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シェンムー映画再び 4日まで

1 :名無しさんだよもん:2001/04/30(月) 00:38
http://channel.goo.ne.jp/news/nttpub/game/20010427/20010427exp15.html

スレタイトルはgooのトップページより。
彼が映画に出演している間に次回作を作れば、Leafも立ち直るでしょう。

171 :Ending――:2001/05/29(火) 01:01
「やっぱりあなたはずるいですね。
 そう言われて断れるはずは無いじゃないですか」
 閂は天井を見上げて眼をつぶる

 その瞼の裏には親友の笑顔が移っているのだろうか――――――
 閂は深く、深くため息をついた。

 その雰囲気を察した陣内は、壁に寄りかかり腕を組んで一人の馬鹿をやった友の
事を思い出していた。
 その友の発した言葉や歌声を思い出して、苦笑とも微笑とも取れる笑みをこぼす。

 再び麻枝と閂が眼を合わしたのは数分後だった。
「また近々来ます。これからの事をいろいろ話さなくてはいけませんし」
 閂はそう言うと麻枝に手をさしのべた。

 麻枝は、閂の差し出した手を堅く握ると『ありがとう』と誰にも聞こえないような
声で呟いた。
 心の底から漏れたその一言を、閂は何も聞かなかった様に握った手をそっと離した。

「麻枝さん、俺もよろしくお願いしますよ。
 閂見たいに何でも出来るわけじゃ無いけど、俺に出来ることは何でもするからさ」
 陣内は麻枝の手が壊れんばかりに強く握りしめた。

「陣内、そろそろ打ち上げに行くぞ。サークルの面々が待ってるからな」
「お、そうだな。
 あ、麻枝さん。これまだオフレコっすよね?」

 ボカッっといい音がしそうな勢いで陣内の頭を閂は殴った
「んなの当たり前だろ!
 会社が建つかも決まってないんだから。アホか!」

「いたたたたたた。っっったく。殴ると脳細胞死ぬんだぞ」
「安心しろ。お前の脳味噌でそれで死ぬようなのはとっくに死滅してるよ」
「それもそうだな」

「それでは、麻枝さん、また近々来ますので」
「おじゃましました〜〜」


172 :Ending――:2001/05/29(火) 01:02
 二人に条件反射的に会釈をしながら、麻枝の頭の中は、既に遠くなった過去を
思い返していた
 またあのころのように馬鹿な事をしながら物を作っていける。

 そう。それは『生きている』からこそ出来る。
 だから俺は俺に出来ることをやり続けようと、やり続けていくとしよう。


「――――――――それでいいよな、いたる――――――――」


 麻枝は、窓の外に向かって呟くようにそう言った。
 空には1枚の白い羽が、風に流されていた。
 その場に何かが舞い降りてきたかのように。


173 :LastSeen――:2001/05/29(火) 01:03
Seen 5: 遠い空の向こうで
Seen Change 病院の屋上
【Ending Song 『See You 〜小さな永遠 〜 Long Version』 】
【Singers KOTOKO To AKI】
メッセージの流れはオート


 羽の生えた女性が、病院の屋上の金網に座り、外の風景に見入る。
 手で目元を拭い、微笑みを地上に向ける。
 笑いながら病院をあとにする2人組を見つめながら。

 白く輝く羽を羽ばたかせ、羽の生えた女性は病院のとあるまどに腰かける。
 その個室にいる男は、窓の外を見ながら涙をこぼしていた。
 その男に微笑みかけ、

 病院の一室。子供達が遊びながら談笑している部屋。
 一人の少女が窓の外にいる女性に気が付いて走り寄る。
 羽の生えた女性は、その少女に微笑みかけ、羽を羽ばたかせそれに舞い上がる

 景色はだんだんと小さくなっていく。
 病院は既に点になり、何処だかも伺いしれない。


 「――――ありがとう。私の大好きな人――――」


 舞い散る羽とそれに差し込む日差し、そして照り返し
 それらの中で舞い踊る羽の生えた女性が、少しずつそして確実に
 フェードアウトしていく


174 :LastSeen――:2001/05/29(火) 01:03
【歌詞部分 Start】
【スタッフロール&回想画像表示】
(知っている方もいらっしゃると思いますが、念のため歌詞全UP)

長い間悩んだ 寂しさと 人の心
短い詩を君に送るよ 胸に書いた言葉を

君が語りかけた 優しさに 気づかないでいたころ
もう一度戻れるなら 抱き締めて 笑ってあげたい

だから......
広げた手を青い空に 振りながらそっと涙をぬぐっている
そして巡り会えた君との日々
『いつまでもずっと 忘れないから』と笑顔で見送る


いくつかの悲しみと 優しさと 人の涙
くり返した想い出の中 皆(みんな)生きていたんだね

君が言いかけてた あのときの言葉が解らなくて
もう一度戻れるなら 抱きしめて 心にふれたい

きっと......
サヨナラから始まる日は そっと優しさに包まれて訪れる
君は 振り向かずに歩き始める
遠くない未来 きっとまた会える その後ろ姿に―――

広げた手を青い空に 振りながらそっと涙をぬぐっている
そして巡り会えた君との日々
いつもでもずっと(いつもでもずっと)
忘れずに行くから



175 :LastSeen――:2001/05/29(火) 01:03

Seen Last : 【Epiroge】
Seen Change【墓標の前で】

【Ending Song 終了後】

「ねぇパパ。ママはお空の上で元気にしているかな?」
 麻枝は麻衣の言葉に優しく微笑みかける。
「大丈夫だよ麻衣。だから麻衣はお母さんにいつも笑っていないとな」

「うん。麻衣、お空を見るときはいつも笑うよ。
 どんなに辛くても、どんなに悲しくても、お空を見るときはお母さんが
見てるんだから笑顔でいるんだ」

 麻枝は麻衣の頭を優しく撫でる。
 麻衣はそんな父――――麻枝准と空に向かって一生懸命微笑みかける。

「パパ、大好きだよ!」
 満面の笑顔を向ける麻衣を、麻枝はそっと、だが力強く抱き締めた。
 たった一つの幸せを噛みしめるように――――――


【Seen Change :BlackOut】

   2ch葉&鍵板Present's
   葉&鍵ロワイアル スタッフ編


   Fine


 この物語はフィクションです。
 ここに出てくる人物、社名、団体等は実在の物として存在する物も有りますが、全て
架空の物として扱っており、一切関係有りません。
 実際の個人、法人、団体等に対してここで書かれている内容に関して質問相談等を
されないで頂けますようお願いいたします。

【Seen Change :BlackOut】


176 :旧スレ581:2001/05/29(火) 01:07
>>155-175でございます。

まず......
稚拙な文章で20レス以上使ってしまい、本当に申し訳ありません。


生き残り、麻枝、閂、陣内の3人という設定です。
涼元はタイマンで戦おうとした麻枝の前に中上と殺りあい負傷 後死亡です。
中上は涼元に殺られたという形になっております。
<つまり、殺していない人が生き残った形です

とりあえず、Hゲーのメッセージ部分に入るよう、演出してみました。
本当は、台詞だけで勝負して、シーンに関することは別書きしたかったのですが、
そこまで凝る時間が無くて申し訳ございません。

(まね中盤にノベル形式のように1画面表記指定がありますが、そこはそれという
 感じでお読み頂けると幸いです)


『麻枝麻衣』はスレ内で冗談交じりに出てきたキャラです。
  <閂&陣内VSだーまえ だったかな?
 早苗は、完全にオリジナルです。
 麻枝氏を幸せにしたいというより、Keyというブランド内にいた人が、いろいろ
喧々囂々としながらも仲間意識を持っていた仮定のもと話を作成した関係でこういう
ハッピーエンドを作成してみました。


 それがこっちに上げたくなかった理由は、読んでいただければ解るのですが………

 まさかいたる天使を先に使われると思わなかったと言う点です(^^;;
 考えることが似たような人がいるからまさかとは思っていましたが………
 先出し優先の法則からも、文章能力からも私の負けです。えぇ(ToT)

