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葉鍵ロワイアル!#4

1 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 04:57
基本ルール 、設定等は前スレ熟読のこと。


・書き手のマナー
 キャラの死を扱う際は最大限の注意をしましょう。
 誰にでも納得いくものを目指して下さい
・読み手のマナー
 自分の贔屓しているキャラが死んでも、あまり文句は言わないように。
 ただ、あまりにもぞんざいな扱いだった場合、この範疇ではありません。

前スレ
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=990070115
今回のデータ
http://hakagi.net/up/hakarowa.htm
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/1168/index.htm

2 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:02
とりあえず新スレおめでとうage

3 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:03
名スレの予感

4 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:05
とりあえず当面の問題。

聖のルートをどちらにするか。
秋子の話を誰か書き直す人はいるか?

詳しくは前スレ参照。

5 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:07
それより、スフィーを早く出した給え!
チミィ

6 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:07
月島(兄)の話なら今書いてる。
(ちと展開は違うが)

7 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:14
前スレ>>734の続きなら、展開違ってもオッケーでしょう。

聖のは、次に「浩之orマナ」書く人まかせでいいんじゃない?
「マナが怪我しているor浩之が目を覚ます」なら、全直しルート
「マナが元気or浩之もいきなり目覚ましてる」なら補足ルート

というわけで、次にこの二人のどっちか書く人は、どっちの流れをくんだか記入して欲しい。

8 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:21
あと、展開が進み過ぎてるキャラは若干溜めが必要かも。
ただの個人的意見だけど。

9 :6:2001/05/21(月) 05:38
前スレの>>832(秋子、月島兄)の展開に疑問&新キャラ登場を兼ねて書いてみた。

喫茶店から飛び出した秋子を見失った月島拓也は小さな藪に足を踏み入れた。
(ここに誰かいる…)
電波使いとしての感覚が敵(秋子)はここにいると告げている。

さくっ、さくっ、さくっ
膝まで生えた雑草を踏みしめて標的に向かう拓也。
所詮相手は棒っ切れを持った女、自分の優位は動かない。
「瑠璃子…瑠璃子、僕等以外は皆殺しにしてやるよ…」
どろりと濁った笑みを浮かべ右手のマグナムに目をやる。
弾も充分ある。
(あいつを殺してから喫茶店内の面子も…ククク)
その慢心が足元への注意を怠らせた。

「ガチィィーーーーーーーン!!」

「っーーーーーー!!」
骨をも砕く鈍い音と苦悶の声が響きわたる。
拓也の右足に食らいつく大きな鉄の爪…それは熊狩り用の罠だった。
「ぅぁぁぉぉぉ…」
マグナムを捨て両手で懸命に鉄の爪を外そうと試みる拓也。
しかし襲いかかる激痛にそれもままならず、くぐもった悲鳴だけが口から漏れる。
爪は脛の骨も砕きそうだ。
「痛いんだ…瑠璃子…兄さんを助けて瑠璃子、ルリコ、ルリコ…」
“ビキッ“
脛が爪に砕かれた瞬間、拓也の意識は途絶えた。

間もなくしてハンチング帽をかぶった長身の女が失神状態の拓也に近づく。
“ズドン!”
右手に持った散弾銃で拓也の頭を吹き飛ばしたその女は亡骸から銃と弾を奪い
改めて胸に向けて駄目押しの一撃を放った。

外した罠を拓也の服で拭い終わり、リュックに仕舞いながら篠塚弥生は呟いた。
「喫茶店ですか…由綺さんも居るかもしれませんね…道案内を頼みますよ」
その呟きは少し先の藪に身を潜めている秋子に向けたものでもあった。

…月島拓也死亡 残り78人?(聖さんは氏んだのなら77人)


10 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:51
月島兄は死んだか……
これだけだと、弥生が見境なくやる気になってるのかどうかわからんな。
次の書き手さんはどっちにするんだろ。

11 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 05:53
と、どっちのルートでも聖は死んでるので、
【残り77人】だね。

12 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 07:24
おお! 朝になったら次スレになってる! びっくりだ。

13 :つり橋の死闘1:2001/05/21(月) 07:52
「ほれ、もう元気だしぃ!?」
由宇(007)が横にいる少女に声をかける。
「……ん……」
詠美(011)は力無くそう答える。
先刻からこの繰り返しだ。
(まあ、無理も無いか。詠美にはちょっと刺激が強すぎたかもなぁ……)
由宇が顔をしかめる。
もちろん由宇だって恐くないわけじゃない。
白衣の女(石原麗子)との戦いのときは無我夢中だった。
今も詠美が横にいなければへたり込んでしまうくらい足が震えそうだ。
(まあウチが弱音吐いたらこのコ、もっとおびえてしまうしなぁ。)
おもわず苦笑する。いつもよりはちょっと硬い由宇の笑い。
「どうしたの……?」
普段なら悪態のひとつでもつきそうな詠美だが、素直に由宇を覗き込む。
「ん…?ああ…まあ、いろいろな……」
(いつもこんだけ素直なら可愛いんやけどなぁ。)
「ふみゅ…」
「えーい!女々しいわ!いつまでもグズっとらんと、しゃんとしい!」
思わず一喝。……思わずおびえた子猫のように身体を縮こめる。
(あ、しもた……ついいつもみたいに怒鳴ってもうた。いかんなぁ)
だが、いつもみたいな台詞が吐ける分、由宇の緊張は和らいだようで……

「さあ、帰る準備するで。」
「えっ……帰れ…るの…?」
「いや、すぐには無理やろうけどな。」
「ふみゅ〜」
「まずは和樹達を探そか?あいつはああ見えて肝の座った男や。
ウチが認めた男や。きっと何とかしてくれるはずや。」
「ほんとに……?」
(あかん、こいつおとなしいとめっちゃかわいいな……)
女同士なのに――火照っていく顔を隠せない。
「そうや。おっ、見てみぃ!釣り橋やで!」
由宇の視線の先、大きな谷があった。
下には轟々と音を立てる激しい流れの川。
「絶景やなぁ…ていうか、この島なんでもそろっとるな…」
そんな場所だからこそ、敵はこの島を指定したのかもしれない。

14 :つり橋の死闘2:2001/05/21(月) 07:54
「とりあえず渡ってしまおか。」
「な、なんか落ちそうなつり橋よね……」
「まあ、落ちても多分死なんやろ。運が良ければ無傷かもしれんで。」
川のながれは早いが、深さはそれほどなさそうだ。
「運が良ければって……パンダぁ〜」
「冗談やっての…」
二人は慎重に歩を進める。
歩くたびにつり橋が揺れて、結構スリリングだ。
「ふみゅ〜ん!」
「ええい、騒ぐな!うっとおしい!」


「そこまでよ……」
突如聞こえた声。川の流れにかき消されそうではあったが、幻聴じゃない。
「ひっ!」
詠美が息を飲む――。
「動かないで。動くと―――撃つわよ。」

前方から姿を現したのは深山雪見(096)であった。
すでに手にはマシンガンが握られている。
(なんや、なんでこんな時に!)
由宇が詠美よりわずかに一歩前で静止した。
感覚で銃の位置を確かめる。
――ある!
お尻に感じる異物感。すぐに取り出せる。
問題はすでに臨戦体勢の相手側である。
もはや指をクイッとひねるだけで、二人ともタンパク質の塊になってしまうだろう。
とても銃なんて抜いている暇はない。

ぎゅっ!!
詠美は由宇の上着の裾をつかんで震えている。
(あかん、絶体絶命や!)

15 :つり橋の死闘3:2001/05/21(月) 07:55
雪見は徐々に間合いを詰めていき、つり橋の上までやってくる。
雪見は銃の扱いに関しては素人。
マシンガンではずすなんてことはそうそうないだろうが、
確実に仕留められる…かつ反撃をくらいにくい位置まで間合いを詰める。
「……」
そして一定の位置で止まった。
「もう一度言うわ。動いたら…殺す。」
なんて殺気や……!!由宇の背筋を冷や汗が伝う。
「聞きたいことがあるのよ……」
そう言いながらも二人を狙うマシンガンはそのままだ。
「ひっ!!」
恐怖に耐えきれなかったのか、詠美が後ろへとしりもちをついた。
あまり丈夫ではないであろうつり橋が大きく揺れる…!!
「くっ!」
(あかん!!)
雪見はいったんバランスを崩しかけたが、すぐにこちらにマシンガンを向けなおした。
そのとき由宇が総毛立つほどの殺気を感じた。
イヤな予感といったほうが正しかったのかもしれない。
「スマン……詠美っ!!」
由宇は思いっきり詠美を蹴り飛ばした。
「……あうっ!」
詠美が弾き飛ばされ、川へと転落していくのと、マシンガンが火を吹いたのは
ほとんど同時だった。

ドルルルルルルルッ!!

