会長が新興宗教「●福の科学」の信者で役員になるには入信しなきゃいけなかった会社って
たしか小波であってるよね、ナムコだっけ?

411 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 11:59
>>410
コナミだね。
ナムコはそういう色はないし。元町工場だしな。

412 :魚茶:2001/03/22(木) 12:34
情報ソースは灯台&2ちゃん業界板だけどけっこう有名な話だよね
あの会長まだ生きてるの?死んだんだっけ?
とりあえず現重役は嫌々入信した信者であってるよね

413 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:48
 太陽がその光の一かけらだけを地上に残し、地平線の向こうへと隠れようとしていた。
赤く染め上げられた天球に一番星がかすかに瞬く。たなびく白い雲も今は赤かった。
長かった冬の終わり。訪れた春の始まり。季節の変わり目のごくごく短い一時。雪解けは
確かに始まっていた。
 
 その日の駅前も、一日の仕事を終え家路を急ぐ勤め人達で溢れ返っていた。濁流の
ような人ごみに押し出されながら樋上いたるは駅の改札口を出た。仕事柄普段の彼女
の帰宅時間は不規則だった。夕刻に会社を出ていることなど殆んど無い、と言っても過言
ではなかった。だが最近の彼女は、一般の会社員のように日の出ている内に仕事を終え
帰宅していた。それは同僚の麻枝准の強硬な主張によるものであった。

慣れない混雑に右往左往しながらも、いたるはようやく混雑の主流から脱し己のスペース
を確保する位置にまで辿り着くことができた。ラッシュに揉まれて乱れた髪を整えながら彼女
はさっきまで自分がその渦中にいた混雑の様相を見遣った。あの数え切れないほどの人々
それぞれに数え切れないほどの物語が存在する。ふと訪れたそんな思いが、彼女を理由も
なく感傷的にさせた。人は決して他人とは共有することのできない歴史を綴ってきたのだ。
心の奥深くに隠した石碑に刻み込むようにして。

414 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:50
そんな感傷は、彼女の視覚に伝えられた突然の情報に打ち切られた。いたるは一瞬の
躊躇の後その情報源に近づき、確かめるようにして声を掛けた。彼女がその存在に気づ
くよりずっと先に、その男はいたるのことを見ていたようだった。それも、初めから判って
いたことだったのかもしれない。その男のことを良く知る者であれば、なおさらそう思うだろう。
「久弥君……だよね?」

「久し振りだよね、久弥君が私の部屋に来るのなんて」
 自宅のドアに鍵を指し込みながら、いたるは語り掛けた。
「そうだね、最後に御邪魔してからからもう二年以上経ってる。結局、引っ越さなかったんだな」
 問い掛ける久弥に対して、いたるは少し言葉を濁した。
「う、うん。引っ越すお金が勿体無かったし、特にこの部屋が嫌になる理由もなかったし」
 それ以上その話題に立ち入ることを避けるかのごとく、そこで会話を打ち切った。いたる
は鍵を開け、ドアノブに手を掛けている。あの時久弥が自分の手で回していたドアノブと今
のそれとは、同じものなのだろうか。

いたるの部屋はかって久弥が知っていた部屋とあまり変わりのない様子だった。細やかな
ディティールは変化しているのだろう。だがそれを詮索する気にはなれなかった。
「久弥君って、コーヒーにお砂糖入れるよね?」
 居室で所在なげに立ち尽くしている久弥に対して、台所からいたるは声を掛けた。
「あぁ、ミルクも砂糖も入れるよ」
「甘党だもんね、久弥君は」
「あぁ、僕はね」

 半円形の盆に置かれた二つのコーヒー・カップから水蒸気が白い靄となって立ち昇る。
たなびく湯気を挟んで、二人はカーペットに腰をおろした。いたるはコーヒー・カップを載せた
コースターを久弥の近くに押し出した。
「粗茶ですが、どうぞ」
「あ、どうもどうも」
「コーヒーなのに粗茶ってのも、変な話だけどね」
 交わされる他愛のないやり取り。昔を思い出させてくれるいたるの口調に久弥は安心感
を覚えた。だが、今の彼らを取り巻く事態は一片の気の緩みも許さないものであった。

415 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:52
 『552.txt』と呼ばれる文書を久弥が目にしたのはごく最近のことだった。内容そのものは
どこにでもあるような社内の人間関係のトラブルを吐き出した内ゲバでしかなかった。たった
一つの文章を除けば。
中尾という名前のプログラマーがビジュアルアーツに新人として入ったことと、流出した
文章の書き手の名前が同じであることに、久弥は予定調和じみた危険を感じた。何か
きな臭い陰謀が蠢動し始めている。そしてその陰謀はいたるを直接的な標的としている。
多分に独断的な結論ではあったが、それだけに危機を実感させられた。不安に突き動か
された久弥はいたるの安全を確認するために、この日あの場所でいたるの帰宅を待って
いたのだった。
警戒心のないいたるの様子から判断するに、例の文書をいたるは読んでいないようであった。
読ませないように麻枝が配慮しているのだろう。いたるに余計な不安を与えないようにする、
麻枝らしい判断だ、と久弥は思った。だが、その気遣いこそがkeyを叩き潰そうとする者達
にとっては格好の付け入る隙なのだ。麻枝にとっていたるがそれほどに大事な人であれば、
彼女を傷つけることは麻枝本人を傷つけるより遥かに簡単かつ効果的な打撃を麻枝に
与えることだからだ。

416 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:53
「飲まないの、久弥君? コーヒー冷めちゃうよ」
 思索の海に身体半分潜っていた久弥を引き上げるように、いたるは訝しげに問うた。
我に返った久弥は目の前のコーヒー・カップを取り、口元に運んだ。甘さと苦さの入り
混じった味が口に広がる。知らず知らずの内に張り詰めていた糸を緩めるかのように、
久弥は部屋を見回した。 ベッドの枕元には見覚えのあるファンシー雑貨のカエルの
ぬいぐるみが座っていた。
「あれ、まだ持ってたんだな」
ぽつりと呟いた久弥に、いたるは少しだけ憮然としたように応えた。
「当り前でしょ、誕生日に久弥君がプレゼントしてくれたんだから」
「それは嬉しいんだけど、隣りのあの物体は何?」
カエルのぬいぐるみの隣りには表現し難い形状の物体が鎮座していた。おそらくはそれも
ぬいぐるみなのだろうが、とてもファンシーと言える代物ではなかった。イボイノシシのイボ
を増やして、思いっきり縦にひしゃげさせたらあんな物体になるのだろうか。
「あれは麻枝君がプレゼントしてくれたの」
「なんでそう、訳のわからん物を誕生日に贈るんだ、あいつは……」
それも麻枝らしい、といえば麻枝らしかった。久弥は再びコーヒー・カップを口につけた。

417 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:54
「最近、どうしてるの?」
見知らぬ野良猫に手を差し伸べる時のように、恐る恐るいたるは久弥に問うた。既に
コーヒー・カップは二つとも空っぽになっていた。規則正しいリズムを刻む柱時計だけが
存在を主張する。
「別に何も変わらないよ。シナリオ書いて仕事しているよ」
無表情な手触りのする言葉を口から吐き出す。再び沈黙が空間を占有した。二人は
カーペットに目を落とし、互いを見ようとはしない。場の雰囲気に窒息しそうないたるを
見かねた久弥は、自分から口を開いた。
「そっちはどうなんだい? AIRの次の企画はもう立ちあがっているのかい?」
「う、うん。麻枝君は企画を練っているみたいなんだけど、最近何だか様子が変なんだよ。
仕事もあんまり手についていないみたいだし」
不安そうに、いたるは声を落とした。心に湧き起こった僅かな苛立ちを押し隠すようにして、
久弥は言葉を返す。
「麻枝には麻枝の事情があるんだと思うよ。いたるが心配しても何にもならない。麻枝なら
ちゃんと問題を解決して、またいつもの調子に戻るはずだよ」
「うん……確かにそうなんだけど、私には何にも相談してくれないんだよ。力になれることが
あるんだったら、何だってするのに」
久弥の抱いた予想が皮肉にも的中していたことになる。人の安全を護ろうとする者は、
護る相手にも情報を伝えなければならないのだ。麻枝はガラスケースの中の人形のよう
にいたるを扱うことで、却っていたるを不安にさせている。護るべき対象は壊れ物のガラス
細工ではなく、一人の意思を持った人間なのに。護る者と護られる者との間に相互信頼を
築くことができずに、どうやって護衛を行おうというのか。
「いたるに相談するような類の話じゃないんだよ、きっと。それに涼元さんがいるから大丈夫
だと思うよ。あの人は信頼できる」
麻枝のやり方に危うさを感じる内心とは裏腹に、いたるを安心させるための言葉を伝える。
それは、久弥自身が信じていたい希望でもあった。


418 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:59
「でも、涼元さんは私達と一緒に仕事をするようになってからまだ日が浅いんだよ。私と麻枝君
とはずっと一緒だったのに、涼元さんが一番の相談相手だなんて」
いたるには麻枝の真意も涼元の決心も届いてはいない。届かないことを彼らは望んだのだ。
全てを自分達だけで背負うこと。汚れた世界をいたるには見せないこと。
(だが、そんな綺麗事が通用すると思っているのか?)
無性に苛立たしく、腹が立った。彼らの甘さを嘲笑ってやりたい、彼らの想いを踏みにじって
やりたい。どす黒い影が久弥の心の中で鎌首をもたげ始めていた。
「だったら、どうだっていうんだ? 麻枝と涼元さんとは同じシナリオ担当だ。原画のいたるに
麻枝の相談相手ができるのかい? いくら長い間一緒に仕事をしていたって何の助けにも
ならないんだよ。出来もしないことに首を突っ込んでも、却って事態をこじれさせるだけだ」
畳み掛けるような言葉。返す言葉もなく、いたるは俯いて沈黙した。微かに芽生えた嗜虐
心が久弥を刺激する。

419 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 12:59
「大体、いたるもどうかしている。こんなふうにひょいひょいと男を部屋に入れて、何かあっ
たらどうするつもりなんだ? いたるがそんなことだから、麻枝も安心できないんじゃない
のか。案外、麻枝達の抱えている問題ってのはいたるのことなのかもしれないな」
驚いたように顔を上げ、いたるは久弥を見詰めた。視線が揺れている。動揺を感じさせ
る声で、反論しようとした。
「そんな……久弥君だから話を聞いてもらっても大丈夫だと思ったのに。麻枝君だって、
久弥君になら」
「僕と麻枝は何の関係もない! 確かに昔は一緒にやっていたけど、今は違う。もう仲間
なんかじゃないんだ」
これ以上会話を続けてはいけない。感情に流され、理性による歯止めが効かなくなる前
に打ち切るべきだ。そう判断する久弥の思考とは裏腹に、久弥の口はひとりでに言葉を
発していた。
「麻枝は僕を潰そうとするだろう。僕だってそのつもりだ。手段は選ばない。どんなことを
してでも麻枝に思い知らせてやる。今のkeyの名声は僕の力で勝ち取ったものでもあるんだ。
必ず、奪い返してやる。それが今の僕の全てだ」
「どうして……どうして久弥君も麻枝君も同じ事を言うの? 私達はこんな風になるために
keyを作ったんじゃないでしょ? 私達は一緒に仕事をしていきたかっただけなのに、麻枝君
だってきっとそうなのに。久弥君だって、本当は」
「違うっ!」
いたるの言葉を弾き返すように叫んで、久弥はいたるの肩に両の手を掛けた。そのまま
カーペットに押し倒し、組み敷いた体勢を取る。空のコーヒー・カップが転がり、床に力なく
横たわった。ベッドの上の二つのぬいぐるみが軽蔑する視線を送っているように、久弥には
思えた。久弥の下で、いたるは何が起こったのか分からないように呆然としていた。

420 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 13:00
「この有様を麻枝が見たら、どう思うだろうな」
乾いた言葉が口から出てきた。それには何の答えも返さずに、いたるは久弥を見詰めて
いた。瞬きもせず、目を反らしもせずに固定した視線を久弥に送る。
「あんたと麻枝の間に亀裂が生じれば、それはそのままkeyの亀裂につながる。keyを潰した
い、と思う人間なら迷わずそうするだろうね」
再び吐き出された乾いた言葉。再び返される沈黙という答え。いたるの羽織っている
カーディガンに久弥の手が掛った。いたるの体が微かに強張る。だが抵抗はなかった。
襟元に掛けた手をゆっくりとずり下げる。いたるの肩が少しだけ部屋の空気に直接触れる。
久弥の両の手がゆっくりと動く。いたるは久弥を押し返そうともせず、ただ目をつぶり、唇を
結んだ。
「……くっ!」
腹立たしげに舌打ちをして、久弥はいたるの体から手を離した。そのままいたるの元を
離れ、背を向けあぐらをかいた。呆然としているいたるに力無く言う。
「どうして、何も抵抗しないんだ。同情のつもりか?」
いたるは何も応えなかった。応えられなかった。
「君は、麻枝とは……」
 言い掛けて、言葉を切った。それを問わないのは久弥に残された最後の矜持だった。久弥は
立ち上がるといたるに背を向けたまま言った。
「すまなかった。冗談だと思って忘れてくれ、とは言わない。もうここには来ないよ」
そのまま部屋を出て行こうとする久弥に、いたるは精一杯の言葉を伝えた。
「もう、どうしても駄目なの? 久弥君」
「いたる、自分の身は自分で守れ。君の体はもう君一人のものじゃない。君はkeyのリーダー
なんだからな」
そのまま玄関の扉が閉る音がして、いたるは独り部屋にとり残された。


421 :三人目の防衛者:2001/03/22(木) 13:01
「くそっ」
拳を塀に力いっぱい叩き付けた。既に日は沈んでいた。排気ガスと照明に遮られた空には
星の光は殆ど捉えることができない。等間隔に並んだ街路灯が塀に拳を押し付け、吐き気を
催したような表情を浮かべる久弥を照らしていた。
(一体僕は何をやっているんだ?)
いたるの身を案じていたはずなのに、結局はいたるを不安にさせただけだった。いたるの
事はもう、麻枝に任せたはずなのだ。まるで出来の悪い道化だ。
苛立ちと自虐心に心を掻き毟られ、立ち尽くす久弥の目の前を一人の男が通り過ぎようと
していた。男は目を血走らせ、前屈みに屈みながら早足で歩を進めている。その光景の異様
さに思わず久弥の意識は男に釘付けになった。男はなにやら延々と独り言を呟いているよう
だった。
「待っていてくれ、いたる。僕の天使。今すぐ君の所へ飛んで行くよ。そして僕との愛を育もう。
もう僕の方は準備バッチリだよ。いたるだって大丈夫だよね。だって僕のことを愛してくれて
いるんだから。僕がこんなにいたるのことを愛しているんだ、いたるだって当然僕のことを
愛してくれているよね。あぁ、早くいたるの中に僕の愛を注ぎ込みたい。勿論何も付けないよ。
僕といたるとの間にそんな邪魔物は要らないからね。いたるは汚れなき天使だから、初めは
痛いと思うかもしれないけど大丈夫。僕が用意してきた薬があれば、何も感じなくなるから
大丈夫。今日は記念すべき日だ。僕といたるの愛の始まる祝祭の日だ。だから今日は一晩
中愛し合おう。僕も大変だろうけど、愛の力があれば大丈夫。いたるいたるいたる……」
その呪詛のような言葉が耳に入った時、久弥の血は沸騰した。男を追い掛け、強引に後首
を引き掴んだ。男の体から放たれている獣臭に一瞬息が詰まった。男はそのまま前進しよう
としたが、後ろから引き摺る久弥に阻まれそれ以上歩を進めることはできなかった。男はぐりん
と首を回し、獣の目で久弥を睨み付けた。野獣を仕留める狩猟者の昂ぶりを湧き起こらせ
ながら、久弥は目の前の獣に語り掛けた。
「遊ぼうぜ、変態野郎」

422 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 14:12
B場社長も麻枝も久弥もみんなかっこええ!
いたるちんがすげーかわいくてファンになっちゃった。
ちょっと天然だけど明るい女の子・・・。萌え!
Keyのメンバーが、男女七人物語とかそういう感じ
になっているのがいい。

423 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 14:53
つーか実在の人物なのにこんないじって大丈夫なのか?
いい加減面白さより嫌悪感の方が大きくなったきたよ………

424 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 15:06
葉鍵板が敬遠されている所以、元凶がここにあるような気がしてならない。
もっとも!それがこの板においてマイナスかプラスかどうかはわからないけれど。

425 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 15:32
ここの鍵スタッフ(プラス中尾)ネタだけでゲーム作ったら、
AIR本編より面白そうだと思う俺は逝った方がいいですか?

426 :来栖川萌え@梓もね:2001/03/22(木) 15:48
相変わらずおもしろいです。
みんなかっこよすぎだよ。
いたるちん萌えー。


427 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 16:00
そろそろ葉陣営が気になってくるころだなぁ…どきどき

428 :いたるに萌えてもいいが、こんな事件起こすなよ(w:2001/03/22(木) 16:09
 【大阪】大阪府警○○署は22日、大阪府○○市の大学生××△△容疑者
(21)を、住居不法侵入及び婦女暴行未遂の容疑で逮捕した。
 ××容疑者は同日午後7時、ゲームメーカーに勤務するAさんの○○市内の
マンションに侵入し、帰宅したAさんを持参した凶器で脅した容疑。
 女性が騒いだため××容疑者はそのまま逃げ出したが、近所の住人の通報に
よって駆けつけた○○署員が××容疑者を発見、緊急逮捕した。
 取り調べに対し××容疑者は「掲示板を見ていて気持ちがおさえられなかった。
掲示板に書かれていたAさんが可愛かったので暴行目的でやった」と、容疑を認めている。
 この掲示板は、昨年の佐賀バスジャック事件でも、犯人の少年が犯行前に書き込んで
話題になった。

429 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 17:21
>>428
(・∀・)イイネ! コノバカ!

430 :月夜の晩 前編:2001/03/22(木) 19:15
身体中がグルグルと廻り溶けていく。法悦境の中、
男ははいたるという名の女のことだけを考えていた。
だがLSDによる強烈な酩酊をたった一つの言葉が打ち砕く。

「遊ぼうぜ、変態野郎」

男の腹にどす黒い怒りが込み上げる。

「う、うううっ」

男は短い呻き声を漏らすと、全身を痙攣させ
自らの狂った妄想を罵倒で破壊した「敵」目掛けて
飛びかかった。

「うっ!」

男は一声吐きだすと、そのまま地面に崩れ落ちた。
久弥の放った拳が男のわき腹を抉ったのだ。
そのまま、崩れ落ちた男を眺める久弥。その顔には驚きが浮かんでいた。
(なんだ?こんなにあっけない奴なのか中尾というのは)
「そんな訳ないだろ」

久弥のこめかみを激しい衝撃が襲い、その身は地面に叩きつけられる。
衝撃は連続して、久弥の腹を、胸を、顔を、容赦なく襲った。
「どうした。ごろごろ転がってるだけか」
(なんだ!?いったいどうしたんだ?僕が殴った男は倒れたまま。
後ろからいきなり、頭を蹴られて、そして今はタコ殴りにされている)
身体に響く衝撃が鈍く鈍く響く。
「あん。転がってるだけじゃ、死ぬよ。久弥さん」
(俺を襲ってきた奴は俺の名前を知っている。しかも暴力に慣れている奴)
(もし、こいつが…そんな。俺は確かに。いたるのストーカーは中尾で。
どうなっているんだ。どうなって、…)
痛みに慣れてきた身体に、ことさらに、強い衝撃。震動。何もわからなくなる。

431 :月夜の晩 後編:2001/03/22(木) 19:17
久弥の後頭部に膝を落とした中尾は、そのまま立ちあがった。
目前の地面には先程LSDを与え簡易催眠を掛けた操り人形と久弥が
無様に転がっている。
「ふん、たわいない」
中尾は操り人形に声を掛けた。
「いくぞ、中上」
呼ばれた男はむっくりと立ちあがる。中尾は男の顔を覗きこみ強い口調で唱えた。

「お前は久弥を殴った。お前が久弥を殴った」

「中上は久弥を殴った。中上が久弥を殴った」

男はうすらボンヤリとした瞳を中空に漂わせながら、呪文のように暗誦した。

「俺は久弥を殴った。俺が久弥を殴った」

「中上は久弥を殴った。中上が久弥を殴った」


中尾が手を叩く。男の目が覚醒する。

「お、おれは、な、なかおさん、おれ、おれ、あの、どうなって」
中尾は温かみの有る声で語りかける。
「何も心配することはない。お前は悪い夢を見ていたんだ。お前は
leafに戻れ。仕事が待ってるぞ」

「そ、そうおれ、仕事、青紫の後始末しなきゃ。え、ああ、う」

ふらふらと歩いていく中上。その後姿を見た中尾は、ほんのかすかに笑った。

432 :月夜の晩 訂正:2001/03/22(木) 19:23
(俺を襲ってきた奴は俺の名前を知っている。しかも暴力に慣れている奴)
(もし、こいつが…そんな。俺は確かに。いたるのストーカーは中尾で。
どうなっているんだ。どうなって、…)
じゃなくて
(僕を襲ってきた奴は僕の名前を知っている。しかも暴力に慣れている奴)
(もし、こいつが…そんな。僕は確かに。いたるのストーカーは中尾で。
どうなっているんだ。どうなって、…)

です。久弥の一人称は僕でした。すみません。

433 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 20:09
>>423
君、21歳以上?

434 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 20:56
楽しく読ませてもらってるけど、風呂敷広げ過ぎて収拾つかなくなるのだけは注意しようね(w

435 :名無しさんだよもん:2001/03/22(木) 23:04
おもろい、中尾たんハァハァage

436 :>433:2001/03/23(金) 00:34
423は鍵信者(藁

437 :追憶 1:2001/03/23(金) 21:02

1999年、夏。
新規ブランドとして参入したKeyのお披露目作品となる『Kanon』が発売され、
後に「鍵っ子」と呼ばれる層をはじめ、巷には熱狂の渦が巻き起こった。
だが、その物語を書き綴った、当人たちの心境は複雑だった。

……………………

「数万本の売り上げ、そして今後見込める関連商品の利益。
 Kanonは大成功と言って差し支えないだろうな」
「興行的には、ね」

彼らの拠点である、Keyオフィスの一室。
そこで麻枝と久弥は、他に誰も介さず、二人だけで言葉を交わし合う。
書き手としての、お互いの真意を知るために。

「興行的には……か。内容的には不満ってことか?」
「うん」
「キャラ萌えを押し出し、それを後押しするためのご都合主義的な設定。
 それは久弥が自ら望んでやった事だろう。
 まさか、俺のシナリオに劣等感を抱いた、なんて事は無いよな?」

Kanonにおける、久弥シナリオと麻枝シナリオの食い違い。
メインヒロインの起こす「奇跡」に寄りかかった前者に対し、
後者はその他力本願な姿勢を良しとせず、独自の路線を貫いた。
そしてユーザーの間では、後者を推す意見のほうが優勢であった。

「萌え重視にしたことに悔いはないよ。「奇跡」のポジションについてもね。
 麻枝の言った通り、これは僕が望んでやったことだ。
 利益を優先して、赤子同然のKeyに活力を与えるためとか、
 そんな自己犠牲的な気持ちでKanonを作ったわけじゃない」
「だったら、何が不満なんだ」
「麻枝も含め、僕たちのシナリオには共通して、ある致命的な弱点がある」
「……致命的な弱点?」
「エロを書く能力、だよ」

438 :追憶 2:2001/03/23(金) 21:04

それは一貫して、彼らに付きまとってきた否定的見解であり、
彼らの原点といえるTactics時代における
『MOON.』から『ONE』への転換以降、その色はさらに強くなった。
卓越したシナリオ性への賞賛の声が相次ぐ一方で、
18禁ゲームの背骨ともいえるエロの薄さを批判する声もまた、根強い。

「Kanonは成功した。僕の書く「萌え」なら、ユーザーを呼べることがわかった」
「だが今度は「エロ」が足りない、そう言いたいのか?」
「18禁である以上、ユーザーは必ずエロを求める。
 シナリオやキャラクターの魅力というものは
 本来であれば副産物に過ぎないんだと思う、ユーザーにとっては。
 エロの薄さが、今の僕らにはアキレス腱になっている。
 そこを克服できないと、業界の大手にはなれても、頂点には立てないよ」
「……萌えの次はエロ、か」

久弥は「シナリオやキャラクターはエロの副産物」と言うが、
麻枝にとっては「萌えやエロはシナリオの副産物」であり、
その副産物に頼ろうとする久弥の意思が、正直いって理解できなかった。

シナリオに真の魅力があれば、萌えやエロに頼る必要はない。
そう信じる麻枝にとって、これから自ら手がけようとしている『AIR』は
その信念を証明するための切り札であった。

「仮に、萌えに続いてエロも認めるとしてもだな、久弥。
 お前の書くエロで、ユーザーを呼ぶことが出来るのか?
 萌えと違って、お前のエロにはマイナスの実績しかない。
 ユーザーを呼ぶどころか、致命的な傷を付けるだけになるんじゃないのか」
「その可能性は大いにあるね。自分でも危険な賭けだと思う。
 だから僕は、少しみんなから離れようと思うんだ」

麻枝の表情に、はっきりと翳りが差した。

439 :追憶 3:2001/03/23(金) 21:05

「賭けが失敗しても、僕の経歴が傷付くだけで、Keyは無傷で済む。
 それに今、僕がエロを書きたいと言っても、みんなは戸惑うだけだろう。
 もしかしたら、Kanonのシナリオで麻枝に背かれたように、
 今度はスタッフ全員からそっぽを向かれるかもしれない」
「久弥、やっぱり気にして……」
「気にしないなんて無理だよ。でも良い勉強にはなった。
 萌えにしろエロにしろ、磨きをかけて、みんなに認められるくらいでないと。
 特に、彼女に認められるのは大変だろうしね」
「……いたるのことを承知なら、どうしてエロに走ろうとするんだ」

麻枝の語気が、熱を帯びだした。
樋上いたる。書き手たる2人のパートナー、原画絵描きにしてKeyのまとめ役。
そんな彼女と、エロとの折り合いの悪さはお墨付きである。
Hシーンの原画を描いた横に、悲鳴めいた落書きを残すことは日常茶飯事。
とりわけ、陵辱シーンの相次ぐ『MOON.』の制作中における
いたるの狼狽ぶりは、仮にも18禁を手がける絵師のものとは思えなかった。
その有様を見た時、麻枝は己が立てた企画を激しく呪った。
自分がいたるを追い詰める結果となったことを、この上なく悔いた。

『ONE』における路線変更は、書き手によるエロへの技量不足だけでなく、
濃いエロに抵抗を示すいたるの心情をくみとった結果だった。
さらに『ONE』の完成後、上層部と対立し立場を危うくしたいたるをかばい、
Tacticsからの人員大量離脱を敢行し、VAに拾われた。
まさしくいたると心中する覚悟で、彼らは行動してきたはずだった。
……だが久弥は、最後にはっきりと言った。

「いつまでも仲良しのままではいられない気がするんだ。
 それにさっきも言った通り、今のままではおのずと限界が来ると思う。
 充実したエロは、Kanonにおける萌えのように、きわめて強力な武器になる。
 ……でも今の僕じゃ、その事をみんなに納得させる力はない。
 だから今は、新しい環境が必要なんだ。
 多くのことを学んで、そして、いつかみんなのために戻って来られるようにね」

440 :追憶 4:2001/03/23(金) 21:07

二者会談の後、ほとんど日を置かずに、久弥は麻枝たちの元を去った。

麻枝はここに至っても、久弥の為そうとすることが理解できなかった。
萌えのみならず、エロにまで積極的に手を伸ばそうとすることが。
それは書き手としての本来の役目を放棄するのと同時に、
彼らが共に過ごし、クリエイターとして協力し、かつ守るべき存在である、
いたるの存在を冒涜するのと同義であると、麻枝には思えてならなかった。

開発室に置かれていた久弥の机が撤収されたのは、麻枝の提案と指示によった。
むろん反対の声もあがったが、内に秘めた怒りに任せて押し切った。
この時の麻枝にとって、久弥は憎悪の対象でしかなかった。
だから、帰る場所を用意しておくつもりなど、毛ほども持ち合わせなかった。

一方で麻枝は、『AIR』を最高の形で完成させるべく、
自らの眼で人材を見極め、新規にシナリオライターを獲得していった。
抜けた久弥の穴埋めではなく、あくまで己の理想とするチーム作りのために。
久弥は既に、麻枝にとって、共闘すべき存在ではなくなっていたから。

(久弥、俺の力を『AIR』で証明してやる。そして思い知れ。
 萌えやエロなど、真に迫ったシナリオにとっては邪魔物なんだとな。
 物語の真髄はあくまでシナリオ。ギャルゲーだろうが18禁だろうが同じだ。
 そんなものに頼った物語を作ることなど、誰も望んじゃいないんだ!)