PS:
七様
あれからチョット手直ししちゃいました。
未完成品を送った形になってしまって申し訳有りません。


177 :麻枝涼元以下略:2001/05/29(火) 01:07
なんですか、このえらい力入ってるのは!?
お疲れ様です、後でじっくり読ませていただきます。

178 :176:2001/05/29(火) 04:01
あぁ、今見直したら誤字脱字の嵐だ………鬱………
見直し甘いぞ俺………

>>148的いえろ〜氏(看板さん?)
>>149的読み手さん
えっと、キャラロワ自体に悲観はしておりません。
むしろ書き手さんの描かれる世界を楽しみにしている位です。

悲しいのはあくまで『一部の』読み手さんです。
『書いてやっているんだから読みやがれ!!』なんて考えて書いている人は
あの中に1人もいないと思いますし、私も当然同意見です。

だからこそ、SSスレは書き手市場で有り続けて欲しいですし、そうだと思っています。

あ、『書き手市場』という単語ですが、これは『書き手がなければ成り立たない』
という根幹の意味から出た言葉です。

たしかに読み手が1人もいないのは寂しいですが、それでも『これを作りたい!』
と思ったら、とりあえず作って見たくなります。
それをたまたま見た人が『おもしろい!』って言ってくれたら、それはどんなに
嬉しいことか………
 それでも私みたいな馬鹿は書きたい物は書き溜めるのですけどね。


>>153さん
あと付けアナザー済みません。
シチュエーションが若干違うのでご容赦下さい。

>読み手がマジになりすぎてる気がしますね
マジになるのは良いのですが『俺らが法律じゃ!!』と言わんばかりの発言がちょっと…

前よりは今の雰囲気ならまだ書けるかなって思います。
殆どの書き手さんが自分と読み手のために書いていますから。


それでも、私はヘタレですのでもう少し静観します。

179 :153:2001/05/29(火) 19:48
ツッコミ所もないわけじゃないですが、かーなり良いと思います。流石。
麻枝氏には、こういう形で幸せになってもらいましたか。
ほんと、おいしいとこ持って行くキャラですな(w

あと、私のも後付けアナザーなんで、わざわざ断り入れなくても(汗)

もう少し、自分の文章に自信持ってもいいんじゃないでしょうか?

もひとつ、どうでもいいツッコミを。
See you〜小さな永遠〜は『MELL & KOTOKO』じゃありませんでしたっけ?

180 :名無しさんだよもん:2001/05/30(水) 01:27
久弥主役の久弥×麻枝執筆中っす。
感化されてます、すげえ良かったっす>旧スレ581氏

手紙とかの伏線張っておきながら、自分全然使ってないのに気付いたので、
折角なので有効利用しようと云う趣旨であり。

181 :名無しさんだよもん:2001/05/30(水) 03:25
はじめまして。
昨日から今にかけて、スタロワ全部とキャラロワ#4までを読みました。
(倉庫にある最初のスレからずっと読みっぱなしでした……ぜーぜー)
正直な話、キャラオワのほうは人数が多すぎて話について行けないですが、
(というか、ちっともキャラが減らない。(^_^;)
スタロワはスタッフの名前ぐらいしか知らない自分でも面白かったです。
アナザーもいい感じですね。
個人的には上にある旧スレ581さんのがトゥルーエンドめいていて気に入っています。

ちゃんとした感想スレもあるようなので、本来ならそちらに感想を書くべきなのかも
しれませんが、あちらは完璧にキャラロワ感想スレみたいなので、もしかしなくても
スレ違いかもしれませんが、こちらに感想を書き込みました。
お気に障りましたら、無視して下さると幸いです。
では。

182 :名無しさんだよもん:2001/05/30(水) 03:30
なんでさげてるのにあがってるんだろう。不思議。

183 :名無しさんだよもん:2001/05/30(水) 08:25
のろろい?

184 :176:2001/05/31(木) 02:28
皆様感想ありがとうございます。
いろいろ自分でもツッコミを入れる箇所を見つけて鬱に入っております。
…サガサナイデクダサイ(^^;………

>>179さん
>See you〜小さな永遠〜は『MELL & KOTOKO』じゃありませんでしたっけ?
これが、正式記述のは『KOTOKO』としか書いて無くて(^^;
でも、179さんが言うとおり、君と出会えた季節が『MELL』さんなので、
たぶん『MELL』さんですね………

サヨナラ俺。
逝ってきます。


185 :麻枝:2001/05/31(木) 04:48
「これでしばらくは大丈夫だと思います」
 まだ痛みはあるが何とか右肩の治療を終え、男――麻枝 准は内心安堵をおぼえた。
「ありがとう。助かったよ、涼元」
「いえ、あたりまえの事をしただけですから」
 そう言って微笑を浮かべる姿は、このような状況下にあっても決して動じてなどいないようにみえる。
 その男はKey内部で『氷の秀才』と評されている男、涼元である。
「ところで麻枝さん。その傷は…誰にやられたんですか?」
 麻枝は少し躊躇したが、「久弥だ…」とだけ答えた。
「そうですか…」
 涼元もそれ以上、詳しく聞こうとはしなかった。
 麻枝は口に出したその出来事を、思い起こしていた。あれは夢などではない。本気で久弥は自分を殺そうとしていた。彼がそのような行動に至った理由に、麻枝は全く心当たりがないわけではなかったが、まさか本当に行動をおこすとは思ってもいなかった。
(よりにもよってこんな時に……いや、こんな時だからこそか…)などと麻枝が一人ごちていると、涼元がその重い口を開いた
「麻枝さん、早くKeyのメンバーを集めましょう。このゲームに乗ったのは久弥さんだけじゃありません。何とかこの島から脱出するためにも…」
だが麻枝の耳には、そんな涼元の声は届いていないようである。まるで心ここにあらずといった様相で、彼は涼元の声を打ち切るようにつぶやいた。
「涼元…久弥は何故、俺を殺そうとしたんだろうな」
 涼元はほんの一瞬怪訝な顔をしたが、
「彼がえらんだ道です。ご自分で察してあげてください」
 と答える。その刹那、ふと涼元の中で(もし久弥さんではなく、私が麻枝さんを殺そうとしたら…麻枝さんはこんな反応を示すだろうか)という疑念が湧き上がるが、すぐにその考えを打ち消した。
(なにを考えているんだ私は。そんな仮定は絶対にありえないじゃないか)
「なぁ、涼元」
 麻枝の突然の声に涼元は、自分の心を読まれたのかと思い内心ビクリとしたが、彼はすぐにそれが思い過ごしだと気づいた。
「もう、久弥とは…かつてのようには…戻れないのか?」
「…彼も子供ではありません。後先を考えずに、めったなことはしないでしょう」
「そうか…」
 そう口に出したきり、彼はまた口を閉ざしてしまった。




186 :麻枝:2001/05/31(木) 04:49
麻枝はかつての久弥との事を考えていた。まだKeyも存在しなかったころ――Leafが台頭している中、まだ弱小だったブランドで…彼らは出会った。音楽を一時断念し、シナリオライターとしての道を選んだ自分。専門学校卒業までシナリオなど書いた事もなかったのに、その負けず嫌いな性格からシナリオライターになった久弥。
あの頃はこんなことになるなんて考えもしなかった。二人とも割り切っていたからだ。自分たちは二人でやっと一人前だと…。
だがもうあの頃には戻れない。少し向きを違えてしまったベクトルは、時間と共にどんどん距離が離れていき、いまではこの有様だった。

数分の沈黙――それをやぶったのは麻枝の方だった。なにかの決意をしたような面持ちで涼元に言葉をかける。
「涼元、早くみんなと合流した方がいいんだろ?急ぐぞ」
「は、はい」
 涼元は麻枝の言葉に驚きを隠せないようであったが、彼はかまわず続ける。
「悪いが肩を貸してくれないか。まだ傷が痛むんだ」
「はい、わかりました」
 そう言い、背中を向ける涼元――麻枝はその無防備な首に、手刀を振り下ろした。
 どさり、という音と共に涼元が崩れ落ちる。
「すまんな、涼元。だが、Leafの連中は一筋縄ではいかない。多分…生きてこの島から脱出することはできないだろう。だったら…」
(いたる、それにみんな…わかってくれるよな)
 きっ、と前を見据えて麻枝は歩き出す。
(久弥が、アイツがこの状況下でも俺と戦おうとしているのなら…)
「俺は、アイツの最後のわがままに付き合ってやるさ。」