由宇の眼前を赤い光が通りすぎる――!!

「……くっ!!」
慣れない重火器、揺れる足場、再度大きくバランスを崩す雪見。
「つぅ!!」
由宇の左腕を弾がかすめる。だがそれだけで済んだ。


16 :つり橋の死闘4:2001/05/21(月) 07:56
雪見は携帯していたもうひとつのライフルを由宇に向ける。
……だが、由宇もまた背中に装備していた拳銃を手に雪見へと狙いを定めていた。
「……!」
ギシギシギシ……
つり橋の揺れる音がやけに耳に響いた。
「形成逆転やな…」
別に逆転はしていない。だが、ほぼ互角の状況まで持ちこめたのは奇跡なものだ。
由宇は精神的に優位に立っていた。

「へへ、お姫様を守ってつり橋の上で決闘…漫画の主役になったみたいやな…」
自嘲気味に吐き捨てる。

―――自己犠牲なんてまっぴらだった。詠美も自分も和樹達も…
   またみんなでコミパで騒ぐんやって、
   そう思っとったのにな…

「……私はまだここで…死ねないのよっ!」
雪見がそう叫ぶ。二人の指がトリガーを引くその刹那…

バキバキッ!

つり橋が音を立てて崩れ落ちた。
「なっ!」
すでにもろくなっていたロープに、先程の雪見のマシンガンの弾が当たった…
その結果だった。


……ゴボゴボゴボッ!
水の中で由宇がもがく。思った以上に流れがはやい。
なんとか体勢をたてなおして岸に……

背後に黒い影がよぎった。
ざしゅっ!
背中に挿入される異物感。
ゴボッ!
大量の息が泡となって水面へとのぼっていく。
その中に血が混じっていた。

17 :つり橋の死闘5:2001/05/21(月) 07:58
ザバァッ!

気力を振り絞って岸へとあがる。
「ごぼっ!げぼっ!」
由宇の口から水と、大量の血が溢れ出す。
「なんやこれ……?…なんやこれはっ!!」
ごふっ。叫んだ拍子にまた血が口から溢れる。
背中が熱い。やけるように熱い。
それなのに、自分の背中の感覚が感じられなかった。
「そっか…ウチ…やられたんか…」
なんとなく自分の置かれている状況を理解する。
「えいみ、…アカン、ウチじゃ漫画の主役にはなれんかったわ。
こんなところでやられたりせえへんもんな。」

(パンダのクセにでしゃばるからよ!)
詠美の幻聴が聞こえる。
(大きなお世話や、大バカ…)
そして由宇の意識は闇の底へと消えていった――。


ザパァッ!
ほどなくしてまた水面に顔が上がる。
雪見だった。
「……」
ライフルは肩に下がっていたが、サブマシンガンは捨てていた。今頃は水の底だろう。
銃と共に心中するのは当然雪見の本意ではない。
由宇の姿を確認してからゆっくりと歩み寄る。
そして、彼女の背中のサバイバルナイフを引きぬくと、
「私はまだ……やることが残ってるのよ……!」
ゆっくりと崖上へと歩きはじめた。


011 大庭詠美  行方不明
007 猪名川由宇 死亡

  【残り076人】

18 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 08:09
あ、遅かったか。最後だけ載せる。自己満足スマソ。反映しなくていいからさ。

「なぁ…詠美、ひとっつだけ頼みがあんねん…」
「バカぁ! 最後みたいなこと言ってんじゃないわよぉっ!」
「ウチの部屋、な、再販したばっかの新刊でいっぱいなんや…
 ついでに長年買いためた乙女のたしなみで埋まっとる。
 ブックマークも消してへんし、HDにはアレな画像かていっぱいや」
「何よ、なによ、そんな話聞きたくないんだから! 聞きたくなんか、」
「――ええから聞きや詠美」
「ふ、ふみゅ……っ」
「いっぺんだけや、いっぺんだけ言うからよう聞き。
 ――――『積み荷を、燃やしといて』」

――こんな感じで。最後まで同人屋らしく。ダメか。ダメだな。逝ってきます。

19 :17:2001/05/21(月) 08:17
>>18
ソレイイ(・∀・)!!
そんな感じのも入れてしまえば良かった。

20 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 08:22
>乙女のたしなみ

要するにやおい本か…


21 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 10:28
 朕深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置を以て時局を収拾せむと欲し、茲に忠良なる爾臣民に告ぐ。

――――。

朕は時運の趨く所、堪へ難きを堪へ、忍ひ難きを忍ひ、以て万世の為に太平を開かむと欲す。


――――。

宜しく挙国
一家子孫相伝へ、確く神州の不滅を信じ、任重くして道遠きを念ひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし志操を鞏く
し誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらむことを期すべし。爾臣民其れ克く朕が意を体せよ。


…………。

「これ、もしかして伝説の魔術書!?」

Sphie=rim=Atwaria=Crierことスフィーは、支給品である用紙と睨めっこしていた。



22 :継ぐ者(1/1):2001/05/21(月) 11:25
「つ……」
 応急処置――と言っても、傷口を消毒して包帯を見様見真似で巻いただけだが――を終えたマナは、
浩之の武器を積めこんで重くなったディパックに聖の応急処置セットをしまい込むと、よろよろと立ちあがる。
 つま先を地面にニ、三度打ちつけて感触を確かめる。――大丈夫。これなら歩ける。
「じゃ、霧島センセイ、私行くね。もし、妹さんに会えたらここに連れて来るから。約束する」
 マナは、冷たくなった聖の方を向かずにそう語りかける。聖の姿を再び見たら、また泣いてしまいそうだったから。
「それと、センセイの応急処置セットとメス借りていくね」
 声が震えるのを必死で抑えて、マナはそこまで言うと、未だ意識を取り戻さない浩之の方へ歩み寄る。
「……すっごく憎いけど、私は医者の助手だから無抵抗の相手を殺したりは……しないわ」
 意識を失ってる浩之を見下しながら、マナは冷たく言い放つ。
「その代わり、しばらく大人しくしていてもらうけどね」
 ふん、とマナは鼻をならす。見れば浩之は、両手両足を縛り付けられてる。
武器没収と身動きを封じること。それが、医者の助手であるマナに出来る、精一杯の報復だった。
「じゃあね。しばらくそこで自分のやったことを反省しなさい。……改心したって、許してあげないけど」
 そういうと、マナはまだ痛む足を引きずるように歩き出す。――さぁ、行こう。
お姉ちゃんや、藤井さんと会うために。霧島センセイの妹さんと会うために。
 風が、マナを後押しするように優しく吹きぬけた。

23 :22:2001/05/21(月) 11:32
聖ルートですが、とりあえず上のように書いて見ました。
前スレ879のルートで、聖死亡、マナは足に怪我、浩之は即効性の薬で眠っている、という状況です。

マナは浩之の武器(ボウガン、ナイフ、銃)を没収した上で、両手両足を縛って放置。
聖の応急処置セットとメスを借りて、この場を去ってます。

浩之は意識を失ったまま(ひょっとしたら、寝たふりをしてるかもしれませんが……)。
浩之が誰と遭遇するか、またその時どう状況を説明するかは他の人におまかせするということで。

もし、問題無ければこれでお願いします。

24 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 11:41
沢渡真琴(045)は暗い森の中を歩いていた。
先ほど祐一と遭遇したのはいいが、気が動転してパチンコ玉を撃ってしまった。
「あうー、何であんなことしたんだろ…」
自分でもわけがわからなかった。
初めて知人に出会ったというのに、自らその接触を避けてしまった。
「ぴろもいっしょにここに来たと思ったけど気付いたらいなくなってるし、これからどうし…
と、そのとき突然真琴の髪の毛が後ろにすごい勢いで引っ張られた。
「ぎゃー、イタイイタイ!なにすんのよー!」
「みゅ〜」
その髪の毛を引っ張った人間は椎名繭(046)であった。
「何!なんなのよあんたはいったい!」
「みゅ〜」
「『みゅ〜』じゃないわよ!!
 それにしても痛いわねー、髪の毛抜けるかと思ったじゃない!」
半泣きになりながら真琴が文句を言う。
「みゅみゅ!」
それに対して、何も悪ぶれずに繭はうれしそうな顔をしている。
知人と似た髪形の人を見つけて、ついいつものようにしてしまったのだろう。
「何よ、私とやる気なの?」
「みゅ?」