激情と執念を糧として、麻枝は、ひたすら『AIR』の制作に没頭した。

……………………

そして2000の秋、Keyの第二作『AIR』は発売された。
売り上げにおいては久弥の生んだ『Kanon』を軽く凌駕し、
業界屈指の数字となる十万本超えを果たす。

だが、数多くの絶賛を受ける一方では、
萌えやエロといった要素の欠如を指摘する声のみならず、
難解すぎて内容が把握できないという、シナリオへの不満まで噴出する。

麻枝の理想は、遂に果たされることはなかった。

441 :追憶の後 5:2001/03/23(金) 21:09

決別の日から、一年半が経過していた。

『AIR』での挫折を契機に、麻枝は、久弥の動向に気を配るようになった。
真なるシナリオの魅力の前では、萌えもエロも不要という持論は変わらない。
しかし、その理想を果たすには、今の麻枝では力不足だった。
あるいは理想は理想に過ぎず、実際には実現不可能な夢物語なのかもしれない。
いずれにせよ、Keyというゲームクリエイター集団に所属し、
ユーザーをより満足させるという義務を負っている以上、
やはり久弥の持つ能力は欠かせないと、麻枝は思い直すようになっていた。

だが一方では、久弥が戻ってくることを恐れてもいた。
萌えに続く、エロという武器を担いで、久弥が凱旋を果たしたとして、
それは逆にKeyを追い詰める諸刃の剣になるのではという懸念がある。
悪く言えばなれ合い、良く言えば和気あいあいとやってきた彼らにとって、
久弥の復帰がいかなる波紋を呼ぶか、麻枝には想像しきれなかった。

濃いエロ、それも陵辱を売りとする、同じVA内のスタジオメビウスの新作で
久弥がシナリオ担当に入ったという噂を耳にした時、麻枝は激しく動揺した。
結局、その新作『Snow』は、従来の方針から脱却した純愛路線であること、
また久弥が関与している可能性が薄い旨の情報が伝わったことで
麻枝は何とか落ち着きを取り戻すことが出来た。
もし噂が真実であり、それを手土産に久弥が戻ってくるのなら、
スタッフ一同、特にいたるへの衝撃は計り知れない。
波紋が広がるのを避けるべく、麻枝は本気で久弥を排除せねばならない。
そんな最悪の事態が避けられそうとあって、麻枝は安堵したのだ。

だが、波紋は広がった。思わぬ方向から投じられた一石によって。

442 :追憶の後 6:2001/03/23(金) 21:11

Leafより来たりし者、中尾。
業界に激震を呼んだ552文書にて、いたるへの欲情を暴露した男。
彼の到来は、はっきりとKeyスタッフに動揺を生んだ。
中でも、麻枝の動揺はことさら激しかった。

久弥の復帰が、麻枝たちにとって諸刃の剣となりかねないなら、
中尾の加入は、害悪以外の何物にもなり得なかった。
馬場社長をはじめ、VA上層部が、中尾引き込みの理由として語るように、
「葉っ派」と呼ばれる熱烈なLeafファン層を切り崩し、
VA側に引き込む原動力となり得る可能性を持つとしても、だ。

いたるを守るため、麻枝たちは結束して、共にTacticsを飛び出した。
それが中尾という男の存在により、いたるの身に危機が迫ることが明確な以上、
とても彼を仲間として迎え入れる心境にはなれなかった。
ただ一人、当のいたる本人だけが、自身に向けられる歪んだ欲望に気付かず、
彼女に暖かく遇されることで、中尾は快感に酔いしれている。
だが、この男がそれだけの関係で満足するとは、誰一人とて考えていなかった。

(久弥、……このような男にだけは、なってくれるなよ)

それは、麻枝の痛切な願いだ。
誰かへ直接に害を為そうとする意思がないとしても、
存在自体が周囲に息苦しさや不快感を与えるなら、結局は同じことだ。

(だが、今はこの中尾という男だ。
 ……俺はいたるを守る。その為の最善の策は何だ。考えろ、麻枝!)

普段であれば、人の心を打つシナリオを紡ぐために活用される思考力が、
今は、中尾という汚物をいかに排除するか、その答えを得るために稼動する。
かけがえのない仲間の和を取り戻すために。
そして、共に歩むべき一人の女性を、己の手で守り抜くために。

443 :名無しさんだよもん:2001/03/23(金) 21:50
格好いいねぇ、皆。麻枝-いたる-久弥の三角関係は俺的にはかなりツボです。

444 :名無しさんだよもん:2001/03/23(金) 22:24
私は、麻枝-久弥のライバルとしての葛藤の中に、
男の友情が見え隠れしてるトコがなんとも萌えます(^.^)

445 :名無しさんだよもん:2001/03/23(金) 23:31
ハァハァ(;´Д`)

446 :名無しさんだよもん:2001/03/24(土) 02:46
ONE2ネタきぼーん…
って、まだ情報が少ないな。
楽しみにしてます。

447 :名無しさんだよもん:2001/03/24(土) 11:33
宗教結社コナミハァハァ(;´Д`)



448 :雌伏編(1):2001/03/24(土) 16:32
リーフ音楽マン米村高広にとってその日の事件はあまりにも唐突なもので、
後になってもなんらかの作為があったと疑ったほどだった。

東京開発室の鷲見努ことCHARMが突然会いたいと連絡をいれてきたのは、
社長が不在で、同じ音楽マンの中上が突然の退社をした日の夕刻だった。
米村はまもなく発売されるDC版こみパの開発に重大な問題が生じたのだと思い、
彼が待つJR新大阪駅近くの喫茶店に向かったのだった。

「わざわざこっちに来られたってことは余程のことがあったんですね」
「まあ、とりあえず座ってよ。米村さん」
深刻な顔で訪ねる米村にCHARMは微笑んで言った。
「今日はこみパが出てからのことを相談しにきたんだ」

米村は尋ねた。
「社長でも中上さんにでもなく僕に?」
「社長でも中上さんにでもなく米村さんに」
どうにも奇妙な話だった。確かに米村は大阪のスタッフの中では東京の人間と親しい方かも
しれない。それも音楽の制作について何度か個人的に話しただけのことだった。
まして米村はこみパからリーフに参加した――今のリーフでは充分ベテランの部類に入るが――新人で、今後のことを相談される立場の人間ではなかった。

「こみパは順調だよ。今のところ重大なバグは見つかってないし……
うん、告知通りにはきちんと出せる……ただ、その後の事がね。
こみパはそっちと協力してやらしてもらったよ……」
その代わり儲けも折半だけど、CHARMは心の中で付け加えた。


449 :雌伏編(2):2001/03/24(土) 16:33
「次の企画はリーフ東京が独立してやりたいんだ。それで米村さんには次の作品
の音楽をメインでやってもらいたいんだ」
メインという部分に力を加えてCHARMは言った。

「だから、米村さんには東京の専属になって欲しいんだけど……いやもちろん、
社長には相談するし………」
つまり実質上の引き抜きだった。その成立を考えればやむおえないとはいえ、
リーフ東京は事実上大阪の本社とは全く異なる会社だった。普通の企業では
考えられないことだが、社長の下川氏は東京の仕事を外注という形でしか受けなかったし
「自社」のプロジェクトに東京のスタッフを参加させようとはしなかった。

「はじめてですよね。そういう露骨なのって」
米村は冷たい声でいった。
勤務条件やなんやらにまで言及していたCHARMがおし黙った。
柔和だった表情が崩れた。
「いや…初めてじゃないよ…ただ、これ以上社長に迷惑を掛けたくないんだ」
こみっくパーティーの開発はほとんどが東京主導で行われた。
当時専務だった下川の示した引き抜きの条件がそうだったし、はじめてのコンシューマー
への移植で混乱する伊丹(当時)には制作スケジュールについて口を差し挟む余地が
なかった。シナリオ、原画と並びエロゲー制作の根幹をなしつつある音楽を除いて。

CHARMがオーダーした飲みかけのクリームソーダの氷がからんと音を立てた。
「どうかな、この話。米村君にとっては悪くないと思うんだけど」
突然米村は悟った。東京は独立を望んでいる。

450 :雌伏編(3):2001/03/24(土) 16:34
「話はそれだけですか?」
長い沈黙の後、米村は立ち上がって言った。
CHARMは応えた。
「そうだよ。もう一度言うけどDC版のこみパは必ず出すよ。
そこんとこ社長には伝えといてよ」
「それが原因ですか?」
つまり『終わった』ハードへの移植。
「いや、それだけじゃないよ。同人の扱いも気に食わないし……いろいろだね」
「でも、まだ決めた訳じゃないよ。これでも保険を掛けてるつもりなんだ」
CHARMは続けた。
「こっちが裏切る前に寝首を掻かれたらたまらないってことだね。
米村君も考えたほうがいいんじゃないかなぁ?
繰り返すけど、俺は社長より君を厚遇するつもりだよ」
給料もはずむしね、とCHARMは付け加えた。

「このこと社長に言いますよ?」
「かまわない。ただ藪蛇ってこともあるから気を付けたら。
証拠を掴まれるほど、迂闊には動いてないつもりなんでね」
完全に表情を消した米村は一礼すると去っていった。

このご時世にああいうのもいるんだなと呟きながら、CHARMは携帯電話を取り出した。
通りかかったウェイトレスにクリームソーダのお代わりを頼み、電話を掛ける。

「もしもし、どうもCHARMです。……社長のほうこそお変わりなく……
 あぁ、見ましたか。こみパ…いえ、いえ僕の方は覚悟してましたから。
 彼女はひどい荒れようですがね。……えぇもうこっちも色々と手は打ってますんで、
 タイミングを見計らってるってとこです。………えっ、僕たちがとどめですか?
 いやもうその必要もないんじゃないでしょうかね?……とりあえず、そっちに行く前に
 大阪の方に爆弾を残していくつもりですが……ああ、どうも、恐れ入ります。
 夏からはよろしくお願いします。………それでは、また」

451 :上書いた人。:2001/03/24(土) 16:36
実はスタッフについてあんまり詳しくないんだよな、漏れ。
明らかにおかしい所があったら、そこは無視してください。

452 :名無しさんだよもん:2001/03/24(土) 21:19
>>451
米村さんは元戯画つながりでリーフ入社なので、引き抜く相手としてはちょっと不適当かも…
音楽スタッフで引き抜くなら松岡さん…じゃちょっと弱いか(失礼)

453 :名無しさんだよもん:2001/03/24(土) 22:17
ここ見た後にいたるの日記見て思うこと。
平和だ。
仮想戦記のいたるが書いてると妄想して萌え。

454 :抑制者 1:2001/03/24(土) 22:18

意識を失い、地べたに這いつくばった久弥の身体を、
中尾は優越感と嗜虐心に満ちた表情で見下ろす。

「お前は汚いよ、久弥。
 汚い言葉で、僕といたるの純情を踏みにじったんだ。
 その罪の償いは、こんなものじゃ済まないよ」

そう呟き、久弥に更なる打撃を加えようとする中尾。
だが何者かが近付いてくる気配に気付き、その動きを止める。

「次に僕の邪魔をしたら、その時こそ完全に潰してやるよ」

そして、気配のする方向とは逆側へと走り去っていった。

……………………

「松岡! 高橋さん!」

その男……かつてのLeafプログラマー……みゃくさは、
共にLeafを出奔した音楽屋の友人である松岡と、
彼らを受け入れた元Leafの伝説的シナリオライター、高橋とを呼んだ。

「この人は、……Keyの久弥直樹?
 Keyを離れたって噂もあるけど、でも、どうしてこんな所で……」
「すぐ近くには樋上の住居がある。そこで久弥が事を構えたということは……」

松岡と高橋とが、それぞれの思惑と分析とを漏らす。

「高橋さん、どうしますか?」
「Keyは敵だ。だからといって放置するわけにもいくまい。
 松岡君は匿名で119番に通報してくれ。みゃくさ君は車の用意を。
 我々の動きが知られるのはまずい。収穫が無い以上、早急にここを去ろう」

455 :抑制者 2:2001/03/24(土) 22:20

みゃくさの運転する車が、現場から遠ざかっていく。
助手席には松岡が、後部座席には高橋が乗っていた。

「陣内君か。……ああ、今からそちらへ戻るところだよ。
 本人は見つからなかったが、彼の行動の痕跡は見つけた。
 ……じゃあ、詳しい話は後で。原田君にもよろしく」

携帯電話での連絡を取り合い、息を一つ吐く高橋に、松岡が疑問を投げかける。

「久弥をやったのは、やっぱり、……中尾さんなんですか?」
「倒れていた久弥、そして近くには樋上の住居。
 樋上を巡って一悶着あった、そう考えるのが自然だろう」
「中尾さんがそんなことを……。俺、何だか信じられないですよ。
 いつも明るくて、俺みたいな新参者にも屈託無く接してくれて。
 ……Leafのムードメーカーって評判の中尾さんがいたから、
 辛いことがあっても、俺はあの日までLeafに残れたようなものですから」

助手席で落ち込む松岡の横で、運転中のみゃくさは、じっと押し黙っていた。
傍目には運転に集中しているようで、それは決して間違いではないが、
頭の片隅では、ある重苦しい事実を思い描いていた。

Leaf社長室への潜入を試み、結果的にLeafと決別することになった、あの日。
みゃくさは「中尾」と署名の入った、一冊の日記を見つけていた。
それを読んだことで、みゃくさは、中尾の歪んだ欲望の詳細に気付いている。
だがそのことを、彼は今もって誰にも話せずにいた。
良き友人、良き先輩たる中尾の汚点を、みゃくさ自身、信じたくなかったのだ。

456 :抑制者 3:2001/03/24(土) 22:21

「中尾君が直接的な行動に出てしまった以上、我々も急いで手を打たないとな。
 退職までに至ったかはともかく、久弥がKeyを離れているのは事実だが、
 かといって麻枝たちがこの件を黙って見逃してくれるかどうか。
 久弥のためにと、中尾君に対する報復を企てる可能性は高い」

現在のLeafを束ねし者、社長の下川によって抹殺されたと思われていた中尾が
Keyのプログラマーとして招かれたという知らせは、安堵と驚愕を同時に与えた。
生存が確認されたのはもちろん喜ばしいのだが、Keyには樋上いたるがいる。
対立関係にあるKeyの人間がよもや「552文書」をノーチェックとは思えない。
事によっては、今度は麻枝らが、中尾を害そうとするかもしれないのだ。

中尾の窮状を察し、真っ先に救出を申し出たのが、みゃくさと松岡だった。
高橋と、彼に従う陣内と原田も、その申し出を認めた。
彼らは皆、中尾の消息を求め、Leaf社長室に乗り込んだほどの人間である。
盟友をむざむざ見捨てる理由など、何処にも存在しなかった。

「麻枝たちだけじゃない。下川たちが動く可能性もある」
「動きますか? 社長と青紫が?」
「Leafを守るために動かざるを得ないだろう。常識的に考えればね。
 中尾君はおそらく、Leafを完全に叩き潰すための切り札を持ち出している」
「あの掲示板の続きと、社内状況のレポート、ですか?」
「それだけとは限らないがね。とっておきを残しているかもしれない。
 いずれにせよ中尾君は、全てをVAの馬場社長に渡してはいないはずだ。
 渡した瞬間、自分が用済みの駒と化すことをおそらく中尾君は察している。
 だから最後の切り札は、ギリギリまで手元に置こうとするだろう。
 彼の目的である樋上の征服を果たし、Keyに残る理由がなくなる瞬間まで」
「そうなる前に、……資料が完全にVAの手に落ちる前に、
 社長と青紫は中尾さんを消そうとする、ということですか?」
「可能性は大いにある。だから我々は、その可能性を消すべく動いているんだ」

457 :抑制者 4:2001/03/24(土) 22:23

だが高橋自身、それをあくまで「可能性」として論じているように、
Leafの中枢が他の方向性のもとに動いているのではという懸念もあった。
始末されたと見せかけ、内部資料を持ち出し、中尾がKeyに駆け込むことさえ
あの策士たる下川にとっては予定調和の出来事に過ぎず、
むしろ中尾の出奔を逆手に取り、Keyを追い詰めようとしているのかもしれない。

何より気になるのは、中尾が如何なる方法でVAの馬場社長と接触し、
Keyへの潜り込みを果たしたのか、という点だった。
すべて下川の策謀によるものと考えれば話は早いのだが、
下川らとも高橋らとも違う、別の勢力が動き出しているのかもしれない。
中尾を利用することで、内部情報の流出によりまずLeafに壊滅的打撃を、
次いで中尾自身に樋上を陥れさせることで、Keyにも大打撃を与えられる。
両者を同時に叩こうとする勢力は、この業界には吐いて捨てるほど存在した。

いずれの可能性にも共通しているのは、
全てが終わった後、中尾は完全に行き場を失うということだ。
高橋らとしては、そのような手遅れの事態は何としても避けたかった。
中尾が過ちを犯す前に、彼を自分たちの元に連れ戻す。
それが彼を救い出せる唯一の方法であると、高橋らは考えていた。

「もうすぐ、着きます」

それまで押し黙っていたみゃくさが、前方を見据えながら、そう告げた。

……………………

一人の女性が、救急車のサイレンの音を聞いた。
女性の名は樋上いたる。Keyの原画絵師にして、象徴的存在。
その彼女が、動きの止まった部屋の中で、傷付き虚ろな意識に埋没しながら、
それでも、サイレンの音が、ごく近い距離から響いているのを聞き分けていた。

「すぐ近くなんだ。……事故でもあったのかな」

やがて、サイレンの音が遠ざかっていく。
無論、その救急車で久弥が運ばれていることなど、彼女は知る由もなかった。

458 :454-457:2001/03/24(土) 22:25
>>437-442を書いた者です。連日ですいません。
あれ書いた後、ちょっと中尾ちんの扱いを悪くし過ぎたかと思って
救済を試みたのですが、いかがでしょうか。
それとも中尾ちんは悪役路線のままのほうが面白い……のかな?

459 :VAK:2001/03/24(土) 23:07
「なぁ」
「どした?」
「さがぷらの連中、今日も来てないね」
「アップしてから騒ぎっぱなしだからな。打ち上げで、みんな潰れてるんとちゃう?」
「そうだろうなぁ」
「…そういや、この頃何か減ってる気がせえへん?」
「何が」
「ビジュアルアーツの社員が」
「…は? 減る訳無いだろ。リストラやってる訳でもあるまいし」
「そうだよなぁ。思い違いやな」
「そうそう。ってか、お前働き過ぎだって。たまには早く上がれば?」
「おぅ。今日はもう帰ろうと思ってた所やねん。んじゃ、お先」
「おつかれー」


「はぁ、はよ風呂入りてぇ…」
「今晩は」
突然、後ろからの声。
驚いて振り返ると、すぐ後ろに…、暗くて顔は見えないが声からして男だろう。
いつの間にここまで近づいていたんだろう?
「あなた、ビジュアルアーツから出てきましたよね。社員ですか?」
いきなり何だ? ウチの作品のファンなのかな?
振り向いて答える。
「ん? そうや。俺はビジュアルアーツの…」
「いえ。社員という事が聞ければ十分です」
遠くから車が近づいてきた。光が反射し、男の顔に掛かっていた影が消える。
「あれ? あなたリーフの…」
その時、背中に何か硬い物が当たった。
「シナリオライター青紫です。初めまして。今日もお疲れ様でした。皆さん、あちらで待ってますよ」

その後に、鈍い衝撃があったような気がする。だけど、今はもう眠たい。
何があったか考えるのは、次に起きてからにしよう。
お休みなさい。

あ、風呂入りたかったのに忘れてたなぁ…。

460 :名無しさんだよもん:2001/03/24(土) 23:29
だんだんわけがわからなくなってきたな…。

でも、書き手がたくさんいる以上しょうがないか。
展開が読めないのは面白い。
あげ。

461 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 01:50
活気があってよろし。


462 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 02:07
ただ、暴力描写が少し多過ぎかな。
暴力自体は良いんだけど、ココっていうところで使ったほうが良いんじゃないかな…という感じ。
でも面白いよ〜、続き早く〜

463 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 04:13
VAの他のチームの扱い悪いな。
いくら葉鍵仮想戦記だといっても(藁

464 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 17:44
私もそう思います。

465 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 22:16
クラフトワークの参戦を期待!! いや、嘘です、すんまそん……

466 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 22:51
>>465
それ何となく同意。
HPの長岡建蔵ばか日誌で情報が豊富だしね。
ただし問題は、現在クラフトワークは長岡建蔵1人だけしかいない事と、
事務所が東京に有るって事だ。

467 :名無しさんだよもん:2001/03/25(日) 23:29
東京開発室絡みでライアーソフトの参戦きぼーーん!!(^^;

468 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 00:04
調子に乗って書き込むと、
長岡建蔵は鍵の二人や元(?)葉の高橋氏らも一目置く存在だ!!
バカ日誌 1/12 のビシュアル総会の話とか。
クラフトワークはさっぽろ女史を含む元ハード組や
PILの田所氏等を絡めれば……。

>>467
同意! あそこも愉快な人材がそろってるよね!


469 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 01:47
まぁ、増えると面白いが
これ以上増えると空中分解を招きそうで恐いね。

470 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 01:52
千代田同盟参戦きぼー・・・や、何でもないです(w

471 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 02:27
>>465
確かに、長岡氏は何とかして使いたいキャラだけど、いかんせん葉とも鍵とも関連がないからなあ。

472 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 02:31
これ以上増やすと絶対に空中分解すると思われ。
それと、誰がどの話書いたか知りたいので、
メアド欄にこのスレだけの捨てコテハンの記入キボンヌ。

473 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 02:54
番外編書けば良いんじゃないの?

抗争に直接介入はしない、自分たちのソフトを作ればいいだけだ、
っつースタンスの千代田同盟とかで渋くな。
長岡氏は…情報屋的役割とかでコソーリ登場させるとか(w

474 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 03:00
こういうネタで書いてくれって言う奴がなんか書こうぜ。
あとバカ日記滅茶苦茶面白いっすわ。
「借金を返せないなら角膜と腎臓を売れ!」 とか。

475 :魚茶:2001/03/26(月) 03:54
>>472
でもあがっちゃうよ、それだと
おれも固ハン判ったほうがうれしいけど

476 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 16:58
あげてみる

477 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 17:07
むしろネギ板でエロゲ業界仮想戦記きぼーん(藁

478 :名無しさんだよもん:2001/03/26(月) 23:08
>>477
あっちでスレ立てて、とりあえず第一話を書いてみたら?
ここでいってもできませーん

479 :名無しさんだよもん:2001/03/27(火) 00:37
いや、それ以上に実はkeyにプログラムはいないって事の方が
あれ、親会社の奴で作ってたと思うから
なかおちん、入社出来ないだよ

480 :名無しさんだよもん:2001/03/27(火) 01:23
>>479
まあまあ細かい話はいいではないか。
おもしろければよし。

481 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/03/27(火) 02:21
>>479
多分、プログラムはVA本体で作っているような気がします。
ただ、スクリプトサポートとかでプログラマ系の人間が配属されたり…ってのはどうですかね?
(細かいことは考えない方がいいのかも知れませんが。前の方で死んだはずの中上氏の扱いとかも含め)

482 :名無しさんだよもん:2001/03/27(火) 08:22
key専用カスタムAVG32を作るとか、
AVG以外のゲームを作るためとか。
無理があるかな?

まあ、中尾ってプログラマーとしては
かなり優秀みたいだしな。


483 :名無しさんだよもん:2001/03/27(火) 09:53
コナミからエロ萌え求めて行く本能があればVAには潜り込んで居るさw


484 :名無しさんだよもん:2001/03/27(火) 20:52
続き読みてー。
っていうか中尾たん編ハァハァ編は完結するのか?

485 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 17:41
名スレage

486 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 18:56
いたるんがこんなに可憐に書かれてるとは…(藁

487 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 18:58
ほら、仮想だから。

488 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 19:05
言ってはならぬ(藁

489 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 19:13
誰か「ONE2」のことも書いてくれ

490 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 19:14
なんか書いて参加してみたいんだがネタが浮かばぬ。
中尾編も煮詰まってるしなぁ。
あとなんか葉鍵でネタあったっけ?

491 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 20:35
葉鍵ロワイヤルスレと良い勝負してますな

492 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 20:37
いや、歴史はこっちの方がずっと長い。
ほんとに「いろいろ」あったんだけど……。

493 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 21:18
ロワイヤルスレは大したひねりもなくどんどん殺してくだけのネタスレだしね。
こっちはSSレベルはとっくに越えて、そのまま小説に出来るくらいの秀逸な書き手がそろってるし。
これ程重厚なストーリーは本来葉鍵にはもったいないくらいだ(藁
もはやネタスレどころの騒ぎじゃないよ、葉鍵板でも一二を争う傑作スレになりつつある。

494 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 21:25
一応完結したとして…もし本の形になったら、読む?
編集人つけて、全員の了解取った上で。
これ、同人誌にしてもいいレベルだと思うんだ。どうよ?

495 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 21:27
レベル高いに同意はするが、ちょっちほめすぎ。

496 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 21:46
確かにここまでレベルの高いSSスレは2chの中ではちょっとないだろうね。
同人化大賛成。絶対買うよ。

497 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 22:41
誰が販売すんだよ(藁
一応明太時代のログはどっかのサイトでまとめられてたな。

498 :魚茶:2001/03/28(水) 22:42
漫画になったら買いたいな(^^

499 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 23:13
>>497ここだね。
http://nanasei7.tripod.co.jp/index.html
nanaseiさん、このスレのログは回収しないのかな?

500 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 23:16
誰か冬コミでサークル取れ(他人任せ)

501 :名無しさんだよもん:2001/03/28(水) 23:40
冬コミ期待あげ

502 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 00:56
>編集人つけて、全員の了解取った上で。
 いや、絶対ムリだろ(w


503 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 01:55
>>502
ありえない話ではないと思う。

このスレに書き込んでる人って言わば、善意の協力者でありエンターテイナーな訳だし。
運がよければってことで(藁

504 :502:2001/03/29(木) 02:00
あ、そう言う意味での了解か・・・
作者の、じゃなくて登場人物の、という意味に取ったんだが(w
さすがにあのちゃんさまリンカーン云々の下りはダメだろう

505 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:33
同人誌超期待age

506 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:39
同人誌化していいの?
一応、サークル参加・・・オマエモナ02参加予定だけど・・・(こっそり)

507 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:42
流石に同人はいらないわ。俺は
正直そこまでのレベルとは思えんし。
なによりここでやったらな……。某の二の舞になりそうだし(w

あっ続きは激読みたいです。作家の方気を悪くしたらスマソ

508 :506:2001/03/29(木) 15:44
>>507
だろ?だから同人しかはやめといたほうがいいよ。

509 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:48
>>507
ノリの悪いヲタ萎え(ワラ

510 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:51
>>504
なんか涼元氏は笑って見てそうだけどな。>登場人物
掲示板でリーフフフのネタ書いてたし……。
中尾ちんは今も見てるのかな?

511 :506:2001/03/29(木) 15:54
>なによりここでやったらな……。某の二の舞になりそうだし(w
ごもっともなので、納得してしまったが…
この優良スレが荒れるのはもったいないし。

512 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 15:55
>>510
中尾ちんは今ごろ…(涙

513 ::2001/03/29(木) 17:01
ピロピロピロ…。
間の抜けた電子音が、麻枝の思考を一時停止させた。
音源は、机の上。手に取る。
携帯電話の小さなディスプレイが、電子音とともに点滅を繰り返している。
目が慣れず、上手く文字が読みとれない。電気を消していた所為だ。
「くそっ。誰だ、こんな時に…」
苛立ちつつも、目が慣れるのを待つ。
何故か、切るという考えは思い浮かばなかった。
いつもなら、迷わず切ってしまう筈なのに。
目が慣れてくる。
ディスプレイに映った文字はこう読めた。

着信
久弥携帯
090-****-****

「ひさ…、や?」
思考が乱れた。決別の日が鮮明に思い出される。
あの日から、一度として繋がらなかった電話。
通話ボタンを押す。訳が分からなかった。恐る恐る声を掛ける。
「…もしもし。久弥…?」
だが、聞こえてきたのは聞き覚えのない男の声。
「もしもし。久弥さんのご友人ですか」
「…はい。知人ですが…」
電話の向こうが、何か慌ただしい。不吉な予感がした。
「良かった…。ご家族に連絡が取れなかったもので。
 久弥さんが、重体です」

514 ::2001/03/29(木) 17:03
「激しい暴行を受けたようで、現在意識不明です。住所を確認次第直ちに来て下さい」
「あっ、あの! 私以外誰かに連絡は…」
「ご家族だけですね」
「後は、私から伝えますので連絡は結構です」
「分かりました。では、病院の住所を。大阪府…」

(まだか…、まだか…、まだか…!!)
バイクのスピードが、気持ちに追いつかない。
スロットルは、既に捻りきっていた。
空はいつの間にか厚い雲に覆われていた。
まるで俺の心を映し出すかの様に。
やがて雨粒が落ちてくる。冷たい…、冬の雨だった。

決して遠い距離ではなかった。
だが、今は何倍もの距離に感じられた。
辿り着いてすぐ看護婦に旨を伝える。
大きな扉の前に案内された。扉の上では、手術中のランプが赤々と光っていた。

「麻枝さん、ですね」
数十分前、電話を通して聞いた声。
「はい。あの、久弥は…」
「現在、ご覧の通り手術中ですが…、一命は取り留めたようです。意識も2・3日中には戻るでしょう」
「そうですか。良かった…。本当に」
体の力がふっと抜けた。ベンチに座り込む。
「それで…、一体何処で何があったんですか」
「はい…」

全てを聞き終わるまでに、麻枝は病院を飛び出していた。
バイクに飛び乗り、走り出す。
(久弥は、簡単にやられるような男じゃない。それは俺が誰より良く知っている)
久弥は、強かった。そこいらのチンピラ如きが勝てる男ではない。
思い出に還る。あの、直接やり合った日よりも昔。
いつの事だっただろう。みんなで飲みに歩いた帰り。
絡まれた時は、俺達二人の出番だった。
負けた事は無かった。
あいつと一緒なら、どんな事でも出来る気がした。
二人の友情が永遠に続くと信じてた、ずっと昔。

515 ::2001/03/29(木) 17:04
久弥の倒れていた場所の住所は、いたるの家の住所と目と鼻の先だ。
何の用もなく、久弥がこんな所を訪れる訳は無い。
何があったかは分からない。だが、いたるの家を訪れたのは確かだろう。

現場に到着した。
殆ど雨に洗い流されてはいるが、まだうっすらと血痕が残っている。
街灯を頼りにし、辺りを見回す。
(何か…、何か残っていないか…。…あれは)
普段なら、気にも止めないであろう小瓶。
拾い上げてみると、ほんの少し液体が残っていた。
蓋を開けその液体を取り出す。雨じゃない。これは…。
連鎖的に、苦い記憶が蘇る。
敗北。そして、あの獣の様な目。

「中尾ぉ!!」
ブロック塀に、右手を叩きつける。
肉が削れる感触がした。水よりも少し粘度の高い液体が腕を伝う。
「お前だけは、絶対に、どんな手段を使っても、必ず…」
バイクを引きずり歩き出す。
自分でも、どうしてこんな感情が生まれてくるのか分からなかった。
久弥は、俺の敵だったのではなかったのか。
自分に問いかけても、答えの糸は複雑に絡まって解ける事は無い。

太陽の光は、黒い雲に阻まれ地上に届くことは許されなかった。
街は暗く灰色に染まっている。まるで、これから起こる事を暗示するかのように。
冷たい雨は、止む事を忘れてしまったかのように降り続いている。

516 :へたれさん:2001/03/29(木) 17:08
同人はねぇ。
もし実現したとしても、買いに行ったら関係者に殺られそうだし(藁

へたれが邪魔してスマソ。でも、何となく参加したかったんだよぅ。


517 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 17:50
別にこの話はフィクションだし、仮に訴えられたとしても負けやしないって(藁
それよりこの優良スレが流れてしまうのだけは避けたい。書き職人頑張ってくれ!