187 :久弥:2001/05/31(木) 04:49
久弥は1人の男と対峙していた。男の名はYET11――かつての同志であった。
「YETさん……一つ訊いていいですか」
「ああ、何だ?」
 なんでもない、といったふうに彼は答える。
「あなたはどっちに……俺と麻枝、どっちにつきますか」
 二人のあいだに緊張の糸が張り詰める。久弥はその手に持ったボウガンを無意識のうちに構えていた。
「久弥っ……!」
(何をやってるんだ、俺は……)
なぜ、俺は麻枝を撃ったのか。
なぜ、俺はYETさんにボウガンをつきつけているのか。
狂いきってもなお冷静な意識が、そんな疑問を自分に投げかける。
(決まっている。全ては自分の感情のためだよ。お前は惨めな男だ)
「違う……」
気がつけば、俺は心中のつぶやきを口に出してしまっていた。
(自身の安っぽいプライドの為に、人を殺す。こんな人間が、奇跡の話なんぞ書いてるんだ)
(お前は誰を裏切る前に、すでに自分を裏切ってるんだよ)
(創作に打ち込み、ただキャラを愛していた……)
(昔のお前が見たら、さぞ絶望するだろうよ)
「静かにしろよ……」
汗が、額に滲んでいた。ここに来て、初めての汗。
YETさん、何か言って下さい。答えを下さい。
俺と麻枝、どっちにつくんですか。どっちが優れてるんですか。
(そんな事はどうでもいいだろうに)
「うるさいぞ……」
俺はこの時、初めて気づいた。
押さえても押さえても湧いてくる声は、麻枝の声に似ていると。
「何で、お前にそんな事を言われなくちゃいけないんだ……」
(気がつけよ)
(お前はそんな事をやっている時点で、すでに負けを認めているのと同じだ……)
「麻枝……お前はここまでして俺を追いつめるのか……」
(麻枝じゃない。自分自身だろう?)
「俺…自身だと?」
(そうだよ、もう一人のお前さ)
(お前は麻枝への敵対心から、自分を殺したんだ)
「何…?」
(お前も気づいているんだろう?今のお前が書いている文章は……)
 自分の顔が、瞬く間に激怒の色に染まってゆくのが分かる。
「う、うるさぁいっ!!」
 その瞬間、自分でも何が起こったのか分からなかった。何をしたのかも分からなかった。
自分の中のナニカがはじけ、あらゆる感情を爆発させた。


188 :バトル?:2001/05/31(木) 04:51
しばらくして、久弥は目の前に男が倒れていることに気づく。その男は眉間にボウガンの矢が突き刺さったYET11であった。
「YET…さ…」
 おそらく即死だろう。しかも、殺したのはどう考えても自分。
「俺は…また、殺したのか?」
 久弥の問いに答える者はいない。先ほど心の中から湧いて来た声も、もう聞こえなくなっていた。
「俺は…狂っている…」

 久弥はせめてYETの墓を作ってやろうと、物言わぬ屍に近づく。彼はなんとか自分に冷静を取り戻していた。地面に穴を掘ろうとして片膝をついた刹那、背後に気配を感じて振り返る。そこにいた男は…
「麻枝…」
 たった先ほどまで捜し求めていた男、麻枝 准。自分が彼に向ける感情は、一言では言い表せない。いや、言葉にすることすら無理なのかもしれない。そこをあえて言い表すのであれば、『恋』という単語が最も当てはまるのかもしれない。
「久弥……YETさんを、殺したのか」
(そんな…そんな目で俺を見ないでくれ、麻枝…)
 久弥が心の中で叫ぶ。だが、実際に口から出たのは全く違うものであった。
「ああ、そうさ。俺が殺したんだ。俺の邪魔をしたんでな、楽にしてやったよ」
「久弥…お前、そこまで……ほかの人間を殺すほど、俺を…?」
(違う!これは事故なんだ。俺の意思で殺したわけじゃない!)
「ああ、そうさ。だから今は最高の気分だぜ?いまにもお前を殺してやれるんだからな」


189 :バトル?:2001/05/31(木) 04:52
「……俺をそう簡単に殺せると思うなよ、久弥」
 言葉と共に麻枝が駆け出す。久弥が反射的にボウガンを撃つも、その矢は虚しく空をきるだけだった。すかさず新しい矢をセットし、再び狙いをつけようとするが、
「遅いよ、久弥!」
弧を描くように駆けてきた麻枝が、ボウガンを握った手に向けて蹴りを放つ。乾いた音と共に、ボウガンが明後日の方向へと飛んでいき、地面に落ちる。
「ちっ!」
 舌打ちと同時にその拳を構える久弥。
「これで素手の戦いだ。これでも俺を殺せるのか?」
 バックステップで距離をとり、麻枝が叫ぶ。
(俺は、YETさんも殺してしまったんだ。今更麻枝と和解なんかできるか!)
 

190 :バトル?:2001/05/31(木) 04:54
久弥は、泣いていた。涙も流さず、顔も強張ったままだったが、その心には悲しみという感情しかなかった。それを麻枝に悟られないようにするには、虚勢を張るしかなかった。
「やってやるさ!おまえのせいでKanonはぶち壊しになったんだ!これはその復讐だ!」
今度は久弥が動く。麻枝に近づきパンチを繰り出す、と思わせて左のローキックを放つ。
が、麻枝はそれがわかっていたかのように、右足を上げる。空を切る久弥の左足を、麻枝は思い切り踏みつけた。
「俺がぶち壊しただと?俺はあの企画で、自分にできるだけのことをやった。ぶち壊したのはお前自身だろう。DC版の声優の演技指導、お前は何をやっていたんだ?俺ならもっとましな演技指導をしていたぞ!」
「何ぃ!いきなり切腹とかで、プレイヤーを煙に巻きやがったくせに!」
 至近距離から放った久弥の拳が、麻枝のアゴを突き抜ける。麻枝の体がくの字に曲がるが、なんとか倒れることだけは踏みとどまる。
「キャラだけのシナリオを書いてたヤツに言われたくねぇな!このキャラ萌え野郎が!」
 下から振り上げた拳が、久弥の胸をかすめる。
「うるせぇ!リカちゃん野郎!」
 巻き込むようなエルボーが、麻枝の肩にヒットする。
「昼食二回奢ってやった恩を忘れたのか?」
 麻枝の抜き手が、久弥の顔に向けて繰り出される。
「俺は、13回奢らされたぁ!」
 抜き手が目に突き刺さるが、久弥は構わず麻枝を蹴り飛ばした。倒れている麻枝めがけ久弥の踵が飛んでくる。ごきん、という鈍い音が辺りに響き麻枝の鎖骨が折れた。
「いちいち、数えてんじゃねぇ!」
 折れた鎖骨も構わずに、起き上がりつつ久弥にタックルをする。
「うぐぅっ!」
 苦悶の声を漏らしながら吹き飛ばされる久弥。倒れた久弥の右手に何か固いものが当たる。それは先ほどのボウガンであった。
 とっさにボウガンを拾い、麻枝に向ける。それを見て動きを止める麻枝。


191 :バトル?:2001/05/31(木) 04:55
そのままの状態で十数秒が過ぎたころ、麻枝が口を開いた。
「どうした、殺さないのか?」
 ボウガンを握る久弥の手に汗が浮かぶ
(今、俺は麻枝の命を握っている。だが…)
 手が、動かなかった。
(もう、俺には殺せねぇよ)

 麻枝と久弥が対峙している瞬間、それを遠方から確認している者たちがいた。
「なんや騒がしいから来て見れば、仲間われかい。Keyの連中もたかがしれとんな」
「あれは…シナリオライターの麻枝と久弥ですね」
 それは、Leafの下川と中上であった。
「盗作ライターの変わりにどっちか欲しいとこやが…まぁええわ。連中、こっちには気づいてないみたいやし。殺るで、中上」
「は、はい」
 二人は気配を殺しながら、徐々にターゲットに近づいていった。

