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葉鍵ロワイヤル!#5

1 :名無しさんだよもん :2001/05/23(水) 01:57

基本ルール 、設定等は前スレ熟読のこと。


・読み手のマナー
自分の贔屓しているキャラが死んでも、あまり文句は言わないように。
ただ、あまりにもぞんざいな扱いだった場合、この範疇ではありません。
・書き手への注意

 前スレ前前スレを一言一句全て読み込んで下さい。
 SSパート以外にも、補足説明、状況まとめ等あります。
 しっかり把握し、矛盾出すのは避けましょう。

 後のことも考えて書きましょう。

 キャラを殺す際は、慎重に。

前スレ
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=990388662&ls=50
今回のデータ
http://www32.tok2.com/home/hakagitac/
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/1168/index.htm




774 :嫉妬書いた人:2001/05/27(日) 00:56
やっちった。祐一の字が全部間違ってるよ。
申し訳ない。

775 :111[前々+前スレ]@誰がために君は泣く2:2001/05/27(日) 00:57
>>773
偶然見たんでいいかな?
× 裕一
○ 祐一
ね。


776 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 00:58
>>774
それ以前にナイフは琴音が持っています。
>>769を良く見ましょう。

777 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 01:04
ナイフ絡み、少し訂正加えてもらえますかね?>作者さん

778 :111[前々+前スレ]:2001/05/27(日) 01:09
>>775
クッキーそのままだった。
見苦しくてスマソ。


779 :嫉妬(訂正版):2001/05/27(日) 01:12
「笑えない私笑えない笑えない私笑えない笑えなくなっちゃたよ…」
名雪は呟きがらながら歩く。
「何で何で何でこんなことになったの、何が悪いの教えてよ祐一…
私悪くない悪くないよ、祐一を守ったんだよ祐一のためだったんだよ…」
名雪の呟きは止まらない。
「またなの、また私の思いを踏みにじるの、祐一」
名雪の脳裏に叩き潰された雪ウサギがうかぶ。
それは7年前、傷ついた祐一のための名雪の精一杯の気持ち。
踏みにじられた気持ち。
あの日の夜も名雪は布団に包まってこんな風に呟きつづけていた。
何が悪いんだろう、何でこんなことになったんだろうと、
何で祐一は私に振り向いてくれないんだろうと、
何で私はたった一週間ばかりしか過ごしていない女の子に負けたんだろうと、
あの子にあって私にないものはなんだろうと、
あの日から、名雪はずっと考えつづけてきた。
何度も眠れぬ夜を過ごしてきた。
それでも、祐一は帰ってきた。あの子はもういない。
今度こそ祐一は私に振り向いてくれるだろう。
自分でいうのもなんだけど、私はきれいになったと思う。
きっと祐一は私に振り向いてくれる。
だけど、またあの子が私たちに前に現れて…
「そっか、悪いのはあの子なんだね。」
祐一が私の思いを踏みにじったのも、私の前からいなくなったのも、全部全部。
「クスッ、泥棒猫さんだよ、あゆちゃん。」
みんなみんな嫌い、誰も信じられない。だけど、その中でもあの子だけは許せない。
「また、祐一もあゆちゃんにだまされちゃって…紅しょうがぐらいじゃ許さないからね。」
名雪の声が次第に明るいものになっていく。
「そうだ!まずはお母さんを探さなきゃ。」
誰も信じられない、誰も信じられないけど、
お母さんは別だ。お母さんだったら私のお願いをきっとかなえてくれる。
いつものようにやさしい顔で、手に頬を当てて、
「了承」って言ってくれる。
「お母さんならあゆちゃんと祐一に『お仕置き』をしてくれるよね。」
名雪は弾んだ声でそういった。




780 :(・∀・)ヨクナイ!:2001/05/27(日) 02:02
 ――拝啓おふくろ様
 もう、あなたに文を送るのはこれで最後にします。
 それというのも、便りが無いのはなんとやら、という言葉にあやかろうと思い立ったからです。愚かな考えではありますが。
 さて、バカ息子潤の近況をお話いたします。
 かのバテレン製らしきヤンキーともずくを摂取していましたところ、突如として脳天を、頑丈なノートパソコンに直撃されました。
 そしてその折、あなたをこの世に送り出したわがグランドマザアなどに再会致しました。周囲にはなぜか、ラツパなどを吹く羽の生えた子供などもおりました。
 今にして思えば、あれが臨死体験というものでしょうか。
 その後、その天からのプレゼントであるノートパソコンを起動いたしました。女の子に変形しないことには
並々ならぬ不満を感じましたが、私はもう大人ですので我慢致しました。誉めてやって下さい。
 CDドライブ(先ほどの横文字といい、敵製語を使う不忠義をお許し下さい)を覗いてみましたところ、果たして純白のCDが入っておりました。
 私は海綿体に熱き血潮をたぎらせ起動してみましたが、何も起きませんでした。
 改めてCDの内容を覗いてみると、残念ながら性的欲求を満たすようなものは入っていない事が判明致しました。
 日頃信仰している大ガディム神は、なぜかくも酷な仕打ちを潤になさるのでしょうか。

 ……とりとめが無くなってしまいそうですので、名残は尽きませぬがこの辺で。
 どうか潤が帰ったおりには、もずく以外の食事でお迎え下さい。
 では。


781 :(・∀・)ヨクナイ!:2001/05/27(日) 02:04
「宮内さん。このまま黙々と進むのも何だし、何か話でも」
「そうですネ。気を紛らわせるのも必要デス!」
 俺は、彼女に振れそうないくつかのネタを頭の中から検索した。

「ねえ宮内さん、やっぱ一日の回数は多いの?」
 ――自慰の。

「ねえ宮内さん、やっぱ経験豊富なの?」
 ――性交の。

「ねえ宮内さん、やっぱ人気ないの?」
 ――アンタの。

(いかんぞ。なんかヤバいネタばかりじゃないか)
 俺は焦りの雫を垂れ流し、ちらりと宮内さんの方を見た。
(そうだ。何か彼女の長所についての話題を振るんだ!)