518 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 18:58
2ちゃんでやるから面白いってのもあるしな

同人は興味無しだ
そこまでしても自己表現したいヤツは、まわりを気にせず
何らかの形にするだろうしな

519 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 19:16
>2ちゃんでやるから面白い
は同感だけど、だからこそこの熱いスレをなんらかの形で残しておきたい
と思うのも当然の流れかと。
漏れは同人誌賛成。絶対コミケの台風の目になること請け合いだと思うぞ(笑

520 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 21:06
応援上げ

521 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 21:14
>台風の目
中心は風が吹かない、つまりは人が来ないって事?(ワラ

だがしかし、同人には反対。
熱いスレを何らかの形で残しておきたいなら、
仮装戦記用のページ(もしくはサイト)を作ればいいだけなんだし。

522 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 21:17
同人姉さんも好きそうだよなあ、こういう展開。
葛藤だの行き過ぎがちの熱い友情とか。

まさか普段眼中にさえ入れていないエロゲジャンルで
こんな燃える展開が起こっているとは思うまい。

523 :急転:2001/03/29(木) 21:30
「みきぽんさん、しのり〜さん、ちょっと…」
「ん?」
涼元は、Keyの重役である女性二人を、会議室に呼び出した。

Keyのメンバーのほとんどは、552.txtを忘れかけている。
会社での中尾は好青年そのものといった感じで、変質者やストーカーにはとても見えない。
しかし麻枝と涼元、そしてみきぽんとしのり〜は、真実を知っている。
彼の態度が、演技であることを。

「早速ですが、麻枝さんから何か連絡は聞いてますか?」
ドアに鍵をかけたことを確認した後、涼元は二人に話しかけた。
「ううん、何も。みんなも、どうしたんだろうって心配してました」
「麻枝っちだけでなく、中尾しゃんも今日は来てましぇんね…」

麻枝は今日、Keyに出社していなかった。しかも、何も連絡をしてこない。
さらに中尾も姿を見せないとなれば、どうしても悪い方へ考えてしまう。
「それに、いたるもなんか元気がないみたいだったし…
 聞いても、大丈夫だよって言うだけで、何も答えてくれないの」

「そうですか…。やはり、何かあった、と見て間違いなさそうですね」
涼元は真剣な面持ちで言った。
「ここで考えていてもしかたありません。とりあえず、いたるさんを呼びましょう。
 何か隠しているなら、話して貰わなければなりません」
「でも、いたるが大丈夫って言ってるんだから、そっとしておいて欲しいな…」
「同感でしゅ。もし麻枝っちに関することなら、ちゃんと私たちに話してましゅよ」
「…」

涼元は内心、疑問を持っていた。
麻枝もそうだが、Keyの社員はみんな、いたるに対して過保護すぎるのではないか。
確かに彼女は、守ってやりたくなるような可愛らしい雰囲気をもっているが、立派な大人である。

524 :急転:2001/03/29(木) 21:30
「しかし、このままでは何も…」
ジリリリリリリン
涼元がそう言いかけたところ、会議室の電話が鳴った。
しのり〜が電話をとる。
「はい、会議室です。…え? うん、わかった。じゃ、応接室のほうへ…」
電話を切った後、しのり〜は涼元に内容を伝えた。
「なんだか、スタジオメビウスの飛鳥ぴょんという人が来たみたい。麻枝君に会わせろって」
スタジオメビウスは、Keyと同じく、ビジュアルアーツ傘下のブランドである。
「どうする?」
「仕方がありませんね、私が応対してきましょう」
涼元はそう言って会議室を出た。

「お待たせしました」
応接室に入ってきた涼元を、飛鳥ぴょんはじろりと睨む。
「私は、麻枝さんに面会を申し込んだはずですが」
「麻枝は、本日は用事があって会社におりません。用件があれば、私が伝えておきましょう」
「嘘をつかないでください!」
飛鳥ぴょんは激昂し、立ち上がった。

「後ろめたいことがあるから会えない、そうでしょう?」
「…何のことかわかりませんが」
「とぼけないでください。久弥さんが入院した件、知らないとは言わせませんよ。
 しかも、何者かに暴行をうけたという。麻枝さんの仕業じゃないんですか?」

何だって!?
涼元は驚いた。
「麻枝さんが、久弥さんに…」
「他に誰がやったと言うんです。おかげで、3月に彼の新作を発表する計画が台無しだ。
 さあ、釈明してもらいましょうか」

525 :急転:2001/03/29(木) 21:30
「待ってください。その件は、我々としても初耳です。
 それに、麻枝がいないのは本当です。我々も、彼と連絡がとれないんです」
涼元は、飛鳥に説明しながら、今の状況を分析していた。
麻枝の姿が見えないのは、おそらくその事件に関係があるのだろう。
そして麻枝は、久弥を襲った犯人に見当がついているのだ。
それはやはり、今日この場に姿を見せないもう一人の人物。
…中尾。

「申し訳ありませんが、こちらも状況がつかめておりません。
 麻枝の消息を含め、事の内容が確認でき次第、こちらからあらためて連絡いたします」
「本当ですか?」
「お約束いたします」
「…わかりました。では、今日の所は、これで引き上げましょう。あなたを信じて」

「すみません、久弥さんの入院している病院の名前を…」
飛鳥は鞄から地図を取り出し、涼元に渡した。
「そこの、赤い×印がついている場所です。…では私はこれで」

涼元は早速、病院に連絡を入れた。
「もしもし、葉鍵病院ですか? 涼元と申します。
 そちらに入院されてる久弥さんの元同僚で…。はい。そうですか、意識がまだ…、わかりました。
 では面会できるようになりましたら、今から言う番号まで連絡をいただけないでしょうか」
涼元はそう言って、自分の携帯の番号を教える。
「…ありがとうございます」

「飛鳥さんって方、何も言わずに出てったけど…、どうしたんですか?」
応接室を出た涼元に、しのり〜は尋ねた。
「もう、隠してはいられなくなった」
事態は一刻を争う。こうしている間にも、麻枝の身に危険が迫っているのだ。
涼元の表情にしのり〜は、ただごとならぬ雰囲気を感じ取った。
この男が、ここまで自分の感情を表に出すのは初めてであったからだ。

「Keyのメンバー全員を集めてください。もちろん、いたるさんも。すべてを話しましょう」

526 :名無しさんだよもん:2001/03/29(木) 21:43
葉鍵病院(笑

527 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 00:17
同人誌支援あげ!ぜったい欲しい!!!

528 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 01:14
葉鍵病院ワラタ

529 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 01:20
>>527
欲しいだけ言ってないで、自主的に作る動きをみせたら?

530 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 07:13
電話の音がジリリリリリリンって・・・。
ソフトハウスの電話が黒電話かい。(笑)


531 :再会 1:2001/03/30(金) 15:45

Keyのオフィスが入っている、ビジュアルアーツのビル前に車を停め、
中尾の消息を探るべく、高橋と陣内は張り込みを続けていた。

今やKeyのプログラマーとして迎えられている中尾は、
出勤のために必ずこのビルに姿を現すと、高橋らは読んでいた。
だが正午を過ぎても、中尾は一向に姿を見せない。
そこで今は、みゃくさと松岡が別行動を取り、独自に中尾の消息を求めている。
もう一人の仲間である原田は、久弥が収容された葉鍵病院に滞在していた。

高橋の携帯が鳴る。
ディスプレイの番号は、何処かの公衆電話からの通話であることを示していた。

『原田です』
「君か。どうした?」
『病院に、麻枝が現れました』

高橋が眉をひそめる。
予期はしていたが、いよいよ、一刻を争う事態になりつつあった。

「彼の様子は、どうだった」
『血相を変えてましたね。少なくとも、普段の冷静な印象からは程遠い。
 看護婦から事情を聞いた後、一目散にバイクで何処かへ駆けていきました』
「彼なりに、独自に手がかりを探るつもりだろうな。
 ……原田君、立て続けで済まないが、みゃくさ君と松岡君の支援を頼む。
 何としてもKeyの連中より先に、中尾君の消息を掴むんだ」
『了解』

532 :再会 2:2001/03/30(金) 15:46

会話を終えた高橋に、運転席の陣内が話しかける。

「そういえば麻枝も、今日はここに姿を見せていませんね」
「久弥の凶報に、我を忘れて飛び回っているというところだろう。
 残されたメンバーはさぞ困惑しているだろうね。我々にとっては好都合だ。
 戦力に乏しい我々としては、彼らの足並みが整うまでが勝負といっていい」

Tactics時代の下積みがあるとはいえ、たった2作品のみの輩出で
PCゲーム業界におけるトップメーカーの地位を築きつつあるKey。
その強みは、個々のメンバーの実力を余すところなく引き出し、
時によっては実力以上のものさえ発揮させる、チーム全体の調和にある。
その点においては、かの「552文書」に見られるような崩壊現象を起こした
彼らの故郷、Leafとは実に対照的であった。

「ところでもう一つ、気になる点があります」
「ビジュアルアーツの社員が、次々と行方不明になっている件かな」
「ええ。各チームで1人、多くて2人。全体では10人ほど。
 ただグループ内での連携が強固でないため、特に騒ぎは起きていません」
「トータルでそれだけの人数が消えていることを、誰も把握していないわけか」
「Keyのメンバーの被害は無いようです。
 もっとも、久弥が重体、麻枝もそれを追って消息不明という状況ですが……」

会話を遮るように、再び、高橋の携帯が鳴る。
そして、ディスプレイの番号を確認した高橋の表情が、明らかに強張った。

「下川だ」
「!! ……社長が?」

取るべきか切るべきか、高橋は葛藤した。
横では陣内が、固唾をのんで見守っている。
……やがて意を決して、高橋は「受信」のキーを押した。

「……高橋です」
『久しぶりだな。下川だ』

533 :再会 3:2001/03/30(金) 15:48

受話器の先から聞こえる声は紛れもなく、Leafの現社長、下川のものだった。

『北海道に移ったと聞いたが、今はこちらに出てきているのだろう?』
「……それを聞いて、どうします」
『中尾がKeyに身を寄せた。それによる奴の末路が見えぬお前ではあるまい。
 そして、今や巨大勢力として膨れ上がったKeyが相手と解っていても、
 火中の栗を拾わずにいられぬのがお前だ。違うか?』
「…………」

自分たちの行動は、完全に下川によって読まれている。
沈黙を貫くのは、せめてもの意地だった。

『私はな、中尾が持ち出した、Leafの内部資料が欲しいのだ。
 あれが公表されればLeafは壊滅的打撃を受ける。それは認めざるを得ん。
 だから私は、いかなる手段を用いてでも、あの資料だけは回収する気でいる。
 逆に言えば、中尾自身はもはやどうでも良い』
「……!!」
『協力しろ、高橋。お前が連れている者どもと共に。
 報酬は中尾の身柄だ。望むなら、復帰の算段を整えてやってもいい』

高橋は、強い寒気を感じていた。
だがそれは、下川に服従を迫られたことへの恐怖のためではなかった。

Leafを業界の頂点に押し上げ、風雲児と称されて久しい下川。
その精神は誇り高く、敵対する者を決して許さない、とも評されている。
それほどの人間が、己を見限った相手に対して協力を求め、
あまつさえ、自社を崩壊に導きかねないほどの武器を持ちだした男の身柄を
裏切り者たる相手に委ねようとさえしているのだ。

それは下川が、ひいてはLeafが追い詰められている証拠なのは確かである。
しかし成功を収めた人間ほど、己の型に固執しようとするのに対して
下川は己の状況を的確に見極め、易々と己の型を崩してきた。
狭量な印象の陰に隠れた、彼の度量の深さを感じて、高橋は戦慄したのだ。
……その衝撃は、いつ以来のことであったろうか。

534 :再会 4:2001/03/30(金) 15:49

高橋らに対する協力要請は、下川の立場を考えれば屈辱的な申し出だ。
それでも高橋には、通話口の先にいる下川が、
彼の象徴ともいえる、余裕ある冷笑を浮かべているように思えてならなかった。
求めるのは最終的な勝利。経過は問わず、中途のいかなる屈辱も甘受する。
下川とは本来、そういう男であった。

……………………

対話が終わると、高橋は自分の身体を深々とシートに預けた。
落ち着くまで、じっと様子を見守っていてくれた陣内に対し、
やがて平静さを取り戻したところで、高橋は会話の内容を伝えた。

「提案を飲みましょう。今は少しでも手が欲しい。選り好みは出来ません」
「……そうだな」

原田、それにみゃくさと松岡も、同じことを言うだろうと高橋は思った。
自分も含め、この面々はある意味で下川と同種の人間である。
中尾という個人を救うことが最優先であり、その方法や経過は二の次なのだ。

「中尾君がKeyの手に落ちれば、内部資料は奪われ、中尾君も救われない。
 逆にこちらの手に収まれば、下川は資料を奪回し、我々は中尾君を救える」
「そのための、Leaf再結成ですか」
「一時的かつ、皮肉な形ではあるがね」

気になることは山ほどある。
Keyは今後どう動くか。下川の真意は何処にあるのか。
ビジュアルアーツの社員が次々と姿を消している背景には何があるのか。
自分たちは、Leafは、Keyは、中尾を擁する「何」と戦おうとしているのか。

それでも今は、見えている目標へ向け、闇雲にでも進むしかない。
既に合流を果たしたであろう、原田とみゃくさ、松岡に連絡を取るべく、
まだ微かに震える指先で、高橋は携帯電話のキーを叩いた。

535 :531-534:2001/03/30(金) 16:04
失敗。>>459をよく読んだら、さがぷらの人々は全滅状態なんですね。
「2」の「各チームで1人、多くて2人。全体では10人ほど」という記述は無視してください。

ちなみに>>437-442>>454-457に続いて、書いたのは三つ目です。
>>472>>475の方が、誰がどの話を書いたか知りたいということなので告知。

536 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 16:42
うぉ、しばらく見ない間にすんげー盛り上がっている。昨年一人でシコシコと書いていたのが
嘘のようだ。しかも樋上いたるが何だか可愛い。

537 :名無しさんだよもん:2001/03/30(金) 22:08
同人支援age

538 :暗闘編(1):2001/03/30(金) 23:42
かつては家電街として名を馳せ、ここ数年の不況でヲタクたちの無限の購買力にターゲットを
移しつつある街、日本橋。
毎週のようにイベントが開かれ、アダルトゲームの売り上げは秋葉原とあわせれば
出荷量の半数を超えるこの街も午前0時を過ぎれば自然と人影も少なくなる。

その日の光景も翌日のイベントにそなえて徹夜で列を作ったヲタクたちの一部が騒ぎをおこし、
それが駆けつけた浪速警察署内の警官と浮浪者との間で三つ巴の乱闘事件に発展して
(ただし殴られていたのは明らかに体格が良い人間の目立つヲタクたちがほとんどだった)
浪速警察署に10名程度が連行されたことを除いてはいつもと変わらないものだった。

――某大手コンシューマーゲーム企業の後援でヴィジュアルアーツに入社し
己の歪んだ嗜好を満たそうとしている敏腕プログラマー中尾の存在を除いては。

コートの下にトカレフを隠し、近づく男を刺すような視線で射抜きながら中尾は訪ねた。
「何の用だ?俺を一々呼び出すな」
以前の時とは違い、今回は彼が相手を呼びだしたのではなかった。
「我等が…はお怒りになっておられる。お前はやりすぎたんだ」
「何のことだ?」
中尾は久弥を病院送りにしたことなど問題にしないかのように問い返した。
久弥を排除することは時期こそ早まったものの彼と彼を支援する者の事前の計画どおりだった。
「とぼける気か?ヴイジュアルアーツの社員が次々に失踪している。しかもお前の所属する
keyのメンバーを除いてな。」
一見サラリーマン風の男はあくまで冷静な口調でいった。彼にとっては
この場での仕事もあくまで業務活動にすぎなかった。

539 :暗闘編(2):2001/03/30(金) 23:43
「知らないな」
中尾は答えた。確かに彼には覚えのないことだった。
「そうか、いずれにしても本社に火の粉が掛かるようなことになれば
お前などすぐに切り捨てられるということは覚えといてもらおうか」
本社は現時点での業界乗っ取りは望んでいない、計画発動当時なら別だがなと
男は付け加えた。

中尾を支援する某大手企業はかねてからアダルトゲーム業界の支配を望んでいた。
無論90年代の半ばまでは他のコンシューマ企業と同様にそれを歯牙にも掛けていなかったが、
自社から発売した某大ヒットギャルゲー熱の冷却が変えたのだった。
購買層であったギャルゲーヲタたちを分析した結果、彼らの多くは自分たちが視野にも
いれてなかったエロゲーのキャラクターたちに熱を上げていたのだった。
最終的にはゲームと名の付くものは全てを支配しようとしていた彼らの行動は素早かった。

当時急速に勢力を伸ばしつつあったリーフを影から支援し、業界を制覇させ、やがては
それを乗っ取ることによってアダルトゲーム業界をも手中に収めようとしたのだった。
そしてリーフへの有形無形の裏からの支援は継続して行われ、
それは中尾を始めとするスパイ兼有能なスタッフの入社や豊富なノウハウを持つ3D技術の提供といった形で現れた。

しかし、彼らの計算は狂った。社長下川の暴走はそれらを全てフイにしてしまったのである。
さまざまな形で投入された援助資金は全てToHeartの電車広告の京本政樹や
リアルこみパの開催資金に消え、スタッフは次々とクビにされ、
3Dゲームは基本的にゲームデザインのなんたるかを知らないリーフ社員と
頭痛を生じさせるほど面白いシナリオによってその実を結ぶことはなかった。

やむなく彼らは目的を変更、迷走したリーフを潰し、残ったスパイを各社に再配置して
何処かの企業がこの混沌とした業界を統一する日を待ったのだった。

540 :暗闘編(3):2001/03/30(金) 23:46
「そうか?いずれにしても用件はそれだけか?俺は忙しいんだがな」
中尾はいった。目に殺気と狂気を湛えながら。
「ふん、結構な勇気だ」
中尾の怒りに全く動揺することなく男は答えた。
そして口元に冷笑を浮かべ静かにガード下から去っていった。

「果たして貴様らの思惑通りに行くのかな?」
男が去った後、中尾は毒づいた。1人の業界の人間として雇い主(そう、まさに雇い主だ)の
やり方が気に食わなかった。商標登録して法的には意味のない圧力を掛けることも、
それを裏稼業の人間に行わせることも。
しかも今の中尾には切り札があった。
馬場社長にはまだ開示していないLeafの内部資料。
日が沈むつつある孤高の王国の最後のウィークポイント。
それを手土産にすれば今のLeafに反感を持っている全てのメーカーが
彼を温かく迎えてくれるだろう。
しかし、今の中尾にはまだそれはどうでもいいことだった。

「いたるいたるいたるぅ、待っててね。さっきは久弥のクズに邪魔されたけど
今度こそ僕が君のことを迎えにいくからね」
自分のたぎる思いをブツブツと呟きながら、中尾もまた深夜の日本橋を去っていった。

中尾は最後まで気づくことはなかった。
100メートル先の駐車場からその日の朝刊で顔を隠し
浮浪者に扮した何者かが、中尾と男との接触をマークしていたことを。
中尾が去った後に、持っていた携帯電話で何処かに連絡を入れていたことを。

541 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 09:56
↑イマイチだね。
創竜伝での田中芳樹並みにつまらん。
登場人物の思考でない文章で実在の会社の批判や中傷をやるのは
三流物書きだよ。もうちょっとひねったプロットが欲しいな。

542 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 11:19
そうか? 俺は別に良いと思ったけど。

全体の評価と別のトコで笑ったのは
>頭痛を生じさせるほど面白いシナリオ
これも出典は552だったっけ?

543 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 11:23
どっちにしても、陣内&閂はあのペースでやってほしかったなぁ。

544 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 11:23
ってスレ違うやん。失礼(グハッ

545 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 15:00
黒幕はやっぱりコナミか(ぉ
CESAも巻き込んでゲーム業界を震撼させる大絵巻になりそうだな。

546 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 18:32
>>545
駄目ですよ!伏せ字にしないとコ○ミから消されますよ!(藁

547 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 19:54
暗闘編面白かったよ。

548 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 22:14
>>546
リーフもKeyも、果ては登場人物のHN(?)も実名だし、何をいまさら(藁
中尾が元コナミだっていう史実がこれほど効果的に生かされるとは書き手さんには
マジで脱帽だよ(w

549 :リベンジャー:2001/03/31(土) 22:44
その日の朝、中尾はいつものように自宅を出た。Keyに出社するために。

昨晩彼はいたるの家へ向かい、本懐を遂げようとしたのだが、
2度も邪魔が入ったせいで気分が萎えてしまい、そのまま帰宅したのだった。
「まあいいか。焦ることはない。時間はたっぷりあるんだ」

人通りの少ない路地を歩いている時だった。
ヴオオォン…。
背後から、バイクの走ってくる音が聞こえる。中尾は道路の端により、進路を開けた。
ところが、脇を通過すると思っていたバイクの音は、そのまま中尾の背中へと迫ってきた。
「何っ」
とっさに横へ飛び、背後から近づいてきたバイクを、間一髪でかわす。
「誰だ!」
中尾は地面を転がりながら、自分を轢こうとした者に対して叫んだ。

そのバイクは素早くUターンをし、再び中尾を襲ってきた。
乗っている人物はヘルメットを被っているため、誰だかわからない。
中尾はトカレフを構え、そのバイクに照準を合わせる。
しかし引き金を引くより早く、バイクが接近してきた。
「ちっ」
中尾は横へ避けようとした。
ところがバイクに乗っている人物は、その動きを読んでいたかのように、
ハンドルを放し、空中へ飛んだ。

そしてその人物は、スピードに乗った強烈な跳び蹴りを放った。
「がはっ!」
バイクの突進を避けようとして体勢を崩していた中尾は、蹴りをもろにくらい、吹っ飛ばされた。

グァッシャーン!
乗り手を失ったバイクが電柱にぶつかり、激しい音を立てて倒れる。

「ぐ…」
塀に、強く体をぶつけたらしい。体中が激しい痛みで動けない。
ヘルメットを被った男がこちらへ近づいてきた。
「誰…だっ」
頭がくらくらする。口を動かすのさえつらい。

その男はヘルメットを脱いだ。
「ま…麻枝!」
「こんなもんじゃねえぜ…、久弥の受けた痛みは…、俺の怒りは!」
麻枝はそう言って、倒れている中尾の腹を踏みつけた。
「ごぶっ」
中尾は胃液が逆流するのを感じた。
しかし、麻枝はまだ容赦しなかった。
拳が、中尾の顔面へ飛んできた。

550 :リベンジャー:2001/03/31(土) 22:44
…中尾は既に気を失っていた。
「ふん、まだ息があるな」
麻枝は中尾の上着をチェックし、武器をすべて取り上げた。
そして携帯を取り出し、合図を送った。

しばらくすると路地へ車が入ってきて、麻枝の側で停車した。
「乗ってください」
運転している人物が、麻枝に声をかけた。
「よし」
麻枝は、中尾を担ぎ上げ、車に乗り込んだ。

「協力、感謝するよ」
「あなたの為ではありませんよ。久弥さんの為です」
運転手、イシカワタカシはそう答えた。
「ああ…、そうだったな」
かつて麻枝はイシカワに、スパイとして久弥の元へ行くよう指示したことがあった。
しかしイシカワはその行為を潔しとせず、麻枝を見限り、
タクティクスのYETを介して久弥の元へ走ったのだった。

「もう少しお前の気持ちを考えるべきだった。悪いことをしたな」
「まあ、今は特に気にしていませんよ。
 久弥さんのキャラクターに対する意識、萌えに対する考え方は、勉強になりました。
 あのままあなたの側にいるより良かったと思います。自分にとっては」
少し皮肉を混ぜて答えたが、それは、イシカワの本心だった。

「ところで、これからどこへ行くんですか?」
「…大阪湾沿いの工業地帯、そこに、今は使われていない倉庫がいくつかある。そこへ向かう」

麻枝は横で気絶している中尾を見て、一人呟いた。
「こいつには、しゃべってもらわなきゃならないからな。誰が黒幕なのかを」
馬場社長を脅迫し、中尾をKeyに入社させた組織があるはずだ。
それを聞き出さなければ、根本的な解決にはならない。
それまで麻枝は、中尾をその倉庫に監禁しておくつもりだった。

551 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 22:56
なかおっちアウトローっぽくかっこつけてるわりには弱いな(w


552 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 23:21
つーか、麻枝と久弥が強すぎですな(w

リアルで強いのは高橋龍也だったっけ?

553 :名無しさんだよもん:2001/03/31(土) 23:22
そうそう高橋。
椎原たんが腕相撲でボロ負けだっけ?
>>552ゲットおめでとう(笑)

554 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 00:08
>>553
TAKEMi氏もボロ負けして腕を痛めたそうだ(笑)
高橋って「腕立て伏せ1分間で70回らくらく」らしいぞ。

555 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 00:15
高橋、筋肉番付出ろよ(w
しかし、この設定は使わないとなぁ。

556 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 00:58
麻枝ちん強すぎ(w
リカちゃん野郎のくせに

557 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 00:59
なんのかんの言いつつ麻枝ちんは愛されてるんだな(w

558 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 01:39
なんのかんの言いつつ中尾たんは愛されてないんだな(涙

559 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 01:44
>>558
ちっちっち。
愛されてるから、仮想戦記に出てくるんだよ(w

560 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 03:02
>>559
その通り(w

561 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 04:53
このまま下がりそうな感じだな…。

562 :broken down:2001/04/01(日) 07:14
硝煙の臭い。
朱に染まるアスファルト。
そして、少し前までは人であったのだろう。
まだ暖かみの残る、だがもう何も物言わぬ只の肉塊。
「手早く処理しろよ」
側に止まっていたワゴンから、数人の男が出てくる。
手慣れているのだろうか。
誰1人、迷う事無く作業をこなしていく。
車に遺体を積み込み、ブラシでアスファルトを擦る。
「ふむ…。そうだ、そこのお前、せっかくブラシ持ってるんだからマルチっぽく掃除しろよ」
選ばれた男の顔が強張る。
他の男達からの、憐れみの視線。別れを惜しむかのような…。
「ん? どうした? 出来ないって事は無いよね? まさか」
ベレッタをちらつかせながら、訪ねる。
覚悟を決めたかのように、男は前を見た。たった少しの、生の可能性に賭けて。
「っ……。は…、はわわわわ〜。血の海ですぅ。…ど、どぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁー!!」
「ギャハハハ!! 上手いなお前。あんまり上手すぎて僕の脳裏に、高橋の顔までが鮮明に浮かんだよ。
 んなもん浮かばすな。クソが」
ポツリと、男の額に黒い穴が空いた。
「ゴミが1つ増えたって大して変わらないだろ。それもさっさと片付けろ」

563 :broken down:2001/04/01(日) 07:14
作業も後半に差し掛かり、今はもうここで行われた惨劇の気配など消え失せていた。
「よし、そろそろ終わりだね。作業が終わった奴は車の中で待ってろ」
その時、ポケットの中で携帯電話が震えた。
発信者は、下川。
「おっ、社長じゃないですか。中尾が見つかったのかな? ゲリラチックなのも飽きてたんですよね。ウシシ」
嬉々として、受信ボタンを押す。

「ハイハイ。早紀で〜す。
 冗談ですってば。ククク。…で、何のご用で? 中尾ちん見つかったりしました?
 えっ…、どうしてですか? だって、今までは始末するって…。
 …………
 ハイ? 高橋達とですか? なな…、何故なんです!?
 いや、ちょっと待って下さい。そんな事しなくても…。いや…。あの……。
 …分かりました。見つけても、始末しない。拉致するだけですね。見つけたら、連絡しますよ。
 いえ、高橋達には社長から伝えて下さい。はい。それでは」

震える指で終了ボタンを押す。
少し前までの、嬉々とした表情は消え去っていた。
身体も震え出す。止まらない。
噛み締めた唇の端からは、黒い血が流れた。

564 :broken down:2001/04/01(日) 07:15
(高橋。裏切り者。何故? 社長は、僕を信じてくれていないのか? 僕を。僕を。
 何故裏切り者と? どうして? まさか…、僕を見限って高橋達と…。
 そ…んな…)

青紫は有能だった。
いつも詳しく説明する必要も無く、下川の本当の狙いを的確に読み取り、素早く仕事をこなしていた。
完璧に。
故に、下川は今回も簡潔に命令を下した。

(いや、そんなはずはない。社長は、高橋に騙されているんだ。あいつら、Leafを乗っ取る気だ。
 そんな事は、させない。Leafは、僕が守る…。
 社長が道を間違ったら、戻せるのは僕しか居なんだ)

だが、下川は間違いを犯した。
把握しきれていなかったのだ。青紫の、病的ともいえる高橋への劣等感を。
病的な劣等感は、理性すら蝕む大きな憎悪を生んだ。

「…お前達、ターゲット追加だ。高橋達が大阪に来ている。見つけ出して、殺す。
 1・2班は、中尾捜索を引き続き。散れ」


壊れた機械は、何処に行くんだろう。

565 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 09:48
過去ログ行ったのでage!