はたしてこの少女は今回のこのゲームの趣旨を理解しているのだろうか。
なんともいえない表情で、真琴を見つめ返してくる。
「ま、まぁいいわ。見逃してあげるから、さっさとどっかに行きなさいよ」
「みゅ〜」
まったく移動しようという気配のない繭
「…いいわよ、私が他のところに行けばいいんだから」
そして、振り向き、その少女から離れようとした。
十数歩歩き後ろを振り返ってみるとぴったりとくっついてきている少女の姿があった。
「なによ、ついてこないでよ」
「みゅ〜」
悲しげな声で繭が答える。
「そんな声出したって知らないんだから」
なおも悲しげな表情で真琴を見つめる繭
「う、うう…わかったわよ!ついてきたければついてくれば!」
「みゅ〜!」
とたんに繭がうれしそうに答える。
「なにかあっても知らないんだからね!」
と言いながらも真琴のほうもまんざらそうではなかった。

25 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 12:20
まさか民間人が、戦闘のプロに向かって
白兵戦をうって出るとは思わなかったのだろう。
晴香の大胆な行動に、兵士たちが浮き足立つ。
「ぐあっ!」
「ぎゃっ!」
不用意に立ち上がった二人が、まず、智子の銃弾の餌食になる。
「ぐはっ!」
そしてもう一人、晴香の白刃の露となる。
「ちっ!」
残った兵士が、晴香に対して銃で牽制しながら逃げていく。
「待ちなさい!」
…その先には、あかりが身を潜めている防風林があった。


突然の人の気配に、体をすくめる。
「…誰?」
…晴香さんだろうか。それとも保科さんだろうか、それとも…

ガササッ!

「ひっ!」
果たして、そこに現れたのは、銃を構えたいかつい「男」だった。
「いやぁぁぁぁぁっ!」

26 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 12:21
対峙する、晴香たちと兵士。
その兵士の腕には、
「ううぅ…いやぁ……やだぁ…」
言葉にならないうめき声をあげながら、もがいているあかりの姿があった。

「これ以上近づけば、この女は殺す!」
…最悪の展開だ。これではうかつに手が出せない。
それに、いまのあかりの不安定な心に、
乱暴な「男」という存在は、とてつもないダメージを与えかねない。
晴香も、智子も、身動きがとれなかった。

しかし。その緊張を破るものは突然現れた。

「あかりさんをいじめる人は、ゆるしません!」
そんな台詞のわりにはノンキな声が、あさっての方から聞こえた。
「とうりゃ〜っ」
ひでぶりゃ!
もんどりうって倒れる兵士。

…晴香と智子は、目の前の出来事にしばし言葉を失った。

27 :結界(1/3):2001/05/21(月) 12:22
「たしかこっちです、南さん。」
「魔法の力ってすごいわね、私は何も感じないわ。」

リアンと牧村南は人目を避けながら結界の拠点である社を目指していた。
社さえ壊せば魔力が戻る、そうすればいくらでも脱出方法は考えられる。

「ところでリアンちゃん、あなたのほかに魔法を使える人っているのかしら?」
「えっと、スフィーっていう私の姉さんと、牧部なつみさんは使えます
後こっちの世界の人間もごくまれに魔法を使える人がいるようです。」
「そういえば最初に全員が集められたときに魔法使いっぽい格好をした子が
いたわね、マントに三角帽子の子。コスプレかしら?」
「あの人は魔法が使えるはずです、魔力を感じました。…あ、そろそろ社に
着きますよ。」

この強い結界の力は社のすぐ近くにまで来ているという事だろう、もうすぐだ。

「ちょっと待ってください、南さん。」

リアンは南を小声で制した、向かう先に人がいたのだ、しかも二人。
敵意を持つ人とは出来るだけ接したくない、相手に敵意がなければよいのだが
何しろ一人は竹槍を持っている、危険かもしれない。しばらく様子を見よう。
二人はどうやら同じ社に向かっているようだった。
ところで何で二人とも防空頭巾をかぶっているのだろう?

28 :結界(2/3):2001/05/21(月) 12:22
「舞、こっちでいいの?」
「大丈夫、悲しそうな力を感じる。」
「ふえ〜、舞はすごいですね〜。」

二人の声はどうやら友人同士の会話のものだった、防空頭巾を少し脱いでいる
女の子はのんきそうな声をあげているがそれはもう片方の女の子を信用しているためだろう。
ただもう一人はわからない、魔力を感じるので結界を感じているのだろうが手作りらしい武器
を持っているという事はやる気になっていると言う事かもしれない。
もしかして、のんきそうな声はもう一人の緊張をほぐそうとしてのことなのかもしれない。
それにしても場違いなほどのんきな声だ。
そしてここにものんきそうな声の主がいた。

「リアンちゃん、あの二人は大丈夫よ、向かうところも一緒みたいだし
協力してくれる人は多い方がいいんじゃないかしら?」
「!南さん、いつの間に。」
「いいじゃないですかそんな事、あの〜、ちょっとよろしいですか?」

後ろに待たせていたはずの南は気付かないうちにリアンを追い越して
二人に声をかけていた

29 :結界(3/3):2001/05/21(月) 12:23
「ほんとの魔女さんに会えるなんて佐祐理感激です。」
「…まほうつかいさん。」

二人の名前は 川澄舞 と 倉田佐祐理 といった。
結界の力を感じている少女がいたために二人はリアンが魔法使いであると言う事も
割とあっさり納得してくれた、やはりこの少女は魔法使いの資質があるらしい。

「魔法使いさんはほうきにのってお空を飛べるんですか。」
「見てみたい。」
「私も聞きたかったの、変身用のステッキはどこにあるの?」
「あの、空を飛ぶのはちょっと今は無理ですし変身は高度な魔法なんで私にはまだ…」

リアンは夢見る少女(?)たちに質問攻めにあっていた、みんなの目が輝いている。

ドンッ!!!

しかし突然の大音響と線香に質問会は中断させられた。

「きゃっ!」
「どうしたの?」
「向うのほうからです、社のほう!」
「また同じ、悲しい力…」

リアンは慌てて走り出した、何が起こったかわからないが急いだほうがよい、直感が告げている。
少し走ると開けた場所に出た、目の前には古びた社があった。そしてその前には。

「姉さんしっかりして!」

三角帽子とマントを身に着けてぐったりしている黒髪の少女と、それをかかえる同じ顔の少女がいた。

30 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 12:31
まだ誰も出してなかったので、
マルチを出してみた。

東鳩キャラで固めてしまってスマソ。
できるかぎり見せ場を作るようにするんで、
かんべんしてほしいっす。

31 :111:2001/05/21(月) 12:57
書き手に一定以上の水準の文章を求めてるなぁここ。
スレが良質になっていいんだけど。
……スタロワが面白すぎたのかな(汗

32 :目覚め(1/3):2001/05/21(月) 13:08
「どこなんだよ…ここは…」
 前方に広がるのは果てしない闇。
 いや、前だけではなかった。
 右も、左も、後ろも、足元や頭上を見てもそこは闇しか広がってなかった。
 前に…いや、前に進んでいるのかどうかもわからなかったけど、俺は歩いた。
 どれくらい歩いただろう、ふと周りを見渡してみると、そこはこみパ会場だった。
(そうか……早くスペースにもどらないと…)
 サークルの位置は覚えていた。間違うはずが無かった。そこにいるのは目印となる赤い髪の売り子。
「悪い、遅れた」
 俺は後ろを向いて作業している瑞希に向かって声をかける。
「もー、遅い! 何やってたのよ」
 こちらには向き直らずに瑞希は返事をする。
「いや、ちょっと寝坊してさ。まあまにあったからいいだろ、手伝うよ」
 そう言って俺は瑞希の肩に手を置いた。
 だが瑞希は何の反応もしない。
「おい、瑞希、怒ってるのか?」
 動きを止めた瑞希に問い掛ける。
 何の反応も無い。
「おい、瑞希ったら!」
 俺は瑞希の肩を揺さぶった。
 瑞希は抵抗することもせず、ただ力の流れに身を任せ、前に倒れた。
「瑞希……?」
 俺は瑞希の顔を覗き込む、その目には生気が無かった。
「おい! 瑞希! 瑞希!」
 やばい…はやく医者に見せないと…。
「どうしたのだまいぶらざー」
「大志か、いいところに来た、医者を呼んでくれ!」
 俺は大志のほうに向きなおる。
「無駄だ、もう死んでいる。我輩が殺したのだよ」
 そこには大志の姿は無く、ただ声だけが響いていた。
「おい、どう言うことだ、何で殺したんだよ、大志!」

33 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 13:08
>>26の最後に出て来たのがマルチってことね。

ところで、>>24、美汐はどうなった。
あれから真琴は逃げたってことでいいのかな?