「ねえ宮内さん」
「What?」
「ズったら気持ちいいでしょうね、その胸」
「……」
 なぜか、宮内さんが沈黙する。
「いえ。俺の知り合いもあなたほどではありませんが、やはり立派な胸をしていまして。
 男には『頼みづらいプレイ』ではありますが、やはり宮内さんには欠かせないかと」
「……」
 ガシャキッ、と宮内さんがウォーターガンを構えた。
「ぬ! 敵ですか!? 宮内さん、さがって!」
 俺はB級アクションムービーのように無意味に転がり、明後日の方向へ拳を構えた。
「どこからでも来い、ゲス野郎ども! あうっ」
 背中を水撃に打たれ、俺は仰け反った。
「……ワタシ、下品なネタは嫌いデス」
「す、すみません……」
 俺は、何が悪かったか理解できないまま謝った。

 おふくろ様。やはりメリケン製ヤンキーの考える事は潤にはわかりません。


782 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 02:09
>>780
一瞬コピペかとおもたよ(w

783 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 02:19
レミィも銃さえ持てば無敵なんだろうけどな。
そういえば、舞も最後まで剣を持つ事が無かったっけ。

784 :壊れた小銃:2001/05/27(日) 02:57
(うまくいった……)

 姫川琴音が走り去った後、彼女に銃を渡した男は内心ほくそ笑んだ。
 あの小銃は『壊れている』。
 撃ったらまず間違いなく暴発し、使用者の命を奪うはずだ。
 銃の扱い方を教えた際、「残弾は少ないから」と言って試し撃ちをさせなかった。
 そんなことをされたら、わざわざ壊れた銃を渡した意味がない。

 そもそもあの銃は、焼け落ちた公民館から偶然拾った物だった。
 だが少し調べてすぐに、この銃は使える状態にないことがわかった。
 銃の知識は、その程度には持っていた。
 そこで男は思い付いた。
 少しでも自分の良心が痛まないように、誰かを殺す方法を。
 自分が手を下す必要はない。勝手に死ぬように仕向ければいい。

(あの銃を使うか使わないかは彼女の判断だ。
 運が良ければ生き残るだろう。
 悪くない。自分は悪くない。
 悪くない。何も――)

 一日目に百貨店から無目的に奪ってきた黒いコートをなびかせて。
 男、巳間良祐は、その場を後にした。
 残された空間には、ただ、乾いた風が吹くばかりだった。


 琴音は走る。
 壊れた小銃を手に。
 ターゲットがどこかにいないかと、探りながら――

785 :おしゃべり南さん・1:2001/05/27(日) 02:58
“ゆらり”
南は釘バットを大上段に構えた。
彩との距離は5メートルあまり。

彩の顔に怯えの色が走る。
地面に伏せている自分にとってこの高さから振り下ろされるバットの打撃は
間違いなく致命傷になる。
(もし外したら…)
血まみれになる自分の顔を思い浮かべ、銃把を握る手に汗が滲む。

対照的に南の口元には余裕の笑みさえ浮かんでいる。
大上段の構えのまま世間話をするかの如く、彩に話し掛ける。
「そういえばですね、さっき和樹さんと詠美さんに会ったんですよ。」
「…?」
彩の脳裏を名前の二人がよぎる。
憧れの人(和樹)と大切な同人友達(詠美)…

南は言葉を続ける。
「二人、こんな状況でもまだ諦めてませんでしたよ。
和樹さんは瑞希さんが、詠美さんは由宇ちゃんが亡くなったのにね。」
「……」
「守らなければならない存在ができたのかも知れませんね。
和樹さんと詠美さん、お互いを見る目がいつもと違いましたし…」
「……(え?何…)」

彩は南の言葉から耳を離せなかった。

“じわり…”
彩が気付かぬうちに南は半歩前に出た。

786 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 03:43
おしゃべり南さん・1の作者です。
もう少し続きます(予定ではあと2話ほど)
フライング気味にあげてすんません。

787 :おしゃべり南さん・2:2001/05/27(日) 04:22
更に南の話は続く。
「―――恋人?そう、そんな雰囲気でしたね〜。あんな状況ですから、恐怖を忘れるために一時の快楽に身をまかせて〜」
「……(恋人?快楽?)」
彩にとって絶えがたい言葉が次々と投げかけられる。
憧れの人と友に対しての侮辱…

あと4メートル。

話は佳境に入った。
「まぁ、こみパで言うなら大手は大手とくっ付くって事かしら?島の常連の長谷部さん?(クス 」
…そして自分への侮辱…
「…許せません!」
銃把と引き金に力が入る。

あと3メートル半。


結花は動けなかった。

スフィーを芹香に任せ彩を援護すべく、すぐにでも南に跳びかかるつもりだった。
が…動けない…

釘バットを取り出す際に見せた南の笑顔。
“すぐにでも貴方達を殺すことができるんですよ”
そんな言葉がついてきそうなあの笑みが頭に浮かび結花の心を挫く。
また、そんな自分の弱さに焦り、苛立ち、いつしか足は鉛になっていた。
“動け、動いてっ、何で動かないのっ!”

あと3メートル。

「うふふ、安全装置が掛かったままよ」
「?」
完全に南のプラフだった。
しかし一瞬、ほんの一瞬だが彩は視線を南から切ってしまった。

“ビュン”
“パンッ、パンッ!”
風切る音と自分の拳銃の発射音を聞いたのを最後に彩の意識は途切れた。


788 :「黒船来襲」:2001/05/27(日) 04:29
「明日は競馬や、ダービーやで、みすず!」
「って、ここに場外馬券売り場なんてないから買えへん…残念や」
「せやけどなー、買ってたらあたってんねん。間違いなくあたってんねん!」

「なんでそんなに自信あるかなぁ…」

「いや、ジャングルポケットはかつねん。角田、がんばんねん。とにかく、ジャンポケやねん。一番人気でもええねん。金はふえんねん。今、実はウチ生活くるしいねん。給料低いねん、うち。橘家は全然かねくれんし。いっそここで死んだほうがうちら楽かもしれへん。どうや、みすず、死なんか?」

「おかあさんといっしょ!」

「えぇ、それええで、みすず。じゃじゃ丸、ぴっころ、ぽろりやな!」

「うん、にははっ」

ともかくここでは平穏に時は流れてました。

789 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 04:31
>>788
もちっと描写きぼーん。

790 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 04:33
>>788
おいおいおい! あさひは放置?