566 :名無しさんだよもん:2001/04/01(日) 11:24
青紫あげ(w

567 :名無しさんだよもん:2001/04/02(月) 10:51
月曜日あげ

568 :名無しさんだよもん:2001/04/02(月) 11:18
>>559
じゃあ青紫はみんなに愛されてるのか?(w

569 :トロ:2001/04/02(月) 22:10
むかし…
青紫に いじわるした人がね…
青紫のタタリで…
すごくキモチわるい びょうきに なっちゃったんだって〜


570 :幕間・ペンギン編(by@そうだ有明行こう):2001/04/02(月) 22:41
東京、池袋。
Leaf東京開発室、ある日の正午。

「おひるっ、おひるっ、おっひっるっ! ご飯食べに行こ!」
一番に発声したのは、我らがクイーンみつみ美里ちゃん様だった。
「みつみさん、お昼買ってきてるんですけど、どうですか?」
「さっすが甘露クン。それでこそあたしのしたぼくよね〜☆ 何買ってきたの?」
「みつみさん、ペンギン好きでしたよね?」
「何よ、ヤブカラボーに。そりゃ、好きだけど」
「良かった。じゃ……」
そういうと、甘露はバスケットを取り出す。
中には、大量の唐揚げ。
「どうぞ」
「え、え、え〜〜〜!!」
「食わないんですか、みつみさん。僕先に貰っちゃいますよ。いただきまーす」
そういうと甘露は唐揚げに手を伸ばし、もぐもぐと食べ始める。
「え、え! 食べちゃダメ、食べちゃダメ〜〜〜!」
「もぐもぐ…(゚д゚)ウマー おいしいっすよ。早く食べないと、全部食べちゃいますよ」
「バリバリ…(゚д゚)ウマー 軟骨がうめーんだよ、軟骨がぁ!」
横ではいつのまにか鷲見も唐揚げを食べていた。
「ダメ〜〜〜! ペンギンぎゃくたい禁止!! 食べるなんて論外death!!」
「(゚д゚)ウマー」
「(゚д゚)ウマー」
それでも食べつづける甘露と鷲見。
「人でなし〜! ぎゃく殺はんたい〜〜!! ふみゅ〜〜〜ん!」

「菅さん」
「何です、三宅さん?」
「アレがケンタッキーのフライドチキンだってこと、みつみさんに教えた方がいいんですかね?」
「……面白いから、ほっとこうよ」

陰謀と狂気と鮮血渦巻く大阪から五百数十キロを隔て、
東京は、今日も平和過ぎるほど平和だった。


571 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/04/02(月) 22:42
現在の仮想戦記の流れを切断してすいませんでした。
つい、書きたくなったもので…

http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=983615666&st=515
>じゃあ仮想戦記におけるちゃん様はむしろペンギンを
>バリバリとかっ食らうキャラ立ての方向で…
このカキコより着想。
ちゃん様ではなくCHARM氏がその役割を担うことになりましたが…
なお、作中で一部甘露氏HPの「お気楽日記」、みつみ氏HPの「TALK」を利用させていただきました。


572 :名無しさんだよもん:2001/04/02(月) 23:41
ふみゅ〜んage

573 :名無しさんだよもん:2001/04/02(月) 23:51
なんだか323も萌えキャラになってるな。
これでいいのか?


574 :名無しさんだよもん:2001/04/02(月) 23:57
まあ、素直に萌えとけ。ハカロワではキリングマシーンだし(w

575 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 00:50
こっちのちゃん様も萌えるがハカロワのちゃん様もそれはそれで萌え

576 :doll master:2001/04/03(火) 03:40
少しの光も差さぬ、真の闇の中。
「クククク…」
拘束された男が1人居る。

人間は本能的に闇への恐怖を感じる。
光の差さない世界に、人は存在できない。闇は無を連想させるのだ。

だか、その男は少しも脅えることなどせず、笑っていた。
「アハハハハハハハハハハ!!」
大声で笑っていた。止まらなかった。
笑い続ける。

「ハハ…。お前は本当にあの麻枝准なのかい…? ハハハハ!」
そこには居ない誰かに問いかけ、そしてまた笑う。
「フヒャヒャ…、クルチイ。……ふぅ」
深呼吸をして、落ち着きを取り戻す。

そして、男は"笑いのネタ"についてを考え始めた。
(もう少し…、頭の切れる男だと思っていたんだが…。
 …いや、久弥さんのお陰かな? ふ…、どうやら、風は僕に向いているようだ。
 リーフの奴らとの判別が付かなくて、銃を使ってしまったのは少し手痛いがな。
 まぁ、そんな事を気にしている場合では無くなるだろう。
 無実の同僚に暴行を加えた上に監禁だからな…)
「うははははは…」
(さて、僕が彼に連絡取らなくなってそろそろ1日か…。
 まぁ、彼自身は僕からの連絡だと認識はしていないだろうがね)

「さぁ、第2幕の幕開けだよ。麻枝さん」

男はそう言い終えると、また闇の中で只1人笑い始めた…。

577 :doll master:2001/04/03(火) 03:41
「会社まで送って貰うなんて、済まなかったな」
麻枝は、運転席のイシカワに礼を言って助手席のドアを開けた。
「あれ?」
「ん? どうかしたか」
「麻枝さんって、こんな事でいちいちお礼なんて言う人でしたっけ?」
聞かれても、麻枝は分からない。意識した事が無かったからだ。
「さあな。俺には良くわからんよ」
「そうですか」
イシカワは、なにか面白そうに相づちを打った。
「何笑ってんだよ」
麻枝は聞いた。曖昧な事で笑われるのが嫌いだからだ。
その性格はイシカワも知っている。はぐらかす事無く答えた。
「いや…、麻枝さんも変わってるんだなって」
「当たり前だ。変わらない人間なんて死んでるも同じさ」
「ふふ…、そうですね。今の麻枝さんとならもしかしたら……」
「あん?」
上手く聞き取れない。

「さて、行きますよ。協力が必要ならいつでも呼んで下さい」
ああ、と答えつつ麻枝はイシカワの言葉の微妙なニュアンスの変化を感じ取っていた。
その言葉からは、久弥のために仕方なくというという色は消えていた、…様な気がした。

「あれ…? また同じミスやってるよ…」
その男…、中上は何度目かとなる同じミスの修正をしつつ、そのミスを不自然に思っていた。
「朝からどうもおかしいな…。どうも頭がぼーっするというか…。何というか…。
 風邪でも引いたかな? しかし、これじゃあ1日頑張ったとしても仕事にならないね、こりゃ」

決断は早かった。チーフに症状を告げた後、返答を聞く事もなく早退手続きを終える。
普段真面目な人間なので、誰も仮病などと疑うことはなく「おつかれ」などと声を掛け見送った。
中上は、歩き出す。中尾のプログラム通りに。
その足は、ビジュアルアーツ本社を向いていた…。


それは、悪魔の道化に操られた哀れな操り人形。
彼はまた踊る。道化の見えない糸によって。
それが自分の意志ではないと、分かるはずも無く。

578 :夜更かしコウモリ:2001/04/03(火) 04:31

>>562-564

「先輩、時間っス。起きて下さい。」
「ぁぅ……前…、ター…追加……橋達が・・・・・・来ている。見つけ・・・して、殺す・・・
 1・2班・・・・・・中・・・捜索・・・・・・散れ・・・」
「起ーきーてーくーだーさーいっ!!」
「あぁん?誰に口きいとるんじゃワレ!!・・・・・・・・・ぁー、スマン、起きる。起きるよー」

さっきまで不釣り合いにシリアスな寝顔を浮かべていた青紫は、
毛布を払いのけてのそのそと起き上がった。
今現在(元は休憩所にでも使われていたのだろう、)
倉庫の壁に沿ってちょうど2階ほどの高さにある部屋で青紫他数名の実働部隊は寝起きをしていた。
暗幕を張り巡らし、完全に外界と遮断された倉庫のなかで、数字だけが14:30を示していた。

「専務からお電話がありました。起きてからでいい、直接来い、と」
「ん、わかった。」

寝惚けた頭を、遅い朝食と熱いコーヒーで叩き起こす。
思考が鮮明さを取り戻し、同時に、非日常に身を置いているという高揚感も戻ってくる。
…そうだ、今は作戦行動中なのだ、そして俺はそのなかでリーダーを務めている…
子供の頃にも味わった、懐かしいこの感覚が今の青紫を支えていた。
今の青紫には、見違えるような行動力と群れを率いるものとしての風格が宿っていた。

身支度を整えて、ドアを開ける。
「さて、お仕事お仕事。今日も頑張って拉致ってきますかー」


579 :夜更かしコウモリ:2001/04/03(火) 04:32
甲高い音をたてて急な階段を降りる。

「あ、青村さん、おはようございます」
「連中の様子は?」
「飯もやりましたし、少しの間ですが拘束も解いてやりましたからね。死にゃあしませんよ。
 もっとも、逃げ出す体力も気力も残っちゃいないようですがね」
「ご苦労さん。上出来だ。」

倉庫中央のコンクリートの床の上にはダンボールが折り重なって敷かれ、
その上には拉致されてきたVAのスタッフが毛布を掛けて転がされている。
全裸に剥かれ、手足は縛られ、頭には猿轡、耳栓、目隠し。
さらに、それぞれが首輪で1〜2人と繋がれている。

「何度見てもむさ苦しいな。」
「しゃーないッスね。この業界、男が多いっスから」
「これがピチピチの美少女達ならなー、ウハウハなのになー」
「まだ寝言言ってるんスか?」

そのまま、出入り口ではなくまっすぐ捕虜の方に向う青紫に、部下が苦笑する。

「毎日毎日、よく飽きないっスねー先輩」
「寝起きの運動ってやつよ。これを始めてから、毎日が絶好調なんだ」

場違いに明るい青紫の声が響く。

「なるったけ人死はだすなっつー専務の命令だからしょうがねぇけどな。
 ぶっ殺しといたほうが絶テーいいよなー、こいつら。」

言いつつ、適当に近づきテンポよく蹴りを入れていく。

「ま、専務は事が済んだ後こいつらを使って戦力を増強するつもりらしいけど、
 そんときの為にも、誰が偉いのかはキッチリ教え込んどかんとなー。ヒャハッ!」

足元に転がる男どもはもはや、ぐっ、とか、げっ、としか音を発しない。
僅かばかりの一方的な暴力を楽しむと、
上機嫌の青紫は後のことを手短に部下に伝えて外へ出ていった。


580 :夜更かしコウモリ:2001/04/03(火) 04:32
「・・・・・・・・・美少女、拉致、監禁・・・・・・」
ハンドルを握りながら、青紫は今朝の会話を思い返していた。
何気なく発した、ひらめきのかけら。
今自分のしている行為。邪魔物を拉致して、監禁しておくこと。
……では、その対象が美少女だったら?
「サイコーだね」
目的は?
「当然犯ること」
手段は?
「ストークして行動パターンを分析。狩り場の下準備。…仲間がいたほうがいいな。
ここらへんでゲーム性を高めることができそうだし」
対象は?
「美少女。それも大勢。上から下まで幅広く」
エロは?
「もち、どろどろのぐっちゃぐちゃのきぼーん。泣き叫ぶ処女まんせー」
妄想は止まらない。
「・・・・・・・・・美少女、拉致、監禁、・・・・・・よりどりみどり、陵辱・・・・・・」

「主人公が霊体なんてのはどうかな……普段行けない所に行ける、とか、
 対象の身近にいるキャラに取り憑いて近親○姦とか」

「・・・・・・次の企画に使えるじゃん!
 Leafの放つ初の鬼畜ゲー!
 女の子を拉致監禁して陵辱し放題!
 もちろん女の子はロリから人妻まで幅広くかつ大量に!
 もちろん拉致、陵辱には豊富なパターンを用意!
 そしてこれでもかというくらい濃厚なテキスト!
 スローガンは『もうエロが薄いなんて言わせない!!これがLeafの底力だ!!!』
 ・・・・・・うしししし、さーっすが俺様ちゃん。このアイディアの切れ!自分で自分が恐いね!
 Leafを救うのは俺様さ!待っててね、専務!イェーイ!!」

青紫はにんまりとしながら、Leaf本社への道を急いだ。


581 :夜更かしコウモリ:2001/04/03(火) 04:34
殺し過ぎもマズいと思ふので、もう少しソフトに振ってみました。



582 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 04:52
>>576-577
さりげなく麻枝が萌えキャラ化しているのはどういうことですか(w
…いや、面白かったです。

>>581
霊体て…またパクリやんけー!(w

583 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 06:17
>>582
いや、ぱくりではない。
正確にはぱくったつもりはないのに、なぜか昔同じような企画が
偶然でていたという、不幸な青紫ちゃん(;´Д‘)ハァハァ

584 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 15:44
優良スレage

585 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 22:34
>>581
充分ハードやんけー!(w

586 :名無しさんだよもん:2001/04/03(火) 22:52
絶望か・・・

587 :名無しさんだよもん:2001/04/04(水) 11:42
定期浮上!

588 :名無しさんだよもん:2001/04/04(水) 19:20
>>583
人それを無才能という(w

589 :名無しさんだよもん:2001/04/04(水) 20:24
>>588
そうでもないだろ。
業界のゲーム全部知ってるわけじゃないし。
現実には良くあることだ。

590 :名無しさんだよもん:2001/04/04(水) 20:37
ロワイヤルスレ見て……これって企業小説なのか?(笑
いや面白いからいいんだけど。

591 :名無しさんだよもん:2001/04/04(水) 22:53
>>590
そんなレヴェルは軽く凌駕してるのは確かだ(笑
企業小説なんていう狭いカテでは括れないでしょ

592 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 05:47
>>589
青紫もやっぱり愛されてるなage(藁

593 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 05:47
歪んだ愛ね

594 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 06:22
ハカロワでも、麻枝がえらい萌えキャラになってるぞ。
ついでに、竹林はキチガイだ。

595 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 16:22
いたるってびじんなん?

596 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 17:26
YETボスはこっちでは出てくるのか?
出るとしたらハカロワにおける有島みたく
土壇場まで存在伏せてイレギュラー扱いでの登場キボン


597 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 18:09
もう出てるよ☆

598 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 19:53
>>595
愚問だ(稿

599 :名無しさんだよもん:2001/04/05(木) 21:05
>>595
「仮想戦記」ですよ

600 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/04/05(木) 21:19
>>595
「仮想のいたるちんは、萌え萌えの美少女ということになってます(w」(>>395
ということで。現実のみつみ美里女史が仮想のみつみちゃん様ではないのと同様、仮想のいたるちんは、現実の樋上いたる女史とは違う何かです。多分。

>>596
例えば>>41-43に登場。先代スレでも登場しています。頻繁には登場しませんが。

601 :名無し君@そうだ総裁選いこう:2001/04/06(金) 01:06
>>600
実は旧鯖時代の仮想のいたるちんともこれはちょっと違う。
個人的には旧鯖の野望に燃えるいたるちんもけっこう萌えなのだが。


602 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 01:30
旧鯖時代のいたるちんは、アダルティな感じのやり手悪女だったんだよな〜。

603 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 01:51
ハカロワ読んでて思ったけど、こっちも書き手同士で
連携があった方が話が進むような気がするなぁ。
どうよ?>書き手の方々

604 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 01:58
麻枝萌え姉妹スレの契りでも交わすか(w

605 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 02:02
俺はこっちの方が萌えるからこれで良い(w

旧鯖時代とも、このスレの初期とも、話の設定が違ってきてるからな。
久弥脱退の理由も、葉っぱの動向も、麻枝のキャラも相当違う…
現実をある程度反映してるからいいんじゃないかと思うけど。

606 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 02:11
てよか、現実が元ネタだから完結しないだろこの話。

607 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 05:09
んだね、途中でまた展開が意味不明(ぉ)になりながらも、
葉や鍵が潰れるまで妙なペースでマターリ続いていくのだろう。


608 :名無しさんだよもん:2001/04/06(金) 16:54
>>606
だから「仮想戦記」だってば(w
元ネタなんてありまっしぇん(藁

609 :名無し君@そうだ総裁選いこう:2001/04/07(土) 00:21
>>602
個人的に最初にこんなネタを思いついた1さんに話を聞いてみたい。
これだけの文章を書く人だからそれなりにサイト運営か同人活動とかやっていないかな。
他の作品を読んでみたいよ。

610 :名無しさんの初恋:2001/04/08(日) 01:45
あげ。

611 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 01:54
ここの文章、もうHPに登録ってされないのかな?
アレはアレで完結?

612 :仮想戦記の1:2001/04/08(日) 02:02
>>609
お呼びですか?
仮想戦記スレを立ち上げたのは、
エロゲー板で「エロゲー三国志みたいなのを書いてくれ」
というカキコを見つけたので、勢いで書いたのです。
同人活動はやっておりません。

613 :麻枝の想い:2001/04/08(日) 03:09
「寝坊で遅刻した。……だめだ、しのり〜や涼元さんに怒られる。
 事故にあった。……折戸やみきぽんに、ウソつけ、とつっこまれて終わりだ。
 家族が死んだ。……いや、この手はこないだ使ったばかりだ。
 つーか、Keyに来てからもう何十人も家族を殺している気がするぞ」
麻枝は、会社に戻ってきていた。
しかしまだ、自分の席には戻っていない。
彼は開発室の外で、遅刻の言い訳を考えている最中だった。

結局、中尾は口を割らなかった。
もっとも麻枝も、中尾がそう簡単に秘密をもらすとは思っていない。
ただ、いたるや他の者に、これ以上手を出せないようにする必要があったのだ。
だから大阪湾沿いの倉庫に閉じこめ、腕を縛り、厳重に鍵をかけた。
逃げ出すことは不可能だろう。
……奴が、やけに余裕の態度を見せていたのが、少し気にかかるが。

「社長に呼び出された。うん、これでいくか」
すぐバレるかもしれないが、みんなに余計な心配をかけるよりはいいだろう。
麻枝は開発室のドアを開いた。

「麻枝君!」
「麻枝さん! 無事でしたか!」
開発室に入るなり、麻枝はKeyの面々から一斉に声をかけられた。
何だ? いつもと様子が違うぞ。みんなマジな顔してるし。
全員の視線を浴び、麻枝はたじろぐ。

「麻枝くんっ」
樋上いたるがかけ寄ってきた。
「おい、どうしたんだ、みんなは……」
最後まで言い終わらないうち、いたるは麻枝の手を両手でぎゅっと握りしめた。
「よかった。心配してたんだよ、みんな」
心配? ……まさか。

614 :麻枝の想い:2001/04/08(日) 03:09
「私がすべて話しました」
そう言ったのは、涼元だった。
「涼元さん、何故だ!」
麻枝は厳しい顔で、涼元をにらみつけた。
「久弥さんが誰かに暴行を受けた事を知りました。麻枝さんもご存じですよね、その事は」
「ああ」
「そして、あなたと中尾が姿を消した。こうなっては、もはや隠すべきではないと判断しました」
そういうことか。
……だがまあ、大丈夫だろう。もう中尾はいたるに手がだせないのだから。

「しかし、今までどこへ行ってたんだ?」
「中尾にひどいことされなかったでしゅか?」
折戸やみきぽんが麻枝に質問を投げかけた。
「ちょっと待て、順番に話すから」
麻枝は、今日の朝病院へ行ったこと、現場でLSDの瓶を見つけたこと、
そしてその後、中尾を倉庫に閉じこめたことを、全員に説明した。
「……で、これが中尾の上着だ」
麻枝が取り出した上着の内ポケットには、LSDの粉やトカレフが納められていた。
「な。会社での奴の態度は、全部演技だったってことさ」

「あいかわらず無茶なことしましゅね、麻枝くんは」
「でもまあ、無事で良かった」
「後は中尾に全部白状させて、警察へ引き渡せば解決ですね」
Keyのメンバーは皆、ほっとした表情を見せる。

「……いえ、まだ安心はできません。
 麻枝さん、中尾には協力者がいるはずです。その点は確認しましたか?」
場がざわめく。
「どういうことですか、涼元さん」
隣にいた戸越まごめが質問した。
「このLSDや拳銃を、彼一人で用意できたとは思えません。
 それに久弥さんが1対1で後れをとるとは考えにくい。
 そもそも、中尾がKeyに入社できたこと自体が不自然です。
 馬場社長は、いたるさんに護衛をつけていたぐらいですから」
涼元は理路整然と、かつ簡潔に答えた。
麻枝はあらためて思う。涼元がKeyにいてくれて本当に良かった、と。
「いや、俺もそれを聞き出そうとしたんだが、奴は何もしゃべらなかった。だが時間の問題さ。
 それに、中尾が人質になっているんだ。奴の仲間も、うかつな手出しはできないはずだ」
麻枝は全員を安心させるように説明した。

615 :麻枝の想い:2001/04/08(日) 03:09
「さ、みんな持ち場に戻ろうぜ。仕事、仕事っと」
そう言って麻枝は自分の席へ向かおうとしたが、途中でしのり〜にぐいっと服をつかまれた。
「こらこら、何事もなかったかのように終わらせるな、遅刻の常習犯め」
「あ」
ち、覚えてやがったか。
「……まあ、今回はしょうがないよね。でも、今度からちゃんと会社に連絡してよ。
 何でも自分一人で背負い込もうとするの、あんたの悪い癖だよ」
「すまん。今度から気をつける」

麻枝は自席に戻った。
「ふう、今日は疲れたな」
ふと、久弥のことを思い出す。
とりあえず、命に別状はないらしい。良かった。本当に。
……しかし、俺が久弥のことでこれほど熱くなるとはな。

今朝、ブロック塀に叩きつけた右拳を見た。
「もう痛みはないが、一応手当しとくか」
そう思ったとき、麻枝の右手に、そっと手を重ねた者がいた。
「麻枝くん、怪我してる」
樋上いたるだった。

「ああ、こんなもんたいしたこと無い。……どうしたいたる、元気ないな」
そういえば、さっきみんなで集まってた時も、こいつは悲しそうな顔をしていた。
「中尾はもうここへ来ることは無いぜ。俺がやっつけたからな」
「ううん、違うの」
いたるは一瞬顔を上げて麻枝の目を見たが、すぐにまたうつむいてしまう。
「久弥くんが入院したの、私のせいかもしれないから」

「昨日、久弥くん、私の部屋に来たの。
 ……あ、誤解しないでね。たまたま道で会って、コーヒー出してあげただけだよ」
「だろうな」
麻枝もいたるの性格はよく知っている。男に対する警戒心が薄いのだ。
普通なら誘ってると思うだろう。自分と久弥以外の男なら。
「たぶんその帰りだと思う。久弥くんが襲われたの」

616 :麻枝の想い:2001/04/08(日) 03:13
いたるは泣きそうな顔をしていた。
「ねえ、どうして中尾さんは、私なんかを好きになったのかな。
 どうして、あんな、久弥くんに怪我させてまで……。
 そんなに私が欲しかったんなら、言ってくれればよかったのに。
 それで中尾さんが満足するなら、抱かれてあげたのにっ。
 他の人が乱暴されるくらいなら、私が……」
「馬鹿野郎!」
麻枝は立ち上がり、いたるの両肩を強く掴んだ。その手は震えていた。

そうだ、こいつは、こんなふうに考える奴なんだ。
自分の身体より、友達のことを心配する奴なんだ。
だからこそ、教えなかった。
だからこそ、中尾の事を隠していたんだ。

麻枝は、いたるを抱き寄せた。
「お前のせいじゃない。悪いのは中尾だ。それに久弥も、死んだわけじゃないだろ。
 だから、泣くなっ」
「麻枝くん……」

「久弥の意識が戻ったら、見舞いにいこうぜ。
 あいつにも知らせてやらなきゃいけない。中尾は俺が倒した、ってな」
「うん」
「そして、あいつにKeyに戻ってきてもらおう。そうすりゃまた、3人一緒にいられる」
「うん、……ずっと、そうなったらいいなって、思ってた」
そう言っていたるは、かすかに微笑んだ。
麻枝はそれを見て、優しく、いたるの髪を撫でてやった。

久弥と争っていたころが、今となっては懐かしい。
そう思うのは、俺が少し成長したからなのかもな。

だが、今も昔も、変わらない想いがある。
いたるを悲しませる奴は。
いたるに危害を加えようとする奴は。

誰であろうと、絶対に、許さない。

617 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 03:54
新作あげだよもん

618 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 04:02
麻枝っち、いたるたん萌え〜。


619 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 06:14
記号上げ荒らしを阻止するぞ〜〜!!!

620 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 06:43
うお〜胸焼けがしそうでつ。
でもこのままいってほしい。

621 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 12:10
いや〜、熱いですなぁ。
でもやっぱりここからもう一波乱ありそうと思うのは邪推ですか(藁

622 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 13:55
1さんって本物?
すげぇ
俺いつもすごい期待して読んでいたよ
復活希望
もちろんそんときは固定半名乗って

エイエソの約束が出ていない
yetはとっくにタクやめてるし
ttp://www4.big.or.jp/~p-notes/


623 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 14:52
いたるちんは何でこんなに可愛いのですか。
思わずハァハァしてしまいます(w

624 :初代スレの1:2001/04/08(日) 23:12
>>622
本物ですよ。

もしかしたら、しばらく暇になるかもしれないので、
その時は新作を書いてみるつもりです。

625 :名無しさんだよもん:2001/04/08(日) 23:27
麻枝、いたる萌え

626 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 00:44
新作期待しています
今回もパパさんはじめすごい実力者が集まっていると思うのですが1さんから見てどうですか?
猫猫ソフトなどのnew ageや7瀬のエロゲ業界参加(この人絶対コミケで一番になるために入ったと思うんだけど)one2を出して欲しい
個人的にはYETをもっといい人にして欲しい
keyの面々に尽力を尽くした人なので
参考リンク
タクの社長の言葉
ttp://210.239.47.44/~tactics/cgi/bbs/minibbs.cgi?log=log1
タクの社員だった人だったっけ?
ttp://www05.u-page.so-net.ne.jp/ra2/rionet/010329.html
ttp://www05.u-page.so-net.ne.jp/ra2/rionet/010407.html
↑久弥登場すげいびびったよ
いいネタになりそうだけどどう?

627 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 00:46
7日の出来事みたいですね

628 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 01:23
>>626
のんきな父さんすごかったね。
また戻ってきて欲しいんだが……。
ONE2ネタでなんか書きたいんだが、ネタ不足なんだよな。
とりあえず、有島さんは登場決定だけど。

ttp://home4.highway.ne.jp/%7Eanaclone/haya-sina/
7日の件(6日の晩?)ここにも。


629 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 01:36
胃腸の舞うころの人なんだ
処女作だったのか
すげぇな
○○ってやっぱ久弥だろうな
面白い情報thanx

630 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 02:43
たまにでるミツミ以下東京開発室のお話が何気に面白い

631 :名無しさんだよもん:2001/04/09(月) 23:16
なるほど飲み会のの為にわざわざって事は無いだろうから
関東周辺に生息中なのか。

632 :名無しさんだよもん:2001/04/10(火) 06:17
久弥発見あげ

633 :名無しさんだよもん:2001/04/10(火) 07:47
おねつ出そうだよ・・。

634 :元のんきな父さん:2001/04/11(水) 00:51
>>628
鍵の最近の現状に萎え気味で、現在は読み手専門です。ゴメンナサイ。
久弥新作に燃える(萌えだけだと不許可)ものを感じたら、「逆襲の久弥」編に
チャレンジするかもしれません。

635 :名無しさんもん:2001/04/11(水) 03:05
北海道の会社をサイド的に書きたいのですが・・・
板違いでしょうか?
(基本的にクラウドとスタジオエゴとアボパ)の
北海道三国志なんかを・・・・

だめだったらすいません。

636 :名無しさんだよもん:2001/04/11(水) 03:18
>>635
ちょっとした外伝程度ならアリかと思いますけど。
本格的に書きたいんじゃ板違いでは?