「もう、気は済んだか…久弥」
 微笑しながら、麻枝が問い掛ける。
「麻枝…」
 久弥がボウガンを持った手を下ろそうとした刹那、爆竹のような音と共に、その手に鉄杭を打ち込まれたような激痛が走る。
「久弥!?」
 麻枝が咄嗟に久弥を連れ、木の陰に隠れる。と同時に、先ほどまで麻枝がいた場所に再び銃弾が降ってくる。
「ちっ、Leafの連中に見つかったか」
 相手は拳銃、こっちはボウガン。明らかに分が悪い。しかもこちらには相手が誰か、そして正確な位置すらわからない。下手に動いたら蜂の巣になるのは目にみえている。
(全く、最悪なゲームになってきやがった)
 この状況を、二人が無事に切り抜けることは、かなり難しいだろう。
「麻枝……連中の相手は俺がする。お前は逃げろ」
「何を言ってるんだ!手負いのお前を放っていくなんて……そんなこと、できるわけないだろ!」
「どの道、武器を持っていないお前じゃ役に立たん」
「それは…そうかもしれんが…」
と、久弥が立ち上がり、ボウガンを片手に歩き出す。
「麻枝…お前はいたるを守ってやれ…」
「…久…弥?」

192 :バトル?:2001/05/31(木) 04:56
「ちっ、あいつら動かんの。しゃあない、回り込むか」
「いえ、待ってください。一人動き出しました。これは…久弥の方です」
「久弥やな、ワシに殺されたいとはいい心がけや」
 下川は不気味な笑みと共に、その手に握られたトカレフで、ターゲットを射殺する瞬間を夢想していた。

 久弥は木の陰から飛び出すと、麻枝からある程度距離を離して立ち止まった。
「どうした?せっかく出てきてやったのに、殺さないのか?」
 そう叫んだ後、全身の神経を集中して、その時を待つ。
 と、三度目の銃声が響き渡り、左肩に銃弾が打ち込まれる。
「ぐうっ!…だが、そっちの場所はわかったぜ」
 久弥はその研ぎ澄まされた神経で銃声を聴き、そこから相手の位置を把握したのである。

「!?…久弥がこっちに向かってきます!」
「ふん、逝けや!」
 銃弾を2発、3発と打ち込んでいく。が、久弥は全くひるむことなくこちらに向かってくる。
「なんや?あいつは不死身か!?」
 そう言いながら、素早くリロードをする下川。今まで、その愛用のトカレフで何人も殺してきたが、ここまでしぶとく生き残っている人間は初めてだった。そして、その獲物はついに自分たちの目前に辿り着いた。
「し、死ねやぁ!」
 下川の最後の乱射――それを全身で浴びながら、久弥が咆哮する。
「シナリオライター久弥直樹は、とっくの昔に死んでんだよ!」
 そして、血の涙を浮かべた久弥は、もう二度と、口を開くことはなかった。


193 :ロック語:2001/05/31(木) 05:00
>>94
 書きました。疲れました。しかもヘタクソです。
 

194 :名無しさんだよもん:2001/05/31(木) 05:32
>>193
本当にヘタだな。とりあえずコピペはダメ。
あとはもっと文章を書く練習をしましょう。

195 :名無しさんだよもん:2001/05/31(木) 07:41
>>193
コピペは気になったけどラストはちょっとかっこいかった。
本編でいいとこなしだったからね、久弥ちん……

お疲れ様。自分はわりに嫌いじゃないです。

196 :名無しさんだよもん:2001/05/31(木) 13:40
どうでもいいが恋はまずいだろうと思った。

197 :名無しさんだよもん:2001/05/31(木) 18:18
コピペしてたのか?

198 :名無しさんだよもん:2001/05/31(木) 21:04
>>197
>>187はたしか本編のシーンで同じのがあったような。
同一作者さんなら全然問題ナッシングなんだけども。
最後のセリフかっこいいだけに微妙に気になるのさ。

>>196
ワラタよ…

199 :七連装ビッグマグナム:2001/05/31(木) 21:36
旧スレ581氏>
えっと、うちの掲示板の方にはメールで頂いたものを貼った方がいいですか?
それともこっちに書かれたものを貼った方がいいですか?

200 :旧スレ581:2001/05/31(木) 23:27
>>199さん
こっちからコピペする方が楽かと思いますので、それでお願いいたします。
送った文書は恥ずかしい文書と言うことで、後日脅すネタにでもしてください。

いろいろ面倒をかけて申し訳ありません。m(_ _)m

201 :七連装ビッグマグナム:2001/05/31(木) 23:37
>>200
わかりました。
こちらこそ、いろいろご迷惑をお掛けしました〜。

202 :名無しさんだよもん:2001/06/03(日) 20:21
あげとく? やめとく? 

203 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 02:20
あげとく

204 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 11:54
ここ、寂れたねぇ。
リセットしたほうがよくない?

205 :旧スレ581:2001/06/04(月) 13:32
>>204
リセットしてどうしたいの?
最初からスタート?

『今』やり直したら、またキャラロワ見たいな雰囲気になるから個人的には
嫌だな。
まぁ、世の中の流れがあっち向きなのだから、あっちが終わるまでひっそり
ひそひそしててもいいんではないの?

206 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 19:22
リセットしても盛り上がらない気がしますけどね。

207 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 22:35
こっちは良くも悪くもアバウトだった、ゆえに成功したという印象。

特殊能力は原則として無し(ギャグ?としていくつかありましたが)で、
あくまで人間対人間の泥仕合だった気がするから。
現実の人間関係がドロドロしてた分戦いも起こりやすかったように思える。
限られた葉鍵板情報からできてくるキャラが、内輪受けのツッコミを喰らわず
しっかり立ったのもよかったな。

あと、主催もあくまで一会社、本部のガードも突き崩せる範囲、というのも
勝因じゃないかと。ゆえにひっくり返っていった後半は面白かった。
どうやってキャラを殺すか、島から逃がさないようにするかという計算じゃなく、
いかに彼らが生きて死ぬかがテーマっぽく見えたし。

とか今さらのように色々考えてみたり。キャラロワも好きだけどね。
でも荒削り故に輝くってことはあるんだと思う。
今やり直しても、あのリアルタイムで展開が変わっていく興奮は味わえない気がする。

以上。長文。

208 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 22:39
つか、時間軸もこっちはかなりいい加減だったしなあ…

それに中上たんの殺気感知とか涼元ちんのネコ使役とか
鏡像身体?のちゃんさまーとかサッキーの妙な復活とか
いま考えてみれば無茶ばっかの展開だったな。

よく続いたよ。ネタとしてある程度割り切ってたせいか。

209 :名無しさんだよもん:2001/06/04(月) 22:40
二度も長いカキコスマソ。キャラロワネタ練りに戻りまする

210 :名無しさんだよもん:2001/06/05(火) 00:24
>いかに彼らが生きて死ぬかがテーマっぽく見えたし

というより、実は本来はこれがメインになってないとおかしいと思ったり。
キャラロワでもこれをテーマとしてるキャラもまだまだいるが、結界がどうの脱出がどうのって方向だけで動かしてるキャラもどうかと思う。
いいんだけどね。

時間軸は、人数の問題からでしょ。
こっちは30人、あっちは100人。
今のあっちの人数でも、こっちの初期人数より多いわけだ。
だから、時間軸をある程度測っていかないと大破綻をきたす怖れがあるんじゃないか?