791 :788:2001/05/27(日) 04:34
>>789

 すいません。
 全部お酒が悪いんです。
 全部ラ王がおいしすぎるのがいけないんです。
 ToHeartのビデオ見ながら書いてたのがいけないんです。(ちなみに7話)
 本当にゴメンなさい。

792 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 04:35
あさひと会う前の話ってことで良いんじゃ?

793 :訓練の作者:2001/05/27(日) 04:35
今ごろ気づいた……
>>771の最後の行、
×「(・∀・)分かった…では。」
○「分かった…では。」
でお願いします。
蝉丸が(・∀・)化しちゃダメだろ……逝ってくる。

794 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 04:58
だんだんと殺伐としてきたからこういう気の抜けたギャグ展開も
たまにはいいんじゃないの?
AIRやってないんで元ネタわかんないけどなんか面白かったよ。

795 :黒船来襲 2:2001/05/27(日) 05:01

「と、そこの、ちょっとこっちきぃ」
 急に振られて少し(というか相当)、あさひはどきりとした。
「あ、はぃ……えっと、なんでしょう?」
 そういってあさひは神尾晴子のほうにゆっくりと、物怖じするうさぎのように、寄っていった。
「あんさん、声優やっとんねんてなぁ?」
「あ、はい…。一応……」
「実況できるか?」
 あさひはキョトンとした眼で晴子の目をみた。
 晴子の目は、真剣だった。
 え、実況? なんで? というかなんでここで? それ以前に実況ってアナウンサーの仕事なんじゃ……? えぇぇぇっ?
「あの、そのですねぇ……」
「なんや? できんのか?」
 晴子がキッっとこっちを睨んで、そういった。
「ひっっ、いや、できないわけじゃないわけじゃないんですけど……」
そういうと、晴子の顔が、にかっ、と明るくなった。
「よっしゃぁ、それなら善は急げや、みすず、紙だし!」
「はい、お母さん」
 神尾観鈴はポシェットから、メモ帳とペンをだして、晴子に渡した。
「えらいっ、さすが我娘や、ちゃんとペンまでだしとる」
「にははっ、みすずちんえらいっ」

 数分間、神尾晴子は紙に向かって何かを書いていた。そして、今、
「でけたっ! 完成や!」
 今書きあげたメモ帳5枚に渡る大作をあさひの目の前においた。
「よろしくたのむでー、嬢ちゃん」

 仕方ない。そうあさひは観念して、メモ帳に眼を通す。
「では、いきますっ!」

「さあぁっ、今年もついにこの日がやってきましたーっ!」

「ストップ!」

 あさひが一行読み始めた直後に、ストップがかかる。

「へっ?」

「ちゃう、違うんや、そうやない」

「さぁ、今年もついにこの日がやってきました。って淡々と読むんや! あんたのならアイドルのコンサートみたいやないかっ!」

 あの、私、一応声優アイドルなんですけど……。
 アナウンサーじゃないんですけど……。

 ともかく、ここは平和だった。


796 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 05:13
>>黒船来襲 2

この状況で弥生さん突っ込ませて皆殺しにしてぇ、してぇよ

最高だ・・・・ 

797 :黒船来襲 3:2001/05/27(日) 05:27
 神尾晴子のアナウンサー教室が開講して、1時間。
 いまだにそれはまだ、続いていた。

「ちゃう、そうやない。もっと気合いれぃ! 今、女性実況アナなんかおらんで? あんたがその一号や! フジでも関テレでもたんぱでもテレ東でもどこでも勤められるでっ!」
 神尾晴子は、鬼コーチだった。
「あさひちゃん、ふぁいとっ!」
 神尾観鈴は何故か応援してくれいた。

 わたしは思う。
 現実を忘れるってことも大事なんだな。
 これは、きっと神尾親子の気遣いなんだな。と。

 いや、えっと、忘れちゃ駄目なことがなにかあったはずなんだけど…。

 あさひはそれが何か、思い出すことはできなかった。

 それから1時間、更にトレーニングは続いた。

 「完璧や、完璧すぎや、嬢ちゃん」
 「あ、ありがとうございます、コーチっ!」

 桜井あさひは完璧に数時間でやりとげた。
 ダービー(晴子仮想、ジャングルP勝利)の実況を。
 さすが天才声優アイドル、桜井あさひ。

 「そうだっ、忘れてましたっ!」

 「ん? なんや? あさひちゃん?」

 あさひは急にいままでと違う雰囲気にのまれていった。
 それを察したように、晴子の顔から、笑いが消えた。

 「あの、いきなり現実に戻すようで悪いのですが……。その……」

 そこで、あさひは下を向いて、その後の言葉を出すことができなかった。

 「なんや? あんたが今言うことならなんでも受け入れられるような気がするから、なんでもいい。えぇ、ウチが好きやったら抱きしめてくれてもええんや。そんかわし、観鈴おらんとこでやろなっ」

 晴子はそういって、また、笑った。そして、

 「ちょっとこっちきぃ」

 あさひの腕を軽くひっぱり、木陰にもぐりこむ。

 「ん? お母さんどこいくの?」

 応援に飽きて、近くにさいていたたんぽぽで花輪を作っていた、観鈴が2人のほうを向いてそういった。

 「ちょっとな、トイレや、トイレ、すこしまっといてーな」

 「うんっ、まってる」

 そういって観鈴はこっちにお尻を向けて、又、花輪を作り始めた。

798 :おしゃべり南さん・3:2001/05/27(日) 05:47
“パンッ、パンッ!”
「くぅっ!」
彩の放った弾丸の一発が南の右手を破壊した。
そのぶん、軌道はややずれたが釘バットは彩の首の右側をとらえた。
“ズシッ”
手応えを感じたと同時に、南の右手に激痛が走る。
が、すかさず左手に持ち替え彩の動かない頭に向けて止めの一撃を―――