637 :名無しさんもん:2001/04/11(水) 06:19
いや、外伝というか、高橋逃亡関係で、アボパの浦社長男前話なんかを・・・
(あそこの社長は男義あるので・・・)
日記みて

638 ::2001/04/11(水) 09:25
637>
なるほど〜
まあ、北海道話はいいかもね・・・
ちょっと楽しみかな・・・
でも、アボパは話題が少しあるけど(浦和雄と小池定路ぐらいはね〜)
クラウドは、名前忘れたけど原画の2人ぐらいしか知らないし
エゴは山本和枝オンリーだね。

私は楽しみにしているよ。
楽しませてね!

639 :名無しさんだよもん:2001/04/11(水) 20:01
俺もいいと思う
エゴは西出明久も出してくれ
ttp://www5.ocn.ne.jp/~arika/

640 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/04/12(木) 00:20
>>637
楽しみにしています。
(…そういや昔、板違いのことすっかり忘れてアリス出してたな、私)
浦さんの日記は何というか…凄いなあと感嘆するばかり…
業界人の日記だと、あとは以前も話題に出た長岡建蔵氏の日記も良いですね

641 :just like a starting over:2001/04/13(金) 17:01
夢。
夢が終わる日。
雪が、春の日溜まりに溶けてなくなるように。
面影が、人の成長と共に影を潜めるように。
思い出が、永遠の中で忘れ去られていくように。
今。
永かった夢が終わりを告げる。
最後に。
ひとつだけの願いを残して。
たったひとつの願い。
僕の、願いは……

「って、何で俺がこんな縁起でもない夢を見なければいかんのじゃーっ!」
「きゃっ!」
 自分で自分に入れたツッコミの叫び声で、久弥は目覚めた。いくらなんでも嫌過ぎる
夢だった。まだこの世界からフェイド・アウトはしたくない。
「ん? さっき誰か何か言わなかったか?」
 耳に届いた悲鳴の主を探すべく、周囲を見回した。無機質だが、清潔に保たれた床。
適切な日光を取り込むように配置された窓。室内に漂う薬品臭。ここが病院の一室で
あることは久弥にもすぐに分かった。そして、自分が何故ここにいるのか、その原因も
すぐに思い出した。しかし、何故樋上いたるがここにいるのか、は分からなかった。
「どうしていたるがここにいるんだ? まだ僕は夢を見てるのか?」
「夢なんかじゃないよ、久弥君」
 少しだけ悲しそうに、いたるは久弥に言った。それを聞いた久弥は自嘲するように
呟いた。
「そうか、すまないな。わざわざこんな所に来てくれて。忙しい身だろうに」
 いたるの様子はいつもと変わらず、中尾によって何らかの危害を加えられた形跡はない
ように見えた。あの夜、久弥が意識を失った後のことは分からなかったが、何者かが中尾
の凶行を寸前で阻止したのだろう。おそらくは麻枝か涼元が。少なくとも自分ではない。

642 :just like a starting over:2001/04/13(金) 17:02
「ごめんなさい」
 突然のいたるの謝罪の言葉に、久弥は驚きを隠せなかった。思わず言葉を返してしまう。
「な、何でいたるが謝るんだ。これは街を疾走する水牛の群れに吹き飛ばされたからで、
別にいたるのせいなんかじゃない」
「その冗談面白くないよ、久弥君」
「う……」
 いたるのツッコミが、いつになく厳しい。寧ろそうした軽口を許さない口調だった。
「私だけだったんだよね。中尾さんのことを何も知らなかったのは。皆知っていたのに
、私には伝えないようにして、麻枝君と涼元さんの二人だけで解決しようとして」
「それは、いたるに知らせるべきことではない、と二人が判断したからだ。別に気にする
必要はないだろ」
「でもそのせいで、久弥君までこんな怪我をして……」
「これは僕が不甲斐なかったせいだ。いたるに責任は何も無い。謝ることなんて何もない
んだよ」
 今にも泣き出しそうないたるを元気付けるべく、久弥はひたすらに慰めの言葉を掛け続けた。
いたるが悲しんでいる姿など見たくなかった。今いたるを悲しませている原因が自分に
あることが腹立たしかった。

 やがて慰めの言葉も尽き、二人は沈黙した。いたるは俯き、両の拳を自分の膝の上で握り
締めていた。久弥はいたるには目を合わせず、病室の白い壁を睨むように見据えていた。
沈黙を破り、言葉を再び切り出したのは今度もいたるだった。
「久弥君、keyに戻って来て」
「え?」
 それは、全く予想していない言葉だった。
「私のせいでこんな目に遭った久弥君にこんなお願いするのはすごく自分勝手だ、っていうの
は分かってる。でも私は久弥君にkeyに戻って来て欲しい。そして、また皆で一緒にいたい」
「それは……無理だろ。大体麻枝がそんなことを許すはずがない」
「ううん、麻枝君が言ってくれたの。久弥君に戻って来てもらおう、って。やっぱり皆が
ばらばらになったら駄目だ、って」
「麻枝が……」
「本当は麻枝君とここにお見舞いに行きたかったけど、麻枝君は今日はどうしても外せない
仕事があって来れなかったの。でも明日は大丈夫だ、って言ってたから明日は二人で来るね」
 いたるの表情は常の明るさを取り戻しつつあった。その明るさが戻ったことは確かに
嬉しかったが、同時に久弥自身の心は不安に覆われていた。

643 :just like a starting over:2001/04/13(金) 17:03
「申し訳ありませんが、もう面会時間が過ぎているので今日はお帰り頂けないでしょうか?」
 入口のドアが開き、看護婦がそう伝えに部屋に入ってきた。
「あ、はい。すいません」
 その言葉に素直に従って、いたるは椅子から立ち上がった。そして、帰り支度を整えながら
笑顔で久弥に言った。
「じゃぁ、明日また来るね」
 その言葉に、久弥は返答しなかった。そのままドアの閉まる音がして、部屋には久弥と看護婦
が残された。看護婦は手馴れた手つきでベッドのシーツを取り替え、部屋の清掃を行なっていた。
久弥はそんな看護婦の仕事振りに見惚れながらも、思考の海に意識を沈み込ませていった。
考えなければいけないことはいくらでもあった。
「あの方、3日前からずっとお見舞いに来ていらしたんですよ」
 ごみ箱のごみを袋に入れながら、看護婦は久弥に話し掛けてきた。
「随分と心配しておられましたよ」
「そうですか……」
「早く体を直して、これ以上心配をかけないようにしましょうね」
 にこやかに看護婦はそう言った。
「そう……ですね。これ以上彼女を不安にさせる訳にはいかないですから」
 自分に言い聞かせるように、久弥は応えた。

644 :just like a starting over:2001/04/13(金) 17:03
「本来はまだ退院なんて出来ない状態なんですよ」
 呆れた口調で、久弥の主治医は言った。既に身支度を整え、退院の手続きを行なう
久弥の姿は普段と変わるところは何もなく、つい昨日まで意識不明だった、と言われても
誰も信じなかっただろう。
「すいません。ですがどうしても今日中に退院しないといけない事情ができてしまったんです」
「まぁ、久弥さんは普通の方より遥かに回復は速いですけど。ちゃんと向こうでも通院は
して下さいよ」
 そう言いながら、主治医は東京の病院の紹介状を書き、久弥に渡した。
「えぇ、分かっています。どうもお世話になりました」

 病院の扉を開け、久弥は太陽の光を久し振りに直接に体に浴びた。訪れた春を祝福するように
陽光は暖かく降り注ぎ、大地は新たな命の芽吹きに踊る。吸い込んだ空気は新緑の匂いに満ち、
病室の中で血液にまで染み込んだような薬品臭を洗い流してくれた。
 久弥は独り桜並木の中を歩いた。折しも桜はその盛りにあり、溢れんばかりの生の喜びを謳歌
していた。
 そう、もう冬は終わったのだ。寒さに体を、心を凍りつかせることはない。僅かな光を
求め、争うこともない。誰もが幸せな世界に辿り着ける権利があるのだ。誰も不幸になる必要など
ないのだ。

 そう、麻枝も、いたるも。

 一度はkeyに悪意を持つ者の策謀によって二人は危機に陥った。だが危機を乗り越えることで
二人の絆はより強く、深くなったはずだ。最早何者にも二人を分かつ事は出来ないだろう。

 だから、自分はもう必要ではない。

645 :just like a starting over:2001/04/13(金) 17:04
 人を惹きつける才能に溢れた麻枝は、ひとりでに周囲に人が集まってくるような、そんな
タイプだった。いたるもただそこにいるだけで場の雰囲気を和ませることのできる人柄の
持ち主だった。そうした明るさは、世界に祝福された者だけが持つことのできる暖かさは
久弥には憧れだった。だからこそシナリオという自分の持つ唯一つの武器で二人の才能を
世に知らしめようとした。二人はまだ不安定で、誰かが支えてやらねばならなかったから。
 だが、もうそんな支えは必要ない。Kanon、AIRを経てkeyの名声は確立された。麻枝の
才能は世の人々に広く知れ渡った。一般受けを重視した久弥のシナリオがなくとも、key
というブランド名だけで充分に通用するはずだ。そして、麻枝にはそのブランド名に潰され
ないだけの能力と真摯さがある。
 自分の役割はもう終わったのだ。幼い鳥は誰かが餌を採ってくれなければ生きてはいけないが
、大きくなれば自分の翼で空を舞うことができる。そして、keyの翼は立派に大きくなった。
(だから、僕はもういなくってもいいんだよ、麻枝……)

 帰ろう、昔いた世界へ。
 本来の居場所だった、独りの世界へ。
 初めから自分には何も無かった、と思うことで失う悲しみは耐えられるから。
 初めから独りだった、と思えば寂しくはないから。
 でも、僕は必ず戻ってくるから。
 ゼロからやり直すことになっても、必ず君達の所まで辿り着くから。
 それまでは、誰にも負けないでいてくれよ。

646 :n.n.t.:2001/04/13(金) 17:17
コテハン変えてみました。「逆襲の久弥」編書けるかなぁ。

647 :感涙中:2001/04/13(金) 19:16
2chでこんなに感動したのは初めてです。マジで。
気が付いたら頬に涙が伝っていました……
麻枝も、いたるも、そして久弥もなんて気持ちのいいキャラクターたちなんだろうって。
こんな素敵なお話を生み出すことのできる、素敵な小説家に、乾杯。


648 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 19:53
>>641-645
すごく(・∀・)イイ!
でもまるでエンディングじゃん(w

649 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 19:59
うわあ……久弥かっこええ……。
つーかなんでいたるちんはこんなに可愛いんですかっ。
結婚したいです。

つーかKanonの夢見て目を覚ます久弥萌え(w

650 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 21:33
感動あげ。
この感動を全2ちゃんねらーに届けたい!

651 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 21:40
葉っぱの戦記とは全然違うじゃん!
凄い爽やか路線だ、だがそれがいい!

652 :(゚д゚:2001/04/13(金) 21:43
レポート作成の為、彼女のパソコンを借りた。
「いって」を打った時、始めの変換で「逝って」となった。
ん?と思い、「うつ」を変換するといきなり「鬱」となった。
ええ!?まさか、うそだろ!?と思い「はぁ」を変換した。
すると「(゚Д゚)ハァ?」となった・・・。



653 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 21:59
>>652
………

654 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 22:11
652はコピペ。

655 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 22:24
俺久弥に愛してると告しにいく。

656 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 22:55
完結してしまったな……。

657 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:21
やっぱ…、n.n.t.さんには勝てないなぁ。
過去に漏れが書いた駄文がハズカシヒ。まぁ、引き立て役ぐらいには…(w
最高age! みんな読め。

658 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:22
ところで、過去作品はどこ行けば見れる?
なんか昔HPあったような気がしたが…。

659 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:25
>>658
http://nanasei7.tripod.co.jp/

660 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:26
もう更新とまってるのか。

661 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:31
>>652
早漏の疑いがあります

662 :名無しさんだよもん:2001/04/13(金) 23:40
n.n.t.マンセー!
NTT氏ね。

663 :名無しさんだよもん:2001/04/14(土) 01:26
あげだあげ!sageは不要だ!!
これを読まずに葉鍵ファンは名乗れないぞ!!!!みんな読め!!!


664 :名無しさんだよもん:2001/04/14(土) 04:34
Little WingなんかBGMにしてるときに読んじゃったから
涙腺大爆発したじゃんか。

n.n.tさんマンセー!

665 :扇動:2001/04/14(土) 10:20
素晴らすぃーです。
ギャルゲーより萌えます。

666 :名無しさんだよもん:2001/04/14(土) 14:11
号泣あげ!

667 :名無しさんだよもん:2001/04/14(土) 18:25
これはあげだよな。うん。素直に感動。

668 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:47
 本来なら無人であるはずの倉庫。
 建物内は暗闇に包まれていたが、わずかに外より漏れる日の光によって
おおまかな時間を察することができた。
 その光も徐々に薄れ、やがて、完全な闇が辺りを支配する。

「ちっ……、どうやら、失敗したらしいな」
 倉庫の壁際、柱に片腕を固定された男は、うつむいたまま苦い表情をした。

 Leafの中上に催眠術をかける。
 そしてビジュアルアーツに彼を潜入させ、「久弥の次はお前らだ!」と暴れさせる。
 その際、LSDの瓶や拳銃を持たせておく。
 当然、久弥を襲った犯人は中上という事になる。
 麻枝は動揺するだろう。
 少なくとも、俺が会社の人間に好かれている以上、
いつまでもこんな所に閉じこめておくわけにはいくまい。
 ここを出れば、こっちのもんだ。

 それが、中尾の計画だった。

 俺の予定通り事が進んでいるのなら、
毎日ここへ来て無駄な尋問を続ける麻枝の態度に、そろそろ変化が現れてもいい頃だ。

 しかし、ここで夜を迎えるのは、もう3日目になる。

「コナミ時代に習得した術だが、大雑把な行動しか命令できないのが欠点だな。
 中上がビジュアルアーツへ着く前に、誰かに見つかったか……」
 中尾はしばらく言葉を切り、そして一言つぶやいた。
「ツイてねえ」

669 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:49
(……本当にそうか? 中尾よ)
 彼の頭の中で、別の声が響く。
「……またか」
 ”組織”の命令で552.txtを公開し、Leafを抜けKeyに入った中尾だったが、
あの時以来、頭の中にもう一人の自分が現れるようになった。

(むしろほっとしてるんじゃないか? これ以上罪を重ねずにすんだ、と)
「うるせえな」
 中尾はその声を振り払うように、地面に拳を叩きつけた。
「くそっ、いつもならこんな声、LSDでイイ気分になっちまえば消え失せるんだが」

(素直になれよ、中尾。
 お前は本来、人を陥れるような真似なんかできやしない。
 まあ、あんな文書が広まっちゃ、自棄を起こしたくもなるよな。
 だが、それを理由にして、Keyのメンバーに迷惑をかけるのは筋違いだぜ。
 俺は知っているぞ。会社でのお前を。みんなと楽しく会話しているお前を。
 あれこそ、お前の本当の姿だろう?
 本当はわかっているくせに。
 かつて、Leafで良き先輩として、みゃくさや松岡を指導していた頃を思い出してみろよ。
 原田、陣内、閂達と酒を酌み交わしていたあの頃を、思い出してみろよ……)

 その声は、延々と、頭の中で語り続ける。
「……ちくしょう」
 中尾は頭を抱え、うずくまった。
 彼は闇など怖くない。孤独など恐れない。
 しかし、自分自身の声に、毎晩のように苦しんでいた。

670 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:50
(……お前の望みは何だ?)
 不意に頭の中の声が、質問を投げかける。
「決まってるじゃねえかよ」
 中尾はうずくまったまま、独り言のようにつぶやいた。
「いたるを手に入れることだ」
(……フフッ)
「何がおかしい」
(違うな中尾。お前の望みは)
「……」
(お前が手に入れたい物は、別の物だ。目を背けるなよ。……フフフ)
「……消えろっ!」
 中尾は地面に頭を打ち付けた。何度も、何度も。
 額から、一筋の血が流れる。

 幾何かの時間が流れた。
 ガチャ……ガチャ……
 出入り口であるドアの外から聞こえてくる物音で、中尾は目が覚めた。
「来やがったか」
 今は深夜だ。こんな時間に麻枝がここに来るはずがない。
 また、麻枝がこの場所を軽々しく他人に話すとも思えない。
 ならば、ドアの外にいる者は。
 おそらく俺が持つ発信器からの信号によりここを探し出した”組織”の人間だろう。

 ドアが開いた。

 懐中電灯の光が部屋を照らす。
 やがて、その光が中尾の姿をとらえた。
「そこか、シモン」
 中尾の”組織”でのコードネームを呼び、その人物は倉庫の中へ入ってきた。
「……ゴエモン、か」
 中尾は近づいてきた人物の顔を見て、そう呟いた。

671 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:50
「やはり捕らわれていたか」
 ゴエモンと呼ばれた人物は、冷たい目で中尾を見下ろした。
「助けて欲しいか?」
 その表情や声は、明らかに中尾を侮蔑している。
 しかし、選択の余地はない。中尾はあえて屈辱を受けた。

 その男はナイフでロープを切り、中尾を解放した。中尾は立ち上がり、軽く身体を動かす。

「我が社の特殊部隊の一員とは思えぬこの体たらく。本来なら貴様は処刑されるところだが、
 Leafを凋落させた功績を考慮し、恩赦する事となった。
 我等がビッグバイパー様は寛大な御方ゆえ、な。
 それに、次なる作戦が進行しているのだ。合法的にKeyの人間に精神的屈辱を与える計画がな。
 だが、その前に確認しておきたいことがある」
 中尾は何も言わず、男の話を聞いていた。

「貴様はまだ持っているはずだ、Leafの内部資料を。
 それを出せ。他の者に渡る前に、我等が手の内に収める」
「……」
「どうした、どこかに隠してあるのだろう?」
 中尾はくっくっと笑い出した。
「何が可笑しい」
「なるほど、そういう事か。確かにあの資料の中には
 Leafとコナミの取引を記した文章があったな。それを見られてはまずい、か」

「いいぜ、教えてやるよ」
 そう言って中尾は、その男に内部資料の隠し場所を教えた。
 ……男と、一定の間合いを保ちながら。

672 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:51
「ありがとうよ」
 その男はニヤリと笑い、懐からトカレフを取り出して銃口を中尾に向けようとした。
「これで貴様は用無……」
 しかし中尾はその行動を予測していた。
 男が狙いを定めるより早く懐に飛び込み、喉をめがけて手刀を放つ。
 と同時に、銃を持つ手を払いのけ、トカレフをはじき飛ばした。

「ぐえっ」
 男は喉を押さえて苦しむ。
 中尾はすかさず、はじき飛ばしたトカレフを拾い上げた。
 しかし男も、特殊訓練を受けた強者である。
 体勢を崩しながらもナイフを構え、中尾に投げつけた。
 そして、銃声。

 弾丸が男の脳天を打ち抜くのと、ナイフが中尾の胴体に刺さるのは、ほぼ同時だった。

 ……中尾は、倒れた男に近づいて顔をのぞき込んだ。即死だった。
「馬鹿め、一人で来るからだ」
 大方、手柄を独り占めしようと目論んだのだろう。
「欲に負けた者の、哀れな最後か」
 中尾はそう呟き、突然、自虐的に笑い始めた。
「くくく……、俺が言う科白じゃねえよな、今のは。ハハハハ……」

 中尾は腹に刺さったナイフを抜き取った。血が噴き出す。傷は深いようだ。
「こりゃ、死ぬかな」
 しかし彼は平然とした表情をしていた。諦観している者のように。

 中尾は男の上着を漁った。携帯電話を見つけ、取り出す。
 最後にやっておきたいことがあったからだ。
 中尾は電話をかけた。番号は覚えていた。昔、何度も話した相手だったから。

673 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:54
「はい、陣内です」
 電話の相手の声を聞き、中尾はどこかほっとしている自分を感じていた。
「中尾です。久しぶりですね」
 そんな感情を反映してか、中尾の声は、親しい友人と会話している時のそれになっていた。
「……何だって! おい、お前」
 陣内の、取り乱した声が聞こえる。
「ちょっと時間が無いんで、今から言うことをよく聞いててください。
 Leafから持ち出した内部文書の隠し場所を教えます。
 場所は俺の家。住所は……です。玄関は鍵がかかってますが窓は開いているはず。
 机の中に鍵のかかった箱が入っています。鍵の番号は……です」

 中尾はそこまで一気に話し、一度、深呼吸をした。
(頭がぼやけてきたな……。血が脳まで回らなくなってきたか)
 腹の傷を見た。血は止まらず、流れ続けている。

「それを陣内さんにあげます。役立てるなり処分するなり、好きにしてください」
「わかった。それでお前今どこにいるんだ。自宅か?」
「いえ、違います。……もっと遠くです」
「どこだ、待ってろ。迎えに行く」
「結構です。じゃ、原田さんや閂さんにも、よろしく……」
「待てっ、一つだけ答えてくれ!」
「……」
「中尾、何故、あの掲示板を公開したんだ?」

「……それはきっと」
 長い沈黙の後、中尾は口を開いた。
「俺が、弱かったからでしょう」
 中尾は電話を切った。

674 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:54
 中尾は傷口を手で押さえながら、倉庫を出た。
 すぐ手前に海が見えた。
 潮風が肌に当たる。

 まっすぐ歩くのさえ一苦労だ。
 だが、中尾は歩き続けた。
 海へ向かって。
 防波堤に辿り着いた。
 そして力つきたのか、中尾はその場に座り込む。

 何故、ここへ来たのかはわからない。
 ただ、海へと歩きたかった。

(素直になれたじゃないか)
 再び、頭の中で声が響く。
 だが、もう不快感は無かった。
(やっとわかったんだな、お前の望みが。お前が手に入れたい物が)
「……ああ」
 中尾は目を瞑ったまま、もう一人の自分に返事をした。
「だが、結局、俺には手に入れられなかった」
(そうだな。気づくのが少し遅かったな)
「……」
(だが、最後に一つに戻れて良かったよ)

 それっきり、声は聞こえなくなった。
 ただ、波の音だけが、鳴り響いていた。

675 :Death of an/the outsider:2001/04/15(日) 06:54
 ふと、”組織”の男の言葉を思い出す。
『次なる作戦が進行しているのだ。合法的にKeyの人間に精神的屈辱を与える計画がな』
「……無駄だよ。くだらねえ」

(組織が何を考えているか知らないが、Keyには通用しないだろう。
 なぜなら、Keyの奴らは持っているからだ。
 俺が望み、手に入れられなかった物を。
 麻枝、いたる、そして久弥も。
 それがある限り、返り討ちに遭うさ。この俺のように)


 意識が朦朧としてきた。

「いたるさん、幸せになってくれよ」

 そして、その言葉を、最後に。

「……」

 中尾は意識を閉ざした。

676 :ナナツさんだよもん:2001/04/15(日) 07:24
相変わらずレベル高いんだよゴルァ(゚д゚)!!!!
寝る前にあげとくぞゴルァ(゚д゚)!!!!

677 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 08:44
てっきり上月景正サマとか詩織サマとかかと思ったらビッグバイパーさまかよ(笑
おれの中ではコナミといえばグーニーズだが

678 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 09:39
コナミマンではなかったか…。

679 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 09:59
俺の中ではけっきょく南極大冒険のペンギンだがな。


680 :扇動:2001/04/15(日) 10:54
中尾さ〜ん!
そりゃないぜ!!俺は、…俺は!!

今日、552見たのに!(マジ)

      …あんた、最高の漢だったよ。

※死んでません。

681 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 11:01
Death of an/the outsider最高…

682 :過ち:2001/04/15(日) 11:35
某ビル、地下5.5F。フロアレイアウトには記されていない、暗い空間。
薄汚れた会議机に座った一人の男の周りには、サングラスをかけた男達が立っている。

「失態だな、ビックバイパー」

男が凛と通る低い声を出すだけでピリピリと周囲の空気が殺気だった。
サングラスの男の一人が頭を下げる。
「申し訳ございません。この挽回は必…」
その声が途中で止まった。前に一歩進み、その身は倒れた。
地に伏した身体から、円を描く様に赤いものが広がっていく。

「我が社に無能者は必要無い。シオリ!」

サングラスの男の一人が進み出る。

「お前にときめき十二人衆のチームリーダーを命ずる。任務は二つ。
ひとつは取引文書を奪取し、文書やそれに付随した物事を知る者を全て消去すること。
もうひとつはkeyの行った恥ずべき行為を立証し世間に広めること」

サングラスの男が聞き返す。

「恥ずべき行為とは?」

「盗作だよ。Kanonのサントラアルバム
「Anemoscope」のジャケットは音楽アーティスト
BTのアルバム「Godspeed」から盗んだものなのだよ。
表の部隊は既に訴訟の準備を進めつつある」

無表情だった男達に始めて動揺が広がる。

「よってまかせたぞ、シオリよ」

「はっ!」

サングラスの男は一礼し、下がった。それに併せて
下手にいた11人の男達も一礼する。

座っていた男は足を組みかえると、鷹揚に会釈した。

「期待しているぞ、十二人衆達よ。メイっ!!」

ミラーサングラスをかけた金髪の男が前に歩みでる。

「お前にはkeyのサーバーに侵入して調べてもらうことがある。
keyには音楽アーティストBTのアルバム「Godspeed」についての情報が
載っている筈だ。keyの人間がBTについて知っていたという証拠を掴め」

「はっ!」

金髪の男は嬉しそうに返事をすると一礼する。
それを見ながら、座りこんだ男の唇が軽く曲がっていった。

683 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 14:15
中尾壮絶死あげ!!!!!!!!!
ちくしょう!この感動をどうすればいいんだーーーーー!!!

・・・・でも「ときめき十二人衆」はなんかちょっとダサイ。

684 :>683:2001/04/15(日) 16:31
十二人衆は爆弾か何かで皆殺しにするか(w

685 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 16:38
あいかわらず燃え燃え〜。中尾ちん、まともに死ねてよかったな!(酷

686 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 18:05
アルバムでなくシングルだと思ったが、まぁ面白いからどうでもいいか。

687 :名無しさんだよもん:2001/04/15(日) 23:56
正直KEYの牙城を切り崩す切り札としては弱いような・・・
ま、嫌がらせくらいにゃなるか。

688 :325:2001/04/16(月) 02:47
>>646
遅レスですが。

>>326の返事。
頑張ってみました。あれから何回か書いてます。
最後、また中尾を殺してしまいました。(w

>>641-645
やっぱ凄え。感動。
俺もこういうシーン思い浮かべてたけど、ここまで上手くは書けない。

それでは、新作期待してます。頑張ってください。

689 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 06:11
楽しい!
技量がないけど。楽しめる。
以上!

690 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 06:29
中尾殺しちゃイヤ!
話としては面白いけど後が続かなくなっちゃう。
またリアルワールドで中尾がネタにできる面白いことしても
死んじゃってると書けないからね。
だから誰か中尾を助けてやってくれ。

691 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 06:41
いたるのキスで蘇る中尾たん…ハァハァ…

692 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 08:36
>>691

(・∀・) イイ !!



693 :n.n.t.:2001/04/16(月) 10:52
>>688
そちらこそ頑張ってください。俺は純正(?)鍵っ子で鍵以外のネタが
ないので、他の方がいないと話が進みません。

新作は、久弥新作に燃えられれば書くかもしれません。
個人的にはMoon.久弥版みたいなのを期待しているのですが……

694 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 11:55
>>690
中尾が最後に託した秘密文書を陣内がどう使うか。
それによって変わってくるな。
文句をいわず期待して待てっ!