グループも小さかったし。
こっちはアバウトというより、いろんな意味で規模が小さかったから成功したんだと思うよ。
向こうは大きすぎだ。
面白いけどさ、それでもね。

211 :名無しさんだよもん:2001/06/07(木) 23:43
向こうは読むのつらくなって来たなぁ…こっちの雰囲気好きだからなおさら。
アナザーの方楽しみにしてるんだけどなかなか書き手さん現れなくて寂しい。
とりあえずあげ。

212 :名無しさんだよもん:2001/06/08(金) 14:40
いまさらなんですが、スタロワの編集者の方。
エピソード36の分が見られなくなっております。
暇があったらで結構ですので、直して頂けると幸いです。
勝手なことばかり言ってしまってすみません。

213 :名無しさんだよもん:2001/06/08(金) 22:34
面白いんだけどね、あっちも。
スタでもキャラでも書いてる人はいるようだが、
あちらは果たして無事に終わるのかが心配だ。



214 :L.A.R.:2001/06/08(金) 23:26
新しいの上がってこないので、近々出来れば何か書いてみます。
いいとこなしだった久弥氏を活躍させてみたいなと。
某作品の某シーンのパロディを考えていますが……どうなんだろ。

215 :L.A.R.:2001/06/08(金) 23:30
ちなみに、どこからのアナザーではなくて、全く新しいシチュで。

出演
久弥直樹、樋上いたる、麻枝准、中尾たん(名前知らん)

216 :「全て」を敵にして:2001/06/09(土) 00:52
 例え世界を敵にしても、愛する人を守り抜く。
 陳腐な言葉だとは彼自身思っていた。
 しかし、今の彼の行動原理はまさにその言葉だった。
 こんな腐った世界から、彼女だけは絶対に助けてみせると。
 久弥直樹は森の中を駆けていた。
 樋上いたるを探すため。
 彼女を、護るために。

「くそっ! どうしてこんな小さな島なのに見つからないんだよっ!」
 『ゲーム』の開始から一日が過ぎた。
 島内は地図を見る限り一周したようだった。
 しかし、直樹はいたるに会うことはおろか、手がかりすらつかめずにいた。
 途中、死亡者の名前を読み上げる放送がかかった。
 そこにはLeafのシナリオライター三人、高橋、青紫、原田の名前が上がっていた。
 一体、どんな物語がそこにはあったのだろう。
 同じ「物語」を創る直樹にも、現実という世界では自分の知り得ることなどたかが知れている。
 少なくとも、自分が創る物語のようにはあって欲しかった。
 せめてもの救いがあって欲しかった。
 そうでないと、あまりにも哀しすぎるから。

 が、そうもいかないからこそ『現実』だ。
 『現実』の中で、自分はどこまで彼女のことを想っていられるのだろう。
 彼女の為に動けるのだろう。
 そんな不安が、直樹の中には生まれていた。
(おいおい、こんなことでどうするよ。
 俺はいたるを守ると決めたんだろ?
 だったら最後まで、通してみろよ)
 弱気になる度、もう一人の自分が励ましてくれる。
 大丈夫、まだ行ける。
 この声が聞こえる限り、まだ――

217 :L.A.R.:2001/06/09(土) 00:56
書きたいことだけさらっと流すつもりです。
そう長くはならないと思うので、最後まで読んでもらえたら、それ以上の幸せはありません。

218 :193:2001/06/11(月) 16:10
>>217
がんばってください。
多分、俺のヤツよりはまともになるだろうし。

219 :名無しさんだよもん:2001/06/11(月) 21:29
>>218
コピペ野郎は来るな。

220 :名無しさんだよもん:2001/06/13(水) 02:17
>>219
粘着に煽るなよ。
もしかしてコピペ部分は自分で書いたところの
リニューアルかもしれないわけだし、一概には
言えないよ。

>>217
続き楽しみにしてます。あーおれも書きたいなーまた。

221 :L.A.R.:2001/06/14(木) 01:40
ネタはともかく、時間がない。
誰か時間ください……。

>>218
久弥の最後の台詞は大好きです。
あまり期待されても、ちと困りますよ(汗)

>>220
時間と余裕とやる気があるなら、是非書きましょう。

222 :いたると出会って:2001/06/15(金) 00:49
 カァァ カァァ

 カモメの鳴き声が聞こえる。
 島の最南端にある波止場。
 箱やら倉庫やらが複雑に並んでいる。
 つまり、道も入り組んでいるということだ。
 全ての道は直線であるものの、周辺には似たような物ばかりある。
 そのため一度入り込むと、現在位置を特定するのは困難だった。
 袋小路もある。
 もしここで「敵」に出会ったら、直樹にとって面倒なことになるのは間違いなかった。
 直樹の支給武器はカッターナイフだった。
 大型ではない。文房具屋300円くらいの値しかついてなさそうな安物だ。
 相手を傷つけることもできる。喉を斬れば致命傷にすらなる。
 だが、相手が殺る気になていたらどうだろうか。
 銃を持った相手にはまず勝ち目はない。
 格闘になっても、この武器はリーチが短い。
 刃をのばせばのばすほど、刃を叩き折られる確率は高くなる。
 それに直樹には、格闘で相手に勝る技量を持っているつもりなど全くなかった。
 運動は苦手なのだ。

 ならば何故、こんな所にいるのか。
 答えは何よりも単純だった。
 灯台の上から双眼鏡で波止場を見下ろしていた時、見つけたのだ。
 たいせつなひと。まもりたいひとの姿を。

223 :いたると出会って:2001/06/15(金) 01:15
「いたるーっ! どこにいるんだっ!!
 僕だっ! 久弥だ!!
 頼むから、返事をしてくれよっ!」
 大声で呼び掛ける。
 声は響く、が、返事はなかった。
「まったく、どこなんだよっ!
 ってもしかしたら、ここにはもういないかもしれないな……」
 それでも諦めずに探した。
(もしもういないとしたって、今から別の場所に探しにいっても見つからないだろう。
 だったら、賭けてやる。まだ、ここに彼女はいる)
 同じ場所を何度も彷徨っている錯覚を覚える。
 いや、ひょとしたら錯覚じゃないのかもしれない。
 それでも今は、走るしかない。
 それ以外に方法はないのだから。

「……これは……血か?」
 どのくらい走っただろうか。
 コンクリートの地面に、赤黒い染みを見つけた。
 周りを見渡すと、同じような跡がいくつか。
 誰かが血を流しながら歩いているということは、容易に推測できた。
 そして、それはきっといたるであることも。
 触れてみる、手につかない。
 当たり前だ、この暑さですぐに乾いてしまうに決まっている。
 太陽を見上げる。時間は正午前。
「北……港の入口はあっちか?
 ということは、こっちに追っていけば……!」
 進むべき方向を決め、再び走る。
 彼女の無事を祈りながら。
 夏の、陽炎の中を。
 血痕を追って、ただ走る。

224 :いたると出会って:2001/06/15(金) 01:20
「……ハァ、ハァ……
 ……ここか?」
 血痕は、ある倉庫裏口の前で途切れていた。
 入口のとってに手をかける――鍵が閉まっていた。
「いたる、久弥だ!
 そこにいるんだろう!? 無事を確かめたいんだ!! 会いたいんだ!!
 頼むから開けてくれ!!」
 少しの沈黙。
「……久弥、君?
 久弥君なの?……」
 声が聞こえた。
 間違いなかった、彼女の声だ。

 ガチャ

 ドアが開く。
 いたるが、顔を覗かせていた。
 怯え、震えていた。
 小動物のような瞳に涙を浮かべながら、直樹を見上げた。
「久弥……くん……」
「ようやく、会えた」
 直樹は満面の笑みを浮かべた。
 目の前にいる愛する人を安心させるように。
 いたるを救ってあげられるように。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 泣き叫びながら、いたるは直樹に抱き着いた。
 直樹は静かに抱き締め、いたるの髪を撫でる。
「もう、大丈夫だよ……」

225 :L.A.R.:2001/06/15(金) 01:35
似たようなネタばかりやってるなぁ。って知ってたけど改めて愕然。
「う、うわぁぁぁぁぁぁん!!!」っての前にも書いたぞ、どこかで。
他にも書いた文章、まんま前に書いた覚えがあるのあるし。
引き出しと語彙力少なすぎぃ。未熟者め。

226 :名無しさんだよもん:2001/06/15(金) 02:21
>>225
続きはあるの?
てか、地の文で直樹って書かれるの新鮮で動揺。
妙に二枚目の香りが。偏見か。

227 :L.A.R.:2001/06/15(金) 02:40
>>226
続きはあります。
えっと、エピローグ含めてあと5パート(タイトル計算ね)予定です。
また無駄に長い気がするけど……いいや。
やはり早く書き上げた方がいいでしょうか?
「直樹」は……だって地の文で「久弥」って書くより、「直樹」の方が絶対に良い響きだと思うのですよ。
「直樹」に合わせ、麻枝も「准」でいきます(w
中尾は名前わからんから、中尾ですけど。