その瞬間、腹に強烈な風を受けて南は吹っ飛ばされた。
そしてそれが風で無い事に気付いたときには、目の前に猛スピードで振り下ろされる踵が迫っていた。

「うぁぁぁぁーーーーっ!」
叫び声と共に跳び出した、結花の胴タックルが南を吹っ飛ばし
踏みつけが南の顔、上半身を襲う。
“グジッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ……”
眼鏡が粉々に砕け、前歯が消えた。

釘バットを握ったままの左手は砕けた骨が見えるまで踏みつけ
最後に釘バットで南の両膝を砕いた。


「彩ちゃん…彩ちゃん…」
南を再起不能状態にした結花は彩に懸命に声をかけた。
彩の首は力なく揺れ、呼吸も弱々しくなりつつある。
かけつけた芹香、スフィーにも手の施し様が無い事は明らかだった。

「…ねぇっ、彩ちゃんの絵本、まだあたし見せてもらってないよ!壁さーくるってのになるんでしょ?」
彩はすまなそうに笑い結花の手をそっと握り締めた。
「ユ…カ…サン…ゴメン…」
「ねぇ、お願い…起きて…絵本…見せてくれるって…言ったじゃない…」
結花の涙が彩の顔にぽろぽろ落ちる。
最後にもう一回結花の手を握り、彩の瞼は閉じた。
「ごめん…ごめんよぅ…彩ちゃん…」

長谷部彩 死亡
牧村南 両手、両膝複雑骨折。顔面の損傷も激しく行動不能。

残り54人

799 :黒船来襲 4(晴子、あさひパート):2001/05/27(日) 05:55
前レスの訂正。
こっちにじゃなくて、2人のほうに、です。//最終行
それでは本文
=======================
「えっ…、ええっ、違うっ…、そうじゃなくて、その、えっと…」
 あさひは顔を真っ赤にしながら、慌てふためきながら、晴子のなすがままに、ひかれていった。
「もうこの辺でいいやろ。あんまり離れすぎても、アレやしな」
 晴子は脚を止め、あさひの手を離して、
「誰か、死んだんやな?」
 晴子は続けた。
「誰や? 居候か? それとも、敬介、か?」
「……私が知っているのは、後者、です……」
 そういって、あさひは目を閉じて、頭を地面に向かって、下げた。
「えぇ、どんなことああっても仕方ない。この状況や。どんな状況で死んだ、とかそんなことはどうでもええわ。ともかく、伝えてくれてほんまありがとう。それに、私は敬介の妻やないしな。別にあいつが死にやってもあんまり関係ないんや」
 でもな、と言って晴子は続けた。
「観鈴の父親なんや。アイツは。だからな、一応や。観鈴は、アイツのこと、ロクにしらんかもしれへん。でもな、一応アイツの前ではいわんといてくれんやろうか、お願いや」
「……わかりました。でも、そのです、本当に、その……あの……わたしっ、なんといっていいか……」
 あさひの目に、涙が溢れた。
「えぇ、ほんとええから。そんかわりや、あと、もうひとつ、あさひちゃんに頼みたいことがあるんや」
「……はい」
「観鈴の、友達になったってくれんか? あの子な、ロクにいままで友達おらんねん。だから、な? これがお願いや」
「……はい、判りました……ありがとう、ございます」
 あさひが崩れ落ちそうになるのを晴子は抱きとめて、
「そろそろ戻ろうか、みすずが心配や」
 そうして2人はさっきまでいた場所に向かって歩き始めた。
「ほら、これで涙ふきや。そんな顔で帰ったら、観鈴、驚くで?」
 あさひは、晴子から手渡されたハンカチで、涙を拭いた。


800 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 05:58
ええ話や…<晴子・あさひ

801 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 06:06
南さんスクラップ?

802 :おしゃべり南さん・1〜3を書いた人:2001/05/27(日) 06:09
>>798の補足
結花、スフィー、芹香は少し離れた草原にて彩の遺体を簡易埋葬しました。
(南さんはあのまま放置>ヒデェ)

彩の武器はトカレフ(残弾僅か?)=結花、Gペン=スフィーが持っています。
釘バットは叩き折って使用不可状態。
彩の遺品である「潰れたペン先」(非支給品で彩が最初から持ってた。他への利用は不可)
を結花が持ってます。
一行はリアン、綾香を捜して散策中。

※潰れたペン先は結花が持つか和樹に渡す展開を考えてましたが
遺品の存在が不可なら無視してくださいませ。

辻褄の合わない所などありましたら指摘して下さい。
もう寝ますが(笑)

803 :おしゃべり南さん・1〜3を書いた人:2001/05/27(日) 06:14
>>801さん
感想スレ#1・711の様に
行動不能になった南さんを高槻が爆発させるところまで
書きたかったのですが…睡魔には勝てません。ごめんなさい。>ALL
あと、南さんを酷い扱いにしてすんません。>南ファンの皆様。

804 :水瀬親子マーダー化計画(w 1:2001/05/27(日) 06:16
「お姉ちゃーん、真琴お姉ちゃーん」
椎名繭(046)は先ほどまで、眠りにつく前まで一緒だった少女の声を呼びながら歩きつづける。
「真琴お姉ちゃーん…みゅー、いない…。」
あのつり橋脇の草群でずっと眠っていた繭だったが、島全体に放送が流れ、その音で繭は目を覚ました。
そして、自分が一人きりなのにきずいたのである。
「みゅー、お姉ちゃーん、ぐすっ。」
一人きりは怖くて、心細くて、でも、繭は泣くのをこらえていた。
それは面倒を見てくれた真琴が、自分の前で泣くのをがまんしているのを繭もなんとなくわかったからである。
だから、繭は泣かない。泣かないで真琴を探している。
『繭にもぴろを抱っこさせてあげる。』
そんな風にお姉ちゃんは約束してくれたのだから。きっとまた会えるはずだ。
「ぐすっ。真琴お姉ちゃーん。」
だけど、そんな風に大声をあげながら歩くことはとても危険なことで、
その呼びかけに答えた人は、真琴ではなかった。