695 :逝きつく先は:2001/04/16(月) 17:03
「俺は死んだはずじゃ…」
中尾は自分が死んだはずと確信していた。
だが彼の意識は存在し、それは生きている証拠だった。
「気がついたか」
「! お前は…」
何故、彼がここに居るのかは解らない。
だが彼のおかげで、中尾は自分がまだ生きていることを確信することが出来た。
「大槻涼樹! 北海道で準備をしていたのではなかったのか」
「準備は出来ている。あとは君の大切な友人を待つだけだ」
「何…」
その時になって、中尾はようやく自分の居る場所が解った。
「ここは…北海道か」
「そうだ、ちなみに君が倒れた日から既に5日が経っている」
「5日だと? それだけしか経ってないということはまさか!」
「その通りだ中尾、君と麻枝君のイザコザは最初から見ている。
いやそれ以前、君が Leaf を抜けると噂されていた時から私は東京に居た」
中尾はショックを受けた。
だがそれと同時に、あることに気付いてしまった。
「とびでば…」
「ん?」
「とびでばは STG だ。そしてそこにシナリオライターは必要無い」
「……」
「今回お前達が STG を作ったのは大槻、お前が動き易くなるようにするためだな。
しかも、お前達が STG を作ること自体は既に不思議でも何でも無いから
世間の目をごまかすことも出来る…
フン、Abogado Powers も大人しいフリして中々やるじゃないか」
「……」
いつしか朝日が昇っていた。光が眩しい。
「Leaf を辞めた高橋達が北海道へ来ることは全て予定通りだというわけか…
さらに Leaf の盗作事件、告発したのはお前達だな」

-------------------------------------------------------
中尾を生き返らせてみたよ…彼はまだ死んじゃいけない。
続きは誰かやって下さい。

696 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 20:18
生きかえっちまったせいで感動が興ざめ。ぽんぽんキャラクターを生きかえらせてたら
それこそ死に重みがなくなってつまらなくなるぞ。695は無しってことででいいと思う。

697 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 21:21
しかも面白くないし。>>695

698 :>697:2001/04/16(月) 21:30
激しく同意。695は抹消に1万カノッサ。

699 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 21:43
誰か695の削除依頼出してくれ
中尾に関しては意識を閉ざしたとしか書いていないので実際に死んだともいえない
が、695はつまらな過ぎる
失せろ

700 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 22:11
n.n.t氏、個人的には葉鍵ロワイアルにも参加希望です。
こことハカロワ合わせて、多分あなたが一番レベル高い、群を抜いてます。
今は一読者になられてるとのことですが、是非もう一度、あなたの作品を読んでみたいです。
ありがとうございました。

701 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 22:15
中尾復活あげ

702 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 22:19
だが中尾は死んじゃいけないというのには同意。
せめて文章力をつけてから来て欲しかった。

悔しかったら面白いの書けるようになってから来てください。

703 :名無しさんだよもん:2001/04/16(月) 22:36
>>700
同意。向こうやここでもちょくちょく書くけど、n.n.t氏にはいつも完敗だ。
精進しなきゃなと、いつも思わされるよ。悔しいけど心地良い、そんな気分になる。

704 :n.n.t.:2001/04/17(火) 06:36
>>700 >>703
そんなにおだてても何も出ませんぜ、旦那(苦笑)。俺は女の子の書けない、ただの
へタレネタ文章野郎です。だから女の子メインにしなくってもいい仮想戦記に手を出した
んです、実は。葉鍵ロワイヤルは、元ネタの本を読んでいないので無理っす。
ゴメンナサイ。

話は変わるが、「つまらないから書くな」と叩くのはいかがなものであろうか。
確かに面白くない、と思ったら素直に「面白くない」と言って構わないし、俺も2ch
で馴れ合うのは嫌いだ(個人的にはネタを出せない時には、コテハンを名乗るべき
ではない、とさえ思っている)。だが「面白くなかった」からといって「だから
もう書くな」では書いた本人は萎縮してしまうだろうし、他の書き手も罵倒される
ことを怖れるようになり、スレッド自体が不活性なものになってしまうように思える。
批判するにしても、「ここがこうした理由で良くなかった。こうすればもっと良くなったのでは」
といった次に改善する余地を指摘する批判であれば、スレッドの質も向上し、馴れ合い
に陥ることもない本当の意味で「良質」なスレッドを創り上げることができるのではないだろうか。

長文スマソ。こういう話は好きじゃないんだけどね…… プロ目指す訳じゃないんだから、気楽にいきましょうや。

705 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 13:38
実在の人物や企業をネタにして遊んでいて良質も何もあったもんじゃないと思うが(笑
これ個人ページでやってたら告訴確実だし(ワラ
煽り騙りは2ちゃんの華。いちいち相手せずにいきましょうや。

706 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 16:59
続きをキボーンage

707 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 17:54
>>706
わかったよ即興で書いてやるよ。

一方、そのころ筑波では
菊地「しっかし、閂の奴おせえな。こみっくパーティ(初回版)を秋葉原にの予約に行ったまま
帰ってこねえよ」
田中「はっ、ま、まさかっ!?夜が来る(メッセ特典枕カバー&ベッドカバー)を手に入れるため
並んでやがるのかっ!くそっ、俺に何も言わずにそんないい思いをするつもりなのかっ・・・」
菊地「…ふふふ、おまえの感じている感情は精神的疾患の一種だ。鎮める方法は俺が知っている。これをみろっ!」
田中「そ、それはメッセサンオーの予約票!菊地、いつのまにっ!?」
菊地「こんなこともあろうかと、日曜日に予約済みだっ!」
田中「さすが菊地、手が早いな。閂め、抜け駆けしようとは100年早いわっ!」
菊地「ところで、閂がいないとすると次のレヴォの原稿はどうするんだ?」
田中「・・・(汗)」

こんな感じでいいっすか?

708 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 17:56
って、こっち仮想戦記じゃん。ロワイヤルの誤爆だ…。鬱駄…
…あれ、不思議と違和感無いからここでもいいか。

709 :325:2001/04/17(火) 21:05
中尾ってこんなに人気あったのか。意外だ。(汗
殺さないほうが良かったのかな。
でも中尾がいたるを狙ってる状況のままだと、史実を元にしたネタ(ONE2とか)書きづらくない?

710 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 22:42
>>709
漏れはこのお話は「仁義無き戦い」みたいなもんだと思ってるので全然オッケー(w
中尾には殺られても殺られても執念で蘇ってくる広島ヤクザみたいに羽ばたいて欲しいだよもん。
現実の中尾はヘタレだが(w

711 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 22:52
>>710
そうだ、仁義無き戦いを思いだすねー。
なんかずっと頭に引っかかってたんだよ。

712 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 23:05
説明キボン>仁義無き戦い

713 :名無しさんだよもん:2001/04/17(火) 23:56
age

714 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 00:00
>>712
知らないの?世代ギャップを感じるなー
えーと、昔版バトルロワイアルみたいなもんです<チガウ

715 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 00:45
ヤクザ映画だよ<仁義無き戦い。

銃弾を何発も浴びても、なかなか死なないところなんか
バトロワに似ている。

716 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 00:46
簡単に言うとやくざの抗争の話かなぁ。
敵討ちとかそういうの。

717 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 07:29
確かとんねるずが番組でパロってたよね。仁義無き戦い。

718 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 14:38
バトロワ@映画と監督同じだっけ

719 :>718:2001/04/18(水) 15:55
同じだよ

720 :名無しさんだよもん:2001/04/18(水) 19:14
中尾が人気なのは、「いたる萌え」を送り出した勇者だからだ。
彼には涙と拍手を送らざるを得ない。かっこいいぞ中尾(涙)

721 :中尾・こんなんどう?:2001/04/19(木) 02:43
今でも鮮明に覚えている情景がある。

薄汚れた狭い部屋の中で、職場の愚痴をカレンダーの
人物に向かって呟く疲れきった母。
それに背を向けるようにしながらツインビーの
世界に逃げ込んでいる自分。
パステルカラーで彩られたディスプレイの向こう側の世界は温かく、
すべてがやさしさに包まれていて……。
だから、コナミに行きたいと思って……。

……けれど、求めていたものはそこには無かった。
憧れて入ったコナミで待っていたのは、
ライバル会社を蹴落とすための裏工作と暗殺の日々。
凍り付いた笑顔の男たちと、真紅の体液に染まる手。
いつもそうだ。
幸せはディスプレイの向こう側にしかない。
それはわかっていたはずだったんだ。

いたるのみかん日記を見てしまうまでは。


722 :中尾・こんなんどう?:2001/04/19(木) 02:45
目が覚めた。
起き上がろうとして、腹部に鈍い痛みを感じる。
どうやら、また生きのびてしまったらしい。

そろそろ死んでもいいと思っていた。
心残りがあったとすれば、自分の写し身をいたるに
母の慈愛をもって育ててほしいことだけだった。
そうすれば、きっと、その子には幸せな未来がある。
俺にはディスプレイの向うにしか見ることができなかった幸せを、
きっとその子は自分の手の中に掴み取ることができる。
それが中尾のささやかな願いだった。

決して叶わない望みだろう。
その願いが沸き上がるたびに、麻枝の爽やかな笑顔が目の前にちらつく。
オスとしての劣等感と殺意を感じる。

ヤツサエイナケレバ。

だが、ヤツを消したところで、いたるはきっとヤツの笑顔を
追いつづけてしまうだろう。
いたるの近くで過ごした温かい時間は、
はっきりとそのことをわからせてくれた。
所詮、住んでいる世界が違うのだ。
こんなことは最初からわかっているべきことだったんだ。

中尾は腹を押さえて立ち上がる。
そうだ。
幸せはディスプレイの向うにあって、
俺にはそれをじっと眺めていることしかできない。
けれど、眺めることができるだけでも、
ディスプレイの向うに見えるだけでも、今はいい。
俺はディスプレイの中には入れない人間だけど、
その夢を見れただけで……今はいい。
分を越えた幸せを望んでも、
手に入らないことには慣れているじゃないか。

中尾の頬に一筋の涙が流れた。
そして、一人の男が、修羅たちの闇に戻る。


723 :名無しさんだよもん:2001/04/19(木) 10:29
静かに進行中? さげておこう。

724 :名無しさんだよもん:2001/04/19(木) 15:51
名作期待あげ!

725 :欲望:2001/04/19(木) 20:43
「調子はどうだ中尾?」
真っ白い部屋の真っ白いドアが開き、白衣を着た男が真っ白いベッドの上に横たわる
彼、中尾に話しかける。
「ドクター紐緒か。順調だよ。これほど真っ直ぐな気持ちになったのは始めてかも知れん」
紐緒は嬉しそうに目を細めた。
「中尾。いくつか質問をさせてもらう。まず、中尾、お前はわが社のことをどう思っている?」
中尾は平然と応える。
「別に。どうでもいい事だ」
「では次の質問、leafの事はどう思っている?」
「別に。どうでもいい事だ」
中尾の応えは先と同じだった。
「では質問だ。leafの同僚達の事はどう思っている?」
「別に。どうでもいい事だ」
「では質問だ。keyの事はどう思っている?」
「別に。どうでもいい事だ」
「では質問だ。君が何かに関心があるか?」
「一つだけある」
「最後の質問だ。君が関心がある事とはなんだ?」
「関心があること?決まっているだろ。それは…」
「それは…?」
中上の表情が一瞬変わる。その表情を見た紐緒は思わずあとずさった。
「樋上いたるを俺の所有物にすることだ」


「これが11回目のスコポラミン投与後の中上との会見記録です。
我々科学チームは洗脳ではなく、中上の欲望を強化することによる人格の変貌
を目指しました。この手法は持続性や被験者の条件付け意識の擦り込みなどで、
洗脳手法より遙に高いレベルでの制御を確立する事ができます。
中上は自分の意志で動いていると思っていますが、実は我々に動かされているのです」
「流石だなドクター紐緒」
「ありがとうございます、シオリ様」
シオリが指を鳴らした。
「中上をビジュアルアーツへ送れ」
「ハハッ」

726 :名無しさんだよもん:2001/04/19(木) 20:47
「これが11回目のスコポラミン投与後の中上との会見記録です。
我々科学チームは洗脳ではなく、中上の欲望を強化することによる人格の変貌
を目指しました。この手法は持続性や被験者の条件付け意識の擦り込みなどで、
洗脳手法より遙に高いレベルでの制御を確立する事ができます。
中上は自分の意志で動いていると思っていますが、実は我々に動かされているのです」
「流石だなドクター紐緒」
「ありがとうございます、シオリ様」
シオリが指を鳴らした。
「中上をビジュアルアーツへ送れ」
「ハハッ」

中上じゃなくて中尾です。ロワイヤルスレ見てたら混乱してしまった。すみません〜

727 :名無しさんだよもん:2001/04/19(木) 23:37
>スコポラミン
これって自白剤だよね
ナバロンの要塞に出てきたけど・・・死ぬよね、これ使うと(藁

728 :名無しさんだよもん:2001/04/20(金) 09:41
つーか中尾は死んだんじゃ?

729 :721&722:2001/04/20(金) 17:03
ま、分岐ってことで。
中尾生存の要望が多いみたいなので、さらっとツナギだけ書いてみました。
キャラが変わっているのは、すんません(汗

いたるへの想いは一旦諦めて史実に沿うこともできるように配慮しておきました。
諦めたはずなのに、時折、狂おしい衝動に突き動かされるのでも面白いかな、と。



730 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 00:15
>>729
なんだよ史実って(藁

731 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 07:08
勝手に分岐させんな。萎え。

732 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 07:21
むしろ>>675を削除キボン。
ハカロワじゃ無いんだし簡単に人を殺すのはやめてくれ。
そうすれば生き返らせるなんて萎える事もしないで済む。
ただ、Death of an/the outsiderは話としては面白い。
だから書いた人が最後だけ修正してもらえると有りがたい。

面白ければ何をやってもいいってのは間違ってるぞ。
後に続けなくなるのは最悪だ。

733 :>732:2001/04/21(土) 09:28
前も言ったが675のどこにも中尾が死んだとはどこにも書かれてないんだよ。
だから721にも726にも続けられるんだって。君アホ?

734 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 14:45
726@`727は唐突過ぎ
721から続けて☆い


735 :721&722:2001/04/21(土) 17:19
人気キャラの扱いは難しいですね。
往年のキルヒアイス論争を見ているようだ(藁

私はあくまでも675から繋ぐ一つの案を提案してみた
だけのつもりですので、722から繋いでみたい方が
いらしゃったらお任せします。

……ところで、リアルの中尾さんって、どこに
行かれたんですかね?


736 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 19:38
>中尾くんの現在
それは言わないお約束だ(藁

737 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 20:25
>735
中尾さんは現在ネクストン所属(マジ)

738 :名無しさんだよもん:2001/04/21(土) 20:42
マジ?ブランドどこなんだろ?

739 :635:2001/04/22(日) 02:33
現在執筆中・・・

>639
情報ありがとうございます。
基本的にアボパ以外は無知なんで・・・(クラウドは皆無だしエゴも社長しかしらない・・・)
うーん自分で言っていてダメ人間・・・

できるだけ迷惑かけないようにひっそりしますので、その時は宜しくです。

んじゃ執筆に戻ります。
(ごっつ遅筆)


740 :732 :2001/04/22(日) 03:00
>>733
明確に『死んだ』と書かれて無いにしろ
あれは誰がどう見ても死んだとしか取れないから殺したも同然。
それこそ書き手が何か伏線を張った上での復活方法が有るなら別だが
>>688で書き手本人が殺したと言ってしまっているしその道は無い。
となると生き返らせるには誰かこじ付けで復活させないとダメだけど
それだとどうしても無理矢理生き返らせたようになってしまい萎える。

それから書き手さんへ、
これは675だけに言っている訳ではないです。
これから書く人にも注意してもらいたいから書いたまで。
事実、675までは凄く盛り上がっていた。
でもそれ以下はこの状況。これで良いと思いますか?

741 :635:2001/04/22(日) 03:03
了承

742 :325:2001/04/22(日) 05:08
>>732
何も考えずに殺したわけじゃ無いんだが……。
以下、理由。(言い訳ともいう)

>>580から>>641まで10日間、誰も書き込まなかったから、
そろそろ話が煮詰まってきたのかなと思った。(>>613-616は書いたの俺だし)
さらに、>>641-645で、Keyはもう危機を乗り越えていると書かれてる。
つまりもう決着はついてると判断した。

中尾は、麻枝とは対照的な結末を迎えたほうが、お互いのキャラクターが引き立つかなと思ってた。
(光と闇の関係にしたかった)
ただ、いたるを中心に戦ってた事を考えると、どこか二人に共通点を持たせたい。
で、思いついたのが「自分の気持ちに気づき、素直になる」っていう話。
でも中尾が改心して、いたるを狙うのやめちゃったら、
それは中尾というキャラクターを壊すことになるんじゃないか。
かといって改心しないまま生きていたら、Keyが危機を乗り越えたことにならないし。

と、いろいろ考えて書いたのが>>668-675。だから修正してくれって言われても難しいよ。

まあこれは俺の勝手な考えなんで、中尾復活させて話を続けるのは書き手の自由かと。
俺も>>9で死んだはずの高橋達を復活させちゃったし、中上もいつのまにか復活してるし。

それに、新展開考えている人結構いるみたいだから、
中尾編は続かなくなっても、仮想戦記が続かなくなる、ってことは無いはずだよ。

743 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 11:20
北へ

744 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 11:21
行こうランララン♪

745 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 11:37
635>
俺的には北海道三国志よりも、『北海道三国同盟』できぼーん!
(これでも密かに楽しみにしてるんよ)

俺は和枝萌だ!

746 :639:2001/04/22(日) 14:16
>>739
いえいえ、期待してますんで
後この人2chで話題にされて喜んでいる勇者でもあります
この人の掲示板とあわせてご利用ください
http://www.bbspink.com/test/read.cgi?bbs=erog&key=983880549

俺は>>675>>682からつなげて欲しい
ほら、最後に陣内に電話したじゃん
陣内の背後には何でもできる高橋がいるじゃん
これを使わない手はない
その後中尾は根クストンへ前線離脱するも図らずもそこの社長がおね2発表する

747 :635:2001/04/22(日) 14:28
746>
ぬおっ!!!
密かに期待されてる・・・(期待に弱いんです・・・俺)

っていうか三国同盟っすか?>745
そっちで希望ってことは基本的に喜んでもらう話書く人としては
・・・・
・・・・
・・・・
その話もらいます。

また、書きなおし!
でも、在れる話は他の人でおれはまったりと浦さん描写しまっす。
んじゃ。

全部書いたけど練り直しする。(いまいちだし・・・)

和枝出産イベント盛り込んだら変になっちゃった。

748 :639:2001/04/22(日) 15:16
ああ出産ねぇ
そんなこともあったなぁ
彼女結婚してるんだろうか?

749 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 16:04
本編と関係ない話でスレが消費されていくのはまずいので、
作家様と読者の交流&要望などを話す仮想戦記楽屋裏スレを立てます。
今後の展開や仮想戦記の感想、作家様への応援カキコなど、
本編以外の書込はそっちでって感じで。

750 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 16:20
仮想戦記楽屋裏スレってどこ?

751 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 16:32
>>749
>本編と関係ない話でスレが消費されていくのはまずいので
別にまずくないと思うんだけど。

それに、楽屋裏スレの書き込み、予想できるよ。
「こんなヘタレが書いてごめん」
「〜は無しにしよう」
「これから〜な展開にしたいんだけど、いい?」

萎えると思われる。

とりあえず、↓ここで相談してみては?
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=985601239&ls=100

752 :名無しさんだよもん:2001/04/22(日) 19:14
>>751
>それに、楽屋裏スレの書き込み、予想できるよ。
>「こんなヘタレが書いてごめん」
>「〜は無しにしよう」
>「これから〜な展開にしたいんだけど、いい?」

>萎えると思われる。

もう萎えてんべ。なんか最近この手のやりとりが多くて。
この手のネタスレッドにしては異様な程の雑音の少なさが好きだったのに。

753 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/04/22(日) 21:31
こちらにも掲示板があります。
http://nanasei7.tripod.co.jp/
(『2ちゃんねる』Leaf&Key板リレー小説系置き場)
最近全然使われていませんが、こちらの利用も検討しては如何でしょうか?


754 :名無したちの午後:2001/04/22(日) 23:56
>>752
まったくの同感です。すべては>>732が悪い。
どうしてマッタリとROM出来ないんだろうか?


755 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 02:29
これ面白かったよ。
ttp://homepage2.nifty.com/legion/erel.htm

756 :721&722:2001/04/24(火) 02:35
>737
マジですか?
これまた、なんとも創作意欲を刺激してくれる史実。
マジに「ONE2」に絡んでいるのかも(汗

>742
同人リレー小説、しかも、2ちゃんねるなんですから、
気楽にやりませんか?
私なんかは面白ければいいと思ってしまうんですが……。

ただ、ONE2がらみで銀河の歴史がまた1ページほど増えちゃいそうな
予感をヒシヒシと感じるので、その時のために中尾さんにはなんとしても
ネクストンにたどり着いてもらわないといけない。

生き伸びるんだっ! 中尾っ!!
お前には、まだやらないといけないことがあるっ!

……そういうわけで、次から722の続き(藁。


757 :中尾逃亡編1/「イニシャルJ」:2001/04/24(火) 02:39
それから数時間後。
日本の情報中枢、東京。
その中心、千代田区に佇むビルの中で電話が鳴った。
真新しい女子高の制服に身を包み、化粧にいそしんでいた男が、
手を止めて受話器を取る。

「はい、こちら、ニトロプラス……」

男は公の記録では沖縄出身ということになっている。
だが、その褐色の肌は、南米という出自ゆえのもの。
誰もが心を開いてしまう人懐こい笑顔は、ラテンの血ゆえのもの。
裏の世界で凄腕の情報屋と知られる彼が、業界での経験が浅いにも
関わらず「最凶広報」という通り名で広く知られるようになるのには、
さほど時間はかからなかった。

「J……だな? 俺だ、中尾だ」

懐かしい声とコードネームに忘れかけていた記憶が蘇る。
その昔、Jはコナミがアメリカ市場に浸透する作戦のために
動いたことがある。
そのとき現地に派遣されてきた中尾という男。
彼とは幾度か死地を共にしていた。

「懐かしいね、中尾ちゃん」
「中尾ちゃん、ってのは、よしてくれ」
「今、KEYにいるんだろ?」

ほんの少しの沈黙。
Jが事態を察するには、それで充分だった。

「……武器は何がいい?」
「ベレッタが二挺欲しい。
 それと、腕のいい医者も頼む。もちろん、ヤミで」
「……深手なの?」
「内臓には達してないようだから大丈夫だ。
 ショックで少し気を失ったけどな」
「わかった。
 急いで手配するよ。
 ところで、今どこに……」
「すまない。
 こっから先はコード573で行く……」

コード573。
中尾とJしか知らないはずの暗号コードだ。
電話が盗聴されている可能性にも注意をしろ。
中尾はそう言っているのだ。
Jは中尾の口から繰り出される暗号を素早くメモ用紙に写し取っていった。
ここまでする相手、しかも自分に助けを求めてくるこの状況。
中尾が今置かれている状況は暗号を解読せずとも察しがついた。
コナミへの反逆。
それしかありえない。
久々の大仕事だ。
ひょっとすると、同盟しているオーバーフローを介してNECの力を
借りる必要さえあるかもしれない。


758 :中尾逃亡編1/「イニシャルJ」:2001/04/24(火) 02:41
「ところで、報酬のことなんだが……」
「中尾ちゃんなら、ツケでいいよ」
「そういうわけにはいかない。
 お互い貸し借りの無い関係でいよう」
「そう?」
「あいにく今は手持ちがない。
 預金口座も押さえられているからな」
「だったら……」
「……ファントムは、ディレクターだよな」

Jは心臓を素手で掴まれたような気がした。

ファントム・オブ・インフェルノ。
監督脚本の虚淵、そして、原画家の矢野口の実体験を再構成する形で
織り成された殺し屋たちの物語。
彼らが戦いで弊してきた強敵(とも)たちに捧げずには
いれらなかった血と硝煙のレクイエム。
太平楽な妄想で描かれた甘ったるい萌えキャラ話と、実体験に
裏打ちされた俺たちの魂の物語を一緒にしてもらっては困る。
ニトロプラスの面々は密かにそう自負していた。

その自負は、初めは市場に裏切られることとなった。
矢野口は失意のあまり日本を離れ、未だ故郷の草原で心の傷を癒している。
次回作の原画には別の同志を手配せざるを得なかったくらいだ。
今の日本は平和ボケしている。
俺たちの魂の叫びが届く相手はいないのか?
初回発注の本数を見たとき、彼らは日本という国を呪った。

しかし、その後のネットで高まった評判と徐々に伸びた本数は、
日本がまだサムライ達の国であることを証明している。
戦いに弊れた者たちに捧げる鎮魂歌に共感できる者はまだ日本にいる。
彼らに伝えるために、俺たちは語り続けよう。
銃をペンに持ち替え、熱き魂を伝えよう。
ニトロプラスは、次回作へ向けて次第に盛り上がっていく周囲の期待に
勢いづき始めていた。

そんなニトロプラスにも、克服しなければならない大きな弱点があった。
それが、中尾の指摘したマクロメディア・ディレクターの呪いである。


759 :中尾逃亡編1/「イニシャルJ」:2001/04/24(火) 02:42
「中尾ちゃん、やってくれるの?」
「ああ。
 ただ、お前達の巣を危険に晒すわけにもいくまい。
 ノンクレジットで技術指導をしてやる。
 それが、今回の報酬だ」
「持ちつ持たれつってことだね。
 ボスも喜んでOKしてくれると思うよ」
「じゃあな」

Jは受話器を置くと壁際に歩み寄り、ラックに飾られている
ベレッタに手を伸ばした。
ずっしりとした重みと冷たい金属の感触が気持ちを引き締める。
安全装置を外して部屋の一角を狙う。
そして、トリガを引く。
防音仕様の室内に銃声が反響し、床に落ちた薬莢が乾いた音を立てた。

一発、また一発。
心地よい反動を腕の力で抑え込む。
木を隠すには森の中という。
開発室に資料のモデルガンと称して飾られている数多の銃器。
これらは、きっと友が生きのびるための役に立つだろう。

ハンマーがカチリと音を立て、弾が尽きたことを知らせる。
動作に問題はない。
すぐにでも使えるベストの状態だ。
満足そうに目を細めると、Jはさっそく古き盟友を救出する
ための準備を始めた。


760 :訂正:2001/04/24(火) 12:21
757の39行目の「ところで」は不要なので削除してください。


761 :721:2001/04/24(火) 20:08
すいません。
時系列でミスしてました(汗。

中尾がkeyに入るのは214事件の後。
ヴェドゴニアの発売が1/28なので史実の使い方が甘いですね。
そういうわけで758は次のに差替えてください。


762 :758修正:2001/04/24(火) 20:13
「ところで、報酬のことなんだが……」
「中尾ちゃんなら、ツケでいいよ」
「そういうわけにはいかない。
お互い貸し借りの無い関係でいよう」
「そう?」
「あいにく今は手持ちがない。
預金口座も押さえられているからな」
「だったら……」
「……ファントムは、ディレクターだったよな」

Jは心臓を素手で掴まれたような気がした。

ファントム・オブ・インフェルノ。
監督脚本の虚淵、そして、原画家の矢野口の実体験を再構成する形で
織り成された殺し屋たちの物語。
彼らが戦いで弊してきた強敵(とも)たちに捧げずには
いれらなかった血と硝煙のレクイエム。
太平楽な妄想で描かれた甘ったるい萌えキャラ話と、実体験に
裏打ちされた俺たちの魂の物語を一緒にしてもらっては困る。
ニトロプラスの面々は密かにそう自負していた。

その自負は、初めは市場に裏切られることとなった。
矢野口は失意のあまり日本を離れ、未だ故郷の草原で心の傷を癒している。
次回作の原画には別の同志を手配せざるを得なかったくらいだ。
今の日本は平和ボケしている。
俺たちの魂の叫びが届く相手はいないのか?
初回発注の本数を見たとき、彼らは日本という国を呪った。

しかし、その後ネットで高まった評判と徐々に伸びた本数は、
日本がまだサムライ達の国であることを証明している。
戦いに弊れた者たちに捧げる鎮魂歌に共感できる者はまだ日本にいる。
彼らに伝えるために、俺たちは語り続けよう。
銃をペンに持ち替え、熱き魂を伝えよう。
ニトロプラスは、次第に盛り上がっていく周囲の期待に勢いづき
始めていた。

そんなニトロプラスにも、克服しなければならない大きな弱点があった。
それが、マクロメディア・ディレクターの呪いである。
新作のヴェドゴニアは、なんとかディレクターの呪縛からは解放された
ものの、依然システム周りの経験不足は否めない。
中尾はその点を鋭く指摘したのだ。


763 :中尾逃亡編2/「鬼と蛇」:2001/04/24(火) 20:16
中尾が東京にかけた電話の内容は、NTTコミュニケーションズ内部の
協力者の手により、すぐに神戸のコナミ実動部隊に伝えられていた。
コナミの勢力範囲である関西に、中尾が援助を求められる勢力は存在しない。
遠距離通話の回線を重点的に、そして徹底的に監視せよ。
コナミのその作戦は見事に功を奏したといえる。

傭兵あがりの者たちが自らの体験を人々に伝える目的のために
集ったというニトロプラス。
厄介な相手だ。
だが、本当に厄介なのはその先だ。
ニトロプラスと友好関係にあるオーバーフローの要請でNECが
動き出すこと。
それだけは避けなければならない。
一刻も早く事態を収拾しなければ……。
中尾がやつらと合流する前に仕留めてしまわなければ……。
コナミ実動部隊隊長は、強い焦りを感じていた。

NECとコナミはPCエンジンの時代には手を組んでいる。
今ではコナミのトレードマークとなった「ときめきメモリアル」。
その成功はNECの協力なしにはありえなかった。
けれど、その後の無謀ともいえるFX計画にコナミは参加しなかった。
当然の選択といえよう。
勝算のない戦いに資金・人員を投入することに、なんの益があろう。

「ポリゴン計算ができなくても、データを入れておけばいい」

NEC陣営が当時提唱したその戦術論は、まったく時代を理解して
いない机上の空論だった。
SS、PSに乗り換えたコナミの選択こそが正しかったことは、
その後の歴史も証明している。
しかし、NECは自らの失策を棚に上げ「ときめきメモリアル」の
成功の見返りにFX計画に協力することを求めてきた。
交渉は次第に険悪な雰囲気になり……ついには決裂に至る。
NECはコナミを同盟を破棄した裏切り者となじり、コナミはNECを
時代遅れの偏屈者と罵った。
きっかけは些細なことだった。
蜜月時代なら笑って済まされたような小競り合い。
それは張り詰めた空気の中で見る見る周りを巻き込んでいき、
いつしか両陣営は大規模な兵力を動かして戦闘を始めた。
戦いは双方に多大な犠牲を出し、ようやく今は一時休戦ということで
落ち着いている。


764 :中尾逃亡編2/「鬼と蛇」:2001/04/24(火) 20:19
今でも、あの戦いの夢を見ることがある。
思い出したくも無い、あの戦い。
目を覚まし、自分が今はその場所にいないことを確認して
安堵の溜め息を漏らす。
幾度そんな朝を迎えたことだろう。
自分が今も生き残っているのが不思議なくらいだ。

できればNECとはやり合いたくはない。
兵力的にはコナミが圧倒的に優勢だったはずなのだ。
それでもNECに痛み分けに持ち込まれたのには理由がある。
寡兵をもってコナミの人海戦術を防ぎ切ったあの男。
本名を理由につけられた通り名は「人食い」。
部下たちを1人、また1人と屠っていった食人の鬼。
NECが相手の戦いとなれば、きっと奴も出撃してくる。
奴と戦場で会うのだけは、もう御免だ。

「監督」の出動を要請するか?