>>29は、来栖川姉妹か。

34 :目覚め(2/3):2001/05/21(月) 13:08
 目が覚めたとき、俺は一人だった。
 何かとても嫌な夢を見ていたようだ。気分が悪い。
 ほんの少し痛みが残る腹を気にしつつも、時計で現在時刻を確認する。
(かなり眠ってたな……)
 俺が眠っていた時間。それは殺し合いの最中においてどれくらいの意味を持つのだろうか?
 多分、俺が寝ている間にたくさんの人が死んだのだろう、俺がその中に加わっていないことはものすごく運の良いことだと感じる。
 俺はよろよろと体を起こすと、バッグを拾い歩き始めた。
 とりあえず顔を洗いたい。

 少し歩くとすぐ川についた。
 顔を洗った俺は、近くに奇妙なものが落ちているのを見つけた。
 支給品のバッグだ。
 誰かが川に落としたのだろうか?

 「パンダ……待って…」
 俺がバッグを拾い上げたとき、近くから声が聞こえた。
 近くの茂みの中にいたのは、
「詠美!」
 大庭詠美(011)だった。

35 :目覚め(3/3):2001/05/21(月) 13:09
「ん……」
 大庭詠美が目を覚ましたとき、目の前にあるのは屋根だった。
(あれ……私……橋から落とされて…どうなったんだっけ……)
「気づいたか、よかった…」
 横で和樹が安堵の息をついた。
 詠美は和樹の姿を確認したとたん、和樹に抱きつき、大声で泣き始めた。
「うわぁぁぁぁぁん、和樹、和樹ぃっ!」
 いつもの気丈な態度はそこに無く、ただ自分の胸に顔をうずめて泣く詠美を見て和樹は、よほどつらい思いをしたんだな。と思った。

 数分後、ようやく泣き止んだ詠美は、自分に起こった出来事を和樹に話していた。
 スタートしてすぐ、白衣を着た女に襲われたこと、それを由宇が助けてくれたこと、二人がつり橋で襲われたこと、そして由宇が詠美をつり橋から落としたこと。
(そうか、由宇は詠美を守ったんだな)
 そう考えたとき、涙が出てきた。
 自らの身を呈し、詠美を助けようとした由宇。
 それに比べ自分は、たいそうな理想を掲げたくせに何も出来なかった。それどころかすべてを投げ捨てようとしていた。
 それが悔しかった。
(俺は…無力なのか…? 誰も助けられないのか…?)
 そう考えたとき、和樹は聞かなければならないことがあるのを思い出した。
「詠美、放送は無かったか?」
「あったよ、パンダがメモってた」
 詠美はそう言うと自分のバッグの中から紙を取り出し和樹に渡した。
 そこにはこう書かれていた。

『胃の中に爆弾』

「どう言う意味だ?」
「たしか放送でそう言ってた。胃の中に爆弾があって、何時間かの間に誰も死ななければ爆発するって」
 和樹は内心舌打ちした、言われてみればその通りだ、相手を殺さなくても生きていけるのなら当然大多数の人間が手を組むだろう。最初は小さなグループだろうが、それが大きくなればなるほど管理者側には不利になる。
 手を組ませない方法、それは強制だ。
 だれも死なないと自分が死にます。だからどんどん他人を殺して寿命を延ばしましょう。十分考えられる事態だった。
 だが眠っていた自分は死んでいない、ならば誰かが死んだのだ。
 そんな反吐が出そうな思いで和樹は続きを見る。死者の名前だった。その中に見なれた名前があることに気づく。

36 :目覚め(4/3):2001/05/21(月) 13:10
『034九品仏大志 056立川郁美』

「大志……郁美ちゃん……
 さまざまな思いが和樹の胸を過ぎる。

 悪友だった男、最後の最後であいつは裏切った。でも今思うとあいつにも何か理由があったのかもしれない。だけど瑞希を殺したことを許せるかというとそうじゃない。そこには複雑な思いがあった。

 立川さん、いや郁美ちゃん。彼女は昔から俺を支えてくれた。苦しいときや辛いとき、彼女からの手紙やメールに励まされたことは何度もあった。
 心臓病の体を押して俺に会いに来てくれたこともあった。そんな彼女を見たとき、俺は強い人だと感じた。どんなに苦しくても目的を持ち、希望を捨てない人。
 それは俺の思い過ごしかもしれない。でも俺は彼女にそういうものを感じていた。

 何かを決意した顔だ。
 顔を上げた和樹を見たとき、詠美はそう感じた。
「もう迷わない」
 その台詞を聞いたとき、詠美は由宇の言葉を思い出した。
『あいつはああ見えて肝の座った男や。ウチが認めた男や。きっと何とかしてくれるはずや』
 その通りだと思った。
 パンダ、あんたの見る目は正しかったわよ。

「さあ、行くぞ。きっと仲間はいるはずだ」
 和樹はすでに歩き始めていた。
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
 詠美はバッグをつかむと、和樹に追いつくために走り始めた。

37 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 13:12
上の和樹書いたものですが、
配分間違えて3回の予定が4回になってしまいました(w

これから和樹はこの路線(お約束主人公)で突っ走ろうかと思います
ま、それも書き手次第ですね

38 :名剣らっちー:2001/05/21(月) 13:25
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/1168/index.htm

再あっぷしましたー。アナザーが色々出まくってますねぇ(汗)。
とりあえず、浩之が聖殺して立ち去った後にマナが…のルートは103b〜c、
秋子さんが謎ジャムで月島兄撃退は106bに退避させてあります。
あと、「積荷を捨てて」は108bへ。何か気にいったんで(笑)。

ていうか見づらいなぁ…。一覧分けて、フローチャート化した方がいいかも(アナザー対策に)…。

39 :24:2001/05/21(月) 13:35
>>33
美汐は長瀬と一緒にいるのでそれは却下になったはず。
空耳だったということにしといてください。

>>38
おつかれさまでーす。

40 :名剣らっちー:2001/05/21(月) 13:46
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/1168/index.htm

度々すみません(汗)。
とりあえず、ログ一覧が余りに重いので、50毎に分けました、はい。

41 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 13:53
「…単独行動は、こういう時に困ります…」

 手元にある時計型時限爆弾を見ると、もう11時を過ぎていた。
 今まで規則正しい生活を送ってきたせいか、昼の疲れもあるせいで茜の体力は限界に来ていた。
 だが単独行動の問題点、ゆっくりと寝ている余裕がないことが、茜を悩ませた。
 不用意な場所で下手に眠ると、寝込みを襲われかねない。
 複数の仲間をつくれば誰かが見張りに立つということもできるのだろうが、後の祭りだ。
「…馬鹿ですか、私?」
 答える者は当然なく、漏らした声は闇にすいこまれるだけ。
 溜息一つついて、茜は移動を開始した。

「…ここにしましょう」
 辿り着いたのは、この島に唯一あるだろう百貨店。
 入口も空いており、中は広く、それでいて月や星の明かりも届かない。
(…広い空間。月や星の明かりが届かない。ここにいれば、見つかり辛いはずです。
 …同じ考えでここにいる人もいるかもしれませんけど、気にしたら負けです)
 中に入り、寝場所を探す。
 ひとしきり歩いて、目も慣れてくる。
 次第に茜はおかしなことに気付いた。
(…百貨店なのに、人が『使っていた』気配がありません。
 …どういうこと?)
 食品売り場には食料はなかったが、それ以外のフロア――洋服売り場等――には商品がしっかり置いてある。
 しかし、どこか綺麗すぎた。
 かつて人々が賑わっていた名残りが、まったく感じられなかった。
(…まさか)
 一つの可能性に気付く。
(…全部、このゲームの為だけに作られたの?
 …そういえば、少しくらい大きくても、ここは孤島です。
 …あんなに広い住宅街や、こんな百貨店があるはずありません)
 茜は目眩を覚えた。
(…どれだけの資産が、このゲームに動いているの?)