805 :水瀬親子マーダー化計画(w 2:2001/05/27(日) 06:17
「真琴?真琴を探しているの?」
「みゅ!?」
背後から声をかけられて、繭は振り返った。
視線の先にいたのは長い髪をしたちょっとのんびりしたかんじのきれいなお姉さん。
「君は、真琴を探しているのかな?」
その声はとても穏やかで間延びした声なのに。
「みゅー…うん…」
なのに繭はその人が好きになれなかった。それはその人の髪が多少乱れている性かもしれないし、
その目が少しうつろだったせいなのかもしれない。
「ふーん。えっと、お姉さんに名前教えてくれるかな?」
その人は繭の方に近づいてくる。
「…繭…」
「繭ちゃんだね。私は名雪、名雪だよ。」
その人はそう名乗って繭のほうへ両手を伸ばす。
「繭ちゃんはなんで真琴のこと探してるのかな。」
名雪の両手が眉の頬に触れる。
「みゅー…猫さん抱っこさせてくれるって約束してくれたから…」
「ふーん、猫さん?お姉ちゃんも好きだよ猫さん。でもね、」
そのては繭の頬をなでるように下におりて。
「約束を守るのは無理だと思うな。だって…」
あごを通過して首筋へ。
「私が殺しちゃったから。」
そして、その手に力がこめられる。
悲鳴をあげようとする繭、だけどつぶれたような声しか出なく、それにもかまわずギリギリ、と名雪は力をこめる。
「真琴がいけないんだよ、私悪くないもん、あんなやつ死んで当然だもん。」
その声は穏やかなままで、その顔はとてもきれいなままで。
「繭ちゃんもそうでしょ、きっと私を傷つけるんだ。」
抑揚のない声で名雪はしゃべりつづけるが、その声はもうほとんど繭には届かない。
もう、ほとんど名雪の顔が見えない。
だけど、次第に暗くなっていく視界の中で、
横から何かが飛んできて、名雪の頭に直撃した。




806 :水瀬親子マーダー化計画(w 3:2001/05/27(日) 06:19
天沢郁未(003)は森の中を泣きながら走っていた。
葉子を探すために耕一たちのところから衝動的に飛び出して、自分のバックを引っつかんで走りつづけている途中で聞いていしまったのだ。自分の母の死を告げる放送を。
(お母さん、お母さん、お母さん、お母さん)
心の中で叫びながら、郁未は走り続ける。
もう息は上がって、足もそろそろ限界で、そもそもこんな風に無防備で走りつづける事が危険だとわかっているのに、
それなのにこんなふうに走っていなければ自分がどうにかなってしまいそうで。
(むちゃくちゃだ、私。)
今まで共に行動してきた仲間をほっぽりだし、怪我している由依のことも考えず、何のあてもなく葉子さんを探す。
『刹那的な感情で行動するべきではないよ。』
かつて少年にそういわれたのに。
(どうしたらいいの、ねぇ、どうすればいいの)
そんなふうに走る郁未は、危うくその光景を見逃すところだった。


807 :水瀬親子マーダー化計画(w 3:2001/05/27(日) 06:20
「…!!冗談でしょ!?」
一人の少女がもう一人の少女の首をしめている、その光景がとりあえず郁未の心を静めてくれた。
方向を変えてそちらのほうへ向かう郁未、だが、間に合うかわからない。
郁未は走りながら地面から手ごろな石を拾い上げると、首を締めている少女、名雪のほうに投げつけた。
ゴッ、
牽制ぐらいになってくれればいい、と思ったその石は、しかし名雪の側頭部に直撃し、そんな鈍い音を立てる。
グラリ、と体がゆれて、名雪は横向きに倒れた。
郁未はそれでも油断せずに自分のバックから手斧(未夜子があの時おいていったものだ)を取り出すと、それを構えて二人の前に立つ。
長い髪のきれいな女の子の方は頭から一筋の血を流して倒れている。ピクリとも動かない。
「うそ…殺し、ちゃったの?」
あんな石があたるとは思えなくて、自分の力加減がどうっだたかなんてもう思い出せない。
「みゅ…」
呆然としていた郁未は、その声に慌てて振り返る。
「みゅー…けほっ、けほっ」
もう一人のもっと小さい女の子の方は激しく咳き込んでいる。意識も失っていないようだ。
「あなた、大丈夫なの!?」
郁未はその子に手を差し出すが、
「みゅ!」その子は驚いて後ずさりをする。
「おびえているみたいね…無理ないわ。でも無事でよかった。」
郁未は一息つくとバックと手斧を置いて、幾分かの冷静さを取り戻してもう一度倒れている女の子の方に向き直る。そうして、その子にに手をかけようとして、その場の空気が凍りついた。
「いったいこれは何の真似かしら。」
その声と共に。




808 :水瀬親子マーダー化計画(w 作者:2001/05/27(日) 06:25
すいません、上の番号4です。
一度寝てから続きを書きます。

809 :黒船来襲 5(観鈴パート):2001/05/27(日) 06:34
 少し時間は戻る。
 神尾晴子と桜井あさひが2人でこの場から離れて数分が過ぎたときのことだった。
 神尾観鈴は相変わらず花輪製作作業を続けていた。
 そのとき、
「ワオ! なにこれー! きれー。すごくきれいな花がたくさん咲いてるヨー! ワンダフル! 素晴らしいネ! ビューティフル! これぞ、お花畑に、サクラ咲くってヤツね! もずくとは比べ物にならないほどきれいヨ! みてよみてよ、ジュン!」