ふと隊長の脳裏にコナミ最後の切り札の名が浮かんだ。
彼ならば「人食い」とさえ互角に渡り合えるだろう。
隠密作戦におけるエキスパート。
「蛇」とも呼ばれるコナミの英雄。
しかし、彼の出動を要請するには幹部会の許可がいる。
それよりも、まずは迅速に事態を収拾するよう努めることが先か。
彼の出動を要請するのは、もっと事態が悪化してからだ。

隊長は迷いを断ちきると部下達に指示を出し始めた。
それに応えるかのように、市内回線レベルでの発信場所の絞り込みが
完了したという報告が入る。
中尾もそのことは先刻承知のはずだ。
手負いとはいえ、すぐに所在を変えたことだろう。
けれど、やつは味方を呼ぶのと引き換えに、我々に充分すぎる
情報を与えてくれた。
網を狭めるには、充分な情報だ。

待っていろ、中尾。
すぐに迎えに行ってやるからな。
狩人の顔に冷酷な微笑みが浮かんだ。


765 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:02
もはやLeaf&Key仮想戦記じゃないな(ワラ

766 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:03
俺ももう知識がおっつかなくなった。鬱だ。

767 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:13
まあ出来るだけ風呂敷は大きいほうが良いと思われ。

768 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:19
もはや参加できん…
自分の知識量の無さに鬱。

769 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:41
つうか「あらかじめ描いといた絵を出せば平気」
の発言はNECじゃなくてはハドソンの人間の発言なんだが…。

それにマンイーターはNECの人間だっけか。

770 :名無しさんだよもん:2001/04/24(火) 21:45
○○田が英雄かよ!

771 :721:2001/04/24(火) 23:15
え〜、これはフィクションであり、実在の人物・団体などとは
関係がありません(藁

>766
中尾を巡る状況がコナミ対NECというマクロな利害関係の
面からも緊迫しているということさえわかればいいという趣旨です。
舞台装置の細部は気にせんでください。
鬼や蛇の記述はスケール感を出すために入れたので、たぶん
登場しません(予定)。

>769
ハドソンの件は知っております。
「陣営」とぼかした表現にしたのは、その趣旨です。

>770
戦場で忌み名で呼ばれ敵に怖れられる人間は必ずしも
相手陣営で英雄として尊敬の対象になっているとは
限りません。
……戦犯とかね。
いえ、他意はありません、一応(藁。

私としては、コナミが手を出せない対立陣営をぶつけて
状況にパワーポリティクス的な観点を入れないと、中尾が
ネクストンに行けないと考えております。
そのために、同じく美少女系では有名なNECインチャネ
陣営でも出すかな、と構想したのですが……。
○○田氏以外に通り名を使えそうな人を思いつかなかった
だけなんでご容赦ください。
……他に手頃な陣営があったらお教えくださると助かります。

しかし、「人食い」「蛇」「監督」「ポリゴン発言」などは
コアな読み手だけがシャレとして理解できればいいと思って
いたんですが、意外に知られている?(汗


772 :いっしょに営業活動:2001/04/25(水) 00:04
仲良しですな。
http://www.0verflow.com/text/nissi.html

773 :名無しさんだよもん:2001/04/25(水) 00:13
作品以外で饒舌な作家は萎えるな。
作家だったら作品で語れ。
あれこれ解説されてもハァそうですかとしかいえん(藁

774 :721:2001/04/25(水) 00:31
>773
らじゃー(藁

775 :名無しさんだよもん:2001/04/25(水) 18:18
>>771
俺ハー業板の人間でもあるから…。

あそこの人間なら大抵知ってるよ。

776 :名無しさんだよもん:2001/04/25(水) 23:29
あげ。

スケールがでかくなってきたな。

777 :名無しさんだよもん:2001/04/26(木) 00:10
ついにニトロプラス出てきたな・・・
しかし社員全員元傭兵とは(w

778 :名無しさんだよもん:2001/04/26(木) 10:27
ここまで本格小説を書ききる才能がありながらなんでこんなパロディ小説書いてんだ?

779 :名無しさんだよもん:2001/04/26(木) 12:25
>>778
仕事でないからこそかたむけられる情熱もあったり。
某おまけCDの感想。

780 :名無しさんだよもん:2001/04/27(金) 01:16
あーわかるわかる。
同人誌は滅茶苦茶気合い入ってんのに本業の商業マンガは
つまらねー&落としまくりの漫画家いっぱいいるもんな(w

781 :名無しさんだよもん:2001/04/27(金) 13:35
>780
同人と違って商業には制約がやたらと多いことを忘れてはいかん。
納期とかコストとか上の意向とか……。
……上司・依頼主に恵まれればいいんだけどね。


782 :名無しさんだよもん:2001/04/28(土) 20:20
自分の好きな事自由に描けないしな
仕事だとツライ事もあるよ
実力・名声があれば又違うんだけどね

783 :名無しさんだよもん:2001/04/28(土) 22:17
久弥マジキューで原作記念あげ

784 :名無しさんだよもん:2001/04/30(月) 03:37
さがりすぎ、あげ!

785 :635:2001/04/30(月) 22:39
>748
山本和枝は一般人(?)と結婚して女児を生んでいます。
どうやら入院しながら書いていたそうです。

そろそろ載せますので・・・
(毎日ネットできるわけじゃないのでごめんね)

786 :名無信者さん:2001/05/01(火) 00:30
某即売会にて
「きな臭いですね最近。死人も多いし」
会場直後の狂乱を過ぎた葉オンリー系の即売会は
ゆったりとした空気に包まれていた。
「まったくです」
天気の話をするように、隣り合ったサークルスペースで物騒な話が
なごやかにされていた。
「葉のゲーム好きなんですけどね」
「ええ、私もです。このまま潰れてほしくないんですが」
彼らの前には葉の作品を題材とした同人誌が並んでいる。もっとも、その題材は
最新作「誰彼」ではない。彼らが好きなのは葉の作品であって会社ではない。
「とは言ってもね、同業としては葉鍵が争って消耗していってくれれば…とか考えたりもしますね」
「私たちだって上には行きたいですしね。そう思っているところは多いでしょ」
その言葉に苦笑いで片方の男が問うた。
「ゆえに千代田連合ですか?」
「さあ?上が決めたことですからね。御社も参加しますか?きっと大歓迎ですよ」
「それこそ上に聞いてくださいよ。私ら下っ端同士でこんな物騒な話できますか」
男は苦笑いを浮かべたまま話を切った。
「さて、客もいないしそろそろ上がりますか。それじゃお疲れさま『ぷれじゃーボックス』
の開発がんばってください、期待しています」
「そちらこそ『サフィズムの舷窓』がんばってください。それと先刻の話…その内冗談じゃ済まな
くなるかもしれませんよ」
「くわばらくわばら」
動き出しているのは葉鍵だけではなかった。乱世が始まるのを察知したメーカーは、老舗だけでなく
中堅と呼ばれるメーカーまでも巻き込んでそれぞれがそれぞれの思惑で動き始めていた。


787 :786:2001/05/01(火) 00:39
えーと、とある即売会で隣り合っていたサークルの主催の方が偶然
それぞれ作中のメーカーの方だった様なので
(それぞれの同人誌の奥付けのペンネームで確認)、でっち上げてみました。
フィクションだから良いよね?一応サークル名は伏せたし。

788 :名無しさんだよもん:2001/05/01(火) 02:12
>>771
>そのために、同じく美少女系では有名なNECインチャネ
>陣営でも出すかな、と構想したのですが……。

面白そう。っていうかAIRのDC移植を合わせて一本希望です。

789 :在りし日の出来事:2001/05/01(火) 04:14
2000年、冬――。

厚手のコートを着込んだ男が足を止めた。
「ここか」
その男、中村毅は手元のメモを確認し、建物を見上げる。
まだ新築したばかりなのだろう。周りの建物と比べて汚れが少ない。
「あいつら、元気でやってるかな……」

ここは、Leaf東京開発室。

「あーもう、また失敗っ。やんなっちゃう」
「……」
「疲れたな〜。ねえ甘露クン、肩もんでくれる?」
「嫌です」
「……ちょおなまいき」
「……」
「じゃジュース買ってきて」
「みつみ先生がおごってくれるなら」
「……あたしは同人界のクィーンだし〜」
「それ、おごるの意味が間違ってますよ」

いつもの雑談。みつみ美里と甘露樹の、普段通りの仕事風景。
元F&C組が大半を占める仕事場は、今日も平和な雰囲気に包まれていた。

そんな中、東京開発室のチーフ鷲見努が二人に声をかけた。
「おいお前達、中村さんが来たぞ。出迎えてやれ」
「え、師匠が!」
みつみと甘露は目を輝かせ、同時に席を立った。
そして、先を競うように出入り口のドアへと走っていった。
「やれやれ、騒がしい奴らだ」
そんな様子を見て、鷲見は笑いながらため息をついた。

790 :在りし日の出来事:2001/05/01(火) 04:14
「師匠!」
エレベーターを出た中村に、みつみと甘露が同時に声をかけた。
「お待ちしてました。今日からまた、よろしくお願いします」
甘露が深々と頭を下げる。
「また、あたしたちにいろいろ教えてくださいne!」
みつみも笑顔で挨拶をする。
「……何かわいい娘のフリしてるんですか」
「フリって何よ〜。あ、師匠、いつもこうやって甘露クンがいじめるんですよ」
「うわ、いつも僕のことをポチとかしたぼくとか呼んでるみつみ先生の言葉とは思えない」
「ははは、あいかわらずだな二人とも。元気そうでなによりだ」
中村は笑って、二人の弟子の肩をポンポンと叩いてやった。


スタッフ全員との挨拶を終えた中村を、鷲見は応接室に案内した。
「――驚きましたよ。中村さんがここへ来ると知った時は。よくF&Cが手放しましたね」
「ああ。あっちもいろいろ好条件を出して引き止めてくれたんだがね」
中村は金で動く男ではない。鷲見もそれはよく知っている。
数年前、好待遇を提示してきたLeafに対しても、
F&Cへの義理立てを優先し、結局、首を縦に振らなかった。
しかしそれだけに、鷲見は不思議だった。なぜ今になって急に古巣を離れたのか。

「怪訝そうな顔をしているな。私がLeafへ来た理由を知りたいかね?」
「……ええ」
中村はスーツの内ポケットから2枚の写真を出し、黙って鷲見に差し出した。

791 :在りし日の出来事:2001/05/01(火) 04:15
鷲見は、その2枚の写真を手にとって確認した。
ゲームの登場人物と思われるイラストが写っている。
「これは――」
「片方はサガプラネッツの原画家、有未つかさの描いたキャラクター。
 もう片方は、スタジオメビウスの原画家、飛鳥ぴょんの描いたキャラクターだ。
 ……私が何を言いたいか、わかるだろう」
「ウチの、みつみの絵にそっくりですね」
「ああ。たまたま似通ったとは思えない。明らかに意識して模倣している」
中村の表情が、より険しくなった。
「ただの模倣ならかまわん。コピーがオリジナルに敵うはずがないからな。
 だが、このような絵が世に出回ることによって、
 みつみの描く絵が陳腐なものと見なされてしまう恐れがある」

「なるほど……。それで、愛弟子の側にいてやりたいと考えたわけですか」
鷲見は納得した。
中村はF&C時代、現在のほとんどの東京開発室スタッフに技術指導をしていたが、
みつみと甘露の二人は、特別に可愛がっていた。
「そうだ。あいつは見かけによらず繊細なところがあるからな。
 いざという時に支えになってやれたら、と思ってね」


一方その頃、みつみは渋谷の街のパンフレットを眺めていた。
「ふんふふ〜ん。師匠の歓迎会、どの店がいいかな〜」
「……」
「ねえ甘露クン、どこがいいと思う?」
「そうですね、今の季節だと、鍋なんか美味しいと思いますよ」
「あ、いいね〜。何の鍋にしようか」
「ペンギン鍋はどうでしょう」
「……」

ぼかっ

792 :325:2001/05/01(火) 04:15
ネタ元
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=984244986&st=564&to=564&nofirst=true
師弟関係ってなんか良いなー。

793 :名無しさんだよもん:2001/05/01(火) 13:13
>>791
・有末のはそんなにみつみにゃ似てないんじゃあ?
 エロゲ板でもそんな話題はあんまりなかったと思うが。
・「渋谷の街のパンフレット」という表現はちょっと、いやかなりダサい。
 そんなの持って渋谷を歩いてる人間は修学旅行生くらいだと思われ。

794 :325:2001/05/01(火) 21:37
やべ。ハズしたか。
結構面白いと思ったんだけどな。

しかも場所間違えてるし。渋谷じゃなくて池袋だね。(東京開発室の場所)

795 :幕間・デマ編 1:2001/05/02(水) 00:26
四月二十九日。
「樋上いたるが、死んだ」
秋葉原、日本橋、そしてネットワークの世界を一つの噂が駆け巡った。
八割方デマだと思われながら、その噂は業界に十分な衝撃を与えた。

少し時を遡り、四月二十六日。
大阪、Key開発室。
昼休みの開発室では、ある議題が持ちあがっていた。
「ゴールデンウィーク中の樋上いたるの安全確保」
捕らえたはずの中尾の行方は知れない。もしくは何処かで力尽きたのかもしれないが、確認していない以上安心はできない。中尾との関係は不明だが、この業界の人間の襲撃事件・失踪事件は最近頻発している。
市内から人の少なくなるこの時期は、中尾のような襲撃者にとっては絶好のタイミングであろう。何らかの対策は立てねばならない。
「うーん」
「むー」



「…そうでしゅ!」
ふいに、みらくる☆みきぽんが声を上げる。
「何かいい案があります?」
「いたるちん、入院するでしゅ!」
「え〜、私、病気してないよ〜」
コケッ!
盛大にずっこけるみきぽん。
「見りゃ分かるでしゅ。入院したことにして、敵をあざむくのでしゅ!」
「なるほど、それはいい案ですね」
涼元が賛同する。麻枝も頷いている。
「では、早速各方面に噂を」



一度火がつけば、噂は光の速度で飛びまわる。伝えられるたびに噂には尾ひれがつき、入院との噂はは重態説に、重態説は瀕死説になった。死亡説へと発展するまでに、さほどの時間はかからなかった。

796 :幕間・デマ編 2:2001/05/02(水) 00:27
五月一日、一時。
しのり〜は何の気無しに樋上いたるのホームページ「踊る子いたるさん」を開く。
「みかん寝日記」をクリックしたところで、彼女は自分のしていることの無意味さに気付く。
(そっか…いたるちゃん、入院してることになってたんだよね。更新なんかしてるはず…)
そこで彼女は信じられないものを見る。
2001.05.01付けで更新された日記。
しかも、文面からは入院など窺えない。それどころか、親戚のお見舞いに行ったなどと書いているではないか。
(アンタがお見舞いしてどうすんのよ!)
早速、いたるに電話。
「あ、しのり〜ちゃんこんば〜」
「『こんば〜』じゃないわよ! 何で今日日記更新してんの!!」
「え、やっぱり29日更新しなかったのダメだったかなあ」
「何アホなこと言ってるの! アンタは入院してることになってるでしょ!!」
「あ。……忘れてた。てへっ♪」
「『てへっ♪』じゃなーい!!!」

その夜、いたるは一晩中しのり〜に叱られるのであった。

797 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/05/02(水) 00:28
>>795-796
元ネタは
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=988626471
デマだったようですので、ネタにしてみました。

>>794
良かったですよ。師弟のやり取りとか、みつみと甘露の会話とか。
史実には反してしまいますが(「Leaf&Leaf」に描いてるから1999年入社のはず)、まあそこはそれ。

798 :名無しさんだよもん:2001/05/05(土) 05:49
新婚の彼女がそう簡単に死なないデスよ。
(タクティクス)

799 :七連装ビッグマグナム:2001/05/05(土) 06:33
ONE2、ちょっと期待してたりする。
一発花火をどかーんと打ち上げて欲しいでつ、ネキストーン社長には(笑

800 :七連装ビッグマグナム:2001/05/05(土) 06:45
あ、スマソ、誤爆しちったよ(;´д`)

801 :名無しさんだよもん:2001/05/05(土) 07:57
続編期待上げ。

802 :葉鍵板優良スレ保存委員会:2001/05/05(土) 23:03
優良スレあげ!

803 :名無しさんだよもん:2001/05/06(日) 00:08
>>795-796
ワロタ。久々のほのぼのネタですな。良かったですよ。

804 :名無しさんだよもん:2001/05/06(日) 00:17
しのり〜に一晩中叱られるいたるたん萌え〜

805 :名無しさんだよもん:2001/05/06(日) 08:11
ここのお話は女性が楽しめるように少しなっていてうれしいです。
あまり、スタッフの話はしらないですけど、書き手さんには頑張って欲しいです。

ところで、北海道の話って?

806 :水際:2001/05/06(日) 22:48
 粉っぽい味噌を湯で無造作に薄めた汁が安物のプラスチックの容器に注がれ、目の前の
卓上に置かれる。水蒸気が白煙のように立ち昇る様が、何故か不吉なものに麻枝准には
感じられた。通いなれた飯屋は昼時ということもあって、学生達や勤め人で立錐の余地も
なかった。質素を好む麻枝は食生活も至って簡素であり、豪奢な美味は却って座りの悪い
ものだった。それにこの店の持つ雑多で粗野な雰囲気は麻枝の好みによく合った。過酷な
仕事に疲れた時も、この店の空気に触れることによって再び活力を取り戻すことができた。

 だが、今日の麻枝にはそんな横溢な生命力が失われていた。陰鬱な表情を顔に貼り付け、
常の闊達な振る舞いが影を潜めている。事実、極めて厄介な事態に頭を悩ませているのだ。
『AIR』の家庭用ゲーム機への移植が決定に至るまでの経緯はまさに晴天に雷光が走るが
如きものだった。そもそも『AIR』は初めから18禁の作品であることを想定して創られて
いる。敢えて年齢に制限を持たせることで、より鋭敏で深化した表現を行なうためである。
 それを全ての年齢層が消費する家庭用ゲームとして売り出すためには表現の規制を受ける
ことになる。その規制は、麻枝達が『AIR』の根幹に据えた主題そのものにまで及ぶだろう。
そのような暴挙を麻枝が受け入れる筈もない。確かにより多くの人に自分達の作品を楽しん
ではもらいたい。だがそのために作品を貫く信念を歪めてしまっては本末転倒である。
それは作り手である自分達だけではなく、そのような歪められた作品を押し付けられた
受け手をも辱めることである。とても許せることではない。
 だが、麻枝は一介の勤め人である。会社に雇われ、賃金を給与されている立場である。
会社の上層部が決定したことは最終的には受け入れる他ない。上層部は麻枝達が『AIR』
の移植に難色を示すことを承知の上で、この企画を進めていた。ぎりぎりまで秘密裏に
事を進め、具体的な案を練り上げた。麻枝達が企画を知らされた時、既に企画書は麻枝の
口出す余地もない綿密な仕上がりであった。さらに強圧的にkeyに移植作業の実行を命令
した。その態度には拒絶することを決して許さない酷薄さがあった。

807 :水際:2001/05/06(日) 22:49
 そのような恫喝に麻枝が屈するはずもない。首を切りたければ勝手に切れ。逆にこちら
の方から出て行ってやる。人の意地を踏みつけにする者は、人の意地によって報いを受け
ればいい。そう考えたのは至極自然の心の動きである。
 それが出来なかったのは、麻枝の責任感の強さである。今やkeyは業界随一の人気を誇る、
屈指の実力ブランドである。そして、麻枝はkey創立からのメンバーでありkey全体の意思
決定を行なう重鎮だった。keyを倒すべき目標と見なす者達は多い。keyの得た地位と名声
を一挙に手中に収めることができるからだ。そうした者達からkeyを守り抜くためには、
麻枝以外の人間では力不足だった。今麻枝が辞めれば確実にkeyは潰れる。

 麻枝は移植の件を受諾せざるを得なかった。だが甘んじて『AIR』を他人の手に委ね、
貶めさせるつもりはなかった。自ら移植に携わり、シナリオの改変を阻止するつもりだった。
麻枝が自ら移植作業を志願したことに、上層部は果たして喜んだ。意のままに動く手駒に
なった、と考えたからである。そのため移植作業に対する介入もより積極的なものとなった。
麻枝は自分を意のままに操ろうとする上層部と、『AIR』をただの商品として売り込むこと
しか考えない移植先との駆け引きに身を投じることになった。
 それは己の力を出し尽くし、信念を世に問うた『AIR』の製作とは全く質の異なる陰湿で、
気の滅入る闘いだった。作品を創っている時には尽きることのなかった麻枝の活力も、この
鬱々とした日々の中でともすれば萎えしぼんでしまうのも無理はなかった。

「はい、おまちどうさん」
 きっぷのよい店員の声がして、麻枝の目の前に注文した料理が置かれた。平たい皿に
米飯が盛られ、その半分によく煮込んだカレーが掛けられている。残り半分の部分には
牛肉と玉ねぎを出し汁で味付けした煮込みが盛られてある。麻枝はこの料理をとりわけ
好み、よく食べていた。
 食欲はなかったが、この料理の放つよい匂いが麻枝の意欲を少しだけ刺激した。
何はなくとも食べておこう、飯を食べる気になれるうちは大丈夫だ。そう言い聞かせて、
麻枝はスプーンを手に取った。

 ふと、恨みがましいことを思った。
(もう少し、エロに力を入れておけばこんな目には遭わなかったのかもな……)

808 :水際:2001/05/06(日) 22:50
 時はTactics時代に遡る。
「おーい、久弥。もうシナリオ上がったかー? もうマスター・アップまで時間ないぞ」
「あ、うん。もうすぐ出来上がるよ、あとちょっとで全部完成だ」
「そうか、お前は書くの遅いからな。皆困ってるんだぞ」
「そんなの仕方ないだろっ。それにいい加減に急いで書くよりも、ゆっくりでもちゃんと
書いた方がいいに決まっているだろ」
「ふーん、それならその『ゆっくりでもちゃんと書いた』のを見せてみろ」
「わ、待ってくれよ。まだ全部仕上がっていないんだよ」
「全部仕上がってからだと直しようがないじゃないか。俺が企画やってんだから、俺にくらい
見せろ」
 そう言いながら、麻枝は久弥の机の上に置かれた原稿を取り、目を通す。麻枝の目が途中
で訝しげに止まり、久弥の元に向く。
「なぁ……完成していない所って、このHシーンのことだよな?」
「え? そこはもう全部書きあがっているよ。ちゃんと最後まで書いているじゃないか」
「『痛みを懸命にこらえる茜を本当に愛しく思いながら、オレは力尽きた』のどこが最後まで
書いてるっちゅーんじゃっ!! もっとこう、書き方があるだろう。性欲の盛りにある高校生
が体験する初めての行為を生々しく伝える書き方がっ!」
 不審な目で、久弥が問い返す。
「だったら、麻枝が説明してみてよ。どんな書き方があるのか」
「『オレの律動が激しくなるとともに、彼女の体の中もより激しく蠢く。オレは自分の体が
どうなっているのかも最早分からなくなり、思考が白熱し何も考えられなくなる。お互いの
汗と涙と涎と体液とが混じりあい、下半身が溶けてゆくような感覚。彼女は叫び声とも泣き声
ともつかない声をあげながら、オレに抱きつき、壊れそうなほどに両腕に力を込める。オレ
達は抑えきれないものを全て吐き出すかのように、溶け合い果てていった』とかだっ」

809 :水際:2001/05/06(日) 22:51
 一気にまくしたてた後で、麻枝は久弥の呆れ果てたような視線が自分を刺していること
に気が付いた。少し言い過ぎた、と思い弁解をする。
「いや、これはあくまで例えであってだな。チェリーボーイというよりナイスミドル用だな。
だが、それにしてもこれ位は……」
「茜はそんなことしないよ」
「……はい?」
「茜はそんな娘じゃない」
 毅然とした口調で、久弥は麻枝にそう言い切った。
(こいつ……マジだ)
 これ以来、麻枝は久弥のエロテキストに苦情を出すことは一切しなくなった。

 keyは『エロ無し』と呼ばれる程に性交シーンの描写が薄いことで有名な作風である。
まるでやる気のない性交描写はシナリオライターがそのような行為を描写することを嫌忌して
いるのではないか、とさえ言われていた。
 だが、麻枝は決して性交描写が書けない訳でもなく、嫌っている訳でもない。
必要であれば書くし、描写力も他の脚本家に勝るとも劣らないものを持っている。
その優れた言語感覚から生み出される独特の性交描写は、凡庸の脚本家には到底描く事の
できない強烈な官能があった。
 麻枝が薄い性交描写に留まっていたのは、同僚の脚本家であった久弥直樹と同じく同僚の原画家
の樋上いたるの影響が大きかった。久弥は『エロ無し』の第一人者であり、脚本執筆における性交
描写のウェイトのなさは驚くべきものであった。そのような行為を嫌悪しているのではないか、
とさえ思わせた。原画家の樋上いたるも性交シーンの原画を得意にはしていなかったので、久弥
の書く脚本に好意を示した。

810 :水際:2001/05/06(日) 22:52
 麻枝は困り果てた。脚本を全て独りで書いているのであれば構わない。いたるは決して性交描写
に長けてはいないが、そこは自分の文章で補うことができる。だが同じ脚本家であり、他人が脚本
に手を入れることを決して許さない久弥はどうにもならない。久弥が薄い性交描写を止めない以上、
麻枝が描写を抑える必要がある。そうしなければ、作品の統一性が失われてしまう。
 久弥企画の作品である『Kanon』も『エロ無し』の筆頭であるかのような作風であり、麻枝も
その作風で脚本を執筆した。『Kanon』は成功し、多くのファンがkeyについた。ファンは総じて
薄い性交描写を肯定しており、それどころか『エロは不要』という極論まで生まれていた。
 18禁ゲームを製作する集団であるはずのkeyは奇妙な事に18禁描写を否定するファンに支えられて
いたのである。この状況下で麻枝が濃厚な性交描写を描くことは不可能であった。そんなことを
すればファンは怒り狂い、そっぽを向くだろう。
 keyのファンにとって少女は決して性の悦びに体を熱くすることのない、冷感症の少女でなければ
ならず、男女の交わりはただ少女が破瓜の痛みに涙を堪える以外のものであってはならなかった。
これ以上の交わりのあり方を描くことを許さなかったのである。
『エロ無し』とはその意味で極めて女性蔑視的な作風と言える。だがその作風が現在広く支持されて
いることは厳然たる事実であった。

811 :水際:2001/05/06(日) 22:52
『AIR』も『エロ無し』の作風を受け継ぐ他なかった。この段階で濃厚な性交描写に踏み切り、
ファンの心情を刺激することは、余りにも危険が大きく思われたからである。結果として『AIR』
は多くの支持を受けるに至ったが、それはやはり『エロ無し18禁』というある意味奇形な作品
としての支持であった。
 広汎な支持層を獲得した作品がより広いマーケットへの進出を図るのは当然の成り行きである。
薄い18禁描写は他のマーケットへの進出の障害にはならない。あってもなくてもよい18禁描写など
カットしてしまえばいくらでも全年齢対象として売り出すことができた。その結果、麻枝達は
今までに体験したことのない陰湿な駆け引きを行なう羽目に陥ったのである。

(やはりあの時、無理やりにでも久弥にエロを叩き込んでおけばよかったのだろうか)
 もはや詮無いことであったが、そう思わざるを得なかった。

 食事を終え、麻枝は店を出た。昼時の街並みは雑多な種類の人間で溢れ返っている。
五月の空は遮るものの何もない、澄んだ青だった。睥睨するように輝く陽光に手をかざすと、
自然に力が湧いてくるのを感じた。自分は空にあって人の営みを俯瞰することはできない。
あくまで人として地を這い、泥にまみれながらも生きていくだけだ。そうやって、今まで
やってきたのだから。心を覆っていた憂いを綺麗さっぱり払うような決然とした面持ちで、
麻枝は再び歩き出した。

812 :n.n.t.:2001/05/06(日) 22:54
昨日初めて松屋に行った時にネタ思いつきました。カレギュウ美味しいっすね。

813 :名無しさんだよもん:2001/05/07(月) 02:18
カレギュウage

814 ::2001/05/07(月) 02:34
松屋は特性カレーはたべてことありますが、カレぎゅー今度食べてみます
それはそうと久しぶりの新作楽しめました
もう少し会話文を増やしてほしいかな

815 :名無しさんだよもん:2001/05/07(月) 13:55
n.n.t.様新作あげ!

みんな読もう!