この話、結局はパロディなんですよね、一応。

228 :名無しさんだよもん:2001/06/15(金) 03:10
や、じっくり書いてください。是非。はい。
しかし鍵ネタ多いですよね。
葉も悪くないと思うんですが、ネタにしやすいのはこっちなんだよなー。
なんでだろう。
単純に住人の萌えの質の問題なのかもしんないですが。

229 :名無しさんだよもん:2001/06/15(金) 04:27
いいかんじにマターリしてるね…

230 :176:2001/06/15(金) 23:12
>L.A.R. さん
ゆっくり納得するまで書き上げてみてはいかがですか?
ここはせかす人ももう居ないでしょうから。

私も地味に最愛の折戸氏で1案考えている所です。

231 :名無しさんだよもん:2001/06/16(土) 01:54
ここままだと週末にdat逝きなのでage

232 :中尾と戦って(1):2001/06/16(土) 02:25
 いたるは直樹の胸でひとしきり泣き、落ち着きを取り戻したようだった。
 それを確認してから、思い出したかのようにいたるの様子を見る。
「いたる、左腕、怪我してるじゃないか。
 ちょと見せてみろ」
「うん……」
 左腕、肩に近いところに、刃物で刺された傷痕があった。
「消毒薬なんて持ってるわけないし、水で洗うか。
 少し我慢してくれよ」
「ん、わかったよ」
 鞄の中からペットボトルを取り出す。
 コンビニで売っているような物だ。
 4本入っていたが、2本はまだ開けていなかった。
(飲み過ぎないでよかったよ)
 封を開けて傷口を洗う。
 そして包帯――これも支給品だ――で傷口が開かないようにした。
 正しい巻き方なんてわからなかったが、何もしないよりはマシだった。
「こんなものか。というか、こんなことしか出来ないけど」
「ううん、ありがと、久弥君」
 弱々しく笑う。
「傷口、洗った時痛かったろ。
 よく我慢したな。偉いぞ」
 言って、いたるの頭を撫でた。
「もう、子どもじゃないんだから……」
「で、誰にやられたかわかるか?
 どんな奴だった?」
 いたるが一応は無事だとわかれば、次の問題はそこだった。
 誰か知らないが、いたるを傷つけた。
 今まで普通の生活を送ってきた人間が、いきなりこんな状況に放り込まれたのだ。
 混乱し、また「やる気」になっている人物がいても不思議ではない。
 だがそれでも、いたるを傷つけた誰かを、直樹は許すことができなかった。
 それ以上に、守ってやれなかった悔しさの方が大きかったのだが。
「わからない。知らない男の人。
 だけど……怖かった、気味が悪かったよ……」
「気味が悪い?」
 怖いのはわかるが、気味が悪いとはどういうことだろうか?
 異常者か、電波の類いかと、直樹は思った。
 いたるは自分の体を抱き締め、続けた。
「なんていうか、その人、私のこと知ってるの。
 『いたる、僕のいたる。ようやく見つけた。どこに行ってたんだい?』
 そんなこと言うんだよ?」
 いたるの脳裏に、その時の光景が蘇った。

233 :中尾と戦って(2):2001/06/16(土) 02:26
「私、全然知らないの、あの人のこと。
 それなのに、向こうは私を知ってて、あんなこと言って。
 腕をつかまれたから、振りほどいたの。
 そしたらいきなり怖い顔になって、ナイフで刺してきたんだよ!
 私が悲鳴あげたらその人うろたえて、言ったんだよ。
 『ごめんね。痛かったかい。でも、大人しくできないいたるが悪いんだよ?』って!
 ねぇ、何よ! 何なのよあの人!
 変質者なの!? どうして私――」
 いたるはあの瞬間を完全に思い出し、再び取り乱した。
「いたる、落ち着け!」
 直樹がいたるの肩をつかむ。
「ごめんな、思い出させて。
 もう大丈夫だ、僕がいる。僕が守るよ。
 僕だけじゃない、皆を探そう?
 皆一緒にいれば大丈夫だ。帰る方法も、きっと見つかる」
「……ほんと?」
「あぁ、本当だよ」
 その言葉に安心したのか。
 体の力がふっと抜けた。
「ありがと、久弥君」
 とん、と直樹の胸に頭を乗せ、言った。
 この瞬間、改めて直樹は思うのだ。
 最後まで、愛おしいこの女性を守り抜こうと。
 自分の命尽きるまで――

234 :中尾と戦って(3):2001/06/16(土) 03:05
「!?」
 次の瞬間、直樹に緊張が走った。
「どうしたの?」
「しっ! 誰か来る! 外だ!」
「え……? 特に何も……」
「静かにっ!」
 いたるにはわからなかった。
 それもそのはず、直樹もこれといった異変を察知したわけではない。
 つまり、勘だ。
 根拠もなしに不安を煽るようなことを言うべきではないことはわかっていた。
 だが、それでも言わずにいられなかった。
 それだけの予感がした。
 しかも悪い予感だ。とてつもなく、嫌な――
 そしてそれは、当たってしまった。

「いたる、みぃつけた。
 ここにいるんだろ、ねぇ、いたる?
 おいかけっこは、もう、おわりだよ?」

 二人の中を悪寒が走り抜けた。
 子どものように、無邪気な言葉。
 この先にいるのは、間違いなく狂人であると、直樹は確信した。
 吐き気がする。人の持つ根本的な恐怖と嫌悪感を呼び起こすような、声。
 そして、これはおそらく――
「あの人だ……」
 いたるが呟く。
(やっぱりか……)
 直樹はただ、頭を抱えるしかなかった。

「ねぇ、かぎがかかってるよ?
 あけてくれないかなぁ?
 そうじゃないと――」
 ドンッ、と銃声が響いた。
 ドアノブの周りに一つ、穴が開いている。
「むりやりあけちゃうからね?」

235 :中尾と戦って(4):2001/06/16(土) 03:15
「落ち着け、とりあえず落ち着いてくれよ」
 声も出ず、ただ震えているいたるを後ろにやりながら、倉庫の中を見渡す。
 広い空間。倉庫の割に、障害物が殆どない。
 窓はないこともないが、高すぎてとても出られる位置にはなかった。
 他の出入口……。
「いたる、他に出口はあるか?」
「う、ううん。シャッターはスイッチで開けるみたいだけど、電気が通ってないから。
 裏口がたまたま開いてて、そこから入ったから。
 他に出口は、ないよ……」
「そういえば、いたる、荷物は?」
「ごめんなさい、襲われた時に、焦って落としてきちゃった……」
「そうか……隠れる場所は、今度から選べよ!」
「ご、ごめんなさい」
「いや、責めているわけじゃないんだ」
 焦っている。
 逃げ道も、障害物も、ついでに使えそうな武器もない。
 そして相手は銃を持っている。
 状況は、限りなく最悪だった。
(だからって、いたるに当たっても仕方ないだろうに。
 落ち着け……直樹……)
 銃声は今も響いている。
 見た所、ドアはそんなに丈夫ではなさそうだった。
 破られるのも時間の問題。
 いつまでも、こんな目立つ所で立っているわけにはいかなかった。
(最初の試練が、最大の難関かよ!?)
 いたるだけでも、無事に助ける方法。
 とっさに思い付いた二つのプラン。
 一つはドアが開けられた瞬間に襲撃をかける。
 直樹は人を殺す覚悟は出来ていた。
 こちらにも一応カッターナイフはあるのだ。
 しかし、一瞬で仕留められなかったらおしまいだ。
 至近距離から銃で狙われたら助かる確率は低い。
 死ぬ間際に乱射でもされて、いたるに当たったりする可能性もある。
 よって、これは却下された。
 もう一つの案――自分が殺される確率は高いし不安要素もある。
 が、他に方法はないからこちらに賭けるしかなかった。
 今まで小声で会話をしている。
 相手には聞こえてないだろう。
 直樹はそれを信じて、脱出プランをいたるに告げる。

 そして、ドアが開けられた。

236 :L.A.R.:2001/06/16(土) 03:22
まだ続く……けど、課題をやらないといけないので、今日は終了。
今にして思えば、二人は中尾の名前知らないんだった。
タイトル失敗。