 本物のマシンガンよりもうるさいと思えるマシンガントークが、近づいてきた。

「んー、シロツメ草もたくさん生えてるな、ついでに、潤ちゃんのマメ知識からいわせて貰えば、シロツメ草の花言葉といえば、「感化」だ。タンポポは「愛の神託」だ」
それがどうしたって言われたら、どうでもないんだけどな。
「ともかく、そんなのどうでもいいよ! タンポポきれいね! タンポポ! すばらしい、ホントウにスバラシイよ!」
 そういってヤンキーは草むらをごろごろ猫みたいに転がりだした。
「たんぽぽと、シロツメ草と戯れるヤンキーか。これはこれでいいのかもしれない」
 そう思ってみていたら、ヤンキーの後ろに何かがいた。
 ヤンキーとは少し違うけど、近い色の髪をした、少女だった。
 これが、運命の出会いってヤツかもしれん。ともかくにこやかに、なおかつニヒルに話し掛けてみようじゃないか。片手を軽やかに上にあげ、スキップで北川は観鈴の方に寄っていった。
「やぁ、こねこちゃん! 一緒に遊ばないかい?(そこで花と戯れているヤンキーは放って置いて)」
「おかあさんといっしょなら……」
「おかあさんといっしょか! そうか! 僕はポロリが好きなんだ、君は?」
「じゃじゃ丸」
 観鈴はそう即答した。
「で、なんでおかあさんと一緒なのかな? ん?」
「おかあさん今、ちょっとあっちにいってるの、私帰ってくるの待ってるの」
 勘違いだったか、あのお母さんと一緒だと思ったのに。これなら話題豊富だったのに!
伊達に、NHK教育番組ラヴァーだったわけじゃないのに。

北川は心底残念そうだった。

810 :一歩、前へ(1):2001/05/27(日) 06:42
 ひとりきり、悪い夢に取り残されたようで。
 自分以外はみんな敵に思えて。
 人の心なんて解らないから、怯えることしかできなかった。
 橘さんと同行しているときでさえずっと、私はいつ殺されるんだろうと思ってた。

『君は逃げるんだ。ここは僕が食い止める』

 決して折れない強さを持ったその声を聞くまでは、ずっと。

 ……今の私には、目的がある。
 彼の言葉を伝えなくちゃ、生き延びた意味がない。
 怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。
 考えちゃダメだ。何も何も考えちゃダメだ。
 立ち止まったらおしまいになる。また弱い私に戻ってしまう。
 うずくまって耳を塞ぐだけの私には、もうなりたくない。
 前だけ視て、瞳を凝らして、少しの変化も見逃さないで、走らなくちゃ。
 そして誰かが行く手にいるのなら。

「あの、あの、神尾さんという人を見ませんでしたか……!?」

 せいいっぱいの声で、信じて、聞くだけ。

811 :一歩、前へ(2):2001/05/27(日) 06:43

 突然の来訪者……あさひは、橘の伝言を受け取っただけで、死に目を看取った訳じゃない。
 それなら彼は生きているのだと、信じ込みたかった。
 あの時の爆発音は、現場から遠く離れた晴子と観鈴の元にも届いていたから。
 爆心地に居て無事なはずがない、とか。当たり前すぎる理屈はどうでもよかった。
 晴子も、あさひも、細い糸のような希望に縋って、ただ信じることしかできなかった。

 なら私たちはばかみたいにいつも通りに過ごしてやる。
 笑って、ボケて、突っ込んで、なんの変哲もない日常ごっこをあえてやってやる。
 勝手に入った他人の家でも、見知らぬ島でも、殺し合いの場だとしても。
 そうしていれば必ずあの人はひょっこり顔を出してくる。この「場所」に帰ってくる。
 照れ隠しにつまらない冗談でも言いながら。
 ここへ、

812 :一歩、前へ(3):2001/05/27(日) 06:43


「………以上だ。ペースアップしてきたじゃないか……この…調…で…」
 一帯の放送設備が、少々破壊されているのかもしれない。
 雑音混じりの、耳障りな声。
 聞きたくなかった。知らずにいられれば良かった。
 それでも、容赦なく。逃げることも許されず、事実は突きつけられる。
 彼は帰ってこない。死んだ人だから。もういないから。
 もう。
 全員が何も言葉を発せないうちに、呆気なく、その放送は終わった。
 風はやわらかいまま、空は青いまま。
 空にはまるでにせもののような太陽。
 じわじわとゆがんで溶けていくだけの虚ろな白。
 まぶしくて見ていられないから、ぎゅっと目を閉じる。
 ワンピースに、雫が落ちた。
 顔もはっきり思い出せないけれど。
 ……名前は、まだ覚えてた。

813 :一歩、前へ(4):2001/05/27(日) 06:44

「あいつ、最後まで格好付け、やったんやな……」
 たった数分の、けれど数時間にも感じられる沈黙の後、ぽつりと呟きが漏れた。
 『すまなかった』と。伝えられた簡潔な言葉はあまりにもストレートで。
 だからこそどうしようもなく、取り返しが、つかない。
 観鈴とあいつと、三人で水族館に行く約束。一緒にごはんを食べる約束。
 長年のしがらみを越えてようやく笑えるようになったかもしれない矢先。
「アホちゃうか……ホンマもんの、筋金入りのアホやないか」
 死んだらなんにもならない。前に進めない。何もない。
(ああ、アホはうちらなんかな)
 ばかみたいにはしゃいで。
 みんな殺し合っているのに、怯えているのに、ぬくぬくと日常の真似ごとに浸かっていた。
 その罰なんだろうか。
 無茶苦茶な思考展開だと分かっていてもそれでも、
「……あんまり、自分を責めないでください」
 あさひのよく通る声に、思わず顔を上げた。
 彼女は唇を噛んではいたものの、その表情には何か決意のようなものが見えた。
「橘さんは、私を、ちゃんと守ってくれましたから。
 不安で怖くてダメになりそうだった私を、この世界に引っぱり上げてくれた。
 それから晴子さんたちに会えて、私また笑えるようになりました。
 観鈴ちゃんと晴子さんに会ってなかったら、とっくに壊れてたかもしれないです。
 あなたたち家族が居なかったら、こうやって話すこともきっと出来なかった」
 ゆっくりと優しい声で、あさひは話す。子守歌のような声。
「ありがとう、って……本当に、心から、感謝してます」
 小さな花にも似た、その笑顔。
 聞く者の感情をぐらぐらと揺らす、彼女の声の力。
「あさひちゃんは、すごいね」
 ふと気づけば。
 顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらも。
「あさひちゃんは強い子だよ。わたしよりずっと強い子」
 観鈴が……笑っていた。
「ぶいっ、だね」