816 :追撃:2001/05/09(水) 00:16
「下川社長」
「……?」
不意に呼び掛けられ、下川は顔を上げた。
顔は痩せ細り、表情には以前の根拠無き自信の欠片も見られない。
まさしく、心ここに在らず、と言った感じだろうか。
「……ああ、青村か」
依然、下川らは中尾の消息を掴んでいない。
焦り、不安。
様々なモノが下川に圧し掛かり、彼らを押し潰そうとしている。
(社長……だいぶ痩せたな)
そんな下川と顔を合わす度に、青村は辛い思いで一杯になった。
「中尾の消息ですが…」
「……分かっている。しかし……」
狭い日本、しかも大阪。正直、探すのにそう手間は掛からないと下川は踏んでいた。
それが、ここまで見つからないとなると……
「すでに大阪には居ないか、もしくは………」
「消された……か、ですか」
下川は、青紫のその言葉を聞いてフン、と鼻で笑う。その行為にも以前の力強さは無かった。
「それなら手間も省けていいのだが……な」

817 :追撃:2001/05/09(水) 00:16
だが、心配事はもう一つある。
中尾が消えても、奴は確実に何か残して逝くはずだ。
例の掲示板の続きか、それとも社内状況を克明に綴ったレポートか。
だが、中尾が消されたとなると、その隠し場所も皆目見当がつかない。
八方塞りだった。
ふと下川は、念の為中尾の家の周辺に見張りを配置しておいたことを思い出した。
「……そう言えば、中尾の家は張っている筈だな?」
「はい。それは勿論」
「何か変わったことは無かったか?」
青紫は少し困ったような表情で
「はい、とくには……」
と答えた。
見張られているであろう自分の家に、のこのこ帰るほど中尾は馬鹿じゃない。
そこまで考えて、青紫はふとある事柄を思い出した。
「あ、そう言えば……」
「何かあったのか?」
下川の眼の奥にぎらり、と鋭い光が灯った。
眼はまだ、死んでいなかった。

818 :追撃:2001/05/09(水) 00:16
「昨日の晩、陣内が中尾の家を訪れたそうです」
「陣内が……?」
下川は、わずかな引っ掛かりを覚えたが、それが何なのかはわからなかった。
「はい。黒服が何の用かと陣内に聞いてみたところ、何でも中尾の家は隠れ場所には困らないらしく、
隠し通路やらトラップやらまるで忍者屋敷のようになっていて、我々の目から逃れているとか……」
「いくらしたたかな中尾はいえ、家をそこまで改造しちゃうのもやりすぎですよねぇ」
「……それで?」
下川の顔は笑っていない。
全く変化の無い表情で、下川は話の続きを促した。
「あ、はい。黒服が一緒に同行しようとしたのですが、中尾の家は俺が一番良く知っている、
お前らじゃ足手まといだ、と言って、陣内が一人で行ったそうです」
ぴくり、と下川の頬が引きつった。
「それで……結局誰も居なかったんだろう?」
「はい、良く分かりましたね……ぐわッ!?」
突然殴られ、青紫は混乱した表情で下川を仰ぎ見た。
「社長…………うわッ!?」
青紫の眼に写った下川の姿は、鬼神そのものだった。
直後、下川の怒号が響く。

819 :追撃:2001/05/09(水) 00:16
「馬鹿か貴様!陣内は中尾の書類を握って逃げたんだろうがッ!」
「そ、そんな筈は…退職組は四六時中黒服に見張らせましたが、特に怪しかったところは…」
「怪しまれずに連絡を取る方法なんて幾らでもあるだろうがッ!そんな事も分からんのか!?
だから貴様は駄シナリオしか書けないんだッ!!今すぐ黒服に連絡を取って、陣内達を拘束しろッ!!」
そう下川が絶叫するや否や、青紫の携帯のベルが鳴る。
「はい、青紫………何だとぉ!?」
相手の話を最後まで聞かず、携帯を床に叩き付けると、青紫は沈痛な表情で下川に向き直り、言った。
「高橋以下、退職組全員がロストしました……」
「馬鹿なッ!?」
予想外の行動の早さだった。
そして事が起こった以上、これ以上青紫を責めている暇は無い。
「くッ……至急高橋以下退職組捜索班を結成しろ!生死は問わん!」
「は…………はいっ!」
下川は青紫に冷たい視線を向け、言い放った。
「お前が指揮を取れ。もし出来なかった場合は………」
「はッ、お任せを」
青紫は、その言葉を最後まで聞くことが出来ずに、途中で遮った。
追う側も、追われる側も。
命を賭けた追跡劇が始まった。

820 :名無しさんだよもん:2001/05/09(水) 00:17
シェンムーらがすっかり忘れ去られていたので書いてみました。

821 :名無しさんだよもん:2001/05/09(水) 05:23
なんかもう、風呂敷広すぎてついていけてないけど。
盛り上がってていいね。
部分部分ではみんな上手だし。
この景気の何割か、ハカロワスレに欲しいよ。

822 :名無しさんだよもん:2001/05/09(水) 12:44
こりゃ双方何人か死なないと収拾つかないね(笑
いたるんや下川は死亡確定かな?流れ的に。その方がもりあがりそうだ。

823 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/05/09(水) 21:21
>>821
今やっとハカロワ読み終わりましたが、十分盛り上ってたように思いますよ。
仮想戦記は、投稿続いてたら活気付くけど、平気で1ヶ月2ヶ月間開くからなあ…

で、そのハカロワスレの景気を奪うようなことを言って悪いのですが、
>>799-800
ハカロワの挿絵見ました。
誤爆ついでに、こちらにも絵をつけて行ってくれると幸い(笑)。

824 :名無しさんだよもん:2001/05/09(水) 21:30
いたるちんが殺されちゃうとしたら、復讐のため麻枝&久弥が
二丁拳銃+コートに身を包んでLeaf本社に殴り込むシチュきぼん。
「男たちの挽歌」風に撃ちまくり。

最後はLeafビル100階屋上から麻枝に蜂の巣にされて墜落するシェンムー。

しかし、こんな事したら続きを書けなくなっちゃうかも。

825 :名無しさんだよもん:2001/05/09(水) 23:21
>>824
その前にこんなストーリーきぼん

麻枝と久弥の不仲を心配して本気で叱るいたるちん

反省し、語り合って和解する麻枝と久弥

二人でいたるちんに謝りに行くことに

花束やケーキを持って、ちょっと照れながらいたるちんの部屋のベルを鳴らす

しかし応答が無く、様子がおかしいことに気づいた二人が部屋に入るとそこには…

ちなみに、手にした花束やケーキを思わず取り落とすシーンはスローモーションで
あと、Leaf本社には是非ハトの群れを!!(w

826 :名無しさんだよもん:2001/05/10(木) 01:01
>>824
麻枝としぇんむーが至近距離から相手の顔面に拳銃突き付けあう、ってのも(w


827 :名無しさんだよもんぷち:2001/05/10(木) 14:43
>>824 >>825
才能の無さそうな奴の思いつきそうなストーリーだな
つまらない事は言うのやめれ
あとイラストより音楽が欲しい
主題歌もいいな
誰彼のような男性ボーカルがにあうか?

828 :名無しさんだよもん:2001/05/10(木) 18:02
あのーこれってハカロワと違ってお話を無理に終わりにする事は無いと
思うんですけど・・・
今までも史実? に沿ってやってきたわけですし。


829 :名無したちの挽歌:2001/05/10(木) 19:40
>>827
 多分解ってて言ってるんだと思うが>>824>>825はパロディだろw
 思いつくとかそういう問題以前に、ネタなんだからマターリいこうよヽ(´ー`)ノ 

830 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 01:02
リアルタイムでネタが出てくるのがここの良さだと思う。
2.14だの、ONE2にAIRDC移植だの、コルクボードコミコミ出典だの(違)。

だから有名人の死人出すと後々面倒になると思うんだよね。
無理にキャラを殺す必要はないんじゃないかな?

831 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 02:15
>>827
大事なのは、センスと文章力だと思うよ。
ありきたりなストーリーでも、それによって印象ががらっと変わることがある。

832 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 18:21
いたるちんを殺す必要はないけど襲撃話ぐらいあってもいいかも。
ここのところ史実が動かないから仮想戦記も動かないし(w

だーまえ絶体絶命のピンチ!というときにいきなり撃たれて吹っ飛ぶ襲撃者、
見渡す限り人影もないのにどこから?と不思議がるだーまえ、
そして高層ビルの屋上で超遠距離狙撃ライフル片手に
「こんな所で雑魚にやられては困るな…君を倒すのはこのオレだ」
とニヒルに呟くニトロの虚淵玄、なんてエピソード求む。

833 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 19:24
っていうか、結構他社の出演も多いのでネギ板で立てては?

834 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 20:01
>>826
元ネタってなんでしたっけ?

835 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 20:27
>>833
間違いなく叩かれます。
つーか、叩く。

836 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 22:31
>>835
 なんで?風紀?

837 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 22:44
>>835
結局良いところ持っていくのは葉鍵だからだろ。
アンチ葉鍵もいると思うし、好きなメーカーがダシにされたら
気分悪い奴も居るんじゃないかな。

好き勝手やれるのはここの板だからこそだと思う。

>>832
史実動いてるじゃーん。おね2とか。こみぱDCとか。
渡辺のぱーてぃーずぶれいかーとかさ(違)

838 :名無しさんだよもんぷち:2001/05/11(金) 23:13
提案なんだけど次のスレはえろ下ねた板に立てないか?
葉鍵が中々動かないからいろんなメーカー混ぜたほうが盛り上がらんか

839 :名無しさんだよもんぷち:2001/05/11(金) 23:15
>>834
おそらくファントム@ニトロじゃないか?
アインとドライがやってる
すげぃしびれるよ

840 :名無しさんだよもんぷち:2001/05/11(金) 23:21
>>838
じゃあタイトルはどうする
エロ業界仮想戦記
もう少しひねりがほしい・・・

841 :R:2001/05/11(金) 23:22
北のお話乗せていいですか?
(もう、遅いかもしれないけど・・・)

だめならやめます。

842 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 23:28
いちいちお伺い立てないで、いきなり乗せちまいましょう。俺もそうでした。

843 :名無しさんだよもん:2001/05/11(金) 23:53
ソレデイイ

844 :北国にて・・・・:2001/05/12(土) 00:01
そうか、しばらくここに身を預けてくれるのか。」
古ぼけた社屋…いや、会社というにはあまりにもお粗末な部屋に二人の男がいた。
(今は社屋でもなんでもない)
一人は元リーフのシナリオライター、高橋龍也
そしてもう一人は、『北海道三国同盟』の一端を担う

アボガドパワーズ社長 浦 和雄

社員を社員とも思わないこのエロゲー業界において、自らの賃金を削ってでも部下に給料を与える男気から『仁義の浦』として業界に名を馳せる。
また、この業界に置いては珍しく、陸上自衛隊に在籍していた経緯を持つ男である。

「ええ、貴方の元にいることが今は一番安全だと思いまして…」
高橋はそう言うと浦は優しい口調で
「まあ、お前がここにいてくれるというのはウチの大槻や小池、それに他の社員にも良い励みになるかもしれん。衣・食・住の面倒はしばらくみてあげるからじっくり腰を据えて行動するといい。」

高橋はその男っぷりの良さに感動し
「有り難うございます、浦社長」
「オイオイ、俺は君らをアボパの社員にした訳じゃない。だから社長を呼ぶのはやめておいてくれ、浦さんぐらいでいいぞ。」
「わかりました、浦さん」
気の抜けた返事をする高橋
「しかし何だな、こんな辺境の地にあの名高きリーフの人間が身を寄せることになるなどとは、一体だれが予想しただろうなぁ…」
「そうですね。」
「まあ、余所は余所。ウチはウチだ。周囲に惑わされているようでは社長としてはやっていけないからな…それに、あの事件(2・14事件)で俺も少し教訓になったことがあるよ。」
「??」
首を傾げる高橋
「社員を疎かに扱うトップの城は脆いと言うことだ。自分でいうのも何だが俺は社員への気配りに関しては業界随一だと思っている。勿論喧嘩もするがそれはゲームという作品においての主義主張の対立であって、けっして憎いからじゃーない。それに最近の若い奴は人と喧嘩する方法すら知らないから困ったもんだ。」
それを聞くと高橋は
「なら、一つやりますか?」

845 :北国にて・・・・:2001/05/12(土) 00:03
高橋は急に腕相撲の状態をとり
「フム、いいだろう、陸上自衛隊出身の俺に勝てるかな?」
「一分間に70回腕立て伏せで出来れば…勝てるかもしれませんよ」
得意げに言う高橋。
お互い右腕を組み…

「レディー」
「ゴゥ!!!」

二人の男が一気に力を右腕に集中し寝かそうと必死になる。
涼しげな顔をして浦は言う。
「どうした高橋君。一分間に70回腕立て伏せするんだろう?その力をみせてみな!」
「今から見せますよ…」
すこし苦しげな顔をしながらも高橋は歯を食いしばり…
「フッン!!」

浦の右腕を大きく傾けさせる。しかし浦は平然とした表情で高橋に余裕たっぷりに…
「確かに力はあるようだが…残念だが俺の方がまだ強いようだな…」
「!」
そういう次の瞬間
「うらぁ!」
「…………………………」
高橋の右の甲が机の感触を知るのは次の瞬間であった。


846 :北国にて・・・・:2001/05/12(土) 00:03
「どうだ、高橋君。退役こそしたが、腕力じゃまだまだ引けはとらないつもりだ。」
「流石です。だからこそ、身を寄せた甲斐があったというものです。」
「男たる者、強くなければな、そのためには『力』がいるものだ。正論だけでは人を着いてこないと言うことは…昔にいやと言うほど知ったよ。だから今のアボパがあると俺は自負するよ」
「浦さん……」
「高橋君」
「はい」
「君さえよければ今後の面倒はウチが見よう。」
「しかし浦さん…アボパは資金繰りに……」
「確かにウチは金には困っている。いや、布いて言うなら金が潤っている日などありはしない。前にラスベガスにいってケツ毛まで抜かれたよ…だがな…それはそれ、これはこれだ。正直な話、社員に給料が足りんかったら俺の給料削ればいいだけだ。」
「しかし…」
「なーに、気にすることはない。金がなければダイエットだできるし風呂が水風呂になるだけだ。美容効果に最適だぞ…」
「…………」
唖然とする高橋
「ん?どうした高橋君」
浦に声をかけられると高橋は一瞬だけだが下川の事を思い出した…
(昔は…あの人もあなたみたいな人だったんだが……)
「高橋君?」
浦が再び声を掛けると高橋は…
「いえ、なんでもありません。ですが一応こっちもリーフ3部作を作った人間です。少しばかりは金の余裕もありますので住居の面だけご迷惑をおかけします。」
「うむ。北海道の地は関西人には寒いかもしれんが、まあ落ち着くまでゆっくりしていくといい。」
「重ね重ねありがとうございます。」
そういうと高橋と浦はリーフとアボパの話しに身を咲かせるのであった。



847 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 00:04
>>841
前、前々スレでは結構他のメーカーも登場してたぞ。
とりあえず作ったら乗せちゃってOKだと思う。

まさかタクティクスとブルゲに接点があったとは・・・
ブルゲウォッチャーとしてはちと嬉しい。だれか書いてくれんかのう・・・
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=../kako/969/969384982

848 ::2001/05/12(土) 00:05
へたれだと感じたら削除願いだしてもかまいませんので・・・
楽しんでいただけたらそれ以上のことは望みません。

849 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 00:43
>高橋はその男っぷりの良さに感動し
>「有り難うございます、浦社長」
とか
>高橋はそう言うと浦は優しい口調で
>「まあ、お前がここにいてくれるというのはウチの大槻や小池、それに他の社員にも良い励みになるかもしれん。衣・食・住の面倒はしばらくみてあげるからじっくり腰を据えて行動するといい。」
みたいなかぎかっこへの繋がり方が不自然ではないか
みなのものはどう思うかということで上げてみる

あと葉鍵だけのねたではないようだし確かにほかの板のほうがいいかも知れぬな

850 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 00:50
アンチ葉鍵とかのこと考えるとこの板の方が良いと思うけど。
ここ、あくまで隔離板だし。

ここまで葉鍵スタッフがメインに出ばってたら
他社好きの人はいい気分しないとおもうのよ。
つうか、葉鍵が出張る以上必然的に脇役に回されちゃうわけだし。

かといってアンチに全滅しました終わりみたいに
ハカロワみたく書かれてもすっきりしないだろ。

ここでマターリ地味にやるのがいんでない?
葉鍵板以外のネタわっかんねーよ!って人もいそうだから、
他社ネタ書く人は簡単にネタもととか明記するといいかも。

851 ::2001/05/12(土) 00:54
なるほどねぇ
ある程度納得

852 ::2001/05/12(土) 00:57
849>
すいません。
力不足でした。

まだまだ修行がたりませんでした。
よって、あと、2話ほどためおきがあったのですが、載せるの辞めておきます。
もっと他のみなさんの書き方を見て勉強しなおします。

853 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 00:59
文章がへたれとかはあまりつっこまないでやろう
何か書いてくれることがありがたいんじゃよ。

たしかに>>849の言うとおり、ちょっと描写を増やして欲しい気はするけど。
あとはてにをはに気をつけてくれるといいかなとか。

854 :名無しさんだよもん@そうだ有明行こう:2001/05/12(土) 01:09
>>852
せっかく続きを書いておられるのでしたら、読みたいです…
力不足を感じることもあるかもしれませんが、納得いくまで推敲して書きつづけることで少しは克服していけると思いますよ。

855 :849:2001/05/12(土) 01:22
文句をいってるのは期待してるからであって貶している訳ではない
少しでも上手になってくれるようなるべく建設的意見を言おうと思っているのだが言われるのがきついのならやめる
もちろん俺の言っていることが理にかなっておりそれを参考にしてくれるのであればこれほど喜ばしいことはない
俺も書いてくれていることには素直に感謝するところ
よって続きを求む

856 :849:2001/05/12(土) 01:24
あと本当にあれなのは放置してるので

857 ::2001/05/12(土) 01:38
<849
分かりました。
ですが、ご指摘のとおり言われてみると不自然な表現が多いので訂正を致します。
しばらく時間を下さい。

追伸:担当(勝手に思っているだけ)は北海道の方面です。(LEAF方面)

858 :849:2001/05/12(土) 01:42
なまいってますね自分
まああまり気負わずに

859 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 01:45
パパさんの凄かったところは会話と文章が絶妙の比率によるところがある
アマチュアにはどちらか一辺倒になることが多々ある

860 ::2001/05/12(土) 02:12
七連装ビッグマグナムさんにここのイメージ画きぼーん!
絵は一緒でもいい味をかもし出している・・・

ここも画像(挿絵)で少し楽しみたいな〜

861 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 02:20
浦社長って人、いい人やねぇ・・・
こんな人の下で働きたい

862 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 02:41
確かにアボパHPでもそんな発言してんな。
社員思いってのはいいことだ。

思ったんだが、エロゲの社長で自衛隊出身って特異な経歴の人だよな・・・

863 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 03:01
この業界、けっこういろんな人がいるみたいだしね・・・
元自衛官なら、E-Loginの編集部にもいた(誰彼の小冊子にて、御堂の射撃技術検証
コラムを書いてた。あんまりおもしろくなかったが)。 どっかのメーカーに、元
マル走のシナリオライターもいたっけ・・・

864 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 03:05
egoね
ttp://www5.ocn.ne.jp/~arika/
http://www.bbspink.com/test/read.cgi?bbs=erog&key=985521285&st=27&to=44
なんか引退するらしい

865 :R:2001/05/12(土) 03:48
家に帰って一旦、練りこんできます。
会話と文章がいい按配に・・・
まだ、わかりませんが、頑張ってみます。

では失礼いたします。
(しかし、西島さんはなかなか度胸のある人だったんだがな・・・惜しい)

866 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 04:15
どうぞ頑張って下さい
人に批評してもらうのは上達の近道ですから自分で推敲が終わったらどんどん発表するといいと思います
2chで鍛えられたこてはんが小説家に!なんてことになったら面白いですね

867 :名無したちの挽歌:2001/05/12(土) 05:40
まあ会話と文章の比率ってのは好みもあるし、あまり悩むのもどうでしょうかw

868 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 05:50
今日はなんかいい具合に回転しましたね。
このスレッド。

まあ、あんまり考えずに伝えたいことを活字にすればいいんじゃないのですか?
とりあえずやっと北海道話読めましたので個人的に満足です。
(東北市民)
それじゃ私はもう寝ます。よい夢を・・・

本音:「もっと恋愛要素の欲しいスレッドになって来ましたわ。」
独り言です。

869 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 11:36
恋愛要素って・・・
高橋×水無月とか、涼元×麻枝とか?(w

870 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 11:47
恋愛には違いないな(藁
そろそろ次のすれのタイトル考えようぜ

871 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 12:44
じゃあ900いったらネギ板に引っ越しってことでOK?
てことで新スレのタイトルを募集します。
エロネギ仮想戦記〜○○編〜ってとこかな。

872 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 12:59
>>862
エロマンガ家にはけっこう多いよ、
元自衛官。


873 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 14:18
>>850みたいな意見もあるよなあ。
今まで葉鍵で育ててきたキャラを向こうに持ち込んで大丈夫かとか。
たしかに、向こうは葉鍵だけじゃないもんな。

この2社しか分からない書き手さんもいると思うんで、
それで書き手さんが減るのは寂しいよ。
俺、その辺書いてる当人に聞いておきたいと思うんだわ。
どうですか? n.n.t氏とか特に。鍵オンリーでしょ?
ネギで大丈夫ですか?

他社ネタ多いと読み手への配慮は難しいかもしれないよ。
だけど、今居る人が減るのが俺は何よりいやだからさ。
そのへんは簡単にキャラ・会社紹介するとかフォローして欲しい。
人となりが分かるリンク貼るとか。そう言う細かいことでいい。
作者のそう言う気遣いは、決して無にはならないと思う。

874 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 17:30
引っ越しして大丈夫かなあ。
リーフフフみたいに葉鍵板のエネルギーを失って失速して自然消滅、とかならないといいんだけど。
ずっとここで続けてきただけに心配。

875 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 17:42
ニトロなどの新ブランドをたくさん出して
〜new age〜
なんてサブタイトルどう?

876 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 17:42
>>874に同意だよ。
どうしてもネギに立てたいなら向こうに
お伺い立ててこないとウザがられそうよ。
葉鍵出身スレはネギではツラそう。

877 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 18:21
板の移動はしないという意見が多い
900コメント行く前にすれ建設したいですね
○○仮想戦記〜new age〜
今のところここまで

878 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 19:22
葉鍵が主役である限り、というか葉鍵ネタが含まれる限り
向こうでの発展はありえないよ。
荒らされて終わり。


879 :名無しさんだよもん:2001/05/12(土) 19:29
そうなんだよなぁ。
ここまで葉鍵主体の流れで来た以上、
向こうでやっても葉鍵が主体となってウザがられて荒らされる。
かといってこっちだと他のメーカーが出しにくい。

しかしまぁ、存続が第一かな?俺は引越しに反対。

880 :n.n.t.:2001/05/12(土) 22:52
皆さんにお任せします。俺としてはここまでこのスレッドが育っただけで満足です。
去年書いていた頃は「多分どっかでdat送りだろうな〜」とか思っていたんで。
盛り上がりの原動力の一端を担えたのかな、と嬉しく思います。
新スレッドが立って、鍵オンリーで参加可能なようでしたらまた参加したいです。

881 :レディ:2001/05/12(土) 23:29
引越しには一応ゆるやかに反対です。
ここの人が楽しんでいるお話が他で通用するかどうかはわかりませんが
多分、荒らしなどで叩かれるような気がします。
でも、様は書き手さん次第なのでなんともいえませんが、
基本的に葉鍵を軸とした話が好きなので・・・

もし他の企業さんで軸にしたいのならそれはそれで仕方ないとも考えます。
今後の書き手さん次第ですね。このスレッドは。


882 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 01:50
同意>881
基本的には俺もここで話がみたい人間だからね。
他の板に行ったら荒れると思う。

まあ、たのしければそれでいいんだけどね。

883 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 03:46
反対意見多数なんでこの板で続行ってことでいいですか?
そうすると今度はタイトルですね
気の利いたの募集

884 :さだも:2001/05/13(日) 04:26
883>
『Leaf&Key仮想戦記』〜混乱への序曲〜

理由:葉鍵以外の企業が出てきたから。で、とりあえず多少のまとまりは欲しい

今の所まだ数はすくないけどこれ以上増えるのはどうかと・・・
むしろ普通の企業はコナミだけでとめて欲しい。(切望)

885 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 05:00
ネギ板には来ないのね
ちょっと寂しいなり

886 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 07:12
よーし
来週になるまで楽しめる話書くぞ〜

887 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 08:09
>>885
申し訳ない
荒れるという意見が多いので安全措置を取らせていただいた

>>884
ちと普通過ぎる気もするが他にいい案はないか

俺としては積極的に他の企業出すべきだと思うが
正直言って葉鍵だけでは停滞しすぎる
葉は落ち気味だしもはや敵対勢力とは言いづらくなりつつある
世の情勢は鍵を打ち落とさんという若い企業の台頭へと移りつつある
我々も史実を追うという形式を採らざるをえない以上上記に基づいた物語を紡ぐべきではないか
他者の意見を請う

888 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 15:11
>>887
あんまり他の企業出しすぎると、せっかく『Leaf&Key仮想戦記』で
存続と決まった今回の裁定が意味のない物になると思われ。
もともとネギ板でやろうという意見が出てきた背景は他の企業ネタの台頭に
あるわけですから、本末転倒です。
とりあえず、あくまで『Leaf&Key仮想戦記』ですから鍵と葉が主役です。
他の企業は物語上のエッセンスに過ぎません。

それに、実際今の状況は静かに盛り上がってますよ。停滞なんぞしていませんし。

史実を追うのも義務なんかではありません。
全ては作家さんの創造力の翼に委ねられているんですよ。
まあそういう意味では作家さんが他企業を積極的にフィーチャーしていくのは
自由だともいえますが。
でも我々読者が作家さんに枷を填めるのはルール違反です。

889 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 16:05
>>888
うーんそうですね
停滞気味と思っていたのも俺だけかもしれませんね
すいません

ではそういうことで『Leaf&Key仮想戦記』〜混乱への序曲〜
ってことでいいんでしょうか?
他に意見があればお願いします

890 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 16:53
『Leaf&Key仮想戦記』〜永遠の遁走曲(フーガ)〜

とかいうのはどうか。永遠、はエイエソ、でもいいが(w
混乱への序曲、だと普通すぎるかなと思ったので。
ちょっぴり洒落てみました。

891 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 23:22
Leaf&Key仮想戦記#2 〜追憶の葉鍵編〜

なんとなく。

892 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 23:42
Leaf&Key仮想戦記 〜ONE、ふたたび編〜

ONE2は是非盛り込んで欲しい要素なので……といっても
元ネタの発売が未定の状況では何とも
ネタにしようがありませんね。次々スレッド
ぐらいが現実的かな。

「ONE2に対抗するため葉が次回作発表、
開発競争の裏側では壮絶な引き抜き合戦があった。
キャステングボートを握る『あいつ』の決断は!?」

かなり面白そうなのですが……現実の葉が
動いてくれないとなぁ。職人さんが創造力で
次回作をでっち上げてくれるのであれば
それに期待したいです。

893 :名無しさんだよもん:2001/05/13(日) 23:58
新タイトル募集あげ

894 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 12:05
Leaf&Key仮想戦記 〜混沌〜

何となくシンプルに。

895 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 12:13
Leaf&Key仮想戦記 〜昏倒〜


896 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 12:14
Leaf&Key仮想戦記 〜コットン100%〜

897 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 13:26
Leaf&Key仮想戦記 〜ポットン便所〜

898 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 13:30
Leaf&Key仮想戦記 〜a bone〜

899 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 13:34
Leaf&Key仮想戦記 〜 ガ━━━(゚ロ゚;)━━ン!! 〜

900 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 17:30
『Leaf&Key仮想戦記』〜永遠の遁走曲(フーガ)〜
に一票。できれば『Leaf&Key仮想戦記』〜永遠の遁走曲(フーガ)篇〜
にしてもらえればベスト。

901 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 17:37
ところで誰が次スレ立てるんですか

902 :太陽戦隊:2001/05/14(月) 18:24
900か950ってことで

903 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 19:33
Leaf&Key仮想戦記 〜破滅へのカウントダウン〜 冗談です。今メガデス聴いてたんで
、つい。
950まで行くんだったら、もう一本書いてみようかな。ストックがあるので。

904 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 22:49
で、タイトル募集してるけど誰が決めるのよ?

905 :名無しさんだよもん:2001/05/14(月) 23:09
>>904
押しの強い奴orセンスのある奴が決める。

長年スレ立てを見てると気づくが、面倒見のいい慣れてる人が
サクッと立てるのが一番スムーズにいく。
変に民主主義だの平等だの投票だの言い出すと
混乱し始めてヘボな続編スレが立ったりするのだな。

906 :名無しさんだよもん:2001/05/15(火) 09:51
>>903
もうすこし待っててね
新スレたててからお願いしたいです

907 :名無しさんだよもん:2001/05/15(火) 12:07
>>905
んじゃ貴殿が立ててくれ。面倒見が良さそうだ。センスは知らんが(藁
漏れはめんどいから嫌だ。
つーかとっとと新スレいって続き読みたいぞゴルァ

908 :905:2001/05/15(火) 20:49
>>907
お言葉に甘えて独断と偏見でタイトル選んで立てたよ。
あおり文句もそれっぽく書いてみた。
俺も早く続き読みたいので作者の方々よろしくお願いします。

「 Leaf&Key仮想戦記〜永遠の遁走曲篇〜」
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=989927173

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>>1は月見草や。」
広澤克己(阪神)「>>1がもうひとつクソスレたてたら六甲おろしを唄います」
福本豊(野球解説者)「>>1はキャーンやね」
多昌博志(日本テレビアナウンサー)「>>1さん、と、言いますと?」
江川卓(野球解説者)「>>1さん、落ち着いて下さい」
近藤昭仁(元横浜、ロッテ監督 顏/test/read.cgi/leaf/974402008/">★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

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