>>228
葉はあまり詳しくないんですよね。
所詮は妄想なんで書けないこともないんですけど、鍵のほうが書き易いです。
妄想のネタにしやすい(w

>>230
そうかもしれませんけど、やっぱ一度書いてしまった以上、放置しておくのもどうかと思うので(汗)
文章の推敲はあまりやってないです。
始めて流して書いたのが大抵ベストで、あとは微妙に修正を。
あまり気付かないんですよ。
上げてから「ここ、こうすりゃよかった」ってことは多々ありますが。


あぁ、眠い。

237 :名無しさんだよもん:2001/06/16(土) 03:26
中尾の本名は佳祐だったはず。
2.14スレの人名辞典から引っぱって来たッス。

238 :L.A.R.:2001/06/16(土) 03:29
お、情報どうもです。そうか、佳祐か……。

239 :中尾と戦って(5):2001/06/20(水) 01:10
「誰だ、お前は?」
 ドアが半分程度まで開かれたと同時に、直樹はその人影に声をかけた。
「? いたるは、どこだ。
 僕のいたるは、どこだ?」
 直樹の問いには答えず、それだけを訊く。
 薄暗い倉庫の中、人影の顔がわずかに見えた。
 その顔は奇妙にねじくれており、あえてその表情に名前をつけるなら、
(愉悦……か。気色の悪い……)
 直樹にはその顔に見覚えがあった。
 スタート地点で呼ばれた名前と顔をおぼろげながらに覚えていた。
(中尾佳祐と言ったか……中尾……。
 そういうことか。552文書の、奴か)
 ネットに流れた秘密文書。
 その中に、いたるに対し異常とも思える感情を表している人間が、いた。
(確かに、変質者だな。だが、こういう奴ほど……)
 直樹が取った作戦の前提条件、それは相手がいたるに対する以上な執着心を持っていること。
 直樹は行動に出た。
 佳祐が喋り始めてから、わずか数瞬のことであった。

「いたる? さっきまで、いたよ。
 だけどもういない。この世には、だけどな」
 直樹は大声を張り上げた。
 相手の注意を、できるだけ、引き付ける。
「俺がここに入ったら、あいつ隅の方で震えてやがってなぁ。
 あのままブチ殺すのもつまらねぇから、殺る前に楽しませてもらったよ」
 佳祐の顔から、一切の表情が消え失せる。
 一歩、一歩、直樹は佳祐に近付いてゆく。
 片手にカッターナイフを持って。
「思ったよりもいい声で啼いてくれたぜ?
 中尾さん、死体くらいならあんたにもくれてやる。どうだ?」
 歩を止めた瞬間だった。
「あ………あぁぁあぁぁぁぁああぁぁああっ!」
 手に持った銃を投げ捨て、直樹におそいかかる。

 直樹の作戦は、成功した。

240 :中尾と戦って(6):2001/06/20(水) 01:28
 この倉庫のドアは非常に特殊で、内側に開く構造になっていた。
 佳祐がドアを開ける前に、いたるはドアの横にいた。
 ドアが開いた瞬間、ドアに体が隠れ、完全に佳祐の死角に入ったのだ。
 もしも、佳祐が完全にドアを開けていたなら。
 もしも、ドアを閉めてしまったなら。
 そうではなくても、気付かれる可能性はいくらでもあった。
 だから直樹は、自分の方に注意を引き付けた。
 佳祐を煽り、自分に襲い掛かるように仕向けた。
 ここでも不安要素はいくらでもある。
 だが銃を持った狂人からいたるを無事に逃がすには、最後には賭けしかなかった。

 直樹は、賭けに勝った。

 佳祐が直樹に飛びかかる。
 いたるはその隙に、気付かれないように倉庫の外へ出た。
 待ち合わせ場所など決める余裕はなかった。
 ただ、直樹の無事を、また生きて会えるよう祈るしかなかった。

 倉庫から出るいたるの姿を捕らえた男がいた。
 弾丸が一発しか入っていないベレッタを構え、舌打ちをする。
 しばらく彼女の後ろ姿を見つめていたが、やがて視線を倉庫に戻す。
 中では、直樹と佳祐の戦闘が展開されているところだった。
 彼は思う。
 残された弾丸を使う相手は、できれば佳祐の方がよかった。
 直樹には、佳祐の手にかかって死んでほしかった。
 自分の手で仲間を殺すのは、ゲームに乗った彼にとっても、気分のいいものではないのだから。

241 :L.A.R.:2001/06/20(水) 01:29
えーっと……なんというか。
ツッコミだけは勘弁してください……。

242 :名無しさんだよもん:2001/06/20(水) 03:35
下がりすぎなのでage

243 :名無しさんだよもん:2001/06/20(水) 03:41
仲間を撃つのに逡巡してるだーまえちん萌え〜

下の名前で書かれると本物の顔が浮かばなくて
よんでてラクですね(w
ヒソーリ読んでるのでヒソーリ続けてくださいまし

244 :名無しさんだよもん:2001/06/20(水) 03:48
>>243
ネタバレするなよぅ。

245 :名無しさんだよもん:2001/06/24(日) 03:13
危機感age

246 :名無しさんだからね:2001/06/24(日) 03:28
こみぱ漫画由宇と瑞希以外全然出番無い………

247 :憑っ子:2001/06/25(月) 15:03
!?

248 :名無しさんだよもん:2001/06/29(金) 01:22
あげ

249 :名無しさんだよもん:2001/06/30(土) 10:25
L.A.R氏の久弥話の続き希望。

しかし本編分岐でない完全アナザーって結構面白い企画。
他の人のも見てみたい。
というか、ここ見てる書き手の皆さんこっちもネタ思いついたら書いて欲しいです。

俺もたいがい、この企画で生まれた架空の実在人物が好きくさいですな。
現実とは往々にして違うんだろうけど、彼等は「生きて」いたと思うので。
うん、ほんと、好きなんだな。

250 :L.A.R.:2001/07/01(日) 19:00
>>249
最低でも、水曜日まで勘弁してください。
申し訳ありませぬ……。

251 :名無しさんだよもん:2001/07/04(水) 12:07
age

252 :名無しさんだよもん:2001/07/08(日) 03:39
延命age

253 :名無しさんだよもん:2001/07/12(木) 20:58
期待あげ

254 :名無しさんだよもん:2001/07/12(木) 22:55
というか、他の書き手様は……。
話の途中だからって上げ躊躇してるのか、それともネタがないのか……。

255 :中尾と戦って(7):2001/07/15(日) 00:24
「がぁぁぁっ!」
 直樹の顔面をめがけ、佳祐の右ストレートが飛ぶ。
「くっ!」
 辛うじて左手で受けとめることができた。
 しかし、今度は左手が腹にめがけて放たれた。
「がはっ!」
 その一撃は綺麗に決まり、直樹は膝を折った。
 続いて蹴りが顔面に入りそのまま直樹は倒れ混む。
 直樹の今までの人生でトラブルは何度もあったが、暴力沙汰に至ったのは物心ついてからはそれほどない。
 ある意味健全に生きてきたせいで、喧嘩慣れしていないのだ。
 佳祐にしたってそれは同じこと。
 その状況下では『先手必勝』『攻撃は最大の防御』という言葉が実に生きてくる。
 身を持って、直樹は実感していた。
「くぅ……」
 立ち上がろうと体を起こしたところに、再び佳祐の蹴りをくらう。
 立て続けに繰り出される攻撃に反撃することも適わない。
 殴り合いとは無縁のところで過ごしてきた、素人なのだ。

 体中が痛む。
 今はまだ致命的な怪我は負っていない。
 しかしそれも、いつまで持つのかわからない。
 既に時間の問題だった。
 ひょとしたら、このまま殺されるかもしれない。
 それも仕方のないことだろうか。
 最後に、いたるを助けることができて、よかった。

(よかった……?
 本当に、そうなのか)

 また、あの『声』が聞こえてきた。

256 :名無しさんだよもん:2001/07/15(日) 00:28
今まで先延ばしにしてきたのは、自分が心理描写しか書けないヘタレだから。
心理描写もキチンとできてるかというツッコミはさておいて……。
要は、何度やっても戦闘シーンが書けなかったのですよ。

だからもう、戦闘は諦めました(←ヘタレすぎ)

今日中にまだいくつか上げます。
これ上げちまえばもう後戻りはできないので(w

見捨てずに根気よく読んでくださる方々。
あなた達は、私の救いです。
大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが、それでも、ありがとうございます。