 声優って、ホンマに……人の心、動かせるんやな。
 せやったらうちらももう一度前見て、歩けるかな。
 諦めんと、頑張れるんかな。

814 :一歩、前へ(5):2001/05/27(日) 06:44

「……なぁ、あさひちゃん。信じてる人、おるん?
 この人だけは助けたい、この人にだけは会わないと悲しい、そんな人」
「え?」
 突然振られた急な言葉に、私は間の抜けた声を出すしか出来なかった。
「うちと観鈴にはおるんよ。ちょっとの間やけど、一緒に暮らした居候が」
「すごく面白くてね、ちょっとヘンだけど優しい人だったから」
「これからな、そいつ探してみよかー、て思いついたんや。
 どうせ誰かにやられてまうんやったら、せめて悔いなく生きたいやろ?」
「…………うん、できることしたいよね」
 唐突にも聞こえるその話の意を察したのか、観鈴も懸命に続いて話す。
 ……この子まで、覚悟を決めたんだ。
「あさひちゃんも一緒に行こう。きっと一人より楽しいよ」
「観鈴の言うとおりやで。旅は道連れて言うし」
 さっきまでの沈痛さが嘘のように、二人は明るく話す。
 気を遣ってくれてるんだ。もうこれ以上悲しくならないように、努めて元気に。
「な。ここの台所で食べられそうなもん探して、そしたら三人で行こ。
 あんたもうちらの仲間や。今さら嫌やなんて水くさいこと言わせへん」
 嬉しかった。こんなにも優しいこの人たちに会えて。こんなにも温かい言葉をかけてもらえて。
「ね、もうお友達だよね」

 そういえば。
 ファンレターをよくくれた彼は、もういないけど。
 私の事を好きだと言ってくれた彼は帰らないけど。
 その思いは残るから。
 私はその人の分まで、橘さんの分まで、出来るところまで頑張って生きようと思う。
 この家族と一緒に。

「はい。……私で、良ければ」

 頷きながら浮かんだ大事な人の姿は。
 即売会で出会った、あのひとだった。

【神尾親子&桜井あさひ チーム結成】
【第4回放送終了直後】

815 :優しい嘘:2001/05/27(日) 06:54
「………」
楓がそのままの姿勢で女を見下ろした。
――この島でこの状態ではもう助からないだろう――
それほどその人は傷ついていた。
「あら、あなた……追ってきたの?」
「はい……あの話を知っているあなたが生きているのは……都合悪いですから。」
「……そう。」
南がいつものように、笑って。
「ただね……夢を叶えたかったんですよ。私の夢をね。
こみパのような、大きな即売会を――。」
南と主催者の間で、どんなやりとりが行われていたかは分からない。
だが、南の表情は終始穏やかなまま。
「ひとつだけいいですか?どうせ死ぬんですから、どうだっていいと思います。
嘘も方便ですし。私は改心した、そう思ってくれませんか?」
楓が無表情に頷く。
「別にどうだっていいんですよ。私は……どんな理由があろうと…
ジョーカーなんですから。」
「……」
「ただ、最後には……夢を見させてあげたいじゃないですか。」
「……そうかもしれません。」
南が最後に、彩の最後に果てた場所を一瞥し――。
傷つきすぎたその表情は、もう楓には分からなくて。
「殺るんでしょ?どうぞお好きに。この状態じゃ、どうせ助かりませんから。
このまま生き長らえてもつらく、痛いんですよ……。」
本当に最後まで変わらぬ口調。
「はい。」
楓の鉄の爪が光る。
「和樹さん達にも嘘をついてくださいね。」
ドシュッ!
同時に楓の爪が南の胸に深く食いこんだ――。

(……本当は誰よりも哀しい女性だったのかもしれませんね。)
楓は南と、もう一人の女性の亡骸に会釈して、また森へ消えた。

080 牧村南 死亡

   【残り53人】

816 :優しい嘘ラスト:2001/05/27(日) 07:10
スミマセン、知ってたんですがついつい指が勝手に……
最後の一行
×楓は南と、もう一人の女性の亡骸に会釈して、また森へ消えた。
○楓は南の亡骸に軽く会釈して、また森へ消えた。

ということで。彩は埋葬されてるんで直していただけると幸い。

817 :relay:2001/05/27(日) 13:06
あれから、しばらく。
江藤結花・来栖川芹香・スフィーの間には、何とも言えない重い空気が流れていた。
この島に来てからまだ人が死ぬ場面を見てこなかった3人にとって、長谷部彩の死は
苦楽を共にしてきた仲間の死という事実以上に、受け入れがたい現実として3人の胸に
深く刻み込まれていた。

うつろに歩く3人の進む道、その道の脇に、一人の少女は息絶えていた。
もう何度も見た光景。
これまでなら無視して通り過ぎるのだが、その少女の横顔を見た結花が、
「あっ、この人…」
ゆっくりと歩み寄り、顔をのぞき込む。
「やっぱり…、そうだ」
静かにつぶやく。
「昨日の夜中、私を斬りつけようとした人」
深山雪見の事だった。ただ、結花も他の2人もその名前は知らない。

結花は、昨日の出来事を思い出していた。
あの時は、切羽詰まった表情で、私にサバイバルナイフを向けていた少女。
でも今の表情は、どことなく穏やかで、落ち着いた感じ。
そこに、少しだけ救いを見た気がした。
「この子も、誰かに殺されたんだ…」
「………」
「もう、私たちには止められないのかな。このゲーム」
「そんなことないよ」とスフィー。
「私、許さない。このゲームを動かしている人も、それに乗って人殺しをしている人も。
だから、早く結界を解こうよ」
「うん」
「………」

すぐ近くに生えていた花を2,3本ちぎり、そばに手向ける。
脇に落ちていたライフルと、荷物を手に取った。
「誰が殺したか解らないけど、この仇は私たちが取ってあげる。きっとね」
「………」
「そうだね。ゲームを早く終わらせよう」
3人はゆっくり立ち上がり、決意も新たに歩き出した。