42 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 13:54
 結局茜は、洋服売り場の一画に陣取ることにした。
 フロアの中心と思われる場所よりも、わずかにずれた所のカウンター。
 エスカレーターと階段は、フロアの壁沿いに設置されていた。
 壁沿いを周回される恐れもあったので、中に入ったこの場所を選んだ。
 もちろん通路側でもない、歩かれる恐れがある。
 よくよく考えれば無意味なことのような気もしていたが、言い出せばきりがなかった。
(…シャワーを浴びたいですけど、贅沢は言えませんね。
 …眠いです)
 手元には目覚まし時計もあった。
 いつもの習慣で六時にセットする。
「…おやすみなさい」
 そういって、目を閉じる。
 かすかに感じた違和感を、無視しながら。

 …………

 …………

 ――ガバッ!
(…私、やっぱり馬鹿みたいです)
 この目覚まし時計は時限爆弾だった。
 六時にセットして鳴ったら、爆発する。
 疲れていたとはいえ、そんなことも忘れていた自分に呆れた。
 改めて時間を五時半にセットし、今度こそ眠りについた。
 目が覚めた時、この悪夢が終わっていることを願いながら。
 本当の夢の世界に入っていった。

43 :6:2001/05/21(月) 14:20
前スレから今まで未登場のキャラ(間違ってたら訂正願います)
004天沢未夜子 013緒方理奈 015杜若きよみ(黒)016杜若きよみ(白)
038桑嶋高子 083三井寺月代 093巳間良祐




44 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 14:23
良祐は少年の回想でいたな。
あれは島内での出来事かそうでないのか、いまいち不明だったが。
どうなんだろ?

45 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 14:38
そろそろ夜、明けていい?

46 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 14:48
読み専で恐縮ですが、ここまで読んで思ったこと。
話をダーク系に持っていきたくない方は、序盤はともかく、
中盤以降は静観してはどうでしょ。
ネタ的にほのぼの系の比率が高いのは無理がある気がするし、
ダークなのが前提であるから逆に浩平達みたいなほのぼのシーンが
引き立つというのもあるだろうし。
ギャグとシリアスは場面毎にしっかり使い分けて欲しいと思った。

偉そうにゴメソ。皆さんやっぱ好きなキャラは殺したくないんでしょうか。
俺は自分の萌えキャラがどう死ぬのかドキドキして待ってます(藁
書き手の方、がんばってください。

47 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 15:00
 夜の中を祐一は歩いていた。
 先程真琴に出くわしたがよほど錯乱してたらしく、祐一に攻撃をしかけ、逃げていった。
(真琴の奴……大丈夫か……?)
 あの状態では下手に後を追うと逆効果だと思われたため、こうして一人、歩いている。
(疲れたな。どこか寝る所があればいいが……)
 祐一もまた、単独行動の問題点に悩まされていた。
(単独行動してる奴は皆、同じ事を思ってるんだろうな)

 その場に立ち止まり、夜空を見上げる。
 どこまでも広い空には、幾千もの星がきらめいていた。
 その輝きの一つ一つが美しく、夜空全体でもまた、見ている者を引き込むような勢いがあった。
(あの星達から見たら、俺達はどう写っているんだろうな。
 生き残る為に、人を殺して、そんな俺達を……)
 そこまで考えて「馬鹿馬鹿しい」と首を振った。
 とりあえず、祐一のなすべきことは決まっていた。
 それまでには絶対に死ねない、そう、誓っていた。
(茜……どこにいるんだよ……
 生きていてくれ……)
 放送で聞いた、美坂姉妹の顔が浮かぶ。
 あそこで一緒にいてやれたなら何度目にもなる思いがよぎる。
 目的の為とはいえ、間接的にも人を殺したという事実は、彼を縛り、苦しめていた。
 だからせめて、
(茜だけは、死なせない……)

 彼は知る由もなかった。
 その美坂姉妹を殺したのが、他ならぬ茜だという事実を。

48 :闇の中の二人(1/2):2001/05/21(月) 15:13
「……おい」
「うぐぅ?」
「いい加減、離れろっての」
「……うぐぅ〜〜」
 御堂(089)の服の裾をはっしと掴んだまま、月宮あゆ(061)はふるふると首を振る。
「……ちっ」
「にゃぁ〜」
 今は夜。自分の能力に制限がかかってしまうと判断した御堂は、身を潜めて夜を明かす事に決めた。
それに、明らかに荷物になっている目の前のガキを連れてうろちょろするのは賢明でない。
勿論、こんなガキは殺してやっても良かったが、うぐぅうぐぅ怯えるあゆを見て、
御堂は手にかけることは何故か躊躇われた。
「うぐぅうぐぅわめくな。いいか。朝までだ。とりあえず朝までは一緒にいてやる」
 こくこくとあゆは頷く。
「ちっ。ヤキがまわっちまったぜ……」
 悪態を吐きながら、御堂は怯えるあゆの姿を改めて観察する。
と、背中に背負っているリュックに目が行った。
「……おい、お前。武器をよこせ」
「うぐぅ?」
「その背負ってる鞄だ。その中に武器が入ってるんだろう?」
「うぐぅ……でも……」
 煮え切らないあゆに、痺れを切らした御堂はドスの聞いた声で唸る。
「いいからよこせ。……それとも、ここで死にたいか?」
「うぐっ! あわわわわぅぐぅぐぅ……わうぐぅ……!?」
 あゆは慌ててリュックを下ろすと、ごそごそと中を漁り始めた。

49 :マナー(゜д゜):2001/05/21(月) 15:14
 マナは途中に何回か小休止を挟みながら歩き続けた。
 一所に留まっているわけにもいかないし、眠るわけにもいかない。
 矢に貫かれた足が、包帯の下でズキズキと痛んでいたが、それでも止まることはできなかった。
(お姉ちゃん、藤井さん、それに佳乃って子……絶対生きててよねっ……死んでたら、蹴り殺してやるんだから……!)
 それでなくても小柄な女子高生である。体力的にはとうに限界を超えていた。
 今、マナを動かしているのはただ邂逅への欲求のみだった。会って……それから……
(……会ってから考えればいっか……)
 歩いて、歩いて、夜が明ける頃、不意に視界が開けた。森を抜けたのだ。
 そこは林道のようなところだった。道を挟んでまた森があり、道は左右に長く続いていて、ここから終わりは見えない。
(また森に入ったんじゃバカよね……取り合えずこの道に沿って……どっちに行こう?)
 マナが左右をキョロキョロと見回すと――そこに人がいた。早朝の日差しに美しい黒髪が映える、杜若きよみ・黒(015)。
 森から出て来た時から既に見つかっていたのだろう。目が合った。
「……あのー」
「消えなさい」
 きよみは忌々しげに吐き捨てた。
「朝っぱらから血の匂いなんて嗅ぎたくないわ。今すぐ視界から消えてくれれば、撃たずに見逃してあげるから」

50 :マナー(゜д゜):2001/05/21(月) 15:14
「……あなた」
「聞こえなかったの? 私は消えろ、と言ったの。日本語、わかるでしょ?」
 そう言って腰に手を当て、睨みつける。
 きよみは背の高い方ではないが、相手がその年頃の平均身長よりかなり低いマナだったため、、相対的に見下ろす格好になっていた。
 悔しいけど、私よりは上手いな、とマナは思った。
「どうせ銃なんて持ってないんでしょ」
「…………」
 きよみがその姿勢のままで固まる。
 実際よりもいくらか長く感じられる数秒が、その状態で経過した。
「持ってるんなら、ろくに構えもしないでペラペラ喋るなんてこと、しないわよね」
「……今すぐ絞め殺したいわ、あなた」
「好きにすれば」
 もし聖が生きていて、この言葉を聞いていたら間違いなく後で注意されていただろう。
 有効な武器を持っていないとは言え、相手の戦闘能力がはっきりしない以上、このように挑発するのは明らかに得策とは言えなかった。
 が、きよみは幸運にも何の能力があるわけでもない一般人の複製身であり、特に戦闘訓練を受けているわけでもない。
 結局、マナに手を出すことはできなかった。できたのは悪態をつくくらいのものである。
「生意気なガキ……」
「そのガキにつまんない嘘、見抜かれたのは誰だったかしらね」
「黙りなさいよ、チビっ子」
「……蹴るわよ」
 二人の女の瞳の間で、目に見えない火花が一瞬、散った。

51 :闇の中の二人(2/2):2001/05/21(月) 15:15
 あゆから差し出したものを受け取ると、御堂はしげしげと眺める。
どうやら、武器の類では無いようだ。
「で、こりゃ何だ?」
「うぐぅ……マイク……」
「まいく?」
「こ、こうやって歌うんだよっ」
 と、あゆは御堂の手からマイクを奪い返すと、口元に寄せて歌い出す。
「会いたいあいあいあいあい……♪」
 狂ったように髪を振り乱しながら歌うあゆの姿を見て、
御堂はすっとデザートイーグルの銃口をあゆに向けた。
「うぐっ!」
「……もういい。やめろ。そいつはお前が持っていて良い」
「つ、使い方を教えてあげただけなのに……」
「にゃあ〜」
 うぐうぐと泣き出したあゆを、ぴろが慰める。
そんな姿を見つつ、御堂は早く夜が明けることを願うばかりだった。