257 :n.n.t.:2001/07/15(日) 02:01
>>256
仮想戦記スレッドで細々とネタ書いている者です。密かにROMってたりしていました(苦笑)。
続き楽しみにしてます。完結したら感想書き込みますね〜。

258 :L.A.R.:2001/07/15(日) 03:11
n.n.t.氏>
ぐは……大御所じゃないですか(汗)
仮想戦記は確か私は完全読み手だった気がしますが、氏の文章には感銘を受けました。
ありがとうございます。
プレッシャーもかかりましたが、自分の思うように話を作っていきたいと思います。

と言っても、あっさり先読みされそうな気がします(汗)

ってか、マジで驚いた……。
日本語変だし、この私の書き込み。

259 :中尾と戦って(8):2001/07/17(火) 00:09
(ここでお前が死んだら、この狂った島で誰がいたるを守る?
 まさかkeyの仲間をあてにしているわけじゃあるまい)
(皆いい人達だ、信じるに値する)
(仮にそうだとしてもだ、いたるが彼等と合流できずに死ぬ可能性も多々あるわけだ。
 あいつに、人を殺せるわけはないだろう)
(……)
(まったく、お前にもわかりきってることだろうに。
 折角いたると会うことができたのにな。
 これしきのことで挫けてるようだから、お前は麻枝に――)

 ――勝てないんだよ――
 ――いつでも自分の信念を貫き通すことの出来る、あいつに――


(畜生……)

 腕に力をこめ、起き上がろうとする。
 ガラ空きになった腹を佳祐が蹴り上げる。
 嘔吐感。だが、
(そうだ、それでいい。
 蹴り上げられた衝撃を利用して、後ろに転がる。
 そうすると一瞬だが、中尾の攻撃が当たらなくなるんだ。
 距離が離れたから、奴は再びこちらに飛びかかってくるだろう。
 そこで――)

260 :中尾と戦って(END):2001/07/17(火) 00:10

 直樹は勢いよく起き上がる。
 今、出せる力の全てをこめて、瞬時に起き上がる。
 間を詰めてきた佳祐と直樹が交錯して。
 直樹の右手に握られたカッターナイフが、佳祐の腹に深々と突き刺さっていた。

「がぁぁぁぁぁっ!?」
 苦痛の声を上げつつも、佳祐は直樹を殴り飛ばした。
 後ろに吹っ飛ばされながら、刺さったままのカッターナイフを振る。
 佳祐の腹を少しだけ切り裂いた所で刃が折れた。

(だが、それでいい)
 悲鳴を上げて、佳祐が走り去る。
「くっ、待てっ!」
 だが今の一歩踏み出したところで、直樹はそのまま意識を失った。

261 :名無しさんだよもん:2001/07/17(火) 00:13
三行表示ADVのように短文連発形式で描写の踏み込みも甘過ぎるため、私の書いたのには常に改行エラーが。
嫌いです。

262 :違う道を選んで(1):2001/07/17(火) 23:18
          ――戻りたい――
      ――皆と一緒だったあの日々に――

    ――完成したシナリオをお互い交換する――
  ――僕には僕の、あいつにはあいつの良さがある――
 ――シナリオの方向性については違う道を選んだ僕達――
           ――だけど――
        ――僕達は、親友だった――
      ――僕は今も、そう思っている――


 どれくらいの間意識を失っていただろうか。
 数秒にも、数時間にも思えた。
 ただ目を覚ました時に佳祐の姿はなく、彼の使っていた銃が倉庫に落ちているだけだった。
 直樹は慌てて飛び起きる。傷は痛むが、なんとか堪えることはできそうだった。
 銃を拾い、倉庫から出る。
 真夏の太陽の光が眩しかった。

 夢を見ていたように思える。
 いたるの夢だはない。
 志は違えど、同じシナリオライターとして苦楽を共にしてきた同僚、親友。
 胸騒ぎがした。
 悪い予感は、当たるのだ。

「よぉ、久弥……」
 倉庫から出た直樹に声がかかった。
 真夏だというのに、蝉の声一つ聞こえない。
 完全な静寂の中で、直樹と准は再会した。

263 :違う道を選んで(2):2001/07/17(火) 23:51
「随分とボロボロじゃないか。
 ま、何にせよ、生きててよかったよ」
 准は右手に銃を一丁持っていた。トリガーに指はかかっていない。
 やる気ではなさそうだった。それはひとまず久弥を安心させた。
 だが准の言葉に違和感を感じる。その表情にもだ。
 それが何なのかはわからなかったが、今の直樹にそれを気にする余裕はなかた。
「お前の方こそ、無事でよかった。
 ところで麻枝、この辺でいたるを見かけなかったか?
 あと、妙な男」
「……いや、悪いけど俺は見てない」
「そうか、早くいたるを追わないと――」
「なぁ、久弥」
 准は直樹の言葉を遮った。
「お前、今、何を目的として行動している?」
「僕か? ……とりあえず、皆を探して合流しようかと思う。
 そして何とか脱出する方法を――」
「嘘、ついてるだろ」
 またしても遮られた。
 直樹は確かに全てを語ってはいなかった。
 准に告げたのも目的の一つだが、究極の目的はそこじゃない。
 いたるを守ることなのだ。
「まぁいい。
 なぁ、久弥。どうしてそんな簡単に他人を信用できる?
 どうしてそんなに前向きでいられる?
 殺し合いはもう始まってるんだ、人が死んでるんだよ。
 最後まで生き残った奴だけが助かるんだ。
 現実の人間はお前の作る『お伽噺』の中の人間じゃないんだ。
 殺さなければ、殺される。俺は、自分の命が惜しいよ。
 現実的なんだ、俺は」
 待て。おかしい、何か、変だ。
「俺にはそこまで、人を信じられないよ――」

 准は、笑った。
 それは悲痛な笑顔。

264 :違う道を選んで(3):2001/07/18(水) 00:05
 笑顔と同時だった。
 それが流れたのは。

『これから死亡放送を流す。まず――』


 なん、だって……?
 今、確かに馴染みのある名前が聞こえた。
 そう、三つだ。
 独立してkeyというブランドをたてた、その初期メンバー。
 折戸、しのり〜、みきぽん。
 聞き間違いではない、確かに、呼ばれていた。
 呼ばれてしまった。
 目の前が一瞬真っ暗になり――深遠の底に吸い込まれる寸前で、持ちこたえる。
 現実が目の前に横たわり、その向こう側には、麻枝の笑顔。
 頬には、一筋の雫。
 焼けたコンクリートに、跡を作った。
「……まさか、麻枝……?
 ……お前、まさか……」

 麻枝が口を開いた。
「俺は、こんな中で人を信じられるほど、夢想家じゃないんだよ」
 その瞳から、さらに大粒の涙が溢れ出す。
 違和感の正体が今、わかった。
『生きててよかったよ』
 そう、こいつは言った。
 今思えば、全然そんな気持ちは汲み取れなかった。
 そして、あの表情。今の涙。
 これはきっと、僕を殺すことへの、哀しみ?


 一緒にいることより、違う道を選んで。
 そして、同じ、この空の下。

265 :名無しさんだよもん:2001/07/19(木) 15:19
麻枝age

266 :名無しさんだよもん:2001/07/23(月) 13:32
見ていることをさりげにアッピール。続き期待してます。

267 :名無しさんだよもん:2001/07/23(月) 16:48
ヒール麻枝age

268 :名無しさんだよもん:2001/07/24(火) 07:07
シナリオが死をはらむ事が多い麻枝がこうなるか…
イイな。

269 :名無しさんだよもん:2001/07/28(土) 10:55
密かに続ききぼんぬ。

270 :書き手:2001/07/29(日) 13:58
ゴメンナサイ、都合で10日間も留守にしてました。
出かける前に全部書き上げたかったのですけど無理でしたね。
しばらく忙しいのでいつ上げるかわかりませんけど、今度上げるときはラストまで上げますので……。

271 :名無しさんだよもん:2001/07/30(月) 02:57
危うくdat落ちだった…恐ろしい。
>>270 待ってます。

そういやスタロワ総集編同人ってどうなったのよ?

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