# 深山雪見の持ち物のうち、防弾チョッキ(雪見が身につけていた)以外の物が移動。
#  江藤結花=アサルトライフル(マガジン含む)・デザートイーグル
#  来栖川芹香=100円ライター・ドラゴン30連花火・ジッポオイル入り水風船
#  スフィー=サバイバルナイフ


818 :水瀬親子マーダー化計画(w 5:2001/05/27(日) 15:31
「誰・・・なんですか・・・あなたは。」
声がかすれてうまくしゃべれない。
足が震えてうまく立てない。
手斧を拾って構えようとするけれど、手が汗ばんでうまく行かない。
それは恐怖、威圧、戦慄。
目の前の女性・・・少女とはいえないが中年というにはどこかためらわれる、そんな美人の人に郁未は圧倒される。
「聞いているのは私よ。一体これは何なのかしら?」
その人は頬に手を当てて、微笑みを浮かべたまま聞いてくる。
なのに、恐い。死んだ方がましだっておもえるくらい恐い。
それは繭も同じ事だった。地面に座り込んだままガタガタ震えている。
「正当・・・防衛です。」
この人を納得させるような弁明ができなければ、おそらく自分は死ぬ。
その認識が郁未の口を開かせる。
この状況下でそれが出来るというのは、賞賛に値するといっていいだろう。
「この人は、この女の子の、首を絞めていて、私は、それを、止めるために。」
その時、ガリッ、という音とともに、女性の指がその頬に食い込んだ。


819 :水瀬親子マーダー化計画(w 6:2001/05/27(日) 15:32
「そう・・・了承しました。それは災難だったわね。」
その微笑みは消えることなく、けれど頬に赤いものが滴って。
「名雪もまいっていたから・・・ひょっとしたらこんなことになるかもしれない、とは思っていたわ。」
頬に食い込む指はぎりぎりと音を立てて徐々に下に降りていく。その女性の美しい顔を汚していく。
まるで、その部分だけが他から貼り付けられたような光景。
「なのに、一人にしてしまって。だめな母親ね、私。」
「母・・・親?」かすれた郁美の問いに、
「けどね、あなただって悪いのよ?天沢郁未さん。」その人はそう応える。
徐々に郁未との距離を縮めながら。
「なんで、私の、名前・・・」
「あら、あたったの?」
その人はちょっと笑って。
「そっくりだもの、母親に。」
「お母さんに!?あったんですか!?」
「ええ、あの人がいなければ私もすぐに名雪の後を追えたのですけどね。」
そこで、その人はぱっとしゃがみこんで何かを拾ってそれを郁未の方へ投げつけた。
郁未はすんでのところでそれ、石、をかわす。けどそれでそのひとを一瞬見失ってしまって。
「ひっ!?」
横手の風きり音に、郁未は悲鳴とともにしゃがみこむ。
その上を小太刀が通過して、それをかわしたと認識するよりも早く、低くした郁未のあごに蹴りが飛んだ。
「ぐあっ!?」蹴り飛ばされる郁未。
けれどそうされながら反射的に郁未は手斧を横に振った。
手斧を手放さなかったのは奇跡といっていい。
その動きは女性にとっても多少の驚きではあったのだろう。
軽く後ろに飛んでそれをかわし、郁未との間合いをあけた。
(殺される、私殺される、なんで知ってるのお母さんの事、殺される、お母さん、私殺される、お母さんひょっとしてこの人に、)
恐怖と疑問で郁未の頭は飽和寸前。そして、
「あら、母親よりは反応はいいようね。」
その声で郁未の頭は真っ白になった。


820 :水瀬親子マーダー化計画(w 7:2001/05/27(日) 15:35
「あの・・・お母さんの・・・ことなんですけど・・・」
秋子は郁未の声に今までと違う響きがある事に気づいた。
「あなたが、お母さんの事、殺したんですか?」
途切れ途切れに郁未はそういいながら、しゃがみこんで前に手をつく。
秋子は郁未の問いに、「ええ、そうよ。」と応えた。
未夜子に与えた傷が致命傷のものだったとは思えないが、死んだという事はそういう事なのだろう。
「そうですか・・・」
郁未はしゃがんだまま腰を上げて、極端な前傾姿勢をとる。
それは、クラウチングスタートの姿勢に良く似ていた。違うのは手に斧を持っているという事だけ。
「あなたが、殺したんですね。」
その声に秋子は自分が震えている事に気づいた。
(おびえている?私が?)
「あなたがああああああああ!!」
裂ぱくの気合というには猛々しすぎる雄叫びを上げて、郁未は放たれた矢のごとく飛び出す。
その加速に乗った手斧の一撃は、
重く、強く、速く。
ギィインッという激しい音、
飛び散る火花、金属破片、
ガードした秋子の小太刀はいともたやすく破砕する。
それでも、秋子はその渾身の一撃をかろうじて流す事に成功した。
それで、小太刀は手から跳ね飛ばされてしまったけれど。
突進の勢いで激突する両者。
秋子は痛んだ手で、2撃目が来る前に郁美の手首をつかんだ。
ギリギリギリと互いの歯ぎしりが聞こえそうな距離で、両者は腕に力を込める。睨み合う。
とても醜い顔、秋子はそう思った。
怒りと、恐怖が郁未の顔を醜く歪めている。
自分もきっと同じような顔をしているのだろう。
いまや、二人は対等だった。
対等な力量。
対等な恐怖。
対等な威圧。
対等な怒り。
対等な憎悪。
「私は・・・あなたを・・・死んでも・・・殺したい。」
食いしばった歯のあいだから郁未はいう。
それは私も同じよ。秋子は声に出さずそう応えた。
そう、その殺意も対等。
そのような二人が戦うならば、
(どちらかは必ず死ぬわね?郁未さん。)
けれど、次の郁未の声は秋子の予想に反したものだった。


821 :111:2001/05/27(日) 17:44
かなしいなぁ・・・なぁ#5

822 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 19:30
このスレッド大きすぎます
だってさ

823 :名無しさんだよもん:2001/05/27(日) 21:16
新スレはこちら。

葉鍵ロワイヤル!#6
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=990948487


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