52 :マナー(゜д゜):2001/05/21(月) 15:15
中途半端な長さで切れちゃったなぁ…
そして>>48、邪魔しちゃってスマソ(´Д`;)

53 :デジャヴ?:2001/05/21(月) 15:17
「さてもう暗くなったことだし、この辺で休む?」
沢渡真琴はつい先ほど同伴者となったばかりの椎名繭にたずねた。
「みゅ!」
おそらく肯定しただろうと思われる返事が返ってくる。
返事を聞き真琴は地面に座り込む。
それに習い繭も座り込む。

「あ、ところでカバンの中には何が入ってたの?私は見ての通りパチンコだけど」
「みゅ♪」
と言って、繭はカバンを差し出した。
「どれどれ、なんかすごいのが入ってたらいいんだけどね」
カバンを探りながら一個ずつ物を出していく。

「え〜と、爆竹、ねずみ花火、ロケット花火(笛付き)……
 あ、なんかちょっと大き目のもあった!なんだろ?
 ………バルサン、なんかどっかで見たことあるようなものばっかり…」
「みゅ〜」
どうやら繭は喜んでいるようだった。

「ほかのみんなはどんなのもらってるんだろう?
 変な金髪の人も祐一も水鉄砲みたいなの持ってたから、みんなこんなものなのかなぁ?」
確かに真琴が今まで出会った人間と二人の荷物を見る限りとても殺し合いができるものではなかった。
しかしこの島には強力な武器を持った殺人鬼が確実に潜んでいた。そして夜はふけていく。

54 :邂逅(2):2001/05/21(月) 15:19
 一つの建物を通り過ぎようとした瞬間。

 ――………――

(なんだ……?)
 建物の中から、誰かに呼ばれたような気がした。
 いや、それは正確ではない。
 『建物』が、彼を呼んだ気がした。
 不思議な感覚に捕われつつ、気がつけば祐一は、建物の中へと入っていった。

(暗い。光が届かない……
 少し目が慣れるまで、動かないほうがいいかもな)
 何も見えない闇の中、しばらく祐一は立ち止まっていた。
 やがて目が暗闇に慣れてくる。改めて見回してみると、まずエスカレーターが目に入った。
(ここは、百貨店か何かか?
 こんな孤島に……?)
 それでも、そこは確かに百貨店だった。
 何が自分を呼んだのかはわからぬまま、一階を見て回ることもせず、エスカレーターを登っていった。

 夜の建物に入るのは、何も始めてじゃない。
(学校の校舎で、魔物と遭遇したこともあるんだからな……)
 だがこの建物の空気は、夜の校舎のそれとは全く質が違った。
 神秘性など欠片も存在しない。
 そこにあるのは、闇と、不快なだけの非日常の空気。
 魔物の現れる予兆に似ていた。
(違うな、夜の建物なんてこんなものだ。
 あの校舎には舞がいたから、こんな不快感はなかったんだ)
 背中に汗が滲む。
 右手に持ったエアーウォーターガンにも自然に力がこもる。
 引き返そうと思わないこともなかったが、それを許さない何かがあった。
 二階も通り過ぎ、三階へ。
 何かは、確実に近付いている。
 そう感じた。

『三階 婦人服売り場』

55 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 15:22
混ざった……
>>47はタイトル「邂逅(1)」です、すいません。
(3)以降も今から書きますので、出来れば放置よろしくです。

56 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 15:23
状況を考えれば、完全に乗り気な奴も出るし、恐怖のあまり突発的に殺してしまう事もあるし
こんなクソゲームに乗ってられないって奴も出るだろう。
あまり深く考える事も無いと思うけど。


57 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 15:27
>>51
>うぐうぐと泣き出したあゆを、ぴろが慰める。
ぴろイイ!!

58 :邂逅(3):2001/05/21(月) 15:31
 それは、今にして思えば予感だったのかもしれない。
 建物が祐一を呼んだのではなかった。それも違った。
 祐一がこの建物に強い何かを感じたのも、必然であったのだ。

(空気が違う?)
 三階についた途端、今までの重苦しい空気が一気に消え去った。
 あるのは、ただ、懐かしい感覚。
(俺はこんな場所は知らない……
 なのに、なんだ? この感覚は)
 ここには何かがある。それだけははっきりとわかった。
 エアーウォーターガンのトリガーには指をかけたまま、周りを見ながら、一歩一歩、確実に。

 ずっと、会いたかった。
 一日たりとも、忘れたことはなかった。
 初恋だった。
 今も、忘れられなかった。

 ずっと探していた。


「………あかね?」
 床で静かに寝息をたてる少女を見つけ、呆然と呟く。

 それは、予感だったのだ。

59 :マナー(゜д゜):2001/05/21(月) 15:43
茜と祐一、ついに合流すか。今後が楽しみですな。
個人的には>>51に爆笑。月宮あゆ、妹属性説浮上。

60 :殺人者01:2001/05/21(月) 15:51
「苦しい……」
御堂は闇の中で苦しそうにうめく。
酸素が足りない……俺は首でも絞められてるのか?
相手は蝉丸か岩切か…別の誰かか――?
「やめろっ、いきなりこんなっ…!」
御堂は混乱していた。気がついたらいきなりこの状況だ。
「バカな、俺様がこんな…」
油断だったぜ…情けねぇ…
意識が遠のいていく……
そういえば俺は今どこにいたんだ?
不鮮明な記憶をたぐりよせる――。

「げはっ!!」
そこで意識が覚醒する。
「夢か――?」
だが、視界に映るものは何一つ無い。
そして――
「あったけぇぞ、この毛玉!」
頭の上に乗っていた物体を手で払いのける。
「ふぎゃっ!」
猫は一度衝撃に目を覚ますが、再び目を閉じてすやすやと眠りはじめる。
「てめぇのせいかよ…10分位気持ち良く寝かせろよ……」
御堂が猫を睨み付ける。御堂を恐怖に陥れたものに反応は無い。
「くそっ!」

いわゆるひとつのレム睡眠というやつだった。
まだ寝ついてから5分と経っていない。御堂の胸中は穏やかではなかった。
(まあ、戦場でぐっすりってワケにはいかねぇがよ…)

このゲームが始まって何故か――御堂にとって非常に不本意ではあったが――同行者が猫に続いて、
子供が加わっていた。
「孤独を愛する俺様がまさかパーティーを組むなんてよ…」
しかもただのお荷物だ。
横でそのお荷物の少女がぐっすりと寝ていた。
頬には未だ涙の筋が残っている。
緊張の糸が切れたのだろう。御堂の服の裾をつかんだままだが、
どこか安心した表情。
「けっ!」
誰にでもなく悪態をつく。

61 :殺人者02:2001/05/21(月) 15:52
……………ガサッ………
「……!!」
御堂の目に戦闘マシーンとしての殺気が宿る。
かすかに…だがはっきりと聞こえたかすかな音を御堂は見逃さなかった。
意外に近い位置。
(距離は……およそ30メートルほどか……?)
まっすぐこちらへと向かっている。遭遇は必死だろう。

強化兵としての感覚が薄れた今、それに頼り切っていた自分に腹を立てる。
(ここまで接近を許すとはな…)
獲物…デザートイーグルを片手に、立ちあがる。
その拍子、ふと引っ張られる感触。
あゆの指が服の裾を掴んだままだった。
(……起きるなよ、ただの足手まといなんだからよ…)
起こさないようにあゆの指をほどくと、気配を殺して目標に近づく――
(こっちから出向いてやるよ。)

深山雪見は、少し疲れた足取りで歩を進めていた。
目標――親友の敵――をとるために。
あたりに注意しながら歩く……気配はない。

(女か……血の気配がするぜ……殺戮者だな…)
御堂がそっと女の前方へと回りこむ。
御堂にとって人の命を手にかけた者=殺人者である。
そこにどんな理由があろうとも関係ない。
御堂は敵を撃つ、それだけだった。
(しかも素人だ、歩き方がなっちゃいねぇぜ…)
慎重に気配を殺して歩いているつもりだろうが、御堂にはその行動が筒抜けだった。
銃の射程圏内へと迅速に移動する。

「嬢ちゃん、夜道の一人歩きは危険だぜぇ。」
「……(誰)!!?」
突如聞こえた声に雪見の足が止まる。
刹那、赤い光!

ズギューン!!
音が聞こえたと思ったときはもう雪見の身体は後方に弾け飛んでいた。

(手応えありだな……)
胸の中心にヒットする。致命傷だ。
雪見の身体は後方に倒れ、そのままピクリとも…

「……あああっ!」
雪見の叫びと共にライフルが火を吹く!
「…なんだと!?」
御堂は木の陰に身を潜め銃弾をやり過ごす――。
(ヒットはした……死なねぇってこたぁ防弾チョッキの類か!)
雪見の気配がすっと後方へ遠ざかる。
(賢い判断だ…素人にしてはな……だが…)
雪見は死に物狂いで走った。御堂の銃の射程距離を外れる。
(逃がすかっ!)
御堂が物陰から物陰へ、闇と化して疾走した。

62 :殺人者03:2001/05/21(月) 15:53
二つの影の疾走劇は続く――。
だが、傍目には女が一人道無き道を駆け抜けているようにしか見えなかっただろう。
(死ね!)
御堂の銃が再び火を吹く!
それは障害物の木に当たって消える。
(ちっ!この位置からじゃ弾道がねぇぜ。)
だがそれは相手も同じこと。
絶えず移動しつつも膠着状態が続いた。

やがて御堂は最初に交戦した場所へと戻ってきていた。
最初に雪見が倒れた辺りを調べる。
――血――ほんの微量だが、土に付着したそれを御堂は確かめた。
「防弾チョッキとはいえ、まともに当たったんだ。
肋骨は何本かイってるだろうな…」
あまりすぐれない顔で御堂が呟く。当然だ。
素人相手に(しかも女)逃げられたのだから。
まあ、最終的には御堂が追跡をあきらめた形で幕をとじたのだが。
「まあ、深追いは禁物だからな…」
功をあせりすぎて命を落としてきた戦友達を自分は何人も知ってる。
御堂は再び女と猫の待つねぐらへと戻っていった。

「うぐぅ……」
御堂の顔をみると、あゆがそう口を開く。
「なんだおめぇ、起きてたのか(うぐぅってなんだ)。」
あゆが再び目に涙を湛えて
「うぐっ、おじさんがいつのまにかいない気がして…
起きてみたらやっぱりいなくて…うぐぅ、恐かったんだよ。」
「分かったから泣くなうっとおしい(だからうぐぅって言うな)!」
「うぐっ、えうっ、あうぅ……!!」
御堂の腹に顔をうずめ、声を押し殺す。
「ちっ、うっとおしいから離れてくれ…(いや、マジで)」

あゆは落ち着いたのか、再び横になる。御堂の服の裾をつかんで。
「だから、触るなって……もう寝てやがるこの野郎…!」
頬の涙の筋も乾かないうちに再びあゆは眠りにつく。
「だったら最初から起きるんじゃねぇよ…オロすぞ。」
起きると面倒だ、気付かれないようにあゆの手を服から引き剥がそうとする。
「……おじさん……ムニャムニャ…ウグゥ」
「……」
(寝てすぐに寝言言う奴初めてみたぜ…ホントは起きてんじゃねぇのか?)
御堂はそのままあゆの手の上に自分の手を重ねた。
「けっ、これだからガキのお守りはイヤなんだよ…」

御堂はそれから一睡もできなかった。

63 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 15:57
御堂イイ!!

64 :邂逅(4):2001/05/21(月) 15:57
「……誰っ!?」
 突然の気配と声に茜は飛び起き、近くに置いておいた銃を構える。
 そして、気付いた。
 声は、昔に、聞いたことがある。
 目が慣れない、姿がわからない。
 だけどこの声は……。
「忘れたのか。元同じクラスの、相沢だ」

「…祐一…」
「覚えていてくれたか、久しぶり」
 嬉しかった。
 相手がまだ、自分のことを覚えてくれていたことが、嬉しかった。
「…本当に、祐一もこのゲームに参加してたんですね」
「あぁ、嫌な偶然だな」
「…詩子も、どこかにいるはずです」
「本当、嫌な偶然だ」
 詩子。懐かしい名前だった。
 茜の親友で、祐一とも仲良くなって、三人でよく話していた。
 憎まれ口も多かったが……詩子までこのゲームに参加していたと聞き、祐一は自分の運命を呪った。
「話したいこと、いっぱいあるんだぜ」
「…私もです。だけど…」
 言って、静かに銃を、祐一の方に向けた。

「…私の前から、消えて下さい」

 祐一は、何を言われているのかわからなかった。
「茜?」
 茜は、こんなことをするような子だったのか? と思う。
「…消えてください、早く」
 もう一度言った。
「……どうして?」
 祐一には、それが精一杯だった。
「…私は、祐一が思っているような人間じゃありません。もう違います」
 静かに……それでも悲痛に言った。
 普通の人には、ただ淡々と喋っているように聞こえるだろう。
 だが祐一は違った。その裏にある感情をはっきりと読み取っていた。
「……どういう、ことだ?」
 訊いてはいけない、だが、訊かずにはいられない。

「…私は人を殺しました。もう四人も。
 …ある姉妹を殺して、その人達から、祐一のことを知ったんです」

 闇が、深くなった。

65 :邂逅、別れ(1):2001/05/21(月) 16:14

「どうして……? どうして、そんなことを?」
 だが茜は答えない。
「…だから、祐一も早く消えて下さい。
 …でないと私は、祐一を撃ってしまいます」
 それだけ、静かに告げる。
 その言葉は嘘だった。
 茜は祐一を撃つことはできない。
 口から出た言葉に秘められた感情を悟り、祐一は一歩踏み出す。
「……例え変わっても、茜は茜じゃないか。
 なぁ、話したいことがあるんだ、聞いてくれるか?」
 茜は一歩下がる。
「……嫌です。お願いだから……」
「俺もいやだ。茜に会うために、ずっと島中走り回ってきたんだ。
 あの頃言えなかった想いを伝えるために、探してきたんだ。
 茜……俺は、お前のことが……」
「……嫌……言わないで……」

「……好きだ」

「嫌ぁぁぁっ!」
 夜の建物の少女の悲鳴が響く。
 それは、ゲーム開始以来最も悲痛な叫びだったかもしれない。

 走り出す。
 これ以上祐一の側にいたら、今までやってきたこと全てが無駄になりそうな気がしたから。
(…どうして私にそんなことが言えるんですか?)
(…もう私は、あの頃の私じゃないのに)
(…どうして、そんなことが言えるんですか?)
「茜!」
 追ってくる気配がする。
「来ないで下さいっ!」
 手持ちの手榴弾を投げ付けた。
「なっ……!」
 反射的に後ろに下がり、避ける。

 バァァァァン!

 爆発。
 そしてそれは、目覚まし時限爆弾を巻き込み。

 ドガァァァァァン!

 大爆発を引き起こした。

66 :邂逅、別れ(2):2001/05/21(月) 16:15

 瓦礫の中から、祐一は立ち上がる。
 体は痛むが、まだ動くようだ。
 武器も無事である。
 しかし……
「茜……」
 茜の姿は、もう見えなかった。

 夜の町を、ただ走る。
 目には大粒の涙をたたえて。
「……どうして、あんなこと言うんですか……」
 動揺していた。
 相手が例え変わってしまっても、信じる。
 それは茜が幼馴染みに抱いていた感情と、全く同種のものだった。
 それに気付いたからこそ、茜は逃げた。そう思った。

 本当の理由を茜は知らない。
 自分でも気付かないうちに、あの一年間で祐一に惹かれていたことに。
 それは、幼馴染みを思う自分を、正面から崩してしまうことだった。
 幼馴染みを想う心と、祐一を想う心。
 それ故、祐一の前から逃げ出したことに。
 茜は気付いていなかった。


 夜の闇はさらに濃くなってゆく。
 自分は、何処に行こうとしているのか……

67 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:17
結局六つも使いやがった。こんなんばっかだな。


ていうか、御堂がめちゃくちゃ良いです。
萌え〜

68 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:20
御堂(・∀・)イイ!
茜も(・∀・)イイ!
聖や由宇の散り際も(・∀・)イイ!

なんだかんだ言っていいスレだと思うんだけど、どうよ。

69 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:21
>>43
詩子って出てきてたっけ?

70 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:24
出てません……たしか

71 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:28
>>68
しなやかに同意。
だんだん盛り上がってきたね。


72 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 16:34
読み手、喜び、感想を書く

書き手、喜び、更に意欲涌く

書き手、力の入った新作をあげる

読み手、更に喜び、感想を書く

ウマ-(゚д゚)

73 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 17:53
ところで、
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=990070115&st=708&to=708&nofirst=true
ここの最後の描写(天野が〜ってとこ)、なかったものとしてOK?
>>24とか見ると、会ってない事になってるみたいだけど。

74 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 17:57
>>73
会ってない方向で話を進める事になったみたいだね。
あの美汐は真琴の中の正気の象徴として扱われるみたい。

75 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 17:59
>>74
了解っす。
では、そういう方向で。

76 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:00
性格の豹変は問題無いが、オリ設定は勘弁だ…今更か。

77 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:06
>>76
性格の豹変もまた大半がオリ設定かと思われ。

78 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:21
いや、状況が状況だし。そもそも殺し合うように追い込まれてる訳だからね。
秋子さんが出場経験ありってのもOKだろう。このスレに当てはめてる訳だから。
ただ、茜と知り合いどころか親しい友人ってことにまでなってて、さらには…となると
さすがにオイオイと思うぞ。
もう手遅れだからしょうがないけどさ。
こうした以上は頑張れ。>作者

79 :111:2001/05/21(月) 18:33
>>64
祐一って司と面識あるの?
そうでなくても知り合いだったとか。
時間的にそうでないとつじつまが合わなくなるかもね

スマソ、前のとき南と司を間違えてたm(_)m

80 :高槻の電話2:2001/05/21(月) 18:43
はい長瀬さん。
えっ、ペースが遅い、もっと早くしろ?何人かみせしめ
のために爆発させろ?長瀬さん、それじゃ面白くないじゃ
ありませんか。やつらが自らすすんで殺し合わせなければ。
具体案?ありますよ、詳しくはFARGOの秘密ですから言えません
が、ドッペルとだけ言っておきましょう。えっ、不可視の力は
使えないはずだ?今回の場合は元々の意味なんですよ、これ以上は
言えませんがね。俺にまかせてください、では。

 自分達の友人、家族、恋人に殺されかければもう奴ら何も信じられまい、
疑心暗鬼に陥って殺し合いを始めるだろうさ、まさにドッペルゲンガー
を見た物はみんな死ぬんだ、くっくっくっ。

さあ、奴らのクローン体の出番といこうか、いや待てクローンの事が
解れば長瀬達に俺の秘密がばれるかもしれんな。使うべきではないか?
この俺が悩むなんてらしくないなぁ、あまりに変で笑ってしまうな
はっはっはっ。


81 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:46
祐一と司は面識ないようです。

司が消えて、空き地で待ってて、祐一が出てきて、祐一が転校して、また空き地で待ち始めて、浩平が出てきた、って感じじゃダメですか。
どちらにしろハカロワの浩平は「全員同時攻略」的な感じだったのでまぁ矛盾は仕方なし。ま、祐一&茜は読んでて楽しいのでいいんじゃないですか?

82 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:48
名倉由依ってどこかで出てた?
書こうと思ったんだけど見当たらない…。

83 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:50
>>80
おぉっ、なんて基本かつアレな設定。
いろいろな展開の余地がありえますね。
…弟○○みたいに、最後に一緒なのは…とかもできるかも。

84 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:50
>>80
と、登場人物が2倍に増えるの…?
さすがに嫌です。

85 :111:2001/05/21(月) 18:55
>>81
茜ちゃんも板ばさみだね
う〜ん苦労人。

86 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 18:58
>>82
出てない。

87 :突き動かす力:2001/05/21(月) 18:59
枯葉のじゅうたんをすりながら、林をとぼとぼと歩いているのは083三井寺月代であった。
彼女は誰も殺したくない…自分も死にたくない…
開始当初、彼女は誰も殺めず、夕霧、蝉丸、高子と我が家へ帰りたかった。
しかし、月代はこの山林に迷い込んでから数々の銃声、悲鳴、爆発音を聞いてきた。
その度、木々を縫い、逃げ回った。
『…危ないところへ近づかなければ安全なんだ…』
走りには自信がある。何度か他の参加者に追われたが、皆巻くことができた。
だが、ここは何かが違う…うまく走れない…
一昼夜走り回ったためか、彼女の足はおぼつかない。
親友の夕霧を殺されたせいもあり、精神的にも追いこまれている。
『夕ちゃん…もうあの岩場で遊べないね…私も死んじゃうのかな…
 ううん、そんなことない!蝉丸が助けてくれる!』
しかし、彼女には希望があった、坂神蝉丸…彼ならきっと何とかしてくれる…
その希望が彼女の背中を押していた。
『まずはみんなと、蝉丸と高子さんを探さなきゃ!』


88 :お姉さん(1):2001/05/21(月) 18:59
「…おなかすいた。」
「…さっき食べたじゃない。」
服のすそを引っ張る繭に真琴はこたえる。
合流してから二人は、たびたびの休憩を取りながら神社のほうへ移動していた。
本来ならこんな見晴らしのいい場所にいるべきではないが、
この状況で暗い森の中にいる度胸は二人にはなかったのだ。
「みゅ〜。」
「こ、これは真琴のだからね!」
ものほしそうに見つめる繭から、食べかけの木の実を隠す。
「みゅ〜!みゅ〜!」
「あぅーっ、いたい、いたいってば!」
髪を引っ張る繭に、真琴は声を荒げてしまう。
「うぐっ、うぅっ、うぅ…」
途端に崩れだす繭の顔。慌てて真琴はなだめようとするがもう遅い。
「うわぁぁぁぁんっ」
「な、なによぅ。泣かないでよ。これ真琴のなんだから…」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ」
「あぅー…」
次第に大きくなる泣き声に、真琴の顔も崩れていく。目が潤んでくる。
『私だってこわいのに、心細いのに…』
『泣きたいのはあんただけじゃないんだからぁ!』
そう怒鳴りつけようと思って、思いっきり泣きじゃくろうとして、でも、
『だからお前はガキなんだよ。』
そんなからかう声を思い出した。



89 :お姉さん(2):2001/05/21(月) 19:01
『私、ガキじゃない!』
真琴はそんな時いつもそいつにそういっていた。
そう、私はガキじゃない。私はお姉さんだ。
お姉さんだったら、どんなにこわくたって、どんなに心細かったからって…
『泣かない、泣けない、泣けるかっ!』
「しょうがないなぁ、ほら半分こしよ。」
だから、真琴はぐっとこらえて繭に言う。ちょっと涙目なのは愛嬌だ。
「みゅ〜?」
「ほら半分こ!」
そういって木の実を渡すと、繭はうれしそうにもそもそと木の実を食べ始める。
「あはは、ピロみたい。」
「ぴろ?」
「うん、真琴の猫だよ。」
「猫…」
「うん、猫。繭にもだっこさせてあげる。特別だよ。」
「みゅ〜、みゅ〜 」
すかっり泣き止んで嬉しそうな繭に、
「朝になったら探しにいこ!」
真琴も笑顔でこたえた。



90 :ヘタレ書き手:2001/05/21(月) 19:01
>>87
ぐあー
誤字誤植が山のように…
スマソ氏んできます…

91 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:02
>>84
確かに…これを採用するなら、最大人数を制限した方がいいかも。
各作品から一人だけ、とか。その程度ならなんとかなると思う。
…書き手の皆さん間での調整が難しいかな?

92 :82:2001/05/21(月) 19:05
>>86
サンクス。

MOON結構忘れてるから自信ないけど。


93 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:05
>>91
クローンは男限定ってのは?
いっそわかりやすくないだろうか。

94 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:07
>>91
>これを採用するなら、最大人数を制限した方がいいかも。
>各作品から一人だけ、とか
リーフファイトみたいに、主人公のクローンっていうのは?

95 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:10
レス数の進み具合とそこまでの死人の数量はスタロワとさほど変わらないしな…
(もう(まだ)30人近く…スタロワなら終盤だろうし。)
とりあえず様子見に一票。…ダメ?

96 :6:2001/05/21(月) 19:11
クローンの登場は反対。
仮に出すとしてもまだこれだけ人数残ってる段階で出すのはマズくない?
2〜30人くらいに絞れてからのほうが良いと思うんだけど。

97 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:12
参考:
今生きてる主人公キャラ

001相沢祐一 014折原浩平 019柏木耕一 033国崎往人 040坂神蝉丸
048少年 053千堂和樹 064長瀬祐介 076藤井冬弥 077藤田浩之

今生きてるサブ男キャラ

012緒方英二 029北川潤 057橘敬介 068七瀬彰 089御堂 093巳間良祐

98 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:15
面白い設定だと思うが、さすがに混乱する>クローン
もっと絞り込まれてからでいいんじゃない?

99 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:15
>>97
住井たんも生きてるYO! テケトーに殺しちゃやだよ!
(ちなみに美咲さんに惚れて同行中)

100 :名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:16
止めておく方に一票。やりづらい